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(回答先: <小沢金脈:1>不動産、次々手中に 「資金洗浄」疑う見方(朝日新聞) 投稿者 gataro 日時 2010 年 1 月 21 日 18:50:00)
<小沢金脈:2>秘書軍団、鉄の規律 集金に選挙に24時間
2010.01.18 東京朝刊 39頁 1社会 写図有 (全1,728字)
ゼネコン東北支店の幹部はある晩、小沢一郎民主党幹事長の公設第1秘書・大久保隆規(たかのり)容疑者(48)と酒席を囲んだ。ゼネコン幹部は公共工事の受注希望を大久保秘書に伝え、大久保秘書はパーティー券購入や選挙への動員を幹部に頼む仲だった。幹部は封筒に入れた50万円を出し、「背広でも作ってくれ」。だが、大久保秘書は「のどから手が出るほど欲しいが、これを受け取ったことがオヤジ(小沢氏)にばれたら、自分は秘書でいられなくなる」。幹部はその時、小沢氏の秘書の「鉄の規律」を実感したという。
政治資金規正法違反事件の舞台となった東京都世田谷区の土地取引。大久保秘書、元秘書の衆院議員・石川知裕(36)と元秘書・池田光智(32)の両容疑者が、取引や政治資金収支報告書の作成を担った。事務担当者の前任の石川議員と後任の池田元秘書は、虚偽記載について相談。3人の連係プレーで、小沢氏が出したと主張する購入原資4億円は報告書から消えることになった。
小沢事務所では、こうした「分業」が徹底している。経理は、複数の秘書が順番に担当。特定の金庫番を作らないのは、1人の秘書が力を持ちすぎないようにする意図があるという。
小沢事務所関係者によると、秘書を採用する際、政治家志望かどうかは重要な基準だ。秘書の多くは小沢邸の住み込みから始め、午前5時に起床。洗車、庭掃除が日課で、同8時に事務所でミーティング。「他の車と並走しない」など、小沢氏を乗せる時の運転技術も先輩から学ぶ。この「書生」暮らしを支えるのは議員出世の夢。小沢氏は「姑息(こそく)な小欲に惑わされるな」と話し、秘書は24時間勤務で小沢氏に滅私奉公する。この関係者は「こうして軍隊みたいな組織が出来た」。
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小沢氏への忠誠心ゆえ、秘書は外に対し牙をむくことがある。
大手ゼネコンが献金の大幅減額を申し入れると「なんだと。急に手のひらを返すのか」。ゼネコンに選挙協力を迫った際、受注したダム工事について「小沢ダムなんだ。それを忘れるな」。昨年12月の西松建設事件の公判で、ゼネコン側の供述調書などで明らかにされた大久保秘書の言葉だ。後援会関係者らに深々と頭を下げる大久保秘書が、資金集めの場面では、公共工事の受注への影響力をバックに威圧的な態度をとる。
東北地方のゼネコン元幹部は「下請け業者らを使った政治献金のノルマをきちんと達成しないと、小沢事務所から何を言われるかわからない」と話す。小沢氏側の関係者は「秘書にとってもゼネコンとのパイプは、事務所内で自分の発言権を確保することになる。絶対ほかには譲らない」。
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昨年8月、民主党が政権を奪取した総選挙では、大勢の「小沢チルドレン」が当選した。小沢氏の秘書軍団約20人が全国に散り、候補者にどぶ板選挙を徹底指導した。
ある「チルドレン」議員の元秘書によると、派遣されてきた小沢氏の秘書は、女性議員に命令口調で話し、ひざをたたくこともあった。元秘書は「議員は『秘書の言葉は、小沢先生の言葉』と信じ切っている様子だった」と言う。
選挙戦を支える秘書たちの中から、国会議員になったのは、石川議員など7人(民主党現職)。県議も岩手県で2人に上り、いずれも小沢氏の勢力拡大につながっている。小沢氏は、落選した秘書らの勉強会も定期的に開き、「辻説法を欠かすな」と訓話。次への布石も怠らない。
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「小沢秘書」を振り返った言葉は両極端に分かれる。
「秘書になれば小沢氏の生き方を学べる。尊敬する人のために犠牲になってもかまわないという関係でないとだめだ」。ある元秘書は、大久保秘書が逮捕された16日、そう語った。
一方、他の元秘書は後悔を口にした。「結局、小沢さんの思い通りに働かされ、人生を支配され、将来性を狭められただけだった。秘書をやらなければよかった」
■小沢氏の秘書を務めた主な現職議員
青木愛 衆院東京12区
石川知裕 衆院北海道11区
川島智太郎 衆院比例東京
菊田真紀子 衆院新潟4区
樋高剛 衆院神奈川18区
横山北斗 衆院青森1区
藤原良信 参院比例
佐々木順一 岩手県議
中平均 同上
【写真省略】
小沢一郎・民主党幹事長に寄り添う樋高剛衆院議員(右)。樋高氏も小沢氏の秘書出身だ=09年9月、杉本康弘撮影
朝日新聞社