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昨今の政界、タガがはずれたみたいだ。節度なく勝手なことを言い、とがめられるとすぐ謝る。問責だ、懲罰だ、と政治の本筋でないことに忙しい。
<柳田現象>
とでも言うしかない。柳田稔前法相の軽口はその後も続いているという。
命取りになった最初の軽口、例の、
「法務大臣とはいいですね。二つ覚えておけばいいですから……」
で始まる国会軽視発言が表ざたになったのは、11月16日の衆院法務委員会、質問者は自民党の河井克行元副法相だ。舞台は2日前の大臣就任祝賀会(広島市のホテル)、参加の一人から、河井は発言記録を入手していた。
当日、会場には新聞、テレビも数社入っていたが、なぜかどこも報道していない。これも釈然としないが、地元では、軽口常習者で柳田は通っているそうだから、
「またか」
で聞き流したらしい。
法務委に戻るが、速記録を読み返してみると、河井の追及に対し、柳田の答弁には、
「仲間内で楽しくやろうということで……」
などと、<仲間>がなんと12回も出てくる。内輪の会の軽口で、とかわそうとしたのだが、こんどは一転、マスコミが集中砲火を浴びせた。
軽口の第2幕は、法相辞任が11月22日で、休日を挟んだ24日のことだ。柳田は衆院議員会館のエレベーターのなかにいる。周りを民主党の新人議員に囲まれながら、柳田がつぶやいた。
「知名度と顔が売れちゃって、街を歩いていてもみんなにばれてしまうんだなあ」
楽しげである。新人がすかさず口を挟む。
「いまなら、菅さんのあとの総理になれますよ」
「いやあ、そうだねえ、名が売れてるからなあ」
軽口が止まらない。たまたま乗り合わせた自民党の中堅議員は耳を疑う。
「あれだけ国会を騒がせたのだから、反省して謹慎しているのかと思ったのに」
とあきれ顔だった。とにかく、言葉がゆるみっ放しだ。
柳田だけではない。似たようなことは菅直人首相の周辺でも起きている。<1%発言>がその一つだ。
菅は先月27日、東京都内の中華料理店に鳩山由紀夫前首相を招いて懇談し、その席で菅が、
「内閣支持率が1%になっても辞めない」
と決意を語った、と翌朝の各紙が報じた。ところが、鳩山は28日、
「1%は首相が言ったのではなく、(首相の)友達が『1%になっても辞めないでくれ』と激励したという話だ。間違って報道されている」
と述べた。
<1%発言>は、菅の最近の心境をうかがい知る素材として重要で、反響も大きかった。しかし、発言者が友人となると、話がまったく違ってくる。どちらが本当なのか。
類推はできる。鳩山はかねて<政界でもっとも秘密が守れない人>として定評があり、今回もポロリと漏らした。まさか密談が表に出ると思っていないワキの甘い菅側は、あわてて鳩山に発言修正を求めたのではないか。
邪推かもしれないが、現首相と前首相のやりとりがこんな形で扱われると、政治家の言葉に対する信頼が甚だしく損なわれる。友達が本当なら、菅側はいまからでも氏名を公表したほうがいい。
中井洽衆院予算委員長の「早く座れよ」発言も出た。テロ捜査資料やビデオの流出が相つぐなか、政治家の口もとも自制を失ってきたのか。
<柳田現象>は毎日、どこかで起きている。これも一種の政治危機だ。(敬称略)=毎週土曜日掲載
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岩見隆夫ホームページ http://mainichi.jp/select/seiji/iwami/
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毎日新聞 2010年12月4日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/iwami/
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