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山本太郎議員:復興特「加害者の都合のいいように一方的に線引きするような
やり方が許されるんだったら、この世は地獄ですよ」
(www.taro-yamamoto.jp:2017.01.30 より抜粋・転載)
2016年11月22日:
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党の山本太郎です。
会派を代表し、質問します。
二〇一一年三月十一日に出された原子力緊急事態宣言、東電事故発生から五年八か月たった今も、現在も解除はされていません。本日は、ここにいらっしゃる先生方が十分に御存じの話をいたします。
まずは、放射線管理区域について。放射線管理区域とは、病院のレントゲン室、研究施設、原子力発電所など専門の知識を持った放射線業務従事者が仕事で出入りする区域です。
お尋ねします。放射線管理区域にはルールがありましたよね。その区域内で飲食、飲み食いってできるんですか。
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。
電離放射線障害防止規則により、放射性物質を経口摂取するおそれのある作業場所においては飲食が禁止されております。
○山本太郎君 もちろん飲み食いは禁止ということは、当然寝泊まりなんてできないということですよね。成人でも十時間以上の滞在は許されません。
電離放射線障害防止規則、電離則というものがあるのは皆さん御存じのとおり。これは病院や研究施設、原子力発電所などで働く放射線業務従事者の皆さんを守るための規則ですよね。
資料の一、電離則の第三条には管理区域、つまり放射線管理区域を定める内容が書かれている。三条の一、二、どっちかに該当したら管理区域ということで標識も立てなさいよ、そのように書かれている。その一と二を私が読んでみたいと思います。
一、外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が三月間、三か月ですね、三月間につき一・三ミリシーベルトを超えるおそれのある区域。二、放射性物質の表面密度が別表第三に掲げる限度の十分の一を超えるおそれのある区域。三か月で一・三ミリシーベルトの線量で放射線管理区域と呼ぶそうです。そして、三条の二に出てきた表面密度は別表でとありました。
資料の二です。ここで言う表面密度を平方メートルで換算すると幾らになるでしょうか。
○政府参考人(田中誠二君) 一平方メートル当たりで計算いたしますと、四万ベクレルとなります。
○山本太郎君 一平方メートル当たり四万ベクレルで放射線管理区域ということでした。空間線量だけでなく表面の汚染、つまり土壌などに沈着したもの、要は、環境中に存在するそのほかの要因にもしっかりと目を向け、区域として管理することが放射線業務従事者を守るために必要とされている、そういうことなんですよね。
放射線管理区域は、空間線量だけではなく放射性物質の表面密度も規定されている。つまり、線源がきっちりと管理されていて、それによる被曝という状況と、放射性物質があちこちに散らばっている状況というのはまた別のリスクだからですよね。
現在、原発事故により避難区域などに指定されていたところは、空間線量率年間二十ミリシーベルト以下で避難区域が解除されています。
お聞きします。汚染に関して、避難区域解除の要件に空間線量率以外の決まり、ありますか。あるかないかでお答えください。
○政府参考人(星野岳穂君) お答えいたします。
避難指示解除の要件のうち、ただいまお話ありました放射線量に係るものは、空間線量率で推定された積算線量が年間二十ミリシーベルト以下となることが確実であることというのみでございます。
○山本太郎君 聞いていることが違いますよ。答えはどっちだと言っているんですよ。空間線量以外に要件はあるかということをお聞きしたんですよ。二十ミリシーベルト以下で解除するのに、汚染の要件何ですかと。
要は、空間線量率以外は関係ないんですよ、汚染に関しては。これ異常なんですよ、これが普通ではないということは、この委員会に所属している皆さんだったら分かりますよね。放射線管理区域では、空間線量だけでなく、放射性物質が周辺に飛散し、沈着したもの、つまりは土壌などに対する汚染、表面汚染にも四万ベクレルで放射線管理区域という基準を設けている。一方で、年間二十ミリシーベルトで人々を帰す帰還政策には土壌汚染の要件は必要がない、それを基準としない、空間線量のみで対応。これを当然だという政治家とか官僚がいたとするならば、税金から給料もらう資格ないと思いますよ。
人々の生命、財産を守るのがお仕事なのに、勝手に要件を緩和しているじゃないですか。専門的知識を持つ業務従事者のルールよりも緩い規則を勝手に作って、何をやられているんですか。
チェルノブイリの事故では、ロシア、ベラルーシ、ウクライナでチェルノブイリ法を制定、空間線量率と同時に土壌汚染も測定している。理由としては何でしょう、もちろん、空間線量だけでは住民の被曝量を把握するのは難しいからですよ。ウクライナなどでは、放射線管理区域に相当する年間五ミリで移住、一般公衆限度被曝に相当する年間一ミリで移住の権利が与えられている。このチェルノブイリ法、今現在も生きていますよ。
一方、日本どうでしょう。平成二十七年六月閣議決定、空間線量が年間二十ミリシーベルト以下であれば避難指示解除だ、問題ないという話。二十四時間、例えばです、二十四時間放射線管理区域に居続けて年間で五・二ミリシーベルト、避難解除の基準が、帰還の目安が二十ミリシーベルト以下、放射線管理区域の約四倍の地域でも空間線量のみで線引きする。帰れ、住め、生きろ、復興、一体何の話をしているんですか。これって常軌を逸しているという以外に言葉が見付からないんですけど。これって国と呼べるんですかと、これ、ギャングという方がしっくりきませんか。非人道的過ぎて。
国は、ICRPの緊急時被曝限度、二十ミリシーベルトから百ミリシーベルトを下回ることを避難指示の解除の基準としているようですけれども、住民の健康影響を最も低く抑えるということを考えたら、世界的なコンセンサス、公衆被曝限度の一番低い値といえば一ミリシーベルト、これ採用するの当然じゃないですか。年間一ミリに下がるまで避難する権利が与えられてしかるべきですよ。いつ帰るのかを選択する権利、これ被害者にあるはずですよ。どうして勝手に線引きするんですか。
限りなく平時の一ミリシーベルトに近づけていく努力、限りなく平時の一ミリシーベルトに近づけていく努力をした上で、国が、行政がその方々にお知らせをして、避難している人々の選択判断に委ねるというのが当然のことなんじゃないですか。これが本来あるべき国という姿なんじゃないですか。
誰が起こしたんですか、この事故、東電です。後押ししたのは誰ですか、国です。加害者がはっきりしていますよね。それにもかかわらず、加害者の負担を減らすことしか考えていない。加害者の都合のいいように一方的に線引きするようなやり方が許されるんだったら、この世は地獄ですよ。
福島県の浜通り、南相馬市、震災以降三種類の避難区域に指定、今年七月には避難指示解除準備区域と居住制限区域が解除され、現在は一世帯二人が該当する帰還困難区域のみが残っています。南相馬の九割以上が国が言うところの大丈夫な地域だそうです。
南相馬にお住まいの住民の方々を中心に、二〇一二年からそれぞれの近所、生活圏の土壌汚染などの計測を続けるグループ、ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト、その方々からの情報提供が資料の三でございます。色の付いた地図が御覧いただけます。
これは、除染が終わった地域の土を採取、計測したもので、汚染度に応じて色分けがされています。一平方メートル当たり四万ベクレルの放射線管理区域相当を下回る場所が青色です。右の下の方にありますかね、一つだけ確認できますよね。それ以外は管理区域相当かそれ以上、百万ベクレルに値する灰色の地域まである。これ、人住んでいるんですよね。
もちろん、事故後すぐのとんでもない空間線量を考えると、今は桁違いに空間線量も低いですよ。けれども、空間線量が〇・一マイクロシーベルト程度であっても、実際土壌を測ってみると、土を測ると、放射線管理区域といったところが多く見られると地元の方々はおっしゃるんです。
避難区域解除の要件が汚染に関して空間線量のみなんて、余りにもひどい話ですよ。余りにも適当、余りにもずさん、国民の生命、財産を守るの真逆じゃないでしょうか。人々は地上一メートルの空中に浮かびながら生活しているわけじゃないですよね。地面に座ったり寝転んだりもする、立ち話もする、座っても話もする。子供たちの遊び場に限っては舗装された道路上だけというわけじゃないですよね。そこから脇に入って茂みにも入る、自由に遊びますよ。土を口に入れる子供もいますよ。自分の子供時代を思い出してください。汚染が集まりやすい側溝も、子供にとって最高の遊び場の一つ。
先ほどの地元グループに参加された元京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻教務職員であり第一種放射線取扱主任の河野益近さん、道の駅南相馬の脇道の土を採取、百ミクロン程度の粒になるようにふるいに掛けて測定したところ、一キロ当たり一万一千四百十ベクレル、放射線セシウムが検出。これ、風が吹いたり車両が通るたびに巻き上がりますよ。砂ぼこり吸い込むこと、日常的にあるんじゃないですか。こういう内部被曝に関して考慮していないでしょう。何かの係数掛けてこれが内部被曝だというようなことを言っているだけで、実際の生活にマッチしたような内部被曝は考慮されていないのが事実じゃないですか。
こんな国の方針では子供を守れない、命を守れないと、避難区域外の方々も自主的に避難されている。この方々に対して、災害救助法による避難住宅、いわゆるみなし仮設住宅が提供されていましたけれども、来年三月、無償化打切り。もう大丈夫ですよ、何で避難しているんですか、そういう話ですか。区域外避難、いわゆる自主避難の方々、東電原発事故で自宅や生活環境が汚染されて避難した。
けれども、原発と自宅は距離があったから、国が一方的に決めた避難区域には含まれなかった。そのため、行政から唯一受けられた支援はみなし仮設住宅の無償化のみ、それも三月で打切り。打切り自体あり得ないことですよ。でも、打切りが三月って何なんですか。引っ越しする人々が一番多いそんなシーズン、料金も一番高くなるハイシーズン、出ていけ、引っ越せ、情けも容赦もないのかよって。
当事者の声です。
都の戸別訪問が恐怖。いきなりピンポンが鳴るのが怖くて布団をかぶって隠れている。玄関を開けたら扉が閉まらないように戸口に足を挟まれた。周りに聞こえるような声で、三月までしか住めないって分かっているんだろう、どなられた。分かっているが、引っ越せない。
次の方。東京都が執拗に高圧的に転居を強要。原発事故のせいで家を離れたのに、こんな状態でまた出ていけという理由が理解できない。圧力に負け都営住宅を申し込む。が、自分の意思とは正反対。心が受け入れられず、そのことも苦しみの種。同郷の人が一人もいない都営に無理やり転居させられるとは、まるでうば捨て山だ。
次の方。福島に家族を残して二重生活の母子避難。住宅を奪われたら家賃を捻出できない。子供のたった一つのピアノの夢だけは奪わないで。
次の方。期限を過ぎたわけでは……。これ、誰がやっているんです、ごめんなさいね、これ、誰がやっているんですか、こういうこと。東京都もこんな、それぞれの自治体に対して丁寧に交渉しろというなら百歩譲ってまだいい。完全な追い出しじゃないですか。この状況を止める気ないんですか、国は。聞いてないって言わせませんよ、こんなこと。問題になっているじゃないですか、今。
何度も執拗な電話、いきなりの訪問、どうするつもりなんだと怒られて、書類が来たりポストに不在票が入っていたり、身も心もくたくた、当然ですよ。原発爆発してからずっとこんな生活して、五年八か月たって今もこんな状況で追い詰められている。どこまで被害者の心をずたずたにしたら済むんだって。国が決断したら済むじゃないかって。国家公務員宿舎は三月に返さないといけないので、出ていってくれないと困ると都に言われた。国が東京都に避難者を追い出してきれいに返せと言っているのはひど過ぎる。入居するときに住居の属性を選べたわけじゃない、今になってそう言われても困る。当事者の声でした。
ちなみに、調べたところ、関東一都六県にある国家公務員宿舎は現在九千三百二十七軒の空室があります。国が動けば解決できるんじゃないですか、一部。どうしてこれ、空けろという話になっているのかな。おまえら出ていかないとオリンピックバブルで土地が上がったとしても売れないだろう、早めに出ていけという話なんですか。余りにもひどい。
四月四日、去年ですね、毎日新聞の報道で、国はみなし仮設の家賃について求償すらしていないって、先ほど岩渕委員がおっしゃいましたけれども、答え引き出しましたけれども、除染の費用は捻出するのに、東電から出させるのに、この部分に関してはどうして出させないんですか。被害者ですよ、この方々。
お聞きしたいんです、大臣に、最後に。二つお答えいただきたいんです。
一つ、福島県が望んでいると、そう言われていた。けれども、復興大臣のお立場は福島県に助言をするお立場なんです。是非もう一度協議をしてください。このような状況、本当にまずいんです。
そしてもう一つ、当事者の声を聞いていただきたい。この区域外避難者の方々の声を聞かれること、ほとんどなかったと思うんですよ、今まで、お忙し過ぎて。周りの方は聞かれているかもしれませんけれども。是非当事者の声を聞いていただきたい。今日もいらっしゃっているんです。この先、ちょっと休憩入りますけど、五分ぐらいお時間いただけないですか。今日の五分、休憩の時間いただけたら、今日、当事者の方とお話しいただけるんですけど。
この二つに対してお答えをいただけますか。
○国務大臣(今村雅弘君) これは先ほど来もお話ししておりますが、是非、福島県ともよく協議をして、できるだけ皆さん方の困らないようにやっていきたいという、そういう指導もしていきたいというように思います。
それから、今の、お見えになっていますが、よかったら私も、次、本会議がありますから時間はございませんが、お話を伺いたいと思います。
○委員長(櫻井充君) 山本君、時間が来ております。
○山本太郎君 はい。ありがとうございました。
是非、今の約束を守っていただけるようによろしくお願いします。ありがとうございました。
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