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   安住淳代表代行記者会見(下・完) 共謀罪・国対方針について
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投稿者 青木吉太郎 日時 2017 年 2 月 09 日 19:32:43: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 


安住淳代表代行記者会見(下・完) 共謀罪・国対方針について

天下り規制「根本的な再発防止策が必要」

(www.minshin.or.jp:2017年2月03日より抜粋・転載)

役員記者会見:2017年2月3日(金):

党役員会見に関する基本的な方針について

■質疑

○共産党機関誌でのインタビュー記事掲載について
○東京都議会議員選挙・小池都政との連携について
○米国トランプ新政権に対する安倍政権の姿勢について
○「GPIFが米インフラ事業に投資」報道について

以上は前回投稿済みです。以下はその続きです。

○国際組織犯罪防止条約・「共謀罪」について

【フリーランス・横田記者】
 「共謀罪」について伺いたい。小池都知事を応援した若狭勝さんがブログで、今の政府案の「共謀罪」には断固反対だ、姑息だし必要性が乏しい、テロ対策が必要ということであればそれに特化した「テロ未然防止法」のようなものをつくるべきではないか、テロの専門家として言うべきことは言う、と。と言っている。この意見に対する受け止めと、当然、都議選や衆院選でも「共謀罪の五輪」にするのかしないのかが争点になると思うが、その2点について伺いたい。

【代表代行】

 彼がテロの専門家かどうかは、私、全くわからないのだけれども。
 これがないとオリンピックができないというのは、ある意味、国民をおどしているのではないかと思います。そんなことは全くないと思いますよ。
 確かに、私自身が財務大臣で、マネーロンダリング等を含めて、今の国内法令では不備な部分が多少あると思いますから、それはいいのですが、あの際この際というのはよくない。こういう法律というのは時間をかけて、国民の監視している中で厳格な規定を設けていく、つまりゾーン(対象)をどこにするかというのが非常に重要なのです。
 なぜかと言えば、戦前、治安維持法があって、やはり官の力が強いときには民の権限は抑え込まれることは事実だから、そうされないように。国内の法体系は今、特に刑事を含めて法務省所管の法律というのは、捜査能力を含めて何ら制限するものはないと思う。そういう中であえて、この条約に入るのにさらに設けないといけないものとは何なのかを、政府は国民にわかりやすく、国会を通して説明する責任がある。これは時間をかけるべきだと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 先ほどの「共謀罪」の発言について関連で質問だが、先ほど安住代行は「今の国内法令では不備な部分が多少あると思います」とおっしゃっていた。となると、例えばサリン防止法など現行法の対象を多少拡大するなり、現行法で対応して進めるというお考えか。

【代表代行】

 いや、まだ政府がどういう法案を出してくるかわからないけれども、600の対象を300に絞って、特定の政党に言われたらバナナのたたき売りみたいにやっているのを見ると、本当に条約に関係するぎりぎりのところで抑えているとは思えない。だから、念のためということを含めて、店を大きく構えているのではないかと疑念を持っているということなのです。そこは(法案が)出てきたら徹底的にやります。

【朝日新聞・松井記者】
 今日、山尾志桜里議員に対する安倍総理や金田法務大臣の答弁で、例えばサリン事件の場合に、対象となる薬品を全部網羅するのは不可能なので、事前に大きく網をかけておく必要があるという趣旨で、だから新しい法案は必要なのだということをおっしゃっていた。ただ、そうすると罪刑法定主義に反することになってしまうという、根本的な考え方の違いが際立った場面だったと思う。その点について安住代行はどのように見ていらっしゃるか。

【代表代行】

 例えばその問題に関して言えば、どこまで遡って取り締まれるのかというところがあいまいだから問題なのだと思います。薬の製造の前だったら、じゃあ水を持っていてもそうなのか。製造するプロセスのどこまでか。それから、それに対してどういう意図があるのかということを、裁判等になって本当に立証できるのか。
 まして、これはよく考えてみれば、「テロにかかわる」ということで、偽ネーミング的なことをやっているのでしょう。皆さん(マスコミ)もそれに乗っかって「テロ等防止罪」なんて言っているのだから。百歩譲って、それが本当にテロに関係があるのかを立証するようなものでなければだめなのであって、それ以外のものも入っている可能性があるのではないかと思うから、(法案が)出てきたら徹底的にやらないとだめだと言っているのです。

【フリーランス・上出記者】
 出てきたら徹底的にやると。国民も、やりとりを聞いていると「何かおかしいな」ということは感じている。特に金田法相のやりとりに、わざわざ安倍首相が出てくることも含めて。その辺を見ている人はわかっていると思うが、今後の勘どころがどこなのかというのが第1点。
 それから、野党共闘も含めて、連合は共謀罪について民進党とどのような連携ができているのか、できていないのか、全く関心がないのか。わかっている範囲でお聞きしたい。

【代表代行】

 連合とこのことについて特段何か意見交換したことはないですが、(法案が)出てくればいろいろな意見が出てくると思いますが、基本的には大きな差はないと思う。細かなことは今からなのだけれども、基本的人権を侵害するようなものであってはならないということが大原則です。
 その上で、仮に百歩譲って、政府的に言えばテロの犯罪を予防するための、予備的行為に対するいわば捜査権・逮捕権を新たに設けるということなのだけれども、じゃあどこまで遡るのかというのは非常に難しい話だ。そういう点では、我々に取り締まる権限があるわけではないから、これを行使する政府側の線の引き方をちゃんとわかりやすく出してもらわないと、議論にはならないと思う。
 その線の出し方が、最初、600じゃないと譲れないと言っていたのを、急に、バナナのたたき売りみたいに300なんてやるから、「何かちょっとうさん臭いんじゃないかな」と皆さん思っているのではないか、その延長でビシバシ厳しくやったほうがいい、ということです。

【フリーランス・上出記者】
 今までの、特定秘密保護法もそうだが、結局、反政府的な動き・団体を取り締まれる余地を残しておきたいという警察当局の意図がどうしても見える。その辺については民進党としてはどこまで踏み込んでいけるのか。沖縄の反対運動などには使わないのだと言ってはいるが、何かそういう反政府的なものを取り締まれるような余地を広げたいという意図が見える部分もある、そういう指摘が結構あるが、いかがか。

【代表代行】

 日本の国家権力に対して、そういう悪意を私は持っているわけではないのですが、いわゆる「念のため、あれもこれも」というのはよくないが、手を広げたがるのは別に日本に限らず、いろいろ習性として捜査当局にはあると思うのです。
 確かに、私の経験で言っても、例えばCIAが情報提供するときに、何かこういう条約に入っていないと情報を提供しないとか、それから、たぶんバイの国家間での取り決めがないときに犯人の引き渡しをするのに非常に不都合があることは事実だと思うのです。
だから、そういう点で、わかりやすい部分を何か対応するというのだったらいいのですが、今おっしゃるように、ついでにあれもこれもというのが見え隠れするから、600が300なのでしょうと。
 そういう体質は厳しく野党が論戦を挑んで、国民の前にしっかり示していく義務が我々にあるので、(法案が)出てきたら徹底的にやるということです。

【フリーランス・横田記者】
 総選挙や都議選で争点になるかどうか。その場合は、野党と政策協議というか議論しながら、「共謀罪」に対する立場を明確にするのではないかと思うが、そういうことをやられるかということと、五輪を開催する東京都側、あるいは五輪関係者が、本当に「共謀罪」が必要だと言っているかどうかのヒアリング等を、小池知事含めて、やられるお考えがあるのか伺いたい。

【代表代行】

 行政機関にとって、捜査権限の拡大に対する認識はたぶんないと思いますから、それをあえて小池さんや東京都にヒアリングする必要はないと思いますが、ただ、警視庁を含めた警察庁の中でこれはどう捜査の権限がどこまで拡大するのかというのはチェックしていく必要があると思うのです。
 それはそうなのですが、つまり「共謀罪」と、トランプ大統領の失言とかが、アメリカは今分断を、本当に不幸なことだけれども、保守派とリベラル派が激しく争って、カリフォルニア大学バークレー校に保守派の講演会が入れず、学生の騒動が起きていました。
世界的にそういう広がりは出てくると思うのです。このまま国内の融和を目指さないでアメリカ社会そのものを分断するような政策をトランプ大統領が続けていけば、これは日本にとっても必ず同じ問題、分断が起きていくと思うのです。私達はそういうときに、やはりリベラル勢力を代表する野党第1党として、共生とか多様性を認めて、そのために世界がどうつながっていくべきなのかということを訴えていきたい。
 ですから、そういう点では「共謀罪」以上に、7ヵ国からの難民受け入れの制限や、聞くところによるとオーストラリアの首相とも激しくやり合ったようですが、これまでのそういう大統領令を発したことに対しては、できれば安倍総理も、他の国の首相と同じように、やはり自分の考えをしっかり述べないといけないのではないですか。
「世界のリーダーだ」と一方で言っていて、こういう都合の悪い話になると口をつぐむというのは、それはリーダーとしての資質に問題を覚えます。イギリスの首相も厳しい姿勢を国会で表明していますから、やはり日本の国民の代表として会う以上、大統領にしっかり伝えてもらいたいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 「共謀罪」が総選挙の争点になるかについては。

【代表代行】

 この国会をそのまま進めていって選挙になれば、当然争点にはなるでしょう。

○今国会における国対方針について

【産経新聞・豊田記者】
 今国会を見ていると日程の消化が比較的スムースと感じる。野党側として審議を拒否するのではなく、むしろしっかり議論することで政府をただしていったり、問題点を浮き彫りにしたりする場面が多いような気がする。実際に金田法務大臣の答弁が不安定であることも際立ってきていると思うが、民進党の今国会の国対戦術として、なるべく議論のテーブルに着くということなのか。

【代表代行】

 (今国会は)始まったばかり、そんなことを断定して言えないのではないか。止めたら止めたで批判するのでしょう、議論すれば議論するで「おもしろくない」って、そんなのマスコミの一方的な話のような気がします。
 ちゃんとよく見ていただければ、審議するところは審議するし、強硬なことをやれば、我々野党4党で120人だけれども、戦いますよ。

○2017年度定期党大会について

【朝日新聞・松井記者】
 3月の党大会に他の党の幹部、具体的に言えば共産党の幹部を招くことはなくなった。安住代行は共産党大会に出てあいさつをされたが、共産党幹部を呼ばないという決定について、ご自身としてはどのように考えていらっしゃるか。

【代表代行】

 どの党を呼ぶとかいうことは今までもあまりないこと。合流間近だったときの維新の皆さんも、来賓で招待してもあいさつはしていただかなかったし、それはそれぞれの党の大会の特徴というのはあっていい。そのこと自身で共産党の皆さんに失礼をしているとは思っておりません。

民進党役員室

(参考資料)

【衆院予算委】天下り規制「根本的な再発防止策が必要」と宮崎議員

(www.minshin.or.jp:2017年2月03日より抜粋・転載)

 衆院予算委員会で、2月3日、2017年度予算の3日目の基本的質疑が行われ、民進党の5番手として質問に立った宮崎岳志議員は、(1)天下り問題(2)日・EU経済連携協定――を取り上げ、安倍総理らの見解をただした。

 宮崎議員は、今回の文部科学省による組織ぐるみの天下りあっせん問題の背景として、第1次安倍政権時に行われた2007年の国家公務員法改正による現在の天下り規制自体に問題があると指摘。

改正以前は、退職後2年間は利害関係先への天下りは禁止されていたが、安倍総理は「官と民が互いの知識、経験を生かせるよう、官民の人材交流をさらに推し進める」として退職後2年間の天下り禁止規定を撤廃した。

加えて、現行制度では現職職員による再就職あっせんは禁じているが、退職職員が知り合いの現職職員を紹介することや、職員が退職後に企業に再就職の働きかけを行うことは禁じていない。宮崎議員は「この改正は方向性に誤りがあった、あるいは不十分ではなかったのではないか」と安倍総理の認識をただした。

 安倍総理は、改正に問題があったとは認めず、監視機関として設置した「再就職等監視委員会」が機能したことによって今回の事案が明らかになったとして、「機能し摘発したことで大きな抑止力になる」と強弁した。

 これに対して宮崎議員は、「監視委員会が機能しているからいいという話ではなく、発生自体を抑えなければいけない。今回は特に個人的、単発的なものでなく、天下りコネクションで、現職が絡まない形でコネクションが作られれば合法になる。

事前規制や監視の厳格化など根本的な再発防止策が必要だ」と迫ったが、政府からは前向きな答弁は得られなかった。


民進党広報局

 

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