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弱肉強食政策推進の自公政権下、老人介護施設の虐待・殺人等は、
行政の不作為が根本原因だ !
(lite-ra.com:2016.02.17より抜粋・転載)
川崎の老人ホーム殺人事件は氷山の一角だ !
相次ぐ虐待、“刑務所”なみの高齢者住宅 !
最大の問題は、官僚利権偏重・行政の不作為 !
【この記事のキーワード】介護, 編集部, 虐待 2016.02.17
kaigo_151126_top.jpg:長岡美代『介護ビジネスの罠』(講談社現代新書)
川崎市の有料老人ホームで、入居者3人が、相次いで転落死した連続不審死事件で、元職員が、殺人容疑で逮捕された。
今の所、逮捕容疑は、当時、87歳の入所男性ひとりへの殺人だけだが、他の2人の転落死についても、立件されるのは、時間の問題だろう。
☆事件の起きた施設「Sアミーユ川崎幸町」の責任が重大だ !
テレビや新聞は、この元職員・今井容疑者の鬼畜ぶりをこれでもかと報道しているが、見逃してはならないのは、事件の起きた施設「Sアミーユ川崎幸町」の責任だ。
1件目の転落死が起きた後も、この老人ホームは、何の対策も講じず、そのまま放置し、2件目、3件目の殺人を招いた。
☆短期間に高齢者・3人が転落死し、入所者の老人へ
の暴行や虐待、窃盗が頻発していた !
しかも、この施設では、日常的に、入所者の老人への暴行や虐待、窃盗が頻発していた。
いったい、なぜこんな老人ホームが放置されていたのか、改めて驚かざるをえないが、実は、
こうした悪質な老人ホーム、介護施設はけっしてレアケースではない。
この国の介護・福祉業界は、こういう悪質な業者・施設が横行する構造を抱えているのだ。
本サイトでは、転落死事件が発覚した後に、この問題を検証する記事を掲載している。
再編集して掲載するので、この問題を改めて考える機会にしてほしい。
今は年齢の若い読者の皆さんにもけっして無関係な話ではない。
(編集部)
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川崎市の有料老人ホームで、入居者3人が相次いで転落死した、連続不審死事件は、社会に大きな衝撃を与えた。
近年、こうした老人ホームや介護施設での“事件”は多発しているといっていい。
例えば、2009年に起こった、群馬県「静養ホームたまゆら」の火災事件、13年の大阪市のドクターズマンションの入居者放置発覚、また今年に入っても東京北区のシニアマンションでの入居者99人に対する虐待事件が、明らかになっている。
☆老人ホームや介護ビジネスの内情は、想像以上に劣悪
で、不正請求や悪徳業者が跋扈する世界だという !
一体、老人ホームや介護ビジネスの内情は、どうなっているのか。
『介護ビジネスの罠』(長岡美代/講談社現代新書)によると、その内情は、想像以上に劣悪で、不正請求や悪徳業者が跋扈する世界だという。
☆介護保険だけでも10兆円という巨大規模となり、安易な事業者の参入も目立ち、
法令順守の姿勢や介護の知識がほとんどない例もある』!
現在、介護ビジネスは、介護保険だけでも10兆円という巨大規模となり、今後も高齢化が進むことで成長が期待される分野だ。だからこそ、そこには様々な弊害が存在するという。
「介護ビジネスには安易な事業者の参入も目立ち、昨今は法令順守の姿勢や介護の知識がほとんどない例まで見受けられる」
「現状は、利益優先の事業者が跋扈している」
具体的な事例を見ると、そこには虐待だけでなく不正の数々や入居者への人権侵害という絶望としかいいようのない現状があった。
☆利益優先の事業者が跋扈し、虐待の温床となる入居者
の「囲い込み」と不正な「手抜き介護」がある !
まずは虐待の温床となる入居者の「囲い込み」と不正な「手抜き介護」だ。
三重県のサービス付き高齢者向け住宅に住む佳子さん(85歳)は、入居と同時にそれまでのホームヘルパーから高齢者向け住宅担当者が強く勧める自社ヘルパーへと変更を余儀なくされた。
この住宅は、敷金6万円、月額は、食事込みで、9万円とかなりの安価がウリだった(全国相場は月14万円ほど)。
☆家族が面会に行った際、ヘルパーの不審な行動を目撃する !
しかし、家族が面会に行った際、ヘルパーの不審な行動を目撃する。
「その日は、ケアプラン上では、一時間のサービスが提供されることになっていたのですが、わずか20分ほどでヘルパーが、部屋から引き揚げるところに出くわしたのです。ほかにも着替えや洗顔などがされていない様子が見受けられた」
決められたサービスを提供されていない疑いを持った家族は、以前のヘルパーへと再変更したという。「ところが、これが思わぬ事態に発展していく。
『お母さま(佳子さん)の行動に落ち着きがなくなって、その対応に職員は、追われています。
警察に何度も電話をかけようとするので、困っています。なんとかしてください』
☆職員は、まるで非難するかのような口調で、家族に訴えてきた !
サービス付き高齢者向け住宅の職員は、まるで非難するかのような口調で、家族に訴えてきたという」 これは、自分たちのサービスを使わない、露骨な報復行動であり、職員は、家族が頼りにしているケアマネージヤーの解任や、ホームからの撤去さえも口にしたという。
母親を人質に取られた形の家族にすれば、口をつぐみ、それに従うしかなかった。
今回の事例だけではなく、弱みを握られた形の家族たちは、事業者の、言うがままになるしかない、ケースが多いようだ。
☆親を人質に取られた形の家族にすれば、口をつぐみ、
事業者の、言うがままに、従うしかない !
もちろん事業者が、入居者を囲い込むのは“利益”のためだ。
施設によっては、併設または系列サービス利用を入居条件としているところさえあるが、しかしこれはサービスや介護の面でも大きな弊害を生むという。
「メディアで優良企業として、経営者が紹介されたこともある関東のサービス付き高齢者向け住宅では、朝から夕方まで入居者を併設のデイサービスに送り込み、住居棟に鍵をかけて自由に行き来できないよう管理する。外出も家族による付き添い以外は認めず、訪問介護を使うこともできない。
☆介護サービスの自由な選択や利用が妨げられ、“籠の鳥”
のような、生活を強いられる !
介護サービスの自由な選択や利用が妨げられるだけでなく。“籠の鳥”のような生活を強いられるケースもあるのだ」
もう1人、茨城県の浩さん(78歳)が入居したサービス付き高齢者向け住宅は、人間の自由と尊厳を奪われるまさに“監禁場所”“刑務所”のような場所だったという。
「携帯電話の持ち込みが禁止されており、公衆電話もない。職員がいる事務室の電話を借りることはできるものの、話の内容が筒抜けになってしまうので親族と内緒話もできない。たまらなくなって逃げ出そうとまで考えたらしいが、所持金がないため諦めたという」
外出は禁止され、毎日部屋からデイサービスのある1階に移動するだけ。風邪を引いても放置される。
☆外出も禁止され、連絡手段も断たれれば、事業者から虐待などを受けても
外部や行政に苦情も言えない状況に追い込まれていく !
また本人宛の荷物も職員に中身を調べられる。冷蔵庫や飲食物、そして金銭の持ち込みもすべて禁止だ。
外出も禁止され、連絡手段も断たれれば、事業者から虐待などを受けても外部や行政に苦情も言えない状況に追い込まれていく。これは直接的暴力ではないが心理的虐待であり、人権侵害だ。
☆介護職はまともに教育を受けないまま現場に出し、管理職も育ちにくい !
「介護業界は慢性的な人手不足が続いているにもかかわらず、あまりに急激にサービス付き高齢者向け住宅が増えたために、介護職はまともに教育を受けないまま即戦力として現場に出ます。管理職も育ちにくい。
(略)受け皿だけが増えて、教育が追い付いていないのが現状です」
さらに絶望的なのは、しかし、こうした介護ビジネスに“不正”に対し指導する立場の行政の対応だ。著者は複数の行政に取材しているのだが、しかし、まともに取り合ってもらえないことが本書では描かれている。
☆高齢者を1日中ベッドに寝かせきりにし、排泄はオムツ
に垂れ流し。ポータブルトイレも置かれていない !
そのひとつが、胃ろうを専門に受け入れる岐阜県の「胃ろうアパート」のケースだ。ここでは高齢者を1日中ベッドに寝かせきりにし、排泄はオムツに垂れ流し。
ポータブルトイレも置かれていない、予定された時間になってもヘルパーや看護師が来ないなど架空請求の疑いがあった。関係者が相談や通報をするも、相手にさえされなかったという。そこで著者自身が取材を敢行するのだが、こんな対応が待ち受けていた。
「筆者の取材に対しても、岐阜県高齢福祉課の担当者は煮え切らない態度を見せるばかりで、挙げ句面倒になったのか、間もなく定年を迎える職員に途中で担当を交代。その担当者ものらりくらりとこちらの追求をかわすばかりで、不毛なやりとりが繰り返された」
☆関係者が、改善指導を要請しても、現地に出向かない
ばかりか、何ら指導さえしていないことも多い !
関係者が、改善指導を要請しても、現地に出向かないばかりか、何ら指導さえしていないことも多いという。
まさに公務員の不作為の代表のようだが、これが介護ビジネスをめぐるひとつの現実だ。
もちろん良心的事業者もあるだろうが、弱者を食い物にしようとする悪徳業者もまた数多く跋扈している。厚生労働省によると13年度の虐待に関する通報、相談は962件に上り、うち221件が虐待と認定されているのだ。
☆介護が必要な社会的弱者を食い物にする悪徳業者と、
それをまともに指導できない国と行政 !
介護が必要な社会的弱者を食い物にする悪徳業者と、それをまともに指導できない国と行政。
介護の現場そして日本社会は、高齢者を敬い1人の人間として扱う気さえないのかと暗澹たる気持ちになるが、これは決して人ごとではない。
高齢者の家族を持つ人はこれから増加するし、現在は健康で若くても誰しも年を重ねれば高齢者となる。病気を患うことだってあるだろう。
高齢者問題は私たち全員の問題でもあるのだ。
川崎の連続不審死事件など悲惨な“事件”を教訓とし、悪徳介護ビジネスを監視、チェックし根絶する。事業者や国、行政だけでなく私たち国民全体が自分たちの問題として高齢化問題に真剣に向き合うことこそが大切だ。(伊勢崎馨)
(参考資料)
「失敗から学ぶ」「失敗学」で「官僚」の「無謬神話」をつぶせ !
1)「部分最適・局所最適」は「全体最悪」を招く !
素晴らしいコラムを読んだ。9月7日の日経夕刊<明日への話題>。
筆者はアドバンテスト相談役の大浦溥さん。
タイトルは「失敗学」―――。ー中略ー畑村洋太郎先生の『失敗学』との付き合いが始まり、先生には会社の研究開発拠点の一つ群馬R&Dセンタで講義をして頂いた」と始まる。
「豊富な事例をもとに『失敗には許される失敗とそうでない失敗がある』『<局所最適>は<全体最悪>を招く』『一つの失敗の陰に29の<中失敗>があり、その裏には3百件のヒヤリハットする<小失敗>がある』など、聞く人の心を離さない貴重なお話をお聞きした」と続く―――。やはり素晴らしい。
2)タテワリ、横並びの官僚組織、「省益」「局益」「課益」への固執 !
ここまでに<ヒヤリハット>ならぬ<ヒカリパット>するダイヤモンドのような<金言>がある。<ダイヤ>のような<金>です。<部分最適>は<全体最悪>―――。
みなさんは何を<連想>しますか。<想像力>の問題。<創造力>はこれで決まる。この連想が<ヒヤリハット>を<ピカリパット>にする。火山が<連想>したのは<霞ヶ関>です。
<タテ>ワリで、しかも<横>並び―――。その結果、何が起こっているか。各省庁がそれぞれの<権益>を主張、絶対に自分のところの<省益><局益><課益>を譲らない。
結果として予算カットやリストラが全然進まない。
そのくせお役人のみなさん、例の<無謬神話>です。
我々は絶対正しい。絶対<誤り>を犯さない。つまり<部分最適>―――。
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