投稿者 純一 日時 2010 年 4 月 13 日 22:34:36: MazZZFZM0AbbM
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/12549732.html
新ベンチャー革命2010年4月13日 No.108
1.マスコミの世論調査という名の世論操作
このところ、マスコミがそろって頻繁に世論調査なるものを繰り返しています。
鳩山内閣支持率は下降の一途とのことで、支持率が30%台を割った調査結果が出始めました。世論調査を繰り返すどのマスコミも、同じような手法で調査し、その結果はどこも五十歩百歩です。彼らの手口は、自分たちの気に食わない内閣だと、まず、執拗なネガキャンを繰り返します。そしてその合間に世論調査を頻繁にやるという手口です。
彼らに簡単に踊らされるお人好し国民は、繰り返されるネガキャンに加えて、支持率低下の報道をときおりインプットすることで、マスコミの思惑どおりの反応(スパイラルな支持率下降)をするようです。
この傾向は昔から変わっていません。このようなマスコミの反小沢・反鳩山作戦は政権交代が起きてから著しくなってはいるものの、ポスト小泉の安倍・福田・麻生内閣のときや、ポスト小渕の森内閣のときも大なり小なり発生しています。
2010年4月12日、小沢氏は記者会見にて、“世論調査は当たったことはないよ”と強気の発言をしています。しかし内心では民主党フィーバーのバブルが完全にはじけたと思っているでしょう。
2.なぜ、お人好し国民は簡単に踊らされるのか
本ブログでは一貫して日本の反小沢マスコミの姿勢を厳しく非難しています。本ブログ以外でも、ネット世界では、反小沢マスコミへの反発は極めて強いと思います。それでも、ネットの声が一般のお人好し国民の耳に届くことはないようです。世論調査に協力する人たちは、決して自分がマスコミに踊らされているとは認識していないでしょうが、基本的に情緒的イメージで答えているようです。そこには論理性のかけらもありません。
昨年来からの小沢氏、鳩山氏への検察による失脚促進攻撃およびマスコミのリーク報道により、彼らに植え付けられたネガティブ・イメージは、すでに固定化してしまっているようです。小沢氏=利権政治家、鳩山氏=贈与税逃れ政治家とインプットされて、このダーティ・イメージは容易に脳裏から消えないのでしょう。
それに加えて、民主党=期待はずれ、鳩山首相=リーダーシップなし、小沢幹事長=コワモテ独裁者とインプットされています。
このように容易に操られる国民は、元々自民党支持者であったのが、昨年の総選挙では民主党フィーバーに乗せられ、生まれて初めて民主党に1票投じた人たちであり、全国レベルでは、多数派を占めているはずです。マスコミ世論調査の信頼性は低いにしても、上記のようなさまざまな複合的作用により、民主党与党全体への人心離反が起きていると分析できます。
3.反国民的小泉政権の支持率は不思議に落ちなかった
2008年に出版した拙著(注1)によれば、現在の鳩山政権と逆に、2004年当時の小泉政権の支持率はまったく落ちませんでした。筆者から見れば、現在の鳩山政権とは比べものにならないほど反国民的な暴政を行っていたにもかかわらず・・・。以下に拙著の記述を引用する(一部修正)と、
“小泉政権は、国債発行額上限30兆円の公約違反(現実には36兆円発行)、道路公団改革の骨抜き発覚、減税政策の撤廃、消費税値上げ予告、憲法違反まがいの自衛隊海外派遣、年金の高負担化・支給削減と、国民を怒らせることを次々と実行した。にもかかわらず、小泉政権の支持率は下がるどころか、逆に上がっていた。小泉政権に何を期待するかと国民に聞くと、圧倒的多数が『景気対策』と答えた。
ところが、小泉政権は戦後最右翼の対米追従政権であり、米国のためのドル防衛(国民預貯金を勝手に使う円売りドル買いオペ)には全力で尽くす反面、公共事業予算削減と増税で国民には激的な痛みを押しつけていた。小泉政権こそ、まさに『反景気対策政権』そのものであった。”
小泉政権ほど国民の期待に反した反国民政権はありませんでした。にもかかわらず、支持率が下がるどころか上がっていた。この珍現象をさかさまから見れば、鳩山政権の支持率低下現象の秘密が見えてくるのではないでしょうか。
4.世論調査に応じるお人好し国民の思考回路とは
上記、極めて反国民政権であった小泉政権の支持率がなぜ上昇したのかについて考えてみます。2004年における筆者の分析(注2)によれば、小泉政権支持率には、小泉政権の政策評価はまったく反映されず、小泉政権支持率は、小泉氏個人の大衆人気によって支えられていたのです。
この当時、国民の脳裏には、日本国総理大臣イメージ=小泉純一郎とインプットされていました。要するに、小泉氏以外に総理大臣人物像イメージが浮かばなくなっていたのです。
これは郵貯・簡保資産を狙っていた米国ジャパンハンドラーの大衆心理操作テクニックが応用された結果です。その結果、小泉政権がどれほどの反国民政権であっても、小泉政権を支持しますかと聞かれると、国民はついYesと答えていたのです、小泉政治にはそれなりに不満があったにもかかわらず・・・。
今、これと逆の現象が起きていると考えられます。鳩山政権の政策は小泉政権の反国民性に比べてば、格段に国民志向です。にもかかわらず、鳩山政権の支持率が下がっているのは、鳩山氏が小泉氏ほどの大衆人気がないことを物語っています。
もちろん、民主党には小泉時代のように、アメリカ様の振付師は控えていません。昨今の鳩山不支持の現象と類似の現象は安倍・福田・麻生政権時代にも見られました。逆に言うと、大衆心理操作されていたとは言え、小泉氏が、いかに大衆人気が高かったか、ということを物語っています。
逆の言い方をすれば、当時のお人好し国民がいかに激しくだまされていたかを物語っています。2005年、郵政民営化選挙における自民党大勝利の原因も、小泉人気に依存するところが大きかったわけです。
そして、反小沢マスコミは未だに、2005年当時の小泉フィーバーに未練たらたらで、遂には、小泉ジュニア・ヨイショに精を出しているほどです(笑)。
5.なぜ、小泉人気が高かったか
2004年当時、小泉氏の大衆人気がなぜ高かったのか、それについて筆者の分析(注3)によれば、小泉氏が『独裁者ニューモデル』を演じ切ったからです。つまり、このモデルは大衆に親近感を持たせるソフトなニュー独裁者モデル(お人好し国民にカワイイ!と錯覚させるモデル)です。簡単に言えば、小泉氏はヒトラーやキムジョンイルのような『独裁者オールドモデル』の真逆を行っていたわけです。
一方、鳩山民主党の支持率低下の遠因に、コワモテ小沢氏の存在があるのは間違いないでしょう。小沢氏こそ『独裁者オールドモデル』イメージの典型です。反小沢マスコミは、この点を逆手にとって、読売出身の生方議員ドタバタ事件を引き起こして、国民に小沢氏=コワモテ独裁者のイメージを植え付けたのです。
小沢氏の場合、その顔つきが独裁者イメージにぴったりであることも、マスコミにとって好都合だったのです。さらに悪いことに、鳩山首相が、小沢氏の傀儡のように見える点も、鳩山政権支持率低下に拍車をかけているでしょう。
民主党の一部から、小沢辞任の声が挙がるのは、口には出さないものの、その小沢氏の独裁者的風貌が民主党の足を引っ張るとみているからでしょう。ちなみに小泉氏の場合、まったく伝統的独裁者イメージがなかった。ここに、小沢氏と小泉氏の決定的違いがあります。
6.小沢氏の自己分析とは
百戦錬磨の選挙の神様・小沢氏は、自分をどのように分析しているのでしょうか。日本の選挙民の多くが、上記のように情緒的イメージで1票を投じる習性をもっていることは百も承知でしょう。この習性を民主党サイドに引っ張り込んだのが、昨年の総選挙でした。この習性が裏目に出ると、2005年総選挙時点と同様に、今年7月参院総選挙で民主党は期待通りの勝利ができない可能性があります。
選挙参謀・小沢氏のシナリオは二つ、
(1) 得意のオウンゴール戦法、すなわち接戦または敗北を織り込んで、選挙参謀を辞任せず、現体制で参院選に突っ込む。負けたら負けたで、代替案を模索する。
(2) 参院選突入前、前回選挙同様、サプライズ的辞任して、民主党イメチェンで参院選に突入する。ただし、前回ほどの劇的効果は見込めない。
どちらのシナリオでも、結果に大差ないとみて、現段階ではシナリオ(1)で突っ走るつもりのようです。
筆者としては、多数派である、お人好し国民がマスコミではなく、ネット世論に触発されて、反小沢マスコミにいつまでも踊らされないことを切に願います。
注1:拙著『情報と技術を管理され続ける日本』ビジネス社、2008年、120ページ
注2:ベンチャー革命No.080『小泉首相の大衆人気がなぜ落ちないのか』2004年5月30
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr080.htm
注3:ベンチャー革命No.081『独裁者ニューモデルの登場』2004年6月1日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr081.htm
ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm
テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
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