★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK77 > 375.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
[1458]投稿日:2010/01/12(Tue) 06:50:04
副島隆彦です。
沖縄の普天間基地の移転問題で、アメリカの対日戦略の頭目(とうもく)で、ハーヴァード大学教授で、昨年6月に駐日本大使になりこそねた、ジョゼフ・ナイが、ようやく、自分たちの作戦の間違いに、気付いたようだ。 鳩山政権に対して、新たな次の手を打ってくるだろう。
副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
「普天間移設 米政府の姿勢戒め ナイ氏が米紙寄稿 」
琉球新報(りゅうきゅうしんぽう) 2010年1月9日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-155359-storytopic-53.html
(副島隆彦注記。 記事よりも前に、急いで、私の分析を、はじめに書いておきます。 極悪人で、日本あやつり版の人間の頭目である、ジョゼフ・ナイが、ようやく「しまった。鳩山たちに嵌(は)められた。問題は、普天間のような小さな基地ひとつ、の配置問題ではない。
ここでの交渉に、目を奪われて駐留軍だけではなく、アメリカ政府までが、ここに拘泥(こうでい)し、ここで膠着(こうちゃく)すると、 全体としての、日米関係、すなわちアメリカによる日本管理、日本抑え込みの失敗になる。大きなところでの、日本政府=鳩山政権 からの譲歩を引き出せなくなる。
この普天間基地移転問題という小さな問題(小さな戦場)に目を奪われて、全体の大きな問題(国家間の大きな戦場、交渉ごと)が見えなくなる。
普天間基地問題は、 始めから米海兵隊(マリーン・コウ) に対する、米空軍の司令官たちからの 差別( お前たちは、きたないから、あっちにゆけ)問題がからんでいた。 米4軍の日本現地駐留軍の司令官たちの内紛と経費ぶんどり合戦(日本政府からの傭兵(ようへい)費用の払い渡し の 年間3千億円の「思いやり予算」 の 奪い合い)になっている。
この 日本現地駐留軍人たちの問題に米政府が引きづられて、それで、かえって鳩山政権に対して、単純な圧力しかかけなれなくなってしまっている。
しまった。小沢一郎がトヨタの奥田ひろし と作って、平野博文(ひらのひろふみ、内閣官房長官、松下労組委員長出身、すなわちパナソニックがもつ国家戦略)が「普天間は自分の仕事です。総理、私に任せておいてください」 として、日本の政・財の頭脳が結集して、日本人の得意な「ぶらかし戦略」(アメリカの、高等外交戦術であるBATNA=バトナ=理論の逆用)に出ている。しまった、私たちアメリカの外交戦略家たちの方がまんまと騙されつつあるぞ。急いで、戦略を転換せよ 」
このように、ジョゼフ・ナイ がようやく気付いたようである。 この作戦は、アメリカの権力の構成を分析してきた、三井物産戦略研究所の寺島実朗(てらしまじつろう)氏が、初めから立案して提言したものである。 「普天間という小さな問題に、アメリカ政府をまず釘付けにしよう。そうすれば、沖縄県民が、意思を一致させて、沖縄からの米軍の撤退を決議して行動するでしょう。そうなると米軍は、沖縄県民を敵に回すことはできない。 来年1月の名護(なご)市の市長選挙で、決着がつきます。 米軍は、駐留先の現地の人々から、「出て行ったください」と言われると、どうしようもなくなる。この作戦でゆきましょう」 と、寺島実朗が作戦提言した。
これは、昨年の9月の鳩山政権の発足時からの、日本政府の外交方針である。外務省のアメリカの手先幹部たちなどには、何も教えないで、この作戦は実行されてきた。単純な頭の、日本国内のアメリカの手先たちも、普天間問題に熱中して、だまされた。「日米同盟が危機に瀕する。同盟関係が漂流(ひょうりゅう)する」と、馬鹿な頭で騒いでいる。
ナイがやっと気付いたのは、世界戦略家(ワールド・ストラテジスト)としては当然であり、さすがといえば、さすがである。そのことを、以下の記事のなかで、ナイが、「普天間問題をめぐる日米間交渉を、ローマ時代に多大の犠牲を伴った「ピリックの勝利」に例えた」となっている。
副島隆彦は思う。ようやく気付いたか、ナイよ。だがすでに今回は、日本側の勝利である。 これには、他の馬鹿たちの動きも関わる。
一体いくらのカネを日本側の、防衛予算から引き出すことで、米軍需産業のジェネラル・ダイナミックス(GD)社(戦闘爆撃機やヘリのエンジンの製造企業)や、レイセオン社(高性能弾道ミサイル製造)の代理人(販売営業マン、ブッシュ政権高官をやったあとは、営業マンになる)をやっている、R・アーミテージと、M・グリーンたちは、自分が稼(かせ)ぎ挙げる、目先のカネが大事で、そこに目を奪われる。
ロバート・ゲイツ国防長官でも、軍人たちを食べさせること(現地の国で、収入を確保すること)に腐心(ふしん)するから、全体が分かっていない。
だから、アメリカは大きくものごとを見れなくなっている。日本政府を自分たちが直接、脅(おど)して、圧力を掛けさえすれば、日本が動くと思っている。 このことを、対日本管理の全体の統括者である ジョゼフ・ナイは、ハッと気付いたのである。お見事である。しかし、もう遅いよ。
副島隆彦注記おわり)
【東京】クリントン米政権下で国防次官補を務め、米国の東アジア戦略策定にも携わってきたジョセフ・ナイ・ハーバード大名誉教授が、7日付の米ニューヨークタイムズ紙への寄稿で、米軍普天間飛行場移設で米側が日本政府に強硬姿勢で臨むことを「賢明でない」と諭し、
「忍耐強く戦略的に臨まなければならない」と提言した。「普天間問題」を二次的な問題と位置付け、強硬姿勢のまま同問題で米側が「勝利」しても、日米同盟上は犠牲が多くて引き合わないとも指摘した。
普天間移設問題では、日米間の最重要課題で合意通りに移設を履行しなければ、日米同盟が危機になるとする論調と一線を画するものとして注目される。
「一つの問題より大きい(日米)同盟」と題した寄稿。普天間移設問題をめぐり「二次的な重要性しかないもので、米国の東アジアでの長期的戦略を脅かしている。普天間はそこまで価値はなく、鳩山新政権が掲げている唯一の問題でもない」と指摘した。
従来、日本の官僚は「外圧」を利用して外交課題の解決を図ってきたと説明、「だが今回はそのケースではない」と断言している。その上で、米側が鳩山政権を軽んじれば、日本の国民世論に憤りを招くと分析。普天間問題をめぐる日米間交渉を、ローマ時代に多大の犠牲を伴った「ピリックの勝利」に例えた。
安保改定から50周年の時期を重視する観点から「基地の論議が気まずい空気になり、在日米軍のさらなる削減を引き起こすようなことになれば、両国はせっかくの機会を逸することになる」と懸念を示した。
ナイ氏は1996年の日米安保「再定義」にも携わり、2000、07年にはアーミテージ元国務副長官らと対日同盟戦略書「アーミテージ・ナイ・リポート」をまとめた。(滝本匠)
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 この問題に関連して、私たちの「学問道場・今日のぼやき」に、私が、昨年の8月に書いた文章を、以下に参考文献として、載せておきます。
(転載貼り付け始め)
http://snsi-j.jp/boyakif/wd200908.html#1001
今日のぼやき 「1066」番
(表題) 「鳩山民主党政権誕生に向かっての私たち学問道場の指針」 を書きます。それと、獄中の植草一秀氏からのメッセージがあります。 副島隆彦 2009.8.29
副島隆彦です。 今日は、2009年8月29日(土)です。 いよいよ明日30日が、総選挙(衆議院議員選挙)の投票日です。私たち日本国民の運命を、自分で握りしめるために、投票に行って、そして、新しい政権の誕生を皆で祝いましょう。
投票の際には、同時に行われる、最高裁判所の裁判官たちへの国民審査で、「4人の最高裁裁判官、近藤崇晴(こんどうたかはる)、那須弘平(なすこうへい)、竹内行夫(たけうちゆきお)、竹崎博充(たけざきひろのぶ)に、×(バツ)を与える」ことも忘れないでください。
(略)
2009年3月の、小沢一郎への汚職・犯罪者仕立て上げの攻撃の謀略を仕掛けた アメリカは、あのあと、「タオルを投げた」のである。アメリカの策略は 失敗したのである。 私は、この「アメリカ(の日本あやつり対策班=ジャパン・ハンドラーズ)は、あの3月に、日本管理上の大失敗を犯した。
だから、「アメリカはタオルを投げた」という情報を、3月の事件の直後 に、謀略を仕掛けた、検察特捜・法務省・警察庁の漆間巌(うるまいわお、 官房副長官 )ら アメリカの手先たちが、自分たちの悪事を暴かれて、右往左往している さ中に、アメリカ(ワシントンDC)中枢からの情報として知った。
だから、あのとき、「アメリカがタオルを投げた」ということは、
「日本はもう、自分たちの言うことは聞かなくなった。小沢一郎らを抑え込むことに、 自分たちは失敗した。だから、少なくともしばらくは、もう自分たちの手には負えない」と判断した。
最高度でこの判断をしたのは、ジョゼフ・ナイ・ハーヴァード大学教授 (政治学)である。 ジョゼフ・ナイは、新任の駐日アメリカ大使として、 赴任することになっていた。
「(属国群には)ソフト(な)パワー(を行使せよ)」論である ' Soft Power ' 「ソフト・パワー」論の提唱者であり、悪辣(あくらつ)な人間である。 ナイは、 「自分が、日本に赴任する前に、小沢一郎を片づけておけ」と、CIA(米中央情報部) の対日本の謀略部隊(破壊工作員たち)に命令を下していた。それに失敗した。
だから、ナイは、急に、日本に来る気が無くなった。それがはっきりしたのは 4月26日の、東京のホテル・オークラで開かれた米欧日三極委員会 (ザ・トライラテラル・コミッション)」の東京大会(の裏の決議事項) でである。「私は、もう、日本には来ない。どうも小沢潰(つぶ)しに、 私の配下の者たちが失敗した」と、
朝日新聞の主筆(編集権を握る役員待遇)の、 船橋洋一(ふなはしよういち、こいつが、朝日新聞を、この10年間でおかしくした張本人) に伝えたのである。 (以下略)
http://snsi-j.jp/boyakif/wd200908.html#1001
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝