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(回答先: 検察対小沢 元地検郷原さんに聞く1・私がサンプロで4億記載を言ったので検察は説明を変えた(パックインジャーナル) 投稿者 feel 日時 2010 年 1 月 17 日 20:34:07)
2010年1月16日
愛川欽也パックインジャーナル
http://asahi-newstar.com/web/01_packin_journal/?cat=18
<コメンテーター>
山田厚史(朝日新聞シニアライター)
石川 好(作家)
川村晃司(テレビ朝日コメンテーター)
下村満子(ジャーナリスト)
横尾和博(社会評論家)
※第1項目 コーナーゲスト
郷原信郎(名城大学コンプライアンス研究センター長、元東京地検特捜部)
(一部記述)
検察対小沢 元地検郷原さんに聞く
(1から続き)
山田)問題なのは、小沢さんが出した4億円が、その中にゼネコンからの闇献金があるのではないか、ということではないですか。
愛川)それだったら、ゼネコンからお金が出た容疑で捕まえたらどうなんですか。
郷原)それはですね、まだ単なる疑惑なんです。犯罪事実でも何でもない。ただ、その疑惑には小沢さんは答えないといけない。それは非常に重要な点です。
愛川)疑惑だけでは、逮捕できないですよね。
疑惑だけで逮捕されたら、えらいことになっちゃう。
郷原)もし、この疑惑が、水谷建設から5000万円とか1億円入ったということが、本当に刑事事件として嫌疑があるとか、立件の可能性があるということであれば、闇献金があったのにそれを記載しなかったという事実で、捜査差押許可状とればいいし、逮捕状もそれでやればいいわけです。ところが、いまの段階ではそういった嫌疑は、まったく固まっていないという認識です。
愛川)じゃ、捕まえといてから固めようってことですか。
昭和11年の芝居を書いたばっかりだけど、昔の特高警察は捕まえといて、だめだったらほっぽりだす。そういうことだとしたら、恐ろしいことです。
石川さんらが捕まったという中身が、捕まえるほどの中身なのか。
川村)国会が始まると、不逮捕特権で、国会の許諾請求がいるため、検察が説明しなきゃならない。国会議員を捕まえるということにしては、とても不可解で、国会が始まる前に捕まえとかなきゃいけないということがあったんではないか。
昨日、特捜部長の佐久間さん記者会見をやっているが、ほとんど報道されていない。テレビのカメラも入れない。
記者の自殺のおそれがないのか、という質問に、「否定はしない」と答えた。そこのとこだけ、大きく見出しに出ていた。国会が始まったら、検察行政のトップは、どういう説明をすべきかを、聞きたい。法務省と東京地検特捜部がどういう関係だったのか、検事総長と法務大臣がどういう話し合いをして、この逮捕がOKになったのか。
もしかすると、東京地検特捜部の暴走というか、現場が小沢さんを参考人で呼んでいるのに、無視されてこないことに対し、ある筋から聞こえてきたのは、「なめられてたまるか」といったと。それに対し、小沢さんの方は、「負けてたまるか」といった子供じみた状況になっていると、ある政治学者がいっていたが、そういう状況からすると、検察のほうは、もっと説明しなけりゃいけないんだと思うんですよ。
郷原)最終的に政治資金規正法違反という、石川さんの逮捕事実は、およそ現職の国会議員を逮捕するような事実ではないと思う。
しかし、その一方でこの(借入先小沢一郎)小沢さんから現金が出ているということが、陸山会の説明では出ていなかったし、今回の捜査の課程で石川さんが話して初めてわかったことです。そういう意味で、この4億円というのは、どこから来たお金なのか、国民は疑問を持った。小沢さんに説明してもらいたいと思ったことは事実だ。小沢さんがそれに対してきちんと説明することが、こういったおかしな捜査が続くことを防止する。早く捜査に決着をつけるためには、ベストの手段だと思う。それが、行われなかったために、捜査や報道がどんどんエスカレートしていって、とうとうこんなところまで至ってしまった。
愛川)それでは、この4億円(つなぎ資金)がどこから出たんだ、ということを小沢さんがいったら、検察は一体どうするんでしょう。
郷原)もし、それが納得のいく説明で、なるほど十分それは考えられる、ということになったら、ほとんど今の騒ぎはどこかへ行ってしまう。
(中略)
郷原)もし、その点(資金がどこからきたか)の疑惑がなくなってしまうと、政治資金規正法違反の犯罪事実は吹き飛んでしまう。ほとんど実体がないもので、ほかに味付けがないと、犯罪事実としてとても世の中にアピールできるようなものではない。だから早く収束してもらうしかないと思う。
しかし、それは、ある意味では、検察の歴史に残る大変な汚点ということになる。これだけ、世の中に影響を与え、その実体になっている原因となった犯罪事実がほとんど根拠のないものだったということになれば、これは検察の権限行使としては、絶対になってはいけないことをやったということになってしまうわけです。
だから、今注目しなきゃいけないことは、小沢さんが4億円に対してどういう説明をするのか、それが納得できるものなのかどうか、まず小沢さんの打順だ。もし、これを小沢さんが説明したら、今度は検察の打順になる。
愛川)あくまでも推測ですが、郷原さんは、この4億円の裏には、ゼネコンやなにやから引っ張ってきたレールのようなものをみつけたぞ、というようなものを、検察はもっていると思いますか。
郷原)私には思えませんね。私は、政治資金規正法違反、公共工事がらみの捜査を現場でしてきました。その経験からいいますと、水谷建設からの5000万円の裏金が、石川さんとか小沢さんに渡されて、それがこの4億円の原資だという話しは、ちょっと考えられない。
愛川)5000万でなくて4億円ですよね。
郷原)その一部です。少なくとも4億円のうち5000万が、水谷建設から来た裏金だということが、問題にされていて、それ以外にもゼネコンからの闇献金がたくさん入っているんじゃないか、という想定のもとに、あえてこういった形式的な事実でやっているわけです。
山田)明確な証拠のあるものはないが、今までの捜査に中で、水谷建設の社員が、小沢さんに2回にわけて渡しましたと証言しているが、その証言が正しいのかどうかということわからないけど、証言がある。
郷原)ただ、水谷建設側の供述なんですが、今服役中の社長が、刑務所の中で供述したことなんですよ。一般的にいって、そういう供述はあやしい。普通は刑務所の中で作業をやっていないといけない人なんだけど、検事さんが来て、一日取調室で話しを聞いてくれるというハッピーな時間ですからね。こういう時の供述は、大変気をつけないといけない。
しかも、この水谷建設の社長というのは、例の福島県知事の佐藤栄佐久さんの供述者です。1年半も検察は水谷建設をとことん追いかけた。なんとか事件にしようと思ってもなかなかうまく行かなかった。それで、最後佐藤栄佐久さんの逮捕までいったんだけども、なかなか一筋縄ではいかない会社で、その社長の供述はなかなか信用できない、と一般的には言われている。
愛川)あの本見せてよ。
下村)「知事抹殺」私はなぜ殺されたのか、という本です。当時は新聞に大きく報道されましたが、本人が詳細にドキュメントとして昨年出した。
「知事は日本にとってよろしくない、いずれ抹殺する。」東京地検特捜部検事が発言したと裏表紙に書いてある。作られた福島県汚職事件。
この知事はなかなかの人で、原発の反対とか、道州制など、政権与党の方針と真っ向から対立し、戦う知事として名を成した、県民に圧倒的支持のあった人です。
最高裁までいって、去年ほとんど無罪近い判決がでた。無罪というのは、土地の取引でもって賄賂をもらったが、市場価格より遙かに高い価格で買ってもらったのが賄賂だと言われていたのが、最終判決では、一切それがなかった、ゼロだった、ということになった。
では、一体何が賄賂だったのかというと、その土地を買ってもらったのが賄賂だったという、わけのわからないことになって、とにかく有罪。
山田)私は、経済記者としてかかわったけれども、電力会社が佐藤さんのこと本当に困ってたんですよ。廃棄物のこと全部反対するし、日本の国策が原発に振り変わったわけだけど、それを仁王立ちで止めてた人です。
電力会社が佐藤さんをなんとかしてくれないと、原子力行政が進まない、といっていた人だ。そこを何とかするよ、と思っていたら、水谷建設でふっとんじゃったわけです。
愛川)その社長が牢獄にはいっていて、その問題のある会社の社長がいったという、予備知識があって、この方が言ったんだという記事ならば、ちょっとこれはだめだぞ、というところからスタートすればいい。
しかし、我々そういうこといちいち覚えていないし、読んでない。
郷原)問題は、なぜ裏金が何の目的で収支報告書に出されずに献金されるのか、ということを考えてみなければいけない。去年、大久保事件の時に問題にされたのは、表のお金です。それが、ダミーの団体を使っておかしかった、と言われたけども、あえて裏にするとすれば、それは裏で使いたいからだ。それ以外には考えられない。派閥の領袖として、モチ代を配るとか、いろいろ表にだせない使い道があるのではないか。政治家というのは、そういうものが必要だとみな思ってますよね。そういうお金が必要だから、領収書のいらないお金としてもらうのはわかる。
しかし、そうだとすると、なんで5000万を表に出して、土地代金に充てないといけないのか、私だったら、裏は裏としてプールしておく。土地代金については、銀行からの借入の話しができているわけですから。
山田)だから、つなぎ資金に(裏を)使ったんではないですか。一回、表にだして裏にもどすわけだけど。
郷原)それは、一旦口座にはいるわけですから、裏金の使い方としては、考えられないですね。
川村)東北の公共事業で、仕切屋がいて、鹿島といわれているが、小沢さんの天の声で仕切っていたと、従ってそれぞれの建設会社が小沢さんのところに献金をしていたんじゃないか、という構図を明らかにしようとして、大久保容疑者を去年逮捕したけれど、その構図は明らかにならなかった。
郷原)検察はそれを、西松建設事件の冒頭陳述で、天の声、天の声って、ものすごいそういう言葉を使って、いかにも天の声に関連して献金が行われたような、イメージを植え付けたけれども、結局裁判所の判決は、そういう献金が公共工事の受注と対価制を持ったものではない、と認定してしまった。
山田)しかも、あの冒頭陳述は、選挙前にぶつけたんですよね。選挙前に小沢さんをやって、冒頭陳述で、小沢さんはいかいもひどいことをやっているということを世間に印象づけるだけで、それがなくなっちゃった。
郷原)選挙前に判決が出たんですけど、ほとんど報じられなかった。
川村)知事の場合は、職務権限があるけど、小沢さん野党だからない。
山田)よく、予算だけでなく決算をやらなきゃいけないというが、地検がやる場合は、やる前から新聞がどーっと書いて、しこたま悪いやつだと言って、出てくるのは、ほんのちょっぴりですよ。そのちょっぴりも、判決になると、さらにちょっぴりになっている。だから、はじめに言われていたことと、最後の着地点がどれだけ違ったのか、を本当はメディアがちゃんと検証しなきゃいけない。
郷原)しかも、検察は裁判所に否定されたにも関わらず、その後、大久保さんの公判の冒頭陳述でまた同じようなストーリーを展開する。それがまた、メディアで報じられる。だから、そういうような印象だけを狙って捜査をしているとしか思えないところに、非常に危険さがある。今回も、水谷建設から来た金なんでは、という印象を植え付けるためだけに、ほとんど微罪にしかならないようなものでやってる。
下村)なさけないことに、メディアもこれにのっかっちゃってて、いいように使われている。
それを書くのはいいんだけど、去年の事も解説みたいなところで、実はこうだったという、複雑な構図をくっつけて記事がでるならいいですけど、ほとんど(そんな記事は)ゼロですからね。
愛川)今日、郷原さんに来ていただいて、よーっく見えてきました。郷原さん、ありがとうございました。また、続きをやりたいと思いますので。