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2010年12月 1日 (水)
小沢一郎氏行政事件最高裁特別抗告棄却決定(全文)
11月25日の最高裁決定が、最高裁判決速報サイトに掲載されましたので、以下に紹介します。全文といっても極めて短いものです。
主 文
本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理 由
1 本件申立ては,原々審以来,検察審査会法41条の6第1項所定の検察審査
会による起訴をすべき旨の議決の取消しを求める訴えを本案として,上記議決の効
力の停止を求める趣旨のものと解される。
2 平成22年(行ト)第63号事件について
抗告代理人則定衛,同阿部泰隆,同南裕史の抗告理由について
民事事件について特別抗告をすることが許されるのは,民訴法336条1項所定の場合に限られるところ,本件抗告理由は,違憲をいうが,その実質は原決定の単なる法令違反を主張するものであって,同項に規定する事由に該当しない。
3 平成22年(行フ)第4号事件について
抗告代理人則定衛,同阿部泰隆,同南裕史の抗告理由について検察審査会法41条の6第1項所定の検察審査会による起訴をすべき旨の議決は,刑事訴訟手続における公訴提起(同法41条の10第1項)の前提となる手続であって,その適否は,刑事訴訟手続において判断されるべきものであり,行政事件訴訟を提起して争うことはできず,これを本案とする行政事件訴訟法25条2項の執行停止の申立てをすることもできない。したがって,上記議決の効力の停止を
求める本件申立ては,不適法として却下を免れない。これと同旨の原審の判断は正
当として是認することができる。論旨は採用することができない。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官白木勇 裁判官宮川光治 裁判官櫻井龍子 裁判官金築誠志 裁判官横田尤孝)
弁護団は、最高裁決定を受けて、11月30日付で行政訴訟本体そのものを取り下げました。この取下は合理的な理由があります。
最高裁は執行停止を斥けるに当たって、起訴議決の当否は刑事訴訟手続きで争うべきで行政訴訟で争うべきではないとの判断を示しているので、残された行政訴訟の結論も同じになることが確定したからです。
また、第1回期日前の取下であれば、相手方の同意も必要がないからです。
第1回期日を過ぎてしまうと、相手方の同意が必要になるので、相手方が同意しない限り、不毛な訴訟を続けなければなりません。
ある意味で、この最高裁決定は当初から小沢弁護団が追及してきた目的でもあります。
とりあえず、超特急で、起訴議決の瑕疵は刑事訴訟手続きで争うべきであるとのお墨付きを得るという成果を挙げることには成功した訳です(起訴議決の効力を刑事訴訟で争ったところ、それは行政訴訟で争うべきことだと言われるおそれは当面なくなった)。
これは、小沢弁護団が、指定弁護士の選任の差止というスケジュール的にほとんど無理な要求を申立に加えた戦果といえるでしょう。
ですから、小沢一郎氏にとてっは、まずまずの成果というべきでしょう。
しかし、本当にこの結論で良かったかは、多いに疑問です。
強制起訴制度には、起訴の基準も審理の準則も定められていません。
証拠を検討すべきことすら義務化されていません。
噂・風聞による感覚で判断することを抑制する手だてもありません。
審査会の実体の存否すら確認する手だてがない密室の議決手続きです。
たとえ起訴の前提手続きに過ぎないとしても、専門家である検察官が二度にわたって起訴できないと判断した事件、ですから本来は刑事被告人にされる余地のなかった人を起訴するのですから、適正手続きの保障が必要であることはいうまでもありません。
ところが、この間の経過で、検察審査会制度や起訴議決には、適正手続きが全く保障されていないことが、あからさまになってしまいました。
今回の最高裁の結論が一人歩きすると、法律の専門家である検察官が不起訴とした事件でも、市民感情によって、あるいは扇動的な審査補助員によって起訴議決されてしまい、無実の一般市民が、刑事被告人という汚名を負うという事態が正当化されかねません。
いったん刑事被告人とされた場合の社会的打撃には図り知れないものがあります。
刑事被告人にならないこと自体が利益であることは社会通念からも明らかでしょう。そのためには行政訴訟で争う途を残す必要があります。
したがって、この最高裁判決の射程距離は、あくまでも不起訴とされた被疑事実から逸脱しているという起訴議決の当否を争う場合には、刑事訴訟によるべきであるとする特殊に限定された範囲に限られると理解する必要があると考えます。
さて、最高裁決定が公表されたお陰で、覆面弁護団の名前はわかりました。宮崎親分が言っていて則定氏の名前もありましたね。一応行政事件の専門家もいらしたので、報道では不明でしたが、起訴議決の効力の停止も当初から申し立てていたようですね。
行政訴訟も終わり、小沢一郎氏の刑事弁護団は、弘中惇一郎弁護士を中心に組むことも決まりました。
陸山会事件:小沢氏主任弁護人、弘中氏に正式決定
検察審査会の議決に基づき、政治資金規正法違反で強制起訴される小沢一郎・民主党元代表の主任弁護人に、郵便不正事件で無罪が確定した元厚生労働省局長の弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士(65)=東京弁護士会=が就任することが決まった。弘中氏は取材に対し「自分の事務所の弁護士を含め数人で弁護団を編成したい」と語った。裁判では無罪を主張するとみられる。
弘中氏はロス銃撃事件で無罪が確定した故三浦和義氏や、薬害エイズ事件の1審で無罪を言い渡された故安部英・元帝京大副学長(控訴審中に死去)らの弁護人を務めたことで知られる。小沢氏側から弁護団入りを要請されており、小沢氏が審査会の起訴議決取り消しを求めた行政訴訟を30日に取り下げたことから、受諾することを正式に決めたという。 (毎日新聞2010年12月1日朝刊)
マスコミは、弘中氏の就任が決まるや、恰もこれに歩調を合わせるかのようにして、いっせいに小沢一郎氏の金絡みの話題を報道して、イメージダウンを図ることで足並みを揃えています。
マスコミが、小沢一郎氏のイメージダウンを図るということは、今なお、小沢氏が政局の中心にあることの証拠でしょう。
小沢イメージは現に動いている政局と密接に絡んでいるのです。
したがって、刑事弁護団には、刑事事件で無罪を勝ち取ること以外に、小沢のイメージアップを図ることも求められるでしょう。
その場合、この間、各地で自然発生的に立ち上がってきた運動を、弘中弁護団は、どのように扱うのでしょうか。
刑事事件の内容や検察審査会の異常さに対する丁寧なマスコミを含むメディアレクチャーも必要になるでしょう。
お互い人間ですから、丁寧な接触を重ねれば、現場の記者は心情的に味方に付けることができるというのは、常に経験するところです。
また、宮崎親分のおっしゃっている名誉毀損訴訟もいよいよ必要ななのではないかとも考えるところです。
今後の帰趨に注目したいと思います。
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2010/12/post-d403.html
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