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翁長知事の「辺野古に基地を造らせない」公約の深層は ?(中) 政治刷新の必要性は ?
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/9394.html
投稿者 青木吉太郎 日時 2018 年 1 月 10 日 22:16:32: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 


翁長知事の「辺野古に基地を造らせない」公約の深層は ?(中)

  政権交代・政治刷新の必要性は ?


(「植草一秀の『知られざる真実』」:2017/01/07より抜粋・転載)
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1)〜6)は前回投稿済みです。以下はその続きです。

7)県知事選挙で、翁長雄志氏は、埋立承認撤回」

  を公約に明記することを回避した !

何が変化したのかと言えば、「埋立承認撤回」を公約に明記することが回避されたのである。埋立承認の撤回については、2014年9月13日の共産党、社民党などとの「沖縄県知事選挙にのぞむ基本姿勢および組織協定」において、「新しい知事は、埋め立て承認撤回を求める、県民の声を尊重し、辺野古新基地は、造らせません」と明記している。

「公約」化は、しなかったが、「撤回」の重要性は、当初から、強く認識されていた。

この点は、2014年秋以降、本ブログ、メルマガに、繰り返し記述してきた核心である。翁長雄志氏は、2014年9月13日の知事選出馬記者会見において、「撤回・取消」を公約に明記しない理由について、記者から繰り返し質問を受けた。

8)「撤回・取消」を公約に明記しない理由について、

   記者から繰り返し質問を受け、翁長氏は「逆ギレ」した !

これに対して、翁長氏は「逆ギレ」と表現される対応を示した。

「今大議論となっている翁長市長、県知事選出馬記者会見2」

https://www.youtube.com/watch?v=aZEIXJRXFiY#t=421

4分45秒〜6分45秒の部分

翁長雄志氏は、「埋立承認撤回」を公約に明記しない理由について、記者から繰り返し問われて、次のように答えている。

7分5秒〜8分31秒の部分

翁長:「まあ、同じ話をしますけれども、保守と革新がですね、一緒にこの知事選を戦うということになってね、腹八分腹六分でいまやろうとしてですね、いまこうしてね、気持ちよく、固い契りを結びながら、やろうとしているんですね。」

9)翁長氏は、「腹八分腹六分」の結束だから「埋立承認撤回」

   を公約に明記する事はできないとの見解だった !

つまり、「腹八分腹六分」の結束だから「埋立承認撤回」を公約に明記することはできないと言うものだった。

しかし、2014年11月の知事選で当選を果たした翁長氏は、当選後初の同年12月17日の県議会定例会で、「法的に瑕疵があれば取り消し、そうでなければ新たな事情の変化で撤回につながっていく」、「知事選で示された民意は埋め立て承認を撤回する事由になると思う」と述べている。
しかし、承認取消が実行されたのは2015年10月、承認撤回はいまだに実行されていない。

辺野古米軍基地建設進展の最大の核心は、本体工事着工に必要な事前協議書を沖縄県が沖縄防衛局から受理したことにある。

10)沖縄県が、埋立承認の取消を行い、裁判所が

   破棄したら、直ちに埋立承認の撤回に進む !

これによって、辺野古米軍基地建設が猛烈なスピードで実行されている。事前協議書を受理する前に、沖縄県が、埋立承認の取消を行い。それが裁判所によって破棄されたら、直ちに埋立承認の撤回に進む。これが、「辺野古に基地を造らせない」ための唯一の方策であった。

しかし、現実には、沖縄県は辺野古米軍基地建設の本体工事着工を許し、もはや基地建設が既成事実化されるところにまで事態を変化させてきたのである。

11月の知事選では、翁長県政を総検証が必要になるが、その前に、名護市長選で、稲嶺氏が敗北すれば、基地建設阻止の流れが一気に弱体化してしまう。辺野古基地問題の最大の正念場が、2月4日の名護市長選になる。

11)名護市長選で、稲嶺氏を当選させ、オールジャパン

   で辺野古基地建設阻止運動を強化すべきだ !

オールジャパンで辺野古基地建設阻止に向けての運動を盛り上げる必要がある。

2015年7月5日付日本経済新聞朝刊に驚くべき記事が掲載された。『日曜に考える』「政府・沖縄 対立深まる基地問題」と題する特集記事のなかで、宮城篤実前沖縄県嘉手納町長へのインタビュー内容として紹介された宮城氏の発言内容である。同紙によると、宮城氏は沖縄県嘉手納町町を20年務めた人物で、翁長雄志知事の後援会長を務めている(当時)人物である。

驚くべき内容とは、「移設反対が、知事の公約」というものだ。翁長氏が、知事選で約束したのは、「辺野古に基地を造らせない」だったが、宮城後援会長は、これを否定して、「移設に反対することが知事の公約」だと発言したのである。

12)宮城後援会長:何らかの妥協点が示されるならば、

   辺野古基地をゼロにしろと言うつもりはない !

宮城氏は、インタビューのなかで、次のように発言している。「日本国民全体として判断して沖縄に『この程度は何とかしてほしい。その負担に応えて支援をしましょう』ということで、何らかの妥協点が示されるならば、基地をゼロにしろと言うつもりはない」

宮城氏はインタビューで、さらに「辺野古への移設を阻止できると思いますか」の質問に対して、こう答えている。「相手は、国家権力だ。辺野古での工事が完了し、日米で使用を開始するとなったときに、それを止める方法は県にはない。しかし、それで翁長知事が負けたことにはなるとは思わない。

知事は、権限の範囲内で精いっぱいやればよい」

13)翁長氏の「腹八分、腹六分の結束」という

   言葉の意味を、よく考える必要がある !

翁長雄志氏が、2014年9月13日の記者会見で述べた「腹八分、腹六分の結束」という言葉の意味をよく考える必要がある。翁長氏は元々自民党所属の人物である。2014年11月の知事選では、革新勢力と保守勢力が共同して翁長氏を支えて知事選に臨んだ。「オール沖縄」の戦いが展開されて、翁長氏が知事選に勝利した。革新勢力は、当然のことながら、「辺野古米軍基地建設阻止」を最大の争点に掲げた。

そして、辺野古基地建設阻止に実効性をもたらすには、「埋立承認撤回」が必要不可欠であることを明確に指摘していた。

14)翁長氏を統一候補として擁立する、最終段階で、

   「埋立承認撤回」を公約に明記することを断念した !

しかしながら、翁長氏を統一候補として擁立する、最終段階で、「埋立承認撤回」を公約に明記することを断念し、「辺野古に基地を造らせない」という表現が、公約とされたのである。

「埋立承認撤回」については、2014年9月13日の「沖縄県知事選挙にのぞむ基本姿勢および組織協定」において、「新しい知事は埋め立て承認撤回を求める県民の声を尊重し、辺野古新基地は造らせません」と明記されたにとどまった。

つまり、翁長氏支持の「オール沖縄体制」とは、実質的に基地建設容認の保守勢力と基地建設阻止の革新勢力の「呉越同舟体制」だったのである。このために、「埋立承認撤回」を明記できず、「辺野古新基地を造らせない」の公約が示されたのである。

 ―この続きは次回投稿します―

(参考資料)

   沖縄県の基地問題も、政治刷新

    しなければ、民意を実現できないのだ !

(「植草一秀の『知られざる真実』」:2017/11/28より抜粋・転載)
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1)改革派の鳩山政権が、短期間で崩壊させられた

   主因が、どこにあったのか ?

2009年9月の総選挙を経て樹立された、鳩山由紀夫政権が、わずか8ヵ月半の短期間で崩壊させられた主因が、どこにあったのか。日本政治を考える際の原点である。答えは、明白である。

崩壊させられた主因は、鳩山政権が、米国の命令に隷従する、政権ではなかったことだ。

この理由によって、鳩山政権は、悪徳ペンタゴンによって、潰された。

このことを端的に示す、重要事実がある。

それは、2010年2月2日に、米国のキャンベル国務次官補が、会議事堂内の民主党幹事長室で、小沢一郎氏と会談したのち、韓国に渡り、韓国からワシントンに送信した、メッセージである。

2月3日、キャンベル・国務次官補は、韓国ソウルを訪問し、大統領府の金星煥(キムソンファン)外交安保首席秘書官と面会した。

2)キャンベル・国務次官補は、鳩山政権は、

   自民党政権と理念・政策が違うと認識した !

その会談内容の要約が、在韓米国大使館から本国へ送られた。

その公電に次の記載がある。

「両者(キャンベル、キム)は、民主党と自民党は、まったく異なるという認識で一致した。

キャンベル国務次官補は、岡田克也外相と菅直人財務相と、直接話し合うことの重要性を、指摘した。」

この極秘情報が、ウィリークス」によって暴露された。

米国は、対日交渉の窓口を、これまでの革新派・鳩山−小沢ラインから、対米従属・菅−岡田ラインに切り替えた。その後に、日本政治で、どのような変化が起きたのかについては、説明を要さない。

3)2010年6月に、鳩山政権は崩壊し、対米隷属

   ・菅直人政権に転換した !

2010年6月に、鳩山政権は崩壊し、菅直人氏が、首相に就任、外相には、岡田克也氏がとどまった。

鳩山−小沢ラインから菅−岡田ラインに切り替えるとの米国の方針が、そのまま日本の政権として現出したのである。菅直人政権下、米国が支配する日本が復活した。

米国が、日本政府を尊重する大前提に、日本政府=日本の政権が対米従属、対米隷属であるのかどうかの見極めがある。

現在、安倍政権が、持ちこたえている最大の前提条件は、安倍政権が、完全な対米隷属、対米従属である点にある。

日本政治の刷新が求められるが、新しい政権は、米国による、日本支配の強力な意思を撥ね退ける力を求められる。

4)自主独立・改革政権に転換しないと、日本の

   政治・行政・司法は刷新できないのだ !

この点を踏まえることが、日本政治を考える際の原点である。

対米隷属・安倍自公政権下、このなかでいま、沖縄における基地建設が進んでいる。

翁長雄志知事は、「辺野古に基地を造らせない」ことを公約に掲げて知事に選出された。

2014年11月のことだ。

来年2018年11月には、次の沖縄知事選が実施される。

しかし、翁長雄志知事の下で、辺野古米軍基地建設は、着実に進行している。

翁長雄志知事は、県知事選の時の公約を守ることができていない。

相手が、覇権国家・米国であるから、「辺野古に基地を造らせない」公約を実現することは難しい。

5)沖縄県の基地問題も、政治刷新しなければ、

    民意を実現できないのだ !

このことは誰もが理解する。しかし、このことだけをもって、翁長知事は免責にはならない。

翁長知事は、「あらゆる手法で建設を阻止する」と主張し続けてきた。

翁長知事の行動が、この言葉に違わぬものであるのかどうか。

この点が問われることになる。

私は、2014年11月の沖縄知事選に際して、強い関心をもって対応した。

本当に辺野古基地建設を阻止するには、新たに選出される知事が、「埋め立て承認の取り消し」および「埋め立て承認の撤回」を迅速に実行することが必要である。

―以下省略−

 

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