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参院選へ、改憲志向の安倍首相遊説、
改憲の「沈黙」は何を意味するのか ?
改憲を沈黙は、小手先の選挙戦術では ?
『報ステ』古舘伊知郎が最後の反撃 !
ドイツ取材で緊急事態条項の危険性、
安倍首相とヒットラーの類似点を示唆 !
(mainichi.jp:毎日新聞2016年6月17日東京朝刊より抜粋・転載)
社説: 国会の閉会以降、安倍晋三首相は、参院選向けの全国遊説に飛び回っている。
勝敗のカギを握る1人区を中心に、ほぼ連日のペースだ。
安倍首相は言う。最大の争点は、経済だ。これからアベノミクスのエンジンをフル回転させる。
民進、共産の野合勢力は、日米の絆を断ち切ろうとしている。
自公に託すか、民共に託すかを決める選挙だ、と。
各地での演説内容にはもう一つ、奇妙な共通点がある。憲法について何も語らないことだ。
改憲を究極の政治目標に掲げる首相の沈黙は、何を意味するのか。
☆改憲を沈黙は、小手先の選挙戦術では ?
少し前までの首相は違った。
年頭の記者会見で「憲法改正は参院選でしっかり訴えていく」と述べたのに続き、直後のNHK番組では「改憲を考えている責任感の強い人たちと3分の2を構成していきたい」と踏み込んだ。
☆「3分の2」以上、参院選でそのラインをクリア
したいという意思表示だった !
憲法改正案を発議するには、衆参両院での「3分の2」が絶対要件だ。
今年の参院選でそのラインをクリアしたいという意思表示である。
3月には「私の在任中に成し遂げたい」と実現の期限にも言及した。
安倍氏の自民党総裁任期は、2018年9月までだ。
特例的な任期延長がない限り、今回の参院選がラストチャンスになる。
衆参同日選が可能になるような国会日程を組んだのも、改憲への執念とみられていた。
もしも、憲法改正の機が熟していないと首相が考え直した結果の沈黙であるなら、決して不自然なことではない。国の骨格を定める憲法は、国民の広範な同意に支えられるべきものだからだ。
しかし、実際に首相が改憲を棚上げしたとは、到底考えられない。首相が好んで口にしてきた「戦後レジームからの脱却」とは、「占領軍による押しつけ憲法の書き換え」と同義と受け止められている。
☆安倍首相が、遊説で憲法に触れないのは、
ひとえに選挙戦術であろう !
すなわち、遊説で憲法に触れないのは、ひとえに選挙戦術であろう。自民党幹部は「改憲を訴えても票にならない」とあからさまに語る。
自民党が参院選用に作成した公約集は、「経済の好循環」が前面に押し出されている。憲法はと言えば、最後に申し訳程度に「各党との連携を図り、あわせて国民の合意形成に努め、憲法改正を目指します」とあるだけだ。憲法のどこを改正するかも書かれていない。
選挙の時は経済一本やりで支持を求め、首尾よく勝利を収めたら、その力を安倍カラーの濃い政策に転用する。特定秘密保護法も、安全保障法制も、その方式で成立を見た。
仮に首相が再び同じやり方で改憲を狙っているとしたら、有権者を愚弄(ぐろう)するものではないか。憲法に対しては、奇策に頼ることなく、正々堂々と訴えることが、最高権力者の取るべき態度であろう。
憲法は、国民と政府が共有する最も大事な決まり事だ。
そのあり方について不断に議論がなされるのは、むしろ健全な社会の証明にもなる。
☆自民党が、時代に逆行するような改正
(実は、改悪)草案を保持している !
ただし、今の日本ではなかなか落ち着いた憲法の論議が成立しない。
その大きな要因は、政権党である自民党が時代に逆行するような改正草案を保持していることだ。
☆憲法論議の土台を立て直せ !
野党時代の2012年にまとめられた自民党の草案は、前文で日本の伝統を賛美し、天皇の国家元首化や自衛隊の「国防軍」化、非常時の国家緊急権などを盛り込んでいる。
しかも、国民の権利を「公益及び公の秩序」の下に狭く制限しようとする条文がいくつもある。
人間は本来、多様だ。多様な集団が一定の領域で共存していくために、憲法という決まり事がある。なのに、自民党の草案は、憲法によって国民を一つの型にはめ込もうとしているかのようだ。
☆小泉政権時代の新憲法草案は、
まだしも穏健だった !
小泉政権時代、自民党の立党50年に合わせて採択された新憲法草案は、まだしも穏健だった。伝統賛美の前文はなかったし、天皇の元首化にも触れていない。自衛隊は「自衛軍」となっていた。
このように自民党の立ち位置が大きく右に寄った反作用として、旧民主党の左傾化が目立つようになった。現民進党もその流れにある。
民進党の参院選ポスターの一つには「まず、2/3をとらせないこと。」と書かれている。
これでは、民進党が憲法にどう向き合おうとしているのか、伝わってこない。
自民党が、観念的な自主憲法論に固執し、最大野党がかつての社会党のように「改憲阻止」に主眼を置くようでは、憲法をめぐる論議は、空洞化する一方だろう。
改憲勢力が、参院で3分の2に到達するかどうかは、確かに重要な指標だ。
ただ、内実を伴わなければ数の消長はむなしいものになる。
選挙戦を通じて、憲法論議の土台を健全な形に立て直すよう与野党に求めたい。
無論、最も大きな責任を負うのは自民党である。
☆「改憲隠し」で票を集めるような発想はもってのほかだ !
独善的なイデオロギーで憲法を扱ってはならない。ましてや、「改憲隠し」で票を集めるような発想はもってのほかだ。選挙の前と後での使い分けは許されない。
(参考資料)
ドイツ取材で緊急事態条項の危険性、
安倍首相とヒットラーの類似点を示唆 !
(biz-journal.jpい:2016.03.19より抜粋・転載)
◆特集は、合法的独裁を狙う、安倍自民党
・改憲草案・「緊急事態条項」だった !
2016年3月18日に放送された、『報道ステーション』(テレビ朝日)が、いま大きな話題を集めている。まず、古舘キャスターは、ドイツからのレポートの最初に、こう話した。
☆ヒトラーは、合法的に独裁を実現している !
「ヒトラーというのは、軍やクーデターで、独裁を確立したわけじゃありません。合法的に(独裁を)実現しているんです。じつは、世界一民主的なワイマール憲法のひとつの条文が、独裁につながってしまった。そして、ヒトラーは、ついには、ワイマール憲法自体を停止させました」
「ヒトラー独裁への経緯というのを振り返っていくと、まあ、日本がそんなふうになるとは到底思わない。ただ、いま日本は憲法改正の動きがある。
立ち止まって考えなきゃいけないポイントがあるんです」 独裁の道に走らせたワイマール憲法の条文、それこそが「国家緊急権」だ。
「大統領は公共の安全と秩序回復のため必要な措置を取ることができる」という条文をヒトラーは悪用、集会やデモの開催を禁止し、出版物を取り締まり、共産主義者を逮捕し、野党の自由を奪い、あらゆる基本的人権を停止させた。ここまでは教科書にも書いてあることだが、本題はここから。この「国家緊急権」が「緊急事態条項」とそっくりではないか、と言及するのだ。
☆ヒトラーの「国家緊急権」が、安倍自民党
の「緊急事態条項」とそっくりだ !
国家緊急権と緊急事態条項が、そっくりだというのは、本サイトでも昨年から繰り返し指摘してきた。安倍政権は大規模な自然災害時に迅速に対応するために緊急事態条項が必要なのだと強調するが、これは建前に過ぎない。事実、自民党による憲法改正草案の該当箇所には、こうある。
《(緊急事態の宣言)
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。》
☆緊急事態宣言は、国会の承認が必要だが事後でもいいので、
独裁は、事後承認でやりたい放題できる !
☆改憲(実は大改悪)人類普遍の権利でさえ
「最大限尊重」(厳守ではない)程度の扱いになる !
くわえて草案には、ダメ押しで、《この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限尊重されなければならない。》とある。
つまり、法の下の平等、身体の拘束と苦役からの自由、思想と良心の自由、表現の自由といった人類普遍の権利でさえ「最大限尊重」(厳守ではない)程度の扱いになるのである。
☆衆参で3分の2以上の議席になれば、安倍首相
は、ヒトラーのように独裁にひた走る !
夏の参院選で与党が3分の2以上の議席を獲得し、緊急事態条項の新設となれば、いよいよ本当に安倍首相は、ヒトラーのように独裁にひた走るのではないか──。
実際、昨夜の『報ステ』では、ワイマール憲法の権威であるドイツ・イエナ大学のミハエル・ドライアー教授にこの緊急事態条項を見せたところ、ドライアー教授はこう述べていた。
「この内容はワイマール憲法48条(国家緊急権)を思い起こさせます。内閣の一人の人間に利用される危険性があり、とても問題です。−以下省略―
☆政官業癒着・自公体制下、特に議会や
憲法裁判所などのチェックが不十分だ !
良い人ばかりが首相になるわけではない。現状の安倍政権の強権的な態度を考えると、じつに含みのある話である。
☆首相が、緊急事態だと思えば、緊急事態宣言
を行えるという、主観的な要件になっている !
☆民主主義を破壊する、
緊急事態条項の危険性が大きい !
さらに番組ではスタジオゲストとして、昨年の安保法制の国会審議の際、与党の推薦で参考人として国会に招致され「安保法制は違憲」という見解を示した長谷部恭男・早稲田大学法学学術院教授が登場した。
長谷部教授は、「内閣総理大臣がそう(緊急事態だと)思えば(緊急事態宣言を行える)という、主観的な要件になっている。
(発動要件が客観的ではなく)非常に甘い」「場合によっては、怪しいと思われれば、令状なしで逮捕される、そんなことになるということも理屈としてはあり得る」と緊急事態条項の危険性を述べ、また、“緊急事態条項が必要ならば憲法に入れるのではなく法律を設けたらいい話なのではないか”という見解も示した。
☆緊急事態条項の新設を目論む安倍首相の
危険性をも暗に伝える特集だった !
このように、多角的に緊急事態条項を掘り下げた『報ステ』だった。
しかし、古舘キャスターは、番組中、「ヒトラーのような人間が日本に出てくるとは到底想定できないんですが」と何度も念を押し、さらには、一度たりとも「安倍」という二文字を発しなかった。
だが、この特集のテーマは、緊急事態条項と国家緊急権の類似性のみに留まらず、緊急事態条項の新設を目論む安倍首相の危険性をも暗に伝えるものだった。
☆ヒトラーは、戦争の準備を
「平和と安全の確保」と表現していた !
☆ヒトラーのやり方は、これはすべて安倍首相
に置き換えられるものだ !
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