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(回答先: 通常国会開幕/異常事態だからこそ論戦を 【河北新報】 投稿者 愚民党 日時 2010 年 1 月 19 日 18:47:50)
通常国会開幕 「変革」に値する論戦を
民主党が政権を獲得して初めての通常国会がきょう18日、開会する。会期は150日間である。
予算審議が柱となる通常国会は、政治論戦の主戦場ともいうべき舞台である。だが、今国会はそれにとどまらない重い意味を持つ。
◆国民の思いに応えよ
昨年夏に行われた衆院選で、有権者は民主党が訴えた「政権交代」を後押しした。そこには、政治のありように対する国民の強い不信と危機感が込められていたはずだ。
小泉政権が推し進めた構造改革は経済や生活格差を拡大させ、国民は疲弊した。にもかかわらず、その後に続いた3代の自民党政権は小泉改革をきちんと総括せず、民意を問うこともなしに首相の座がたらい回しにされた。
政治は永田町や霞が関のためのものではない。国を安定させ、そこに暮らす人々全体の生活を守るためにあるのだ。衆院選での民主党大勝は、そうした国民の意思表示といえる。
内外ともに政治課題が山積する大転換期である。論戦を通して日本が進むべき道筋を明らかにし、混迷脱却への処方せんを示す。それこそが、政権交代を受けて開かれる今国会に課せられた最大の使命に違いない。
そのためには、鳩山由紀夫首相が施政方針演説で自らの描く国家像を具体的に提示しなければならない。目標実現へどんな手順を踏むのかも明確にする必要がある。
昨年10月に行った所信表明演説で鳩山首相は「人の命を大切にし、国民の生活を守る政治」が必要とし、一人一人に「居場所と出番」があり、支え合う社会をつくると訴えた。国際社会では「世界の懸け橋」として信頼される国を目指すのだと強調した。
言葉の響きは耳に心地いい。とはいえ、あまりに漠然としている。政治が国民の命と生活を守るのは当たり前のことである。では、それにはどんな国の在り方が望ましく、内政と外交でいかなる政策を展開していくのか。実のある答えが要る。
◆首相の責任は重大だ
世界経済が回復基調を確かにできない中で日本はデフレ不況が叫ばれ、景気の「二番底」到来の懸念がぬぐいきれない。多くの若者が就職氷河期の再来にあえいでいる。実効ある経済対策は喫緊の課題である。
少子高齢化の進展と国の厳しい財政状況を見据えれば、将来も揺らぐことのない新たな社会保障制度の構築も急がなければならない。
沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題をめぐって日米関係がきしみ、鳩山政権の対応を国内外が注視している。この問題がどう決着するかは、政権交代後の日本の外交姿勢を象徴的に示すものだからである。
経済や社会保障の安定は、国民生活の基盤を成す。日米関係は日本の安全保障の土台である。これらの課題を政権がいかに処理するか。このことは国の今後に大きくかかわる。
首相が明確な国家ビジョンを示した上で、こうした重要課題への対処方針を説明する。それに対して、与野党がおのおのの国家観を背景に当否を論じ合う。その姿こそ、「国権の最高機関」と呼ぶにふさわしい。
ところが、これまでの鳩山首相の態度からは国を背負う覚悟が伝わってこない。予算編成や経済、外交政策では小沢一郎民主党幹事長や連立与党の意向に引きずられる場面が目立ち、首相の指導力はかすんでいる。
リーダーがカラーを打ち出し、政府と与党を束ねる。それができてこそ未来をにらむ本格的な論戦につながる。首相は責任の重さを自覚するべきだ。
野党が反対や欠席で抵抗し、与党が強行採決で幕を引く。党利党略や政治的駆け引きが横行する国会を変えなければ、民主党の掲げた「変革」も看板倒れになりかねない。
◆野党も真っ向勝負で
野党にも同様の覚悟を求めたい。とりわけ昨年の臨時国会で審議拒否を繰り返すなど旧来型の野党戦術を用いた自民党には、最大野党として正面から論戦を挑んでもらいたい。
政権交代の内実を追及し、その姿を国民の前に明らかにする。これが野党の重要な役割である。政権の迷走や暴走をチェックすることは、参院選での対立軸を示すことにもなろう。
国会が新たな一歩を踏み出すためにいま早急に取り組むべきは、民主党に浮上している「政治とカネ」の問題について議論を尽くすことだ。
鳩山首相と小沢氏は政治資金にまつわる問題を指摘されている。政府のトップと与党の実力者が積極的に説明責任を果たすのは国民に対する責務である。さらに国会では、政治資金規正法の抜本改正など問題根絶への仕組みづくりを話し合ってほしい。
国会は国民を代表する。有権者の負託を受けた政治家が責任を持って議論を戦わせ、国の針路を決める。これが民主主義である。与野党は原点に立ち返り、国会が本来の姿を取り戻すことに力を注がなければならない。
新潟日報
2010年1月18日
http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/20100118.html