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http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101212/plc1012121201007-n1.htm
政権のほころびを取り繕うことばかりに執着し、政界トップとしての自信と誇りを感じさせない菅直人首相は、政権の行く末をどう考えているのかな、と思う。支持率が20%台に落ち込んだ体たらくは、何よりも首相その人の政治的能力に帰する。閣僚の失言問題にしても、任命権者は、誰であろう首相その人ではないか。
首相周辺によると、平成22年度補正予算が成立した先月26日、今後の政権運営をどう切り盛りしていくか、かなりの意欲をみせていたという。それからここしばらくの動きは確かに、来年1月に召集される通常国会をにらんだ地ならしの色合いがとても濃い展開となっている。
一連の流れで透けてみえるのは、自民党との大連立構想が難しくなったので、原点回帰で再び社民党との協力関係を構築するしかなくなった、という首相の迷走ぶりだ。「政治とカネ」の問題を抱える民主党の小沢一郎元代表の国会招致を実現し、公明党の協力を取り付けたい思惑もにじんでいる。政権を維持するために、なりふり構わず考えつくカードを切りまくっているようだ。
大連立構想は、先月30日に行われた首相と自民党の谷垣禎一総裁との電話会談以降に現実味をもって語られるようになった感がある。報道されているところでは、植民地時代の朝鮮半島から日本に持ち込まれた歴史的文書を韓国に引き渡す日韓図書協定の国会承認についてやり取りされたことになっているが、額面通りには受け取れない。
臨時国会の会期末、閣僚経験のある自民党幹部に大連立構想など実現可能なのか尋ねた。菅政権を追い込み衆院解散・総選挙に持ち込んで政権交代を引き寄せるには、随分、遠回りなやり方だと思えるからだ。
「このままいけば、『ねじれ国会』では、平成23年度予算は成立しない。せめて予算成立後の衆院解散・総選挙を首相に確約させて、成立に協力することでではないか。連立を組んでも自民党には何一つメリットがない。低空飛行の菅政権に風を送るなんて愚かなまねはできない」
自民党にとっては、自公連立政権を通し、衆院選では、公明党との選挙協力が定着している事情もあり、民主党との大連立構想は、民主党と「自公」との連立政権でなくてはならず、大連立が現実化することで、埋没してしまう公明党への配慮もあるのだろう。
案の定、谷垣氏は8日、大連立構想を持ちかけた渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長に対し、「首相を信用できない」と拒否の姿勢を示した。
もっとも、谷垣氏にしても、自民党を一枚岩で仕切れるリーダーシップがあるわけではない。実際のところ、自民党では、知名度のある女性議員が中心となって、公明、共産両党を除いた野党の超党派グループを発足させる動きがあり、早耳の自民党関係者は、政府・民主党による切り崩し工作の対象になりかねないと、気をもんでいる。
それにしても、首相やその周辺には、政局を仕切れる人物がいない。「陰の総理」と呼ばれる仙谷由人官房長官にしても、ポストがそういう評価を増幅させているのに加え、ほかに政権運営を進めるに当たり、風当たりを受け止められる政治家がいないという、この政権の構造的な欠陥がある。なぜそうなのか考えるに、つまるところ、相手方に思惑を押しつけるような、まっこと雑な政治手法しか持ち合わせていないことに尽きるのではないか。着地点を見据え、ゆっくりと丁寧に取りさばけないわけだ。
例えば、こんなエピソードがある。臨時国会の召集を間近に控えた9月26日、首相は、東京都八王子市の東京富士美術館を突然、訪問した。この美術館は公明党の有力支援組織である創価学会の池田大作名誉会長が設立したことで知られ、政権運営で同党の協力を引き出したい思惑がありありだ。
だが、同党関係者に聞いたところでは、驚くことに、訪問の打診は前日だったといい、しかも、党や学会幹部にではなく、首相周辺が美術館に電話してきたのだという。党幹部の一人は「首相が訪問した際、党や学会の幹部は会っていない。前日に美術館に打診が来ても、すぐに対応できるはずがない」と漏らす。何のための訪問だったのか、ということになっているのだ。
「一事が万事」とは言えまいか。大連立構想も渡辺氏の存在抜きでは語れないし、社民党との「先祖返り」にしても、連立を組む国民新党の亀井静香代表によるところが大きい。首相ないし周辺発の思惑で形になった政局は思い当たらない、実にお寒いありさまなのだ。
民主党では、窮地に立つ首相の心情を見透かしたように、別の思惑も着々と進行している。主役は小沢氏。国会招致に応じる、応じないだの、離党するだのしないだの、新党結成どうのと、相も変わらず取り巻く情勢はにぎにぎしいが、ある同党関係者によると、小沢氏と、たちあがれ日本の与謝野馨共同代表、首相との3氏を結びつけるシナリオが進んでいるという。つまり、首相に「仙谷切り」を迫っているのだ。
あまたの思惑が交錯し、国政の重要課題をなおざりにして、駆け引きに狂奔する政界をみていると、「もうそれ以上は勘弁してくれないか」という限界点が国民には出てくる。もうそういう段階なのかもしれない。実に“おめでたい”というか、何というか…。
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