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玉木雄一郎・希望の党代表:安倍首相・所信表明に対する代表質問 !(上)
「日本の支配者」は、対米・大資本隷属体制を固定化するため、
人物破壊工作と「保保二大政党体制」構築を目指している !
(kibounotou.jp:2017年11月20日より抜粋・転載)
希望の党・無所属クラブ 玉木 雄一郎
◆(はじめに)
希望の党代表の玉木雄一郎です。四国のうどん県、香川県の出身です。うちは香川でも、かなり田舎の方で、家の裏山からはイノシシが出てきます。子どもの頃から、広場や校庭で野球やサッカーをして遅くまで遊んでいると、近所のおばちゃんが注意してくれる、そんな全国の地方のどこにでもあるような光景の中で育ちました。
しかし、私の通った小学校は、来年度、廃校になります。地方の衰退は、驚くべきスピードで進んでいます。地方だけではありません。今、ふつうに一生懸命働いて生活している人たちと、一部の富裕層との間で、格差が広がっています。豊かな人をより豊かにすれば、そのうちお金がみんなにまわってくる。そんな政策を続けた結果、日本の相対的貧困率は、OECD加盟国の平均値を上回るほど深刻な事態になってしまいました。
日本全体に広がるこうした閉塞感を打ち破りたい、私はそんな思いで政治の世界に飛び込みましたが、わが党に集う仲間は、みな同じような問題意識、危機感を共有しています。
今、日本に必要なのは、電車に例えれば、錆びたレールを磨き直すことではありません。
未開の荒野に、新たなレールを敷き、新しい日本を開拓することです。これこそ、私自信の初心であり、私たち「希望の党」の使命だと考えます。
何かがおかしい、何とかして欲しい、そう思っている方々の気持ちに寄り添い質問しますので、どうぞよろしくお願いします。
◆(希望の党とは)
私たち希望の党は綱領の中に「寛容な改革保守」を掲げています。これは、わが国の地域社会に脈々と受け継がれてきた伝統や文化を守りながら、時代の変化をしなやかに受け容れる、そんな精神をあらわしたものです。
尊敬する郷土の先輩、大平正芳総理の有名な理念に「楕円の哲学」があります。楕円に二つの中心があるように、政治も世の中も、二つの相対立するものが、適度な緊張と調和の中に共存している、そんな状態が望ましいという、いわば穏健保守の政治哲学です。
「この道しかない」と決めつけ、異なる意見を聞き入れず、力の支配を信奉する、世界的に見られる近年の政治風潮とは、正反対の考えと言ってもいいかもしれません。
私たちは、こうした良質な保守層の中に育まれてきた、寛容の精神や、バランス、調和を重視していきます。いわば「土のにおいのする政党」です。そして、日本の政治の中で、自民党にかわる楕円のもう一つの中心となり、政権を担う核となることを目指します。そのために、次の三つの基本方針を党の中心的考えとして、推し進めてまいります。
第一に、現実的な外交・安全保障政策
第二に、弱肉強食ではない、働く人や中間層が豊かさを実感できる福祉国家の実現
そして、第三に、未来を先取りする改革と情報公開の推進この3つです。
まず、現実的な外交・安全保障を進める立場から、日米関係について質問します。
◆(日米首脳会談)
先の日米首脳会談で、インドまで含めた「自由で開かれたインド太平洋戦略」で日米の首脳が合意したこと、また、北朝鮮への圧力強化で合意したことは積極的に評価します。
同時に、先のトランプ大統領との会談では、「日米両国が北朝鮮問題に関し、100パーセントともにある」と確認されました。トランプ大統領はかねてより、軍事行動を含め、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と言っています。日米同盟の重要性は言うまでもありません。
しかし「100パーセントともにある」とまで明言したのは、軍事行動も含めて行動をともにすると理解してよいのでしょうか。総理、ここは国民が一番聞きたいところでもあるので、明確にお答えください。
私は、北朝鮮への宥和政策には反対です。北朝鮮の核・ミサイル保有が固定化されてしまうような、最悪の宥和政策に引き込まれる事態は断じて避けなければなりません。
しかし、制裁や圧力、過激な言葉の応酬は、必然的にエスカレーションをもたらします。総理は、こうした圧力の先の「着地点」を一体どうお考えでしょうか。
万が一にも軍事衝突が起きた場合、朝鮮半島にいる日本人の退避策をどう考えていますか。また、北朝鮮のミサイルの射程にすっぽりと入る日本と国民の安全を確保するために、どのような具体策を考えていますか。総理自らの言葉で国民に説明ください。
◆(拉致問題)
次に、拉致問題に関して伺います。トランプ大統領との面会が実現し、深い理解と協力を引き出せたのは率直に評価します。しかし、問われるのは総理がよく言う「結果」です。
北朝鮮を協議に引きずり出すには、否が応でも対話が必要となります。拉致被害者全員の帰国実現に向けた総理の具体的な方針を示してください。
◆(安保法制)
総理は「わが国をとりまく安全保障環境は、戦後、最も厳しいと言っても過言ではない」と述べられました。だからこそ、私たちは、わが国をとりまく「近く」の防衛に、限られた予算、定員、装備を集中すべきと考えます。
そもそも限られた国力や人員・装備の下で、米国の要求に基づきあれもこれも引き受けることは国益に反することにもなりかねません。
わが党は、「近く」の防衛は同盟国と協力しつつ万全を期すとともに、「遠くは抑制的に」という限定を具体的に明確にしていきます。そのため、存立危機事態の「新3要件」の厳格化など、現行の安保関連法の改正案の提出を目指します。同時に、島嶼地域における領域警備やミサイル防衛に万全を期すための立法も検討していきます。ぜひ、与野党を超えて、建設的な議論をしようではありませんか。
◆(憲法)
憲法改正については、国民の知る権利、地方自治の本旨、衆議院解散権の制限など、幅広い論点について議論してまいります。しかし、総理が突然提案した「自衛隊を9条に明記する」だけの改憲提案には違和感を禁じ得ません。わが国が行使できる自衛権の範囲や行使の要件などの議論もせず、単に自衛隊を位置づけるとの議論は極めて不誠実です。私たちは、立憲主義に則った丁寧な議論で、憲法論議を正しくリードしてまいります。
◆(向き合うべき財政の現実)
経済財政について伺います。総理、そろそろアベノミクスの負の側面にも真摯に向き合うべきです。2020年のプライマリー・バランス黒字化は、もはや不可能です。そもそも「新3本の矢」と言って掲げた、「2020年にGDP600兆円」は達成できますか。内閣府が出している中長期試算では、生産性上昇率(TFP)が2020年に向けてあり得ないペースで跳ね上がる前提になっています。
ご存知でしょうか。「生産性革命」といくら叫んでもさすがに非現実的な数字です。結論ありきの恣意的な数字いじりは止めるべきではないですか。総理の所見を伺います。
確かに株価は上がっています。しかし、日銀が上場投資信託(ETF)の購入で大量の株式保有者となっていることを問題だと思いませんか、総理の基本的な認識を伺います。
ブルームバーグの試算では、日経平均の構成銘柄225の約9割で日銀が大株主になっています。これは異常です。
日銀がETFの購入を止めたら日経平均が数千円は下がるとの試算もあります。ETF購入の出口をどう考えているのでしょうか。また、株式市場の世界的な高騰をバブルと警戒する声も出てきている中、仮に株価が急落すれば日銀のバランスシートも傷みます。そのとき、日銀は「最後の貸し手」としての機能を果たせるのでしょうか。危機への備えは万全と言えるのか、総理の認識を伺います。
◆(再分配機能低下)
株価を人為的に上げるような政策が行なわれ、その受益者がいる一方で、「持てる者」と「持たざる者」との格差は、確実に広がっています。アメリカでは、低所得白人の「絶望死」が増加していると言われています。人生がうまくいかず、生きる意味を失い、働く意志も喪失してしまう。結果、アルコールやドラッグ、自殺へと向かっていく。ノーベル経済学賞のディートン・プリンストン大学教授は、格差拡大と社会からの疎外が「絶望死」を生み出す要因と指摘しています。
そして、OECDのデータによると、日本の再分配機能はそのアメリカ並に低いものになっています。私たちは、ベーシック・インカム的な考え方を取り入れた、すべての人が人間としての尊厳をもって生活できる、そんな社会保障制度のグランドデザインを提案していきます。総理は、格差是正のための抜本的な給付と税負担の見直しの必要性について、どのように、考えているのか、見解を伺います。
◆(教育・保育の無償化の真実)
総理は所信表明で、幼稚園と保育園の無償化を実現すると高らかに謳い上げました。しかし、「無償化」はウソではないですか。幼稚園には巨額の資金を投じて無償化を進める一方、保育園、特に、認可外は本当に無償になるのでしょうか。保育園に子どもを預けているママ・パパで一番困っているのは、認可園に入れずに認可外に預けている方々です。
都内だと月5万~8万円の保育料がかかります。これを無償化するのか明言してください。
そもそも預けたくても預けられない待機児童が深刻な問題なのに、保育園に入れた人達を無償化するのが優先課題なのでしょうか。優先順位が間違っていませんか。ある方が、ツイッターのハッシュタグで「#子育て政策おかしくないですか」と呼びかけたところ、またたく間に1万人以上のネット署名が集まったと聞いています。
「無償化するお金があるなら、保活に苦しむ人がいなくなるよう、保育園を増やしてほしい。」「保育士さんたちに回してほしい。」などの声が続々寄せられています。それがネット署名のみんなの願いです。
財源があるなら、無償化より全入化に使うべきだと考えますが、総理の所見を伺います。
総理は、2020年までに32万人分の保育の受け皿をつくる、そのために企業の拠出金3000億円を確保した、と胸を張りますが、それで待機児童ゼロ、保育園「全入化」になるのですか。計算しても、計算が合いません。
例えば、野村総研の試算では、2020年までに新たに整備が必要な保育の受け皿は88.6万人分とされています。どういう計算で政府は32万人と言っているのか算定の根拠、計算式を示してください。見積り違いで、差し引き56.6万人もの子ども達が保育園に入れなくなる事態を、総理は想定していますか。
しかも、確保された3000億円には保育士の待遇改善は含まれていないようです。全産業平均より月9万円低い保育士の待遇改善をしないで、ただでさえ保育士不足なのに、どうするのですか。「待機児童の解消をめざす決意は揺るぎません」という所信表明での言葉も、これではかけ声倒れ終わってしまうと心配しています。保育士の待遇改善の財源確保について、総理の考えを伺います。
◆(認知症対策に全党あげて取り組む)
2020年代には現役世代2人で1人のお年寄りを支える高齢社会となります。認知症を患う方は700万人となり、しかも人生100年時代を迎えます。わが党は、代表直属の機関として、認知症対策推進本部を設置し、党をあげて、認知症の問題に取り組んでまいります。
そんな中、介護報酬の来年度改定に向けて、訪問介護の生活援助サービスの報酬引き下げが検討されています。認知症の方々や、ご家族の生活に、一番大きな影響を及ぼすことが懸念されます。「介護離職ゼロ」にも反すると思いますが、総理の考えを伺います。
認知症は高齢者だけの問題ではありません。若年性認知症は平均51歳で発症。男性が多く、働き盛りでの発症は、家計にも子育てにも、親世代の介護にも影響を及ぼします。この若年性認知症の問題の深刻さを総理はどう認識していますか、考えを伺います。
佐藤雅彦さんが書いた「認知症になった私が伝えたいこと」が反響を呼んでいます。まさに平均発症年齢の51歳で若年性認知症と診断された佐藤さんは、システムエンジニアだった経験を活かし、パソコンで日記をつけるなどの工夫をして、医師から困難と言われた1人暮らしを続け、共感の輪が広がっています。
最新のICTやSNSを活用すれば、認知症になっても自立した生き方を続けられる可能性が出てきました。政府もこうしたモデルを積極的に支援すべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
−この続きは次回投稿します−
(参考資料)
「日本の支配者」は、対米・大資本隷属体制を固定化するため、
人物破壊工作と「保保二大政党体制」構築を目指している !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2017/09/04より抜粋・転載)
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◆「日本の支配者」は、対米隷属体制を固定化するため、
人物破壊工作と「保保二大政党体制」構築を目指した !
「日本の支配者」(=米国・巨大資本・CIA)は、自公と類似した政策方針を示す、もうひとつの政治勢力を創出しようとしているが、これは、対米隷属・日本の体制を固定化するためのものである。
日本の主権者の多数が、「安倍政治を許さない !」との判断を保持する以上、二大勢力の一翼を担う政治勢力を、「革新勢力」にする必要がある。
この「革新勢力」が、政権を奪還して初めて、日本政治の刷新が実現する。
安倍政治刷新のためには、「保保二大政党体制」ではなく、「保革二大政党体制」を目指すことが不可欠である。
◆反安倍政治・「革新勢力」が、政権を奪還して初めて、
日本政治の刷新が実現する !
これが、当面の野党再編論議で、認識しておくべき、最重要事項である。
「日本の支配者」と表記してきたが、具体的に言えば、米国を支配する、巨大資本のことである。
米国政治、米国政府を支配しているのも、この巨大資本である。
この「支配者」が、米国の政治経済金融制度を構築した。
政治制度における、共和・民主両党による二大政党体制は、どちらに転んでも、巨大資本の利益が損なわれない制度であり、事実上、政治路線は、固定されている。
◆「保保二大政党体制」が構築されれば、「二党独裁制」になってしまう !
これを私は「二党独裁制」と呼んでいる。二つの大政党があり、政権交代も生じるから、自由な選択が実現しているように見えるがそうではない。どちらに転んでも、根幹の部分は変わらない。巨大資本の利益は確実に守られる。
「日本の支配者」は日本の政治制度を、米国と類似した二つの保守勢力による二大政党体制に移行させようとしている。革新政権が誕生して、日本の諸制度を根底から改変してしまうことを阻止するためである。
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