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日銀人事に介入し、安倍政権の家来で
日銀の政策決定を行う体制を構築している !
安倍政権・日銀は、3年たっても、デフレ
脱却の決め手を見いだせないでいる !
「植草一秀の『知られざる真実』」:2016/04/30より抜粋・転載
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1)日銀が追加金融緩和決定を見送り、連休入り
と同時に、金融市場の波乱が拡大している !
ゴールデンウィークの連休入りと同時に、金融市場の波乱が拡大している。
4月27−28日の金融政策決定会合で、追加金融緩和が決定されるとの観測が広がっていたが、もともと、追加緩和策が決定される可能性は、低かった。
日銀が追加金融緩和決定を見送ったことで、28日の日経平均株価は、前日比282円高の17572円の高値を記録した後、前日比638円安の16652円まで下落し、前日比624円安の16666円で引けた。
下4桁が6並びの数値となったが、1996年6月26日の終値が、22666円となって、これを起点に、1998年10月9日の12879円まで、2年3ヵ月にわたる、株価暴落が始動したことが思い起こされる。
2)現在の日銀は、安倍政権の権力機関の
ひとつに変質してしまっている !
今回の日銀政策決定会合で、追加金融緩和が決定される可能性が、なぜ低かったのか。
それは、現在の日銀が中央銀行ではなく、安倍政権の権力機関のひとつに変質してしまっていることに理由がある。
昨年12月以降の日経平均株価の推移を見てみよう。
昨年12月1日に日経平均株価は20012円を記録した。
これが、1月21日に16017円に下落した。
わずか1ヵ月半で4000円幅の急落が生じた。
ここで動いたのが日銀である。マイナス金利導入を決めた。
3)マイナス金利導入しても、日経平均株価は
急反落して、15000円を割り込んだ !
しかし、政策効果は、3日で消滅し、日経平均株価は急反落して、15000円を割り込んだ。
流れを変えたのがG20だった。2月末G20を契機に世界的に株価が反発した。
ところが、4月入り後、日経平均株価は、急落した。不自然な急落とも言えた。
その株価が4月24日にかけて急反発し、17500円を突破した。
4)日銀政策決定会合のバズーカ砲が、
空砲となり株価が急反落 !
ところが、4月28日の日銀政策決定会合のバズーカ砲が、空砲となり株価が急反落している。
4月22日終値が17572円。4月28日終値が、16666円。906円の下落。
シカゴ先物市場の日経平均先物は、4月29日、15880円で引けた。
東京終値比786円安、4月22日終値比1692円安である。
週明け、5月2日の東京市場の株価下落が警戒される。三つのことを指摘できる。
第一は、日銀の政策運営が破綻していることだ。これはアベノミクスそのものの破綻を意味する。
第二は、株価変動が、政治日程とリンクしていることである。
4月初旬の株価急落は、その後の株価急反発を演出するための「準備作業」であった可能性が高い。
5)補欠選挙のため、株価を吊り上げのための
「沈み込み」であった、可能性が高いのだ !
「ジャンプ」するための「沈み込み」であった、可能性が高いのだ。
そして、4月28日会合で追加金融緩和策を決定しなかったのは、当面の「株価吊り上げ」の目標が達成されたからだ。
4月24日の選挙に向けて、株価を吊り上げたのであって、これが終了すれば、株価吊り上げの支えを張りつつける必要はない。
第三は、日本経済が、明確なダウンサイドリスクを抱えることになったということだ。
6)アベノミクスは、破綻しており、修復するには、
「財政政策の活用」が必要不可欠だ !
アベノミクスは、破綻しており、これを修復するには、「財政政策の活用」が必要不可欠である。
その切り札となるのが「大型補正予算の編成」であったが、安倍政権は「大型補正予算」を排除して、1兆円未満の超小型補正予算編成を決定した。
日本の金融市場の基本構図は、「円高=株安」に転換しており、この基本構図を排除するには、「財政政策を活用する以外に道はない」ことを、私は『金利・為替・株価特報』
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.htmlに記述してきた。
内外の経済金融変動は、ほぼ見通し通りに推移している。
7)景気回復するには、安倍政権が経済政策の
基本を抜本転換することが必要不可欠だ !
このなかで、日本経済の崩落を回避するには、安倍政権が経済政策の基本を抜本転換することが必要不可欠であることを説いているが、その政策転換が明確に示されていない。
ここに重大な問題が残されている。
日銀は、1月28、29日に金融政策決定会合で、マイナス金利採用を決定した。
採決は賛成5、反対4だった。
賛成票を投じたのは、黒田総裁、岩田副総裁、曽根副総裁、原田泰審議委員、布野幸利審議委員
だった。
8)マイナス金利採用の賛成者は、安倍政権が起用した3名╋2名で、
民主党政権時代に起用された4名の委員は反対した !
総裁副総裁の3名は2013年春に、安倍政権が起用した3名。
原田泰氏は2015年3月、布野幸利氏は2015年7月に審議委員に就任した。
これらの5名のメンバーが、いわゆるリフレ派、すなわち、インフレ誘導は可能であり、インフレ誘導は正しい政策であると主張する人々である。
これに対して、反対票を投じたのが、白井さゆり、石田浩二、佐藤健裕、木内登英、の各審議委員である。
この4名の委員は、民主党政権時代に起用された人々である。
この4名は、マイナス金利導入に反対した。
そして、このなかの白井氏が、3月末で退任し、桜井真氏が起用された。
石田浩二氏も6月末で退任し、後任には、政井貴子氏が起用される。
9)日本銀行人事に介入し、安倍政権の意向に沿う人物
で日銀の政策決定を行う体制を構築している !
安倍政権は、日本銀行人事に介入し、安倍政権の意向に沿う人物で日銀の政策決定を行う体制を構築している。ここには、中央銀行の独立性を尊重するという姿勢は存在しない。
日銀は権力機関の一部を構成することになる。
実は日銀は1999年10月に、量的金融緩和政策は有効でないとの公式見解を発表している。
しかし、その後、日銀は政治の圧力に屈服して、量的金融緩和政策を実行してきた。
そして、2013年春以降は、「量的金融緩和政策の拡大でインフレを誘導することは可能である」
ことを宣言したうえで、量的金融緩和政策の拡大を実行してきた。
−この続きは次回投稿します−
(参考資料)
クルーグマン教授:「アベノミクスは、金融政策
に重きを置きすぎだ」とクギを刺した !
(mainichi.jp: 毎日新聞2016年4月5日 東京朝刊より抜粋・転載)
クローズアップ2016:
☆「物価上昇率2%」の目標は、消費低迷や
原油安のあおりを受けて遠のく !
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が、デフレ脱却に向けて「異次元緩和」を導入し、4月4日で、
3年が経過した。当初は、2年程度で達成するとしていた「物価上昇率2%」の目標は、消費低迷や原油安のあおりを受けて逃げ水のように遠のく。
金融緩和頼みのアベノミクスは、岐路にさしかかり、日本経済の底力を高める政策の必要性が一段と増している。
☆企業収益は高く、労働市場も逼迫している
が、賃上げのペースが遅い !
「不思議なことがある。企業収益は高く、労働市場も逼迫(ひっぱく)しているが、賃上げのペースが遅い」。日銀の黒田総裁は、3月16日、政府の国際金融経済分析会合で、講師役のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授に向かって首をひねった。
異次元緩和導入当初こそ、円安・株高で企業や家庭の期待感を高めた日銀だが、その後は、誤算が続いている。
異次元緩和の狙いは、日銀がデフレ脱却に期限を設け、市場に大量の資金を供給することで、企業や家庭に「物価が上昇するから、早いうちに投資や消費をしよう」と思わせるとともに、円安・株高で企業業績を底上げすることだ。確かに、円安効果で、多くの大企業が、最高益を更新した。
☆異次元緩和に順風が吹いたのは、 最初の1年だけだった !
☆個人消費が落ちこんで、
昨年10〜12月期にはマイナス成長に転落した !
日銀は「エネルギーを除けば、物価は1%程度上昇している」と緩和効果を主張するが、それが皮肉にも、デフレ脱却の向かい風になりかねない状況を作っている。
2013年以降の円安で輸入品価格が上昇し、食料品の値上げが相次ぐと、家計が圧迫された。
個人消費が落ちこんで、昨年10〜12月期にはマイナス成長に転落した。日銀幹部は「家庭も企業もまだ、物価上昇に慣れていない」とため息をつく。
☆2016年春闘では大企業の平均賃上げ額が
前年を下回り、賃金改善は、失速した !
☆日銀の「サプライズ」戦略も、
効果が怪しくなってきた !
日銀の「サプライズ」戦略も、効果が怪しくなってきた。市場の想定と異なる時期や規模の緩和策を打ち出し、驚きを与えて円安や株高を誘うものだが、1月末にマイナス金利政策の導入を決めた際は、当初の円安・株高の流れがわずか2日で反転した。
「物価目標は、必ず実現する。必要があれば、ちゅうちょなく必要な手段を講じる」と追加緩和を辞さない姿勢を示す黒田総裁だが、その神通力には、陰りが見える。
日銀が当初、「2年程度」としていた物価目標の達成時期は先送りが続き、今や約2年遅れの「17年度前半ごろ」まで後退した。27、28日に開く金融政策決定会合では、4回目の先送りすらささやかれる。残り2年を切った黒田総裁の任期中の目標達成すら危うい状況だ。【安藤大介、和田憲二】
◆異次元緩和について、強まる副作用論
金融市場などでは、異次元緩和の限界や副作用への懸念も広がっている。
日銀が、2月に導入したマイナス金利政策には、住宅ローンなどの金利を一段と低下させ、投資や消費を増やす狙いがある。日銀の保有国債が発行残高の3割を超え、追加的な国債購入が次第に難しくなる中、マイナス金利幅拡大という追加緩和の手段も得られた。
☆銀行にとってマイナス金利は、 収益の悪化要因だ !
しかし、銀行にとってマイナス金利は、収益の悪化要因だ。銀行が企業に貸し出すリスクを取れなくなり、「貸し渋り」につながる懸念もある。
日銀の金融政策決定会合でも「金融緩和を強化すれば、効果より副作用の方が大きくなる」との意見が次第に強まっている。
「アベノミクス」は、成長戦略と財政政策を含む「三本の矢」でデフレ脱却を進めるはずだったが、規制緩和などインパクトのある成長戦略を打ち出せないまま、先行した金融政策に息切れ感が強まる。今年2月の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、声明で「金融政策だけでは、均衡の取れた経済成長につながらない」と指摘した。
☆クルーグマン教授:「アベノミクスは、金融政策
に重きを置きすぎだ」とクギを刺した !
国際金融経済分析会合でも、米プリンストン大のポール・クルーグマン名誉教授が「アベノミクスは金融政策に重きを置きすぎだ」とクギを刺した。
日銀内には「企業や家庭が『日本経済は成長が続く』と思わないと、賃上げや投資に慎重になるのは当然だ」と、政府の成長戦略にデフレ脱却のけん引役を求める声が強まる。
☆安倍政権・日銀は、3年たっても、デフレ
脱却の決め手を見いだせないでいる !
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