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民主党の樽床伸二衆院議員(大阪12区選出)の支援をうたい、寄付金控除の適用を受けている樽床氏側の政治団体が「国会議員関係政治団体」としての届け出をしていないことが9日、産経新聞の調べで分かった。同団体が平成21年分の政治資金収支報告書を提出していないことも判明。いずれも政治資金規正法に抵触する恐れがある。同団体は15年以降、20万円余を翌年に繰り越しているだけだが、樽床氏個人からの借金が1千万円残っており、このまま解散させれば、樽床氏は1千万円もの自己資金を回収できない。
問題の団体は「関西政経文化研究会」。同研究会は樽床氏が代表の「民主党大阪府第12区総支部」や資金管理団体と所在地が同一。元公設秘書が代表で、会計責任者と事務担当者は同支部や資金管理団体と同じ。
同研究会の設立届では、寄付金控除の適用の有無が「有」とされ、添付された規約の活動目的欄には「樽床伸二の政治活動を支援」と明記。樽床氏の被推薦書も添付されており、その後変更届も出されていないことから、20年10月1日の段階で、国会議員関係政治団体の要件に該当していた。
だが同研究会は必要な届け出をしておらず、樽床氏が通知を怠ったか、同研究会が届け出を怠ったことになる。大阪府選挙管理委員会は昨年12月、同研究会に届け出を促す文書を送付したとしているが、現在も届け出はなく、通知と届け出を義務付けている規正法に抵触する恐れがある。
同研究会は9〜14年、繰越金を除く年間収入が約500万〜約4千万円。15〜20年は20万円余を翌年に繰り越すだけで資金の出入りがなく、21年の収支報告書は未提出。13年に樽床氏が貸し付けた1500万円のうち、1千万円が借金として残っているが、樽床氏が貸付金を回収するために、活動実態のない同研究会に多額の「浄財」を新たに入れれば、政治資金の目的外流用との批判も出そうだ。
樽床事務所の話「政治団体の届け出と収支報告書の提出に漏れがあった。貸付金の回収法は検討中」
『家賃なしも違法』
上脇博之・神戸学院大法科大学院教授(憲法学)の話「国会議員関係政治団体の届け出を怠り、収支報告書も未提出なのは違法。資金の出入りがない団体はペーパー団体とみるべきで不適切だ。逆にペーパー団体でないというのならば、事務所家賃が計上されていないのは無償貸与分の不記載にあたる」
【国会議員関係政治団体】
政治資金の透明性強化のため平成19年の政治資金規正法改正で導入された。寄付金控除の適用を受け、特定の国会議員か候補者を支持する「その他の政治団体」は届け出義務があるが、罰則はない。20年10月1日現在でこの要件に該当した場合、政治家は「関係団体」に該当する旨を団体側に通知し、団体側は関係団体として届け出る義務があった。また関係団体でないなら、寄付金控除の適用を「無」に変更するよう届け出る義務があった。期限は同年12月31日だった。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101210/crm1012100201005-n1.htm
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