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鳩山首相と仲井真知事の会談録(沖縄タイムス) http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/826.html
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-05-23_6710/ 鳩山由紀夫首相と仲井真弘多知事との会談内容は以下の通り 仲井真知事 「お忙しい中、遠くまでおいでいただきまして誠にお疲れさまでございます。私ども、総理が5月4日にお見えいただいて、その時に普天間の飛行場の件が、一部県内の負担といいますか、残るだろうというご趣旨の発言を。私は直接伺ってなかったんですが、報道そのほかでお聞きをいたしました。それからまた5月15、16日のいろんな県内でのですね、県民の反応、動きというのはかなり実はきつい反応がございます。そういうことで、きょうはこんな朝、お休みのところ朝早くからおいでいただいて恐縮ですけど、ぜひ政府のですね、総理の考えておられること、そしてわれわれもマスコミの皆さんの報道でしか知りませんが、いよいよ日米両政府で合意に近づきつつあるということを報道でしか知りませんので一つ、可能な限りご説明いただければありがたいと考えております。ただ、この報道の方向ですと、率直に申し上げて県内では大変な実は失望感が出ておることも事実です。そういうこともまた後で申し上げたいと思いますが、一つ今日は総理のお考えを聞かせていただければということでお待ちしていました。よろしくお願い致します」 鳩山首相 「仲井真知事はじめ、県庁の皆さま方に、このように再びお目にかからせていただくことができて、大変ありがたく思っております。5月の上旬に一度お邪魔させていただきました。その折にも沖縄の県民の皆さま方におわびを申し上げたところでございますが、『普天間』の返還というものを含んで、沖縄の皆さま方のご負担をできる限り軽減を申し上げたい、あるいは『普天間』の周辺の皆さま方のさまざまな危険をできるだけ早く除去申し上げたい、と。このような思いのもとで政府の考え方を、さまざま模索をしてまいったところでございます。今、仲井真知事からお話がございましたように、日米の間で今ぎりぎりの交渉を行っているところでございます」 仲井真知事 「どうぞ、お掛けいただけませんか。どうぞ」 鳩山首相 「それも失礼かと」 仲井真知事 「いえいえ、どうぞ」 鳩山首相 「座って恐縮でございます。ぎりぎりの交渉中でございますが、最終的なところにはいたってはおりませんが、かなり詰まってきているところもございます。今日は政府の考え方を率直にお伝えを申し上げ、また、沖縄の皆さま方にご負担もお願いしなければならないというところも正直にお伝えさせていたただきながら、この交渉の経緯ではございますが、正確にお伝えを申し上げなければなりませんので、私の考え方を正確に伝えさせていただきたいという思いで、読み上げさせてもらえればと思っております。この今、冒頭に申し上げましたように政府の取り組みの目的は、沖縄の皆さま方の負担の軽減と危険性の除去でございまして、それをどう実現するかということでございます。そのための最も確実な方向は、普天間の飛行場の県外の移設であると、そのように考えて政府はその可能性を真剣に探ってまいったところでございます。与党3党で沖縄の基地問題検討委員会をつくって、政府与党あげて努力を申し上げてまいってきたのもその一環でもございます。ただ、国内および日米の間で協議を重ねた結果、普天間の飛行場の代替地そのものはやはり沖縄県内に、より具体的に申し上げれば辺野古の付近にお願いせざるを得ないという結論に至ったところでございます。代替施設の詳細を決める際には、言うまでもありませんが住民の皆さま方の暮らしや、あるいは環境への影響というものに最大限配慮をいたすことは当然でありますので、地元の皆さま方ともしっかりと協議をしながら進めてまいらなければいけないと考えています。このことは言うまでもないことだと思っています。この方針というものは、人口密集地にございます、普天間の飛行場の返還を実施するために、どうしても代替施設を探していかなければならないという現実を踏まえて、断腸の思いで下した結論でございます。これに伴いまして、普天間の飛行場の返還や、あるいは海兵隊員の8000人余りのグアムへの移転など、従来の日米合意を確実に実施するよう、日米で再確認することは、これも言うまでもないことでございます。私はこれまでぜひ、『普天間』の代替施設は県外にと考えて、実際にそれも追求してまいったわけでございます。それがなぜ県内なのだと、皆さまのご懸念、お怒りはもっともなことだとも思っております。これは昨今の朝鮮半島の情勢からもお分かりだと思いますが、今日の東アジアの安全保障環境にまだ不確実性がかなり残っているという中で、海兵隊を含む在日米軍全体の抑止力を現時点で低下させてはならないということは、一国の首相として、安全保障上の観点から、皆さま方に、低下をさせてはならないと申し上げなければならないことでございまして、その上で普天間の飛行場に所属をしております海兵隊のヘリの部隊を沖縄に存在するほかの海兵隊部隊から切り離して国外はもちろん、県外に移設をすると海兵隊の持つ機能というものを大幅に損なってしまうという懸念がございまして、従いまして現在の、現在のでありますが、安全保障の環境のもとで代替地は県内にどうしてもお願いせざるを得ないという結論を私どもとすれば結論になったのでございます。私自身の言葉、できる限り県外だということ、この言葉を守れなかったということ、その結論に至るまで、その過程の中で、県内の皆さま方に大変混乱を招いてしまいたしたことに対して、心からおわびを申し上げたいと思っております。ただ、政府の今回の決定というものは、沖縄に在日米軍基地の約75%が集中している現状を放置するということでは決してありません。今は基地そのものが無理でも、基地の機能は分けても沖縄で行われております米軍の訓練をできる限り県外に移していくことによって沖縄の皆さま方の負担と危険性の除去の実をあげていくことは、大変大事だと思っております。訓練の移転には、日米で、共同で行うものと、それから米軍単独のものが考えられるわけでありますが、もとより訓練移転をすべて万能視するつもりはありませんけれども、沖縄の危険性の除去、あるいは騒音の軽減にそれなりに一定の効果はあろうかと思っています。県外への訓練移転を促進するためには、一時的であってもほかの自治体が、米軍などの訓練を受け入れることが当然必要でございます。27日に全国知事会開くことにいたしておりまして、個々の知事の皆さん方に対して、沖縄の皆さま方のご負担を全国で受け止めていただけるように協力をお願い申し上げたいとも思っております。ただ同時に、沖縄県外に住む日本の国民の皆さん方に対しても、基地問題と安全保障の問題について自分自身のこととして考える機会をぜひ少しでも作っていただきたいとお願いいたすところでもございます。新たな日米合意によって政府が目指しておりますのは、代替施設の建設による普天間の飛行場の返還や県外への訓練移転の促進だけではありません。従来の日米合意をもっと広げた負担軽減のパッケージに合意をするためには、懸命に協議をしているところでございます。新たな合意で目指したい負担の軽減策は、地元沖縄の皆さま方の声をできる限り反映したものにしてまいらなければならないと思っているわけで、沖縄の県の皆さま方から政府に対して提起をして頂いた項目を実現したいと思っておりまして、真摯(しんし)に努力をしておるところでございまして、それが政府の基本的な考え方でございます。前回、5月の上旬に知事をご訪問申し上げた時に、知事から特に5つの要望をちょうだいをいたしました。その4つの部分は米国の協力が必要な項目でございますので、いま政府はそれらを米国との協議のテーブルに載せているところでございます。具体的には航空機の騒音の軽減策、グアムの移転と嘉手納以南の米軍の施設区域の返還促進、さらには米軍基地関連の環境面での協力。ホテルホテル訓練区域の一部解除などでございまして、現時点で結果を予見するというわけにはまいらないところでございますが、同盟国である米国の協力を求めながら日本政府として最善を尽くすつもりでございますし、いまそれなりの感触をそれぞれちょうだいしているところでもございます。もうひとつ知事から要望いただいております与那国島にかかる防空識別圏の問題につきましては、沖縄県民の皆さんおよび与那国の町民の方々が安心して生活をしていたけるように、早急に見直すことにいたしたところでございます。前回、知事の方からこれまで政府が前向きに取り組んでこなかったと、のれんに腕押しだという風におっしゃられましたけれども、確認と対応を求められました。沖縄県に所在する米軍基地に関する20数項目の諸課題についても、関係省庁に対してしっかりと対応するように指示を出したところでありまして、精査を致しまして今月末までに回答をさせることに致しております。普天間の飛行場の危険性の除去につきまして、飛行場の返還までの間、できる限りの措置を講じていきたいと思っておりまして、その一環として、本年1月から継続的な回転翼機の飛行状況を、調査をしているところでございますが、この問題に対しては今後ともしっかり取り組んで参りたいたいと思っております。以上、ご説明申し上げましたけれども、日本政府の対応に、方針に対してまだまだ足りないところもあろうかと思っております。また政府のこれまでの対応によって、県民の皆さま方に大変なご迷惑をお掛けしてしまっておりますことも私自身、痛いほどよく分かっておるつもりでございます。批判、ご批判をちょうだいしておりますことから、逃げるつもりもございません。同時に、ただ今回の政府の方針の中には、これまで実現はおろか、米国と本当に交渉してきたんだろうかと、全く交渉さえしてこなかったのではという点も含めまして、沖縄の負担軽減と危険性の除去を前進させる要素が含まれていることも、お気に留めいただければ大変ありがたいとは思っておりす。いずれに致しましても、知事とは、沖縄の県民の皆さんを代表しておられる知事とは、緊密に協議を続けさせて頂きたいと思っておりますし、また、県民の皆様方とも真摯に向かい合いながらご理解をいただけるように努力をすることを約束を申し上げるところでございます。大変長くなりましたけれども私の方から読み合わせもしていただきましたけれども正確に現在の状況をお伝え申し上げたところでございます。どうぞよろしくお願いします」 仲井真知事 「どうもご丁寧にご説明いただきまして。われわれ大体マスコミの皆さんを通じて、大体聞いていました通りかなぁという感じではありますが。ただ、辺野古沿岸でしたっけ。移設するというようなご趣旨の点につきましては、これ極めて、大変遺憾だという点とそれから極めて厳しいということをですね。恐縮ですがお伝えするしかないというのが現状でございます。特に、先ほども申し上げましたけれども県民大会が開かれ、そして選挙の時以来の民主党さんの、ほとんど公約、そして近いような表現、沖縄ビジョンとかいろいろございました。総理のご発言等を踏まえて、ある意味で県外・国外という県民の熱い思いがですね、非常に高まっていた、この落差が非常に大きくてですね。ここはぜひご理解をいただいて、今、総理まさにおっしゃったように、きちっとやっぱり時間を掛けて、ご説明と納得のいく解決策というのをきちっと出していただくしかないと思います。ですからもう、端的に申し上げれば大変遺憾で、極めてこの案は厳しいですよと言うのは申し上げるしかない。ただおっしゃった中で、基地負担の軽減というところで、まさにたくさんの項目が、基地のオペレーションに伴って日々こうあるわけで、これについていろいろ取り組んでおられるということは初めてのことですから、もっともっと力を入れていただいて負担の軽減について取り組んでいただきますよう一つよろしくお願いしたいと思います。私の、今伺った感想は以上でございます」 鳩山首相 「あの、知事から今その話をいただいて、厳しいことは十分に理解いたしております。県民の皆さん、特に知事を中心として県民の皆さんの思いというものをしっかりと勉強させていただいて、県民の皆さんに理解が少しでも深まってまいるように最善を尽くしてまいりたいと思っております。そういう意味で知事からお話がありましたように、県外という思い、すなわちできる限り例えば訓練などもいま申し上げたことをさらには訓練の在り方も、さまざまあろうかと思っておりますが、県外に負担をですね求めるようにこれから積極的に行動してまいりたいと思っております」 仲井真知事 「そうしますと『県外』っていうのはまだ何か、もう終わったんではなくて続けておられますか」 鳩山首相 「これからも、訓練の話などを中心にお話を申し上げましたけれども、そういったことの中で極力ですね、実質的に沖縄の県民の皆さんに、特に現在普天間でありますけれども、普天間に集中しているこのご負担ができるだけ軽減されるように最善の努力をしてまいりたいと。これはアメリカとの交渉ごとでございまして、これから求めていく部分も多々出てくると思っていますが努力をしてまいりたいと思っています」 仲井真知事 「まだ全部終わりではないということですか」 鳩山首相 「これは終わりとは思っておりません」 仲井真知事 「あぁ、そうですか」
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