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第27回党大会に対する中央委員会報告(第1回)
幹部会委員長 志位和夫
(www.jcp.or.jp:2017年1月17日より抜粋・転載)
日本共産党第27回大会で、1月15日、志位和夫委員長がおこなった大会に対する中央委員会報告は次の通りです。
代議員、評議員のみなさん、こんにちは。インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、心からのあいさつを送ります。私は、中央委員会を代表して、第27回党大会にたいする報告をおこないます。
この大会は、安倍・自公政権が、あらゆる分野で強権政治、暴走政治をすすめる一方で、戦後かつてない野党と市民の共闘が力づよく発展し、歴史の本流と逆流が真正面からぶつかりあう激動的な情勢のもとで開かれました。
大会決議案が発表されて2カ月が経過しました。決議案は、全党討論で、全体としてきわめて積極的に受けとめられ、深められました。
とくに、この3年間の自らのたたかいが「日本の政治の新しい時代」を開いたことへの確信があふれだす討論となっています。高知県のある党支部長は、「決議案は宝石箱だ。何度読み返しても新しい発見がある。決議案の縦糸は綱領、横糸は私たちのたたかいで、すばらしい織物ができた。世界と日本のたたかいが響きあっていると実感する」と、すてきな文学的な表現をまじえた感想を語っています。
決議案の反響は、党内だけでなく、党外にも広がっています。ともに共闘に取り組んできた市民運動の方々、他の野党の方々、さらに知識人・文化人の方々が、決議案を読み、歓迎と激励の声を寄せてくださっているのは、たいへんうれしいことであります。
中央委員会報告は、決議案の章ごとに、全党討論をふまえて解明が必要な問題、情勢の進展にそくして補強すべき問題を中心に、重点的におこないます。
討論で寄せられた修正・補強意見については、大会の討論での意見もふまえて、一つひとつを吟味し、大会討論が終わった時点で、修正・補強した決議案を提出することにします。
第1章(新しい政治対決の構図と野党連合政権)について
まず、決議案第1章について報告します。この章は、日本の現在の政治対決の構図をどうとらえ、どうのぞむかについてのべており、決議案全体の「総論」というべき章となっています。
この3年間の情勢の劇的進展――日本共産党の躍進は大きな貢献になった
この3年間、日本の情勢には大きな劇的進展が起こりました。
前大会の主題は、「自共対決」時代の始まりということにありました。安倍・自公政権の暴走政治に、政党としては日本共産党が「孤軍奮闘」で対決するという構図でした。
それが今日では、私たちは、多くの仲間とともに共闘のスクラムをくんで対決しています。決議案は、今日の政治対決の構図として、「安倍自公政権とその補完勢力に、野党と市民の共闘が対決する、日本の政治の新しい時代が始まった」と、現状を規定づけています。
この新しい時代を開いた原動力は、国民のたたかいですが、日本共産党の政治的躍進も大きな貢献となりました。この間、日本共産党は、2013年の参議院選挙での躍進、2014年の総選挙での躍進、2015年の統一地方選挙での躍進、2016年の参議院選挙での前進と、四つの全国的選挙で連続して躍進・勝利をかちとりました。衆参あわせて14人だった国会議員団は35人へと倍増しました。(拍手)
日本共産党の政治的躍進が、そして「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の提唱をはじめ、私たちが節々でおこなった提案や行動が、野党と市民の共闘の発展への大きな貢献となったことは疑いありません。
日本共産党のさらなる躍進をかちとり、開始された「日本の政治の新しい時代」を本格的に前に動かす決意を、まず、みんなで固めようではありませんか。(拍手)
◆「『日本共産党を除く』の『壁』が崩壊した」という指摘をめぐって
全党討論では、決議案が「『日本共産党を除く』という『壁』が崩壊した」と指摘したことについて、「本当にそう言えるのか」という疑問も出されました。
決議案がのべているのは、政党関係における共産党排除の体制が崩れたということであり、国民のなかにある「日本共産党に対するさまざまな誤解や拒否感」(決議案)がなくなったという意味ではありません。その克服は引き続く課題であります。
同時に、政党関係における共産党排除の体制の崩壊は、文字通り、画期的、歴史的意義をもつものであります。1980年の「社公合意」を契機に、与野党書記局長・幹事長会談や国対委員長会談も含めて、日本共産党を国会運営の場からも締め出す体制がつくられました。当時は、ニュースで「共産党」という言葉が語られますと、次に「を除く」と必ず続いたものでした。
1990年代後半のわが党の躍進によって国会運営からの排除の体制は崩れましたが、2000年代に入っての「二大政党の政権選択」という大キャンペーンによって、わが党を「カヤの外」に置く共産党排除の体制は一段と強化されました。
30年余にわたって国政を支配してきた「日本共産党を除く」という「壁」が崩壊したことは、日本の政治にとって巨大な前進となりました。それは、戦後初めての、国政レベルでの自民党政治に対抗する野党と市民の大同団結の実現という大きな変化をもたらしました。
それはまた、国民の日本共産党に対する見方を大きく変えつつあります。共産党排除の「壁」が存在した時代には、「共産党は良いことをいうが力がない」という見方がかなり広くありましたが、いまでは日本共産党が新しい対決構図の一方で重要な役割を果たしていることは、私たちが対決している自民党までもが熱心に語っていることであります。
国民のたたかいと、日本共産党の躍進が、共産党排除の「壁」を取り払った。ここへの確信をもって前途を切り開こうではありませんか。(拍手)
◆「野党共闘はうまくいくか」――今後の闘いにかかっている
全党討論では、「野党共闘はうまくいくか」という心配の声も寄せられました。今日、党大会で4野党・1会派がそろった姿が、前途の明るさを示したのではないでしょうか(拍手)。ただ、これに対する答えは、今後のたたかいにかかっている――「うまくいくか」ではなく、うまくいくように知恵と力をつくすということにつきます。
野党と市民の共闘は、始まったばかりであり、前途には曲折や困難も予想されます。共闘が前進すればするほど、安倍政権・与党による攻撃はさらに強まるでしょう。
そうした困難や攻撃を克服して、野党と市民の共闘をさらに発展させる力はどこにあるか。決議案は、「日本の政治の新しい時代」を開いた力を二つあげています。第一は、安倍政権の暴走政治に対抗する新しい市民運動の発展です。第二は、日本共産党の政治的躍進です。共闘の前途は、この「二つの力」を成長させることができるかどうかにかかっているということを訴えたいと思うのであります。
同時に、強調したいのは、決議案がのべているように、野党と市民の共闘が発展してきた根底には、「異常な対米従属」「異常な財界中心」という「二つの異常」を特質とした自民党政治が深刻な行き詰まりに直面し、保守の人々も含めて国民との矛盾をいよいよ広げているという「社会の土台での激動」があるということです。
それは偶然ではない必然的な動きであります。いま起こっている動きは、大局的には、後戻りすることは決してない、大きな未来ある動きだということに、深い確信をもとうではありませんか。(拍手)
◆「野党連合政権」と「国民連合政府」
――真剣な協議で政権問題での前向きの合意を
全党討論では、決議案でいう「野党連合政権」と、2015年9月19日に提唱した「国民連合政府」の関係をどう考えたらいいのかという疑問も出されました。
わが党は、安倍政権に代わる政権構想として、「国民連合政府」という暫定的な野党連合政権が合理的だと確信しています。同時に、政権の問題では、現時点で、野党間に合意が存在しません。そうしたもとで、決議案では、野党と市民が一緒に、いわば白紙から、安倍政権に代わる政権のあり方を話し合い、前向きの合意を見いだしていこうという立場で、「野党連合政権」というより幅をもった呼びかけとしました。
野党と市民が本気で共闘をすすめるなら、野党連合政権の問題を避けて通ることはできません。野党4党は、「安倍政権打倒」を共通の目標としています。そうであるならば、打倒した後の政権構想を示す責任があります。野党4党は、「安保法制廃止、立憲主義回復」をはじめとして安倍政治を転換するいくつかの重要な政治的内容で合意しています。
そうであるならば、それを実行する政権をつくることがどうしても必要となります。
野党4党は、国政選挙で協力し、自民・公明とその補完勢力を少数に追い込むことで合意しています。そうであるならば、野党が多数を獲得した場合にどういう政権をつくるのか。その場合でも、日本共産党と政権をともにすることを拒むのか否か。この問いに対する答えが求められるでしょう。
わが党は、政権の問題で、野党間に合意が存在しないもとで、この問題での合意を総選挙の選挙協力の協議に入る条件とはしないということを表明しています。同時に、協議のなかで前向きの合意を得るために真剣に努力を続けます。
政権問題で前向きの合意をつくることは、野党と市民の共闘を「本気の共闘」に発展させ、多くの国民の期待と信頼を得るうえで、決定的に重要であるということを強調したいと思うのであります。
いま日本の政治で戦後初めて、先ざきの展望でなく、焦眉の課題として、自民党政治を本格的に転換する野党連合政権をつくる可能性が生まれています。この可能性を現実のものにしようではありませんか。(拍手)
日本共産党は、野党と市民の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を倒し、自民党政治を終わらせ、野党連合政権をつくるために、ありとあらゆる努力を傾ける決意を表明するものであります。(拍手)
第2章(世界の新しい動きと日本共産党の立場)について
次に、決議案第2章について報告します。この章は、世界の新しい動きと日本共産党の立場についてのべています。
「世界の構造変化」という大局をおさえつつ、逆流や複雑な諸問題もリアリズムで
アメリカ大統領選挙の結果などをうけて、いま世界をどう見るかについて、「先が見えない不確実な時代となった」「世界は混とんとしている」といった論調があふれています。たしかに、いま世界ではさまざまな逆流や複雑な諸問題も起こっています。しかし、そうした現象だけに目を奪われるならば、世界の本当の姿は見えてきません。
決議案第2章では、20世紀に起こった「世界の構造変化」――「植民地体制が完全に崩壊し、民族自決権が公認の世界的な原理となり、100を超える国ぐにが新たに政治的独立をかちとって主権国家になった」という巨大な変化が、「世界の平和と社会進歩を促進する力として、生きた力を発揮しだした」という大局をしっかりおさえながら、さまざまな逆流や複雑な諸問題に対しても、リアリズムの立場で踏み込んだ解明をおこなっています。
大局をおさえながら、リアリズムの立場で世界を見る。こうした立場に立ってこそ、今日の世界の新しい動き、未来への展望を、生き生きととらえることができるということを、まず強調したいと思うのであります。
◆核兵器禁止条約の画期的な意義――米国の「書簡」が示すもの
決議案第5項は、20世紀に起こった「世界の構造変化」の力が、いま「核兵器のない世界」の実現をめざす画期的な動きとなってあらわれていることを明らかにしています。
昨年12月、国連総会は、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議を圧倒的多数の賛成で採択しました。いよいよ2カ月後には、国連本部で締結交渉が開始されます。待ちに待った国際会議が始まります。わが党はこの動きを心から歓迎するものであります。(拍手)
決議案は、いま起こっている動きの画期的な意義として、「核兵器禁止条約に、かりに最初は核保有国が参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて『違法化』されることになる。あらゆる兵器のなかで最も残虐なこの兵器に『悪の烙印(らくいん)』をおすことになる。そうなれば……核兵器廃絶に向けて世界は新しい段階に入ることになるだろう」とのべています。
実は、いま起こっている動きが、核兵器廃絶への決定的な一歩となりうる可能性をもっていることを、生々しく描きだしている一つの文書があります。それは、世界最大の核保有大国・アメリカが、2016年10月に同盟諸国に送付し、核兵器禁止条約の決議案に反対するように求めた「国連総会の核兵器禁止条約の防衛政策への影響」と題する「書簡」であります。
「書簡」では、核兵器禁止条約の締結交渉の動きを、「核兵器と核抑止力に悪の烙印を押す」「核抑止力論を非合法化する」と激しく非難するとともに、これが米国の核戦略を軍事的に拘束し、破たんさせる可能性に言及しています。
たとえば「書簡」は「米国は米艦船における核兵器の存在を肯定も否定もしないので、その米国の政策に従えば、米艦船が(核兵器禁止条約の)調印国に寄港することが不可能になりかねない」とのべています。
核兵器禁止条約が発効するためには、核保有諸国の調印が必要ですが、禁止条約に調印した各国には、発効以前から条約の内容に反することはできないという義務が生まれます。核兵器禁止条約が国連加盟国の多数の賛成で調印されれば、米軍の艦船、航空機などは、核兵器禁止条約に調印した諸国に寄港したり、立ち寄ったりすることが不可能となり、米国の核戦略は、全世界で手足が縛られ、破たんに追い込まれることになりかねない。アメリカは、こうした恐怖から、「書簡」を同盟国に送り、核兵器禁止条約に「反対」投票をすることを強く求めたのであります。
アメリカのこの対応は、核兵器禁止条約の締結交渉の動きが、いかに画期的な意義をもつかを、最も雄弁に示しているではありませんか。(拍手)
この問題の帰趨(きすう)を決めるのは、世界の世論と運動であります。核保有大国をここまで追い詰めてきたことに確信をもって、「ヒバクシャ国際署名」を世界でも日本でも広げに広げ、「核兵器のない世界」の扉を開けようではありませんか。(拍手)
−この続きは次回投稿します−
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