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小沢はなぜ選挙を重視するのか(EJ第2761号)-「小沢氏は選挙ばかりで政策への関心が無い」という批判は正しいか?
http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/347.html
投稿者 JAXVN 日時 2010 年 2 月 26 日 22:52:34: fSuEJ1ZfVg3Og
 

「小沢はなぜ選挙を重視するのか」(EJ第2761号)

 小沢幹事長はそのやることなすことすべて選挙を意識してやっ
ていると批判する人がいます。小沢にそのことを聞くと、「民主
党は衆議院では過半数をいただいたが、参議院では過半数に達し
ていない」という返事が返ってきたものです。
 もっとも2月8日に、田村耕太郎参議院議員が民主党入りを表
明したので、参議院の民主党会派は参議院定数「242」の半数
である「121」を確保していますが、7月には参議院選がある
のでその結果しだいでは、どうなるかわからないところです。
 国家国民のことを考えないで「選挙」にだけ関心を向ける――
こういって小沢の姿勢を批判する人はたくさんいます。民主党議
員の中にもこういう批判を口にする人は少なくないのです。
 しかし、小沢にいわせると、国家国民のことを考えるからこそ
「選挙」が重要なのだというのです。なぜなら、民主主義の政治
では、政治家は選挙によって選ばれるからです。政治家は選挙に
よって鍛えられ、本物の「国民の代表」になるからです。
 小沢が民主党の代表になり、いったんは代表を辞任したものの
選挙担当になってからの民主党の選挙は、明らかに変貌したとい
われます。
 一言でいうと、それまでのスマートな選挙が、泥臭い「どぶ板
選挙」に変わったのです。小沢はこれについて自著の中で次のよ
うにいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 「どぶ板選挙」という言葉をご存じだろう。路地から路地へ、
 どぶ板を渡りながら歩くような、地道な選挙運動のことを言う
 のだが、マスコミはこの言葉を侮蔑的なニュアンスで使うのが
 常である。今はインターネットも普及しているマスメディアの
 時代なのに、そういう昔ながらの、地を這うような選挙をする
 連中は、時代遅れで古くさい候補だと暗に言いたいのだろう。
 だが、僕は「どぶ板選挙」こそが、本当の選挙だし、それがな
 くなったときに民主主義はなくなるとさえ思っているのだ。
      ――小沢一郎著、『小沢主義/志を持て、日本人』
                 集英社インターナショナル
―――――――――――――――――――――――――――――
 今までの民主党の候補者がやっていた選挙は、支援してくれる
労働組合の組織に頼り、駅や繁華街などの人の集まる場所で、長
時間、演説をするというやり方だったのです。
 しかし、小沢流選挙戦術はまるで違うのです。昨年の衆議院選
の最大の目玉といわれた選挙があります。東京12区です。与党
の候補は、公明党代表、太田昭宏氏の選挙区です。この選挙区は
小沢自身が出るといううわさがあって、話題になったのですが、
小沢はそこに元タレントで参議院議員(比例)の青木愛氏を立て
たのです。その発表の席上、小沢は次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 太田さんはそんなに強い候補とは思いません。それはいろいろ
 なデータを見ればわかる。一人でも多くの都民が彼女を見てく
 れれば勝てる。気力、体力の許すかぎり歩け、と頼みました。
                ――野地秩嘉/小塚かおる著
      『小沢選挙に学ぶ/人を動かす力』/かんき出版刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 このシーンはテレビで何回も報道されたので、ご覧になった方
も多いと思います。これを見て、とてもじゃないが、青木で公明
党の代表に勝てるはずがないと考えた人は多かったと思います。
 しかし、結果はどうだったでしょうか。青木愛氏は小選挙区で
太田候補に1万票の差をつけて当選し、比例の重複立候補をして
いなかった太田氏はバッジを失ったのです。出馬表明から一ヶ月
あまりしかなかったのに、落下傘候補の青木愛氏はなぜ強敵の太
田候補に勝てたのでしょうか。
 正確なことはわかりませんが、小沢には20人以上の私設秘書
がいるといわれています。いずれも小沢流の選挙戦術を叩き込ま
れている選挙のベテランです。
 なぜ、小沢は政治資金で土地や住宅やマンションを買うのかと
いうと、こういう秘書軍団の宿舎が必要だからなのです。しかし
このことは絶対に小沢は詳細を語らないのです。まさに究極の企
業秘密であるからです。
 実は青木氏の選挙事務所には2人の秘書が投入されています。
一人は常駐で、もう一人は出陣式や鳩山遊説など「ここぞ」とい
うときに応援に駆け付けるのです。したがって、実質的に青木氏
の選挙を仕切ったのは、常駐の秘書です。彼は東北地方の複数の
選挙事務所をかけもちしていたのですが、小沢の命令で青木氏の
常駐秘書として選挙の指揮をとったのです。
 青木氏は元タレントで、しかも参議院議員であり、知名度があ
ります。以前の民主党や自民党だったら、メディアを使って空中
戦をやるはずです。その遊説日程をメディアに明かせば、テレビ
局は勝手にやってきます。
 しかし、小沢はそんなことはさせなかったのです。何をやった
か。徹底的な「どぶ板」選挙です。遊説日程もメディアに知らせ
ていないし、青木氏が何をしているのか、太田陣営にはまったく
見えていなかったのです。
 ただ、太田陣営は、青木氏の出馬表明からわずか2日にして、
青木候補が並々ならぬ強敵であるということを思い知らされたの
です。それは、わずか2日間で1000枚を超える青木氏のポス
ターが選挙区全般に貼り出されたからです。人数を動員して夜を
徹してポスターを貼ったのです。これは完全に公明党のお家芸を
奪うものだったのです。まして青木氏のポスターはよく盗まれる
ほどの人気ポスターだったのです。
 そして、小沢は実に4回にわたって、青木事務所を電撃的に訪
問しています。小沢訪問ごとに青木陣営の団結力は強くなり、終
盤戦には勝利を確信するところに達したのです。まさに、小沢選
挙戦術恐るべしです。小沢は「選挙は風に頼るな!」といってい
るのです。           ―――[小沢一郎論/37]


≪関連情報≫
 ●太田昭宏代表、民主党青木愛氏に敗れる
  ―――――――――――――――――――――――――――
  公明党の太田昭宏代表は東京12区で民主党元職の青木愛氏
  に敗れ、落選した。比例代表に重複立候補せず、背水の陣を
  敷いていた太田氏。選挙戦終盤は全国遊説に出ず、地元にと
  どまり、票の掘り起こしを図ったが、自民支持層も一部が青
  木氏に流れ、無党派層にも浸透しきれなかった。参院議員か
  ら転出した青木氏は選挙区内をくまなく回り、無党派層にも
  支持を広げた。(共同)
  ―――――――――――――――――――――――――――」
http://electronic-journal.seesaa.net/article/142078443.html  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2010年2月26日 23:06:17
>>出馬表明から一ヶ月
あまりしかなかったのに、落下傘候補の青木愛氏はなぜ強敵の太
田候補に勝てたのでしょうか。
 正確なことはわかりませんが、小沢には20人以上の私設秘書
がいるといわれています。いずれも小沢流の選挙戦術を叩き込ま
れている選挙のベテランです。
 なぜ、小沢は政治資金で土地や住宅やマンションを買うのかと
いうと、こういう秘書軍団の宿舎が必要だからなのです。>>


ここ大事だよね。
小沢批判をしている七奉行?どもは、爪の垢でも飲め
民主党が選挙で強くなったのは誰のおかげか???
閣僚になっても小沢批判>? だれのおかげで閣僚になれたのか?
自分が努力した? 国民は誰もそんな風に見てるわけないだろ。
政権が取れたのは数の力だ。 数は誰が稼いだのか>?
閣僚になって偉そうに講釈垂れているが、政権を奪われたら
だれも聞いてもくれないぞ!


02. 2010年2月26日 23:12:09
兵庫8区もうまかった。
ここは、公明党の元国土交通大臣冬柴鉄三の地元で今までは対立に民主党の室井邦彦氏がいたが参議院鞍替えに伴って冬柴鉄板と思われた所に田中康夫氏を当てたのはうまかった。

03. 2010年2月26日 23:18:53
小沢一郎が民主党をここまで引っ張ってきた、日和見ポッポではまず不可能だったはず、だからこそ自民党や既得権者は必死に小沢を潰そうと思っている。


04. 2010年2月27日 01:43:21
一年前、「早く解散して民意を問え。」と多数の国民が言ってたよね。
国民の声を汲み取る最良の方法が選挙でしょう。
小沢氏が選挙にこだわるのは当たり前だし、まともな政治家だから。
「選挙の事しか考えてない小沢は問題だ!」とか言ってる政治評論家、政党に聞きたい、
「選挙以外に私のような政治家とつながりを持たない、タレントでもない、特定の団体に所属していない小市民は日本の政治に意思表示できる方法が他にあるのか!」

05. 2010年2月27日 05:31:32
 たまたま眠れなくてラジオを聞きながら小沢さんの行動原理を考えていたところ
サガン鳥栖の監督で松本さんという方のお話を聞いた、彼は
  心眼 ・Look before ・Think before 
  結果がすべて、 
と流れるような講演をされていた、NHKラジオ深夜便で
 小沢さんに他の政治家がなぜかなわないのか、それは、彼の信念に曇りがないからであろう、新聞記者が曇った目で質問しても、質問にすらならないのもあたりまえであろう。
 私も3流のスポーツ好きで、苦しい練習を少しは行ったことがある、けれども、超一流との彼我の差は明らかである。
 小沢を論じるには、有識者などと言う騙り者では無理であろう、又、批判もむりであろう
 一度でいいから、本当に納得できる批判ができる方の文章が読んでみたいと思う者です。                       お日様西町

06. 2010年2月27日 09:16:11
小沢氏が選挙にこだわる理由は中央政治での勝利はまだ道半ばだと思っているに相違ない。
大都市圏に住んでいる方はあまり実感がないと思われるのだが、地方は未だ保守自民党の組織的影響下にあるといって過言ではない。中央政治は「風」によって大きく変わることがあることは、旧社会党のマドンナ旋風、細川政権を作り上げた新党旋風などこれまで何度か経験してきた通りであるが。統一地方選で、自民党が大敗したことは少なくともこれまでは無い。東京都議選では大きく民主党が躍進したが、各区議・市議選での逆転はなかなか起らない。地方にいけばさらに顕著である。実はこのことが、小沢氏の言う議会制民主主義の定着、未だ半ばとういう認識の本筋であることは間違いないのだ。地方選挙では未だに村社会における縁故選挙が横行している。さらには自民党各県連は公共工事に対して大きな影響力を持っている場合が多い。
したがって土建業はこぞって自民党支持となり。政策論議が二の次になって、公共工事の受注、陳情に躍起になることが多い。
そこで、小沢氏が進めたのは地方組織からの陳情一元化の方針である。中央政策を実現していくためには地元陳情を個別に聞くことをせず。国家方針への転換を図ると同時に、自民党地方組織に対する兵糧攻めでもある。公共事業は無くなることはないが、自民党系地方組織のせん滅を図ることが、地方での議会制民主主義定着の早道であると考えたからだ。
二大政党論についても実はそのことを最終目的にしている訳ではない。政策論議を活発にし、国民の政治参加意識を向上させることが目的なのだ。
大手マスコミは小沢氏を選挙上手、独裁を盤石にするために躍起になっている様な論評で報じるが、そんな浅い認識で良いのか?小沢氏の著書や発言を精査しているのか?少し考えれば答えは明確なのだ。
小沢氏が日本の未来を託すに足りる唯一無比の政治家であることは、このサイトにいらっしゃる皆さんは周知のことだと思う。
ただ、盲目的に批判、応援するのでなく、自らの周囲をしっかり見据えることから小沢氏の発言や著書を見直してみるべきと考える。
きっと、小沢氏は政界を引退することがあっても、理論や思想においてこれから国民が初めて経験する成熟した議会制民主主義の指針を示し続けてくれるだろう。

07. 2010年2月27日 10:30:01
05.06さんに同意、同感です。
農業問題に一言
個別保障制度の賛否がありますが私は個別保障制度は試すべきだと思います。
反対している農業関係者は現行の補助金を独り占めしているやからです。
農業関係に詳しくない方の為に一言
現在の農業の補助金には沢山の種類があります。使いやすい有利な補助金は既得権農家が真っ先に使ってしまい、末端の農家には絶対届きません。
使いにくい補助金は当然誰も申し込まないし、有利な補助金は一部の大規模農業家と言われる既得権益農家に言ってしまってます。
当然、中抜きもありますから決して効率的とは言えません。
民主党(小沢氏)の個別保障制度は直接的であり、一部のズルイ農家に使われてしまう補助金ではないと言う事だと思います。
日本農業にはズルイ農家が現行の仕組みの中にはびこっている事をお知らせしておきます。
(予算が付く医療、介護、農業、教育、自衛隊などに聖域は無いと言う事です。)

08. 2010年2月27日 20:51:04
政策を実行するためには、選挙に勝つ必要がある。

碁をたしなむことから、選挙戦術も相当に練られたものでしょう。


09. 2010年2月28日 01:33:29
うん、この記事はよい記事だ。
小沢氏の政治姿勢の根幹の理解の一助に。

10. 2010年2月28日 14:19:22
07さんに同感します。
これこそが格差社会を実現させた小泉改革の目的でもあったのです。
貧乏人はずっと貧乏に、金持ちはもっと金持ちにと。
後進国の多くが少数の金持ちが大多数の貧乏人を支配しています。
多分、小泉はこれを目指していたのでしょう。

11. 2010年3月07日 16:57:16
06,07さんに同意します。
戦後長く続いた政権の修正は、並大抵のものではないと思います。
議員立法禁止、陳情の一元化等は、政権交代した民主党が、曲がりなりにも政権与党としての形を作る事が早期にできるようにとの思惑もあったのではないでしょうか。引き継ぎはほとんどされていないようでした。多分、中身も余りなかったのでしょう。
即実行せねばならない事は山積み。小沢さんはその事を考え、混乱を最小限にする為に行動していたと思います。
しかし、残念、一連の騒動でした。
国の根本を変えていくためには、財界、メデイア、検察を変える必要があります。強固なこれらのグループに相対する為に、参議院でも過半数を取る必要があるのではないでしょうか。
冤罪の常態化。メデイアの倫理。財界の身勝手さ。
国民の安心な生活を守るために、今行わなければならない。
「この次に」は無いのです。

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