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(回答先: <小沢金脈:2>秘書軍団、鉄の規律 集金に選挙に24時間(朝日新聞) 投稿者 gataro 日時 2010 年 1 月 21 日 18:56:53)
<小沢金脈:3>口閉ざすゼネコン 鳩山政権VS.検察、報復恐れ
2010.01.19 東京朝刊 39頁 1社会 写図有 (全1,601字)
「あなたの指示で水谷建設は小沢事務所に裏金を持って行ったのではないか」。1月13日午後、仙台市内は一時舞った雪もやみ、弱い日が差していた。大手ゼネコン「鹿島」の東北支店元社員らは、同市内の施設で検事に繰り返し聴かれていた。「身に覚えはありません」。元社員らは関与を一切否定した。事情聴取が膠着(こうちゃく)状態に陥った午後5時ごろ、市内の東北支店と東京本社では東京地検の係官らが捜索に入った。
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる政治資金規正法違反事件で、捜査の焦点となっている中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)の裏金1億円。検察側は小沢氏側に提供したという同社元幹部らの供述を得たが、小沢氏側は全面否定。関与が疑われた鹿島側も否定。真偽が定まらない状況が続いている。これらの登場人物がそろう舞台は、小沢氏側が多額のゼネコン資金を集めていた地元・東北地方だ。
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1980年代、東北での営業活動が低迷していた水谷建設の役員(当時)は、念願だった鹿島東北支店の幹部との面会にこぎつけた。山形県内の多目的ダム工事の名前をあげ、「下請けに入りたい」希望を伝えた。
東北地方の大型公共工事をめぐっては、仙台市を拠点とするゼネコン各社が2006年ごろまで談合を続け、その中心にいたのが鹿島だった。談合の仕切り役がこの幹部だ。
ゼネコン東北支店元幹部らによると、水谷建設は、大型ダムなどの工事で表には出しにくい地元対策費の捻出(ねんしゅつ)などに貢献したという。談合組織でもそれを認め、水谷建設は東北での受注実績を伸ばしていった。
同社が工事に絡み裏金を作ってきたことは、06年に東京地検特捜部が摘発した同社の脱税事件を契機に明るみに出た。
関係者によると、同社は03、04年の2年間に所得約38億円を隠したが、そのうち15億円を、関西空港と中部空港の建設工事を下請け受注するために、地元対策費として暴力団幹部らに裏金として支出していた。裏金の一部は、元請けのゼネコンから下請けに入る条件として支出を指示されたものだという。
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鹿島などが04年10月、本体工事を受注した国内最大級の「胆沢(いさわ)ダム」。総事業費約2440億円に達するこの工事で、「受注調整に大きな影響力を持っていた」と、ゼネコン各社関係者が指摘するのが小沢事務所だった。
昨年3月の西松建設事件の際には、この工事を受注した大手ゼネコン3社がそれぞれ、小沢氏側に政治献金した1年分の金額一覧と、下請け業者などを介在させた手法を示す内容を記載した資料があったことが明らかになった。西松建設も工事の一部の受注に成功している。計4社の献金額は約1千万〜2500万円に上った。西松建設関係者は「献金の成果がダム工事の受注だった」と話す。
水谷建設も、鹿島などの工事で、重機による作業を請け負う下請けに入った。営業活動の立ち上がりが遅かったため、他社からは「滑り込みなのに、いいところの仕事を持っていった」との評判がたった。
検察当局が小沢氏側の土地取引事件で、水谷建設と鹿島が裏金に関与していると疑うのは、この工事の受注で小沢氏側への工作があったとみているからだ。
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特捜部によるゼネコン側への捜索は現在、鹿島だけにとどまっている。「見せしめだろうか」「他社は既に地検に何か話しているのでは……」。業界内は様々な憶測が飛び交っている。
大手ゼネコンで談合を担当していた元役員は苦渋の表情を浮かべた。「政権与党の実力者と検察が全面対決する中で、ゼネコンは身をすくめるしかない」。供述次第では、与党側からどんなしっぺ返しに遭うかわからない。検察側にどんな容疑をかけられるかわからない。「それが各社の口を固くしている」と言う。
【写真省略】
陸山会の事件に絡み家宅捜索を受けた鹿島本社=13日午後5時32分、東京都港区元赤坂、豊間根功智撮影
朝日新聞社