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栃木県・那須・8人死亡の雪崩事故 !
指導者の過信が惨事を招いた !
「今日の雪で行くのは間違っている」と救助隊 !
栃木県警、雪崩事故で顧問の判断追及へ
雪山の遭難、雪崩事故に遭わないためには?
(www.yomiuri.co.jp:2017年04月01日 06時06分より抜粋・転載)
◆8人が死亡し、負傷者も、40人に上る !
避けられた惨事ではなかったか。事故当時の状況が明らかになるにつれて、そうした思いは強まるばかりである。
栃木県那須町で、登山訓練中の高校生と引率教員が雪崩に巻き込まれ、8人が死亡した。負傷者も、40人に上る。
県高校体育連盟主催の「春山安全登山講習会」で、今回の事故は起きた。
県内7校の山岳部員や顧問らが参加していた。
降雪時に訓練を実施した判断の是非や安全管理体制を巡り、栃木県警は業務上過失致死傷容疑で捜査している。県教委も検証委員会を設置する。再発防止には、原因の徹底究明が求められる。
現場周辺には、事故前日から、大雪と雪崩の注意報が出されていた。当日は、未明から雪が降り、時期外れの積雪が、観測されている。講習会では、予定にあった、登山が中止になり、雪をかき分けて進む、ラッセル訓練に切り替わった。
◆訓練に適しているとの条件に目を奪われ、
表層雪崩の危険性を軽視したのではないか ?
生徒らの隊列を、雪崩が襲ったのは、このラッセル訓練の最中である。
計画の変更は、引率教員3人が決定した。いずれも、登山経験豊富な、ベテランの指導者だという。
なぜ、訓練自体を中止しなかったのか。重大な結果を招いた、判断の誤りが悔やまれる。
今回の現場責任者で、県高体連登山部専門委員長を務める教員は「経験則から絶対に安全だと思った」と釈明した。新雪が、30センチほど積もり、ラッセル訓練に適しているとの判断もあったという。
◆「表層雪崩」だった可能性が高い !
◆生徒達は、電波発信器を携行していなかった !
現場で発生した雪崩は、新たに積もった表層の雪が、滑り落ちる「表層雪崩」だった可能性が高い。時速100〜200キロの高速で動くため、逃げるのは、難しい。
訓練に適しているとの条件に目を奪われ、表層雪崩の危険性を軽視したのではないか。
現場一帯は、国から雪崩危険箇所に指定されている。それにもかかわらず、生徒たちは、雪崩の際に居場所を知らせる電波発信器を携行していなかった。
事故当時、訓練の本部の旅館にいた責任者の教員が、現場との連絡用の無線機を一時的に手放していたことも判明している。
過去に事故を起こしていない実績と自身の登山経験に基づく過信があったのだろう。根拠の乏しい「絶対安全」にとらわれていた指導者に、危険回避の知見と意識が欠けていたのは否めまい。
学校教育の一環として行われる登山では、生徒は教員の指導下で活動する。
安全確保のため、慎重な上にも慎重な姿勢が求められることを肝に銘じねばならない。
2017年04月01日 06時06分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
(参考資料)
T 「今日の雪で行くのは間違っている」と救助隊 !
栃木県警、雪崩事故で顧問の判断追及へ
(news.livedoor.com:2017年3月28日 13時26分より抜粋・転載)
2017年3月28日 13時26分 J-CASTテレビウォッチ
◆羽鳥:なぜ中止しなかった?
☆固まった雪の上に積もった、新雪が、崩れ滑る表象雪崩 !
きのう27日(2017年3月)午前8時半ごろ、栃木県那須町の町営「那須温泉ファミリースキー場」で雪崩が発生し、登山訓練中の栃木県内の高校生7人と引率教員1人の8人が死亡した。現場付近は27日未明から雪が激しく降り、大雪・雪崩注意報が出されていた。
固まった雪の上に積もった新雪が、崩れ滑る表象雪崩と見られている。
◆那須山岳救助隊の渡部逸郎副隊長:
「今日の雪であんなところに行くのは間違っている」
訓練は、県立6校、私立高1校の生徒46人と引率教員9人の計55人が参加していた。25日からの3日間の日程で27日は登山の予定だったが、積雪が急激に増え朝6時に24センチ、8時には31センチに上った。
このため、登山を中止、雪をかき分けて歩くラッセル訓練に変更した。だが、最初に現場に駆け付けた、那須山岳救助隊の渡部逸郎副隊長は「きょうの雪であんなところに行くのは間違っている」と語った。スポーツ庁は昨年、高校生は原則として冬山登山は行わないよう通知している。
◆「スキー場でまさか雪崩」と栃木県教育長
訓練にはベテラン顧問が同行していた。栃木県高等学校体育連盟の橋本健一会長は「(引率した教員たちは)安全教育をしたいという使命感のもとで判断したと思う」と語り、教育委員会の宇田貞夫教育長は「スキー場でのラッセルの練習なので、まさか雪崩に巻き込まれるとはという思いがあったのでは」と話す。
司会の羽鳥慎一「大変な事故になりました。なぜ中止されなかったのでしょうか」
◆警察は、業務上過失致死傷容疑で捜査 !
玉川徹(朝日テレビディレクター)「大人であれば、自己責任もあるが、教育の一環だから少しでも危険があったら、してはいけないと思う」
菅野朋子(弁護士)「国としても高校生の冬山はしないよう通知していますし、雪崩注意報が出ていました。雪崩が起きる予見可能性があったかが焦点になりますが、判断ミスという可能性が相当出てくると思います」
警察は業務上過失致死傷容疑で捜査している。
U 雪山の遭難、雪崩事故に遭わないためには?
(allabout.co.jp:2015年03月17日より抜粋・転載)
防災ガイド 和田 隆昌:
春の足音が聞こえてくる今日この頃、春スキーを計画している人もいるのではないでしょうか。ところがこの時期、ウインタースポーツを愛する自分としてはとても残念なニュースが毎年流れる時期でもあります。雪どけのシーズンは雪崩が起きやすい時期でもあり、登山においても2000mを越える山では残雪による滑落事故も考えられます。
天候の急変など、万が一に備えるために何を用意しておくべきでしょうか。
暖かな春の陽射しの中でのスキーは最高です。
◆禁止区域の滑走は自殺行為 !
10年ほど前からスキーやスノーボードによるゲレンデ外の滑走が頻繁に行われるようになってきましたが、スキー場がメンテナンスをしているゲレンデ外の「滑走禁止区域」には様々なリスクが存在します。雪崩の起こりやすい地形、一見して分からない崖や谷、川などが流れていて雪面の下が大きな空洞になっていることもあります。
自分も地元のガイドツアーなどに参加して非圧雪のコースを滑ることもありますが、それとは根本的に違う行為になります。ゲレンデ外の滑走を禁止しているのは必ずそこに理由があるから。
先日もリフト下を自慢げにスピードを上げて滑走する若者を見ましたが、リフト下には鉄の構造物や岩などが隠れていることもあり、危険極まりません。ゲレンデでは管理された場所以外での滑走は絶対にやめておきましょう。
気温の上昇に伴って、春スキーには「雪崩」の危険が伴います。「山スキー」のベテランで、十分な装備と知識を持った人でも被害に遭うことがあります。気温が急激に上昇したときなどに起きる「全層雪崩」は重くて固い雪が地表面から離れて流れるように滑り落ちる現象です。
スキー場などの管理された場所ではほとんど起きる可能性はありませんが、30度以上の角度の高木が密集していない斜面や、低木などしかない斜面では数多く発生し、時に家屋をも破壊するような力を持っています。
地元のガイドはそういった斜面を見抜く力を持っていますし、過去のその場所での事例を良く知っているので避けることが可能です。
どうしてもゲレンデ外の滑走を楽しみたい人は、管理され、安全が担保されているコースか、または地元ガイドさんが案内するコースなどで楽しむことをおすすめします。
ゲレンデ内で滑っている限り、「遭難」の可能性はまずないでしょうが、ひとたびゲレンデ外に飛び出してしまうと、元のコースに戻れなくなるケースが多々あります。
またゲレンデ外で骨折などした場合、携帯などで連絡をとれないと発見、救助が遅れてしまう可能性もあります。
万が一意図せずゲレンデ外に出て、ゲレンデに戻れなくなった場合に備え、エリアが通信可能なのかどうか、十分にバッテリーが持つのかどうかなどを確認しておくべきでしょう。
出来れば予備バッテリーなどを持ち歩くなどの習慣も必要です。
◆登山ブームと春山登山のリスク
最近の登山ブームは中高年だけでなく若年層にも広がり、少し気温が高くなってくると多くの登山客が山に向かうと思われます。そこで良く見かけるのが驚くほど軽装な様子。
山道をテニスシューズの様な靴で登っていたり、街中のような恰好で登る若者などがいます。
1000m以下の低山であれば仕方がないかなとは思いますが、軽装で頂上付近のあまりの寒さに震えている人を見るにつけ「誰か教えてあげれば良かったのに」と思います。
山の気温は100m上昇するごとに0.6℃下がります。ですから1000mの山に登ると6℃の差があるわけで、風が強ければさらに体感温度が下がりますので、ふもとと10℃位の違いは普通に起きる現象です。
昨年、東京都下の山で5月の連休に三組の行方不明者が発生しました。山梨県の県境には2000mクラスの山があり、頂上付近では残雪も残っていました。
2000mクラスの山では、ふもととの温度差は12℃もあり、日が落ちれば零下にもなります。数日後に生還した方は防寒着などの十分な装備を持っていたものの、道に迷ってしまったので、小川の水を飲み、携帯の電源を節約してなんとか夜を過ごしたようです。
結果、通信できるところまで移動することが出来て救助を受けられたのですが、防寒着があり、携帯があったことで命をつなぐことが出来ました。
◆2000m以上の高山では残雪による 滑落事故の可能性がある !
この後、2000m以上の高山では残雪による滑落事故の可能性もあります。残雪があるような山に登るときはアイゼンなどの道具も忘れずに、十分な装備を持ってのぞみましょう。
地図や通信機器などはもちろん、最悪の場合に備えた装備、水、食料など「自分は大丈夫」と過信しないこと。
単独行は避け、体力に差がある場合は一番低い人に合せて、十分に時間的余裕を持ってスケジュールを組むこと。登山届を提出することも万が一に備える準備としては重要です。
増加の傾向がある山での遭難事故を受けて、昨年より登山届の義務化も進められています。FAX、メールなど、投函しないでもすむ場合もありますので各県の自治体・警察署で問い合わせてみましょう。
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