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「グリーンピースのクジラ肉裁判」傍聴報告(3) 対照的な乗組員証人の証言・後編(このままでは捕鯨は国民支持も失う!!) http://www.asyura2.com/10/senkyo82/msg/942.html
(回答先: 「グリーンピースのクジラ肉裁判」傍聴報告(2) 対照的な乗組員証人の証言・前編(乗組員荷物は調査されていたのか?) 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2010 年 3 月 23 日 21:09:28)
この5月には新たな事業仕分けが行われるという。多額の補助を受けて行う「調査捕鯨」には、果たしてメスは入るのか。 http://www.janjannews.jp/archives/2921174.html 「グリーンピースのクジラ肉裁判」傍聴報告(3) 対照的な乗組員証人の証言(後編) 佐久間淳子 3月9日の第3回公判は、これまでの2回とは異なる始まり方をした。開廷の5分前まで、法廷への立ち入りが止められたのである。ようやく中に入ると、証言台の回りに3枚の衝立が巡らされている。この日の証人は共同船舶の元社員なのだが、傍聴席・記者席からはその姿が見えないように配慮がなされ、あらかじめ証言席に座り、その後に傍聴者を入廷させたのである。 衝立のおかげで声が若干聞き取りにくかったが、証言内容は前日の証人とは対照的にかなり明瞭だった。ここでは仮にA氏としておく。 A氏によれば、商業捕鯨時代にも会社が船員に振る舞う「土産品」の鯨肉はあったという。やはり塩蔵畝須(うねす)2本と赤肉のブロックが2個。それらは製品として整形・冷凍され製品用の箱に梱包されたものを、操業の暇なときや操業を終えて帰途につく頃以降に解凍して塩蔵していた。空き箱は不要なので焼却処分した。これは、いったん鯨肉の全生産量を集計し、水産庁に報告することになっているためにこのようにしたというのだ。 ■私も持ち出していた 会社からの「土産品」以外に船員たちが持ち出していたかという質問に対しては、「はい」と一言。デッキでクジラを解体する担当や、階下のパン立て場で冷凍直前の整形・計量作業をする要員ももとより、その他の部署の者も持ち帰っていたが、一応人目を避けるようにして自分の分を確保していたということだ。 じつはA氏本人も、商業捕鯨時代には一箱程度の畝須肉を持ち帰っていたという。塩蔵やボイル・紅付けは製造部員に頼んでいたが、調査捕鯨に切り替わって以降は、自身は持ち帰りをやめたという。そこが商業捕鯨再開を願う捕鯨船乗りの矜持ということだろう。 「以前は船員の間に親分子分の関係がしっかりしていたから、持ち出すにしても歯止めが利いていたのだと思うが、トロールから人が入ってくるようになってタガが外れたように思う」 鯨肉の勝手な私物化・持ち出しがほどほどでは済まなくなったということだろうか。いずれにせよグリーンピースに内部告発する者が現れるほどの事態にはなったわけだ。 ■鯨研の研究員も持ち出していた A氏はさらに続けた。鯨研の研究員が日新丸のデッキの後部にある冷凍コンテナに、「サンプル(調査標本)」として尾肉(尾の身)の大きなカタマリを仕舞い込んでいたのを目撃したというのだ。気づいた研究員が慌てて視界を遮るように両腕を拡げたことも活き活きと語った。この冷凍コンテナは往路は食料庫になっており、調査が始まると、捕獲したクジラから採った標本が保存されるのだそうだ。 ■このままでは捕鯨は日本人の支持を失う これだけのことを法廷で証言したA氏は、捕鯨に反対しているわけではない。むしろ、共同船舶が改めるべき点を改め、商業捕鯨再開を目指して欲しいとすら法廷で語った。 「このような不正を正さずにいては、支持を失い、商業捕鯨の再開どころか調査捕鯨の存続すらだめになるかもしれない」と、危機感を抱いての証言だったという。 ■「鯨肉横領なし」と揉み消し図った青森県警 佐藤氏が逮捕されたあとに、青森県警の職員がA氏の自宅を訪ねている。佐藤氏らが船員に送ったアンケートに応じたことがあるからだ。そして「私は鯨肉を持ち出したことがない」などとすでに印刷され、あとは署名捺印をするだけになっている書類を見せ、サインを求めたという。 A氏はそれを断った。事実とは異なるからだ。青森県警は予断を持って事情聴取にあたり、鯨肉横領の事実もみ消しを図ったということだ。この点を法廷で明らかにしたことでも、A氏の出廷には重い意味があったといえる。 ■A氏の証言を無価値化図る検察 こういった証言をしたA氏に対して検察官は、A氏が2008年4月に大井埠頭に帰港した日新丸には乗船していなかったこと、土産品を配ることに関して鯨研と共同船舶の間で了解があったかどうかを知らないことなどを確認して反対尋問を終えた。つまり、2008年4月時点での船内の状況は知らない、横領があったかどうかについてはA氏の証言は無意味だということなどを指摘するためだろう。 11時少し前に休廷が告げられると、傍聴者と記者は法廷を速やかに出るように促され、ドアが閉じられた。A氏はそれを待って退廷したと思われる。 午後に予定されていた佐藤潤一被告の尋問は、午前11時15分から始まることになった。 先日マグロ禁輸が回避されたときに「マグロ食文化が守られた」と称した報道もあった。一方で、鯨は一部美食家の高級食以外は、庶民の求めるものでは無くなりつつある。
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