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安倍政権:裁量労働制“拡大”今国会断念、
拡大を狙っていた、経済界に衝撃 !
自公政治家・NHK等が隠蔽・誤魔化す、
裁量労働制の深層・真相は ?
(news.tbs.co.jp:2018年3月1日 17時00分より抜粋・転載)
今の国会の焦点、「働き方改革関連法案」について、安倍総理は、「裁量労働制」の対象拡大を切り離すことを明らかにしました。今国会での提出を、断念することになります。
急転直下の決断は、与野党・経済界に、波紋を広げています。
◆安倍総理は、“裁量労働制の対象業務拡大”を、
切り離す決断をした !
3月1日午前7時過ぎ、総理官邸に姿を見せた、安倍総理。安倍政権が負った、ダメージの大きさを物語っているのでしょうか、その表情には、疲れの色がにじんでいるように見えます。
安倍総理は、「働き方改革関連法案」から“裁量労働制の対象業務拡大”
を、切り離す決断をしました。
「働き方改革法案の中において、裁量労働制については全面削除するように指示しました」
(安倍首相)
◆経済界からは、落胆の声が漏れました !
突然の方針転換に、裁量労働制の拡大を求めていた、経済界からは落胆の声が漏れました。
「今回は政府の自爆だ。裏切られた気持ちだよ」(経済団体幹部)
「これでは本当の『働き方改革』につながらない。『働き方“未”改革』だね」
(経済団体幹部)
苦渋の決断をした安倍総理ですが、混乱は収まりそうにありません。次の焦点は、働き方改革の柱の一つ、「高度プロフェッショナル制度」です。
「高度プロフェッショナル制度について、柔軟な働き方を可能とするものであり、また生産性の向上にもつながっていく。予定どおり、今国会に提出する法案に、盛り込んでいく考えです」(安倍首相)
◆野党側は、「裁量労働制」と同じように、高度プロフェッショナル制度」も
過労死の原因になると批判している !
この制度は、高収入の一部専門職を、労働時間の規制から外す制度のことで、これも経済界からの早期導入を求められています。ただ、野党側は、「裁量労働制」と同じように、過労死の原因になると批判しています。
「一番強烈な過労死促進法と言われているのが、この高度プロフェッショナルにもかかわらず、裁量労働制だけ除いて、安倍政権は、いったい何を考えているのか」(希望の党 山井和則衆院議員)
野党側は、「高度プロフェッショナル制度」の削除を求め、政府を徹底追及する方針です。自民党内からは今後の展開を不安視する声も上がっています。
「それにしても急転直下だよな。俺が野党だったら黙ってないよ」(自民党幹部)
(参考資料)
月次100時間未満の残業容認は、安倍政権は
「過労死」を防止する意思がなく、「過労死」合法化だ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/02/28より抜粋・転載)
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1)「働かせ方改悪」に対する風圧が強まっているの
は、安倍政権の基本姿勢に問題があるからだ !
安倍政権が提案している「働かせ方改悪」に対する風圧が強まっているのは、データに不備があったという技術的な要因に原因があるのではなく、この提案の目的、安倍政権の基本姿勢に問題があるからだ。
「働かせ方改悪」は労働者=主権者の利益を増大させる提案ではない。逆に労働者=国民の利益を著しく悪化させるものである。
労働者のための制度改定ではなく、労働者を雇う資本のための制度改定であることが、風圧が拡大している主因なのである。
2)「働かせ方改悪」の柱は、4点であるが、本質は、
資本家の利益ための制度改定である !
安倍政権が提示している「働かせ方改悪」の柱は、以下の4点である。
1.長時間残業の合法化、 2.正規労働と非正規労働の格差の維持
3.年収1075万円以上の労働者を対象とする残業代ゼロ制度の創設
4.残業代ゼロの裁量労働制度の範囲拡大
残業時間に上限を設定し、違反に対する処罰規定を設けることは正しい。
3)残業時間の上限が、労働者の酷使を容認する
ものであるなら、本質は、「改悪」だ !
しかし、その上限が労働者の酷使を容認するものであるなら制度改定は「改正」ではなく「改悪」になる。労働者を守る規制を強化し、違反を厳正に取り締まるのでなければ、制度を改変する意味がない。
今回の改定では月次の残業時間が100時間未満まで容認される。「過労死」の被害者遺族が「改悪」であると批判するのは当然のことである。
実際に、月次残業時間80時間未満で過労死した労働者が労災認定されており、月次100時間未満の残業容認は「過労死」合法化に他ならない。
4)月次100 時間未満の残業容認は、安倍政権は
「過労死」を防止する意思がなく、「過労死」合法化だ !
安倍政権は「過労死」を防止する意思を有していないということになる。
過労死を防ぐには最低限必要な休息が必要である。
EUでは、EU加盟国が、EU労働時間指令の内容を、国内法として、規定する義務を負っており、これがEU諸国における共通の基準になっている。
5)EU労働時間指令は、1日の拘束時間の上限を、
13 時間と規定している !
EU労働時間指令では、休息時間について、24時間につき最低連続11時間の休息時間を求めている。休憩時間を含めた、1日の拘束時間の上限を、13時間としているのである。
深夜12時に退社した場合には、午前11時より前に出社することが許されない。
この「インターバル規制」こそ、労働者の生命と健康を守る重要な基本ルールになっている。
月100時間の残業時間は、平日週5日勤務の場合、午前9時から休息1時間をはさんで、午後6時までの所定内労働を終えたのち、休息1時間をはさんで、深夜12時までの勤務を毎日続けることを意味する。
6)働かせ方改革が法定されれば、深夜12 時に退社して、
翌朝9 時に出社する事が合法化され、 過労死が増大する可能性大だ !
深夜12時に退社して、翌朝9時には出社していなければならない。
この生活が1ヵ月連続する状況であり、安倍政権はこうした勤務実態を合法化しようとしている。
これでは、労働者の心身の健康、生命を守ることができない。
このような勤務を望むのは、労働者を単なる消耗品としか考えない冷酷な資本だけである。
つまり、安倍政権は、主権者=労働者=生活者の側に立って、政策を立案しているのではなく、労働者=主権者を、利潤を拡大するための「道具」としか考えない、資本の側に立って政策を立案しているのだ
7)安倍政治の本質は、資本の利益拡大を
実行できる政策を立案している事だ !
この基本姿勢、基本スタンスに問題があるのだ。
高度プロフェッショナル制度や裁量労働制は、労働の生産物に縛りをかけて、労働の仕方を労働者に委ねる制度である。勤務時間などを労働者が柔軟に選べる制度だとするが、この制度の普及によって、長時間労働が強制されることが懸念されている。
資本の側がこの制度の拡大を求める理由は、この制度の拡大によって、労働コストを削減できると期待するからである。過大な成果を上げることを労働者に押し付ければ、労働者は、望まない長時間労働を強いられることになる。
8)働かせ方改革が法定されれば、資本の側は、労働者が
長時間労働に従事しても、割増賃金を払わない !
資本の側は、労働者が長時間労働に従事しても、割増賃金を払う必要がない。
実質的に労働コストを削減できるのだ。
裁量労働制下の労働実態を調べれば、一般労働者の残業時間よりも裁量労働制下の労働者の残業時間が長くなることは容易に想像できる。そうでなければ、資本の側が裁量労働制を導入しようとは考えないことも容易に想像がつく。
ところが、安倍首相は、国会答弁で、裁量労働制下の労働者の残業時間が一般労働者の残業時間よりも短いというデータがあると述べた。
9)裁量労働制下の労働者の残業時間が、一般労働者
の残業時間よりも短いという、首相答弁は虚偽だった !
しかし、これは虚偽答弁だった。その虚偽答弁の拠りどころになったデータが、極めて疑わしいデータであることが判明した。
厚生労働省が「働かせ方改悪」法案を押し通すために、虚偽の情報をねつ造した疑いが浮上しているのだ。真相を明らかにして、法案の提出を断念することが必要な事態が生じていると言える。
正規・非正規の処遇の格差を是正するという課題設定は正しいが、安倍政権の提示する提案では、問題は解決しない。
10 )働かせ方改革法案には、格差を正当化する口実
が、随所に存在する !
格差を正当化する口実が、随所に散りばめられているからだ。
安倍政権は正規と非正規の格差をなくすというが、その方法は、非正規の処遇を上げて格差をなくすというものではなく、正規の処遇を下げて格差をなくそうとするものであり、労働者全体の処遇改善にはつながらない。
第2次安倍政権が発足してからの5年間の実績を見ると、実質GDP成長率(季節調整済み前期比年率)の単純平均値は、+1.4%と極めて低く(民主党政権時代は+1.8%)、労働者一人当たりの実質賃金は、約5%減少(民主党政権時代はほぼ横ばい)というものになっている。
11 )安倍政権・5年間の実績は、実質GDP成長率は、
1.4 %、実質賃金は、約 5 %減少だ !
たしかに、失業率は低下し、有効求人倍率は上昇したが、労働者にとって一番重要な指標は実質賃金の変化だろう。この実質賃金が5%も減少したことは重大である。
他方、大企業の収益は、史上最高を更新し続けている。
この大企業利益拡大を反映しているのが株価である。
12 )安倍政権下、大企業の収益は、史上最高を更新し、
株価は上昇しているが、実質賃金は、約5 %減少だ !
―以下省略―
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