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米国流・新自由主義経済政策が 日本国民の生命を脅かすのだ !
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/5503.html
投稿者 青木吉太郎 日時 2016 年 1 月 21 日 21:10:03: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 

米国流・新自由主義経済政策が日本国民の生命を脅かすのだ !

小泉自公政権以降、日本では、規制撤廃、市場原理が、唯一の正義であるか

のような論説がNHK等で横行 !

安倍政権・成長戦略の本質は、巨大資本の利益極大化を目指す事だ !



「植草一秀の『知られざる真実』」:2016/01/18より抜粋・転載
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1)米国流に、すべての基本に市場原理を置くこと

には、弊害があることを留意すべきだ !

すべての基本に市場原理を置くことには、弊害があることを留意するべきだ。
市場原理によって資源の配分が、効率化することを否定するつもりはない。
市場メカニズム、価格機能が資源配分の効率化をもたらすのは事実である。

しかし、何から何まで市場に委ねれば良いというわけではない。
消費者はモノやサービスの価値と価格を吟味する。
高い価値のあるものを安い価格で買いたいと考える。当然のことだろう。
しかし、モノやサービスの価値を正しく知ることは、実は難しい。


2)多くの分野で、モノやサービスの価値・「安全」が、分かりにくい !

価値の違いが誰の目にもはっきりと、間違いなく分かるものであれば問題はないだろう。
しかし、多くの分野で、モノやサービスの価値が分かりにくい場合がある。
「安全」に関する本当の価値は、実は分かりにくい部分がある。

「安全」が問題になるのは、例えば、今回のバス事故のような乗り合いバスの安全性。
あるいは、食品の放射線量や添加物、残留農薬などの問題。
ステーキを安く提供する店があるが、消費者がどのような肉を食べているのかについては、その詳細は分かりにくい。


3)バス等の安全性・食品の放射線量や添加物、

残留農薬等、消費者には、わかりにくい !

消費者はできるだけ高い価値のモノやサービスを、できるだけ安い価格で買おうとするだろう。
他方で、事業者の多くは、利益を追求する。
事業者が投入するコストに比例して、モノやサービスの価値が高まるという前提を置くと、事業者にとっては、できるだけ価値の低いモノやサービスを、できるだけ高い価格で売ることに努めるだろう。

しかしながら、例えば、乗り合いバスのような例で考えると、普通の消費者は、目的地まで行って、目的地から帰ることだけを考えると、そのサービスの価値は、どの事業者でも大差がないから、できるだけ安い価格を提示する事業者のサービスを選択しようとするだろう。


4)市場での競争は、もっぱら価格競争だけに集中する傾向になりやすい !

そうなると、市場での競争は、もっぱら価格競争だけに集中することになる。
事業者の競争は、単純な価格競争に陥り、そのなかで利益を出そうとすれば、提供するサービスの質を低下させざるを得なくなる。

今回のバス事故では、規則で定められている価格を、大幅に下回る価格でバス会社のサービスが提供されていたことが判明した。


5)価格競争により、見た目には分かりにくい部分

で、実質的なサービスの劣化が生まれる !

消費者には、「目的地に行き、目的地から帰る」というサービスの基本内容だけしか見えないが、過酷な価格競争が展開されると、こうした、見た目には分かりにくい部分で、実質的なサービスの劣化が生まれることになる。

この構造によって発生した事故であるとすれば、この事故を、単なる偶然によって引き起こされた
「事故」として済ませぬ部分が浮かび上がる。


6)消費者にわかりにくい事については、

公的な規制を設定することも検討すべきだ !

人間の生命に関わる重大な問題であるなら、そこに公的な規制を設定することも検討すべきということになる。例えば、食品に関して、さまざまな添加物の使用制限がある。
カビの混入も許されない。賞味期限切れの食品の流通も許されない。

食肉などでは、産地や種別の表示に対する厳しい規制も存在する。

したがって、安全な旅客輸送を確保するためには、厳正な規制の設定と、その規制を遵守させる体制の確立が不可欠なのである。
すべてを市場原理に委ねて、制限のない競争を是認すれば、いくらでも、この種の悲劇が発生してしまう。


7)小泉自公政権以降、日本では、規制撤廃、

市場原理が、唯一の正義であるかのような論説が横行 !

2001年の小泉政権誕生以降、この国では、規制撤廃、市場原理が、唯一の正義であるかのような論説が振り撒かれてきた。

そして、市場メカニズムで勝者と敗者が生まれ、勝者だけが肥え太り、弱者がせん滅されてしまうことを是認する風潮が強化されてきた。その流れを後押ししているのが、いまの安倍政権である。

しかし、その流れが正しくはないことを、私たちははっきりと認識するべきである。
価格メカニズムをすべて否定する考えは毛頭ないが、価格メカニズムだけにすべてを委ねることは明らかな誤りなのである。価格メカニズムが十分に機能できない部分がある。


8)消費者にわかりにくい事では、人びとの生命

を守るための厳しい運用体制が必要不可欠だ !

その部分には、人為的な手を入れて、人びとの生命を守るための厳しい運用体制が必要不可欠になる。
価格メカニズムにすべてを委ねるという方法は、突き詰めれば、人命が軽んじられる社会を生みだすことにつながるのである。

本当に安全を確保するには、高い料金を払い、そして、信用のある事業者を選ぶことが重要なのだという反論があるかも知れない。たしかに、そう言える部分はあるだろう。


9)消費者に、商品や会社について、信用できる

客観的な情報が十分に提供されていない !

しかし、例えばバス旅行の事業者を選択する際に、信用を置ける客観的な情報が十分に提供されているわけではない。
安い価格で良質のサービスを提供する事業者もいれば、高い価格で質の悪いサービスを提供する事業者も出てくるだろう。

つまり、単純に価格が高ければ安全、価格が安ければ危険という判断はつかないのである。
このような点をカバーする上で、消費者、利用者の声が重視されるようになっている。


10)判断材料として、各種の口コミ、消費者による評価情報が重要だ !

各種の口コミ、消費者による評価が重要になる。
たしかに、利用者が広範に存在するモノやサービスについては、こうした消費者の口コミ情報が有用性を発揮するかも知れない。
しかし、そのような広範な情報がすべてのモノやサービスに提供されているわけではない。
また、乗り合いバスの事例で考えれば、たまたま、そのバスの運転を任された運転手が、どの程度の技量を持っているのか、あるいは、そのような健康状態、どのような勤務状態で業務についたのかに、大きな個別差も生じる。

―この続きは次回投稿します―


(参考資料)

安倍政権・成長戦略の本質は、巨大資本の利益極大化を目指す事だ !


「植草一秀の『知られざる真実』」:2016/01/12より抜粋・転載

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1)年明け後の日経平均株価の下落、背後にある三つの要因 !

年明け後の日経平均株価が下げ止まらない。
1月8日付ブログ記事、「年初来の株価下落の背後にある三つの要因」、http://goo.gl/CGZ8D1
に三つの要因を指摘した。第一は、中国株価調整。第二は、地政学リスクの高まり。
第三は、安倍政権の経済政策運営スタンスが緊縮財政の傾向を強めていることである。
第一と第二の要因については一般的に指摘されている。
しかし、第三の要因を指摘する声は少ない。


2)NHK等マスコミは、安倍政権の経済政策運営

スタンスが緊縮財政の傾向を強めていることを軽視 !

指摘する者が少ないことと、メディアが真実の情報を報道しないことが背景にある。
しかし、この第三の要因が最も重要である。バブルの崩壊が始動して26年が経過した。
「失われた10年」が「失われた20年」になり、そしていま、「失われた30年」が現実味を帯びる。
私は、『日本経済復活の条件 −金融大動乱時代を勝ち抜く極意−』を上梓した。
http://goo.gl/BT6iD7http://books.rakuten.co.jp/rb/13591835/
日本経済を浮上させるための方策を考察している。
重要なことは、近視眼的発想を排して、中長期の経済発展を目指すことだ。


3)日本の経済政策・財政健全化策は、

近視眼的な病理に冒されている !

残念ながら、日本の経済政策、そして、財政健全化策は、いずれも、近視眼的な病理に冒されている。
日本経済の衰退が26年の長期に及んでしまった最大の原因は、日本の経済政策の失敗にある。
財務省には、「経済あっての財政」という発想がない。
ひたすら財政赤字の縮小だけを追求する。
経済をしっかりと育てることが、最大の財政健全化策であるという、根本を理解していないのである。
経済が少し浮上すると、財務省が逆噴射のレバーを引く。


4)経済が少し浮上すると、財務省が逆噴射のレバー

を引く等、長期停滞の蟻地獄に、はまってきた !

これで日本経済は、長期停滞の蟻地獄に嵌(はま)ってきたのである。
さらに、もう一つの問題がある。それが安倍政権の経済政策=成長戦略である。
成長戦略の具体的な中身は、農業自由化、医療自由化、解雇自由化、経済特区創設、法人税減税
だが、これらのすべてが、国民を豊かにすることを目的としていないことだ。


5)安倍政権・成長戦略の本質は、巨大資本の利益極大化を目指す事だ !

国民ではなく、グローバル巨大資本の利益極大化を目指す。これが成長戦略の本質なのだ。
巨大資本の利益が拡大すれば、巨大資本の株価時価総額は拡大する。株価は上がる。

しかし、この株価上昇と国民生活の向上はまったく結びつかない。

結びつかないと言うよりも、国民生活の犠牲の上に資本の利益拡大があり、株価上昇があるということなのだ。円安が進行している間は、ひずみが隠されていた。
しかし、円安から円高に流れが転換し始めて、ひずみがくっきりと表面に表れ始めている。

6)巨大資本の利益極大化経済政策は、中長期

の経済を必然的に衰退させる !

そして、資本の利益拡大だけを追求する経済政策は、中長期の経済を必然的に衰退させる。
メディアはアベノミクスで経済全体が良くなったかのような宣伝を繰り広げるが、この広報は虚偽である。
国民生活の向上、国民生活の底上げ、という視点が安倍政権の経済政策には存在しない。
だからこそ、日本経済の中長期展望は暗いのである。

その暗さがいま、日本の株式市場に、くっきりと翳を落としている。
「頑張った人が報われる」などと言われるが、小泉政権、安倍政権が唱える「頑張った人が報われる」というのは、資本市場であぶく銭を得た人のことしか指していない。

毎日、懸命に働いているのに、非正規労働者の身分で、最低賃金すれすれの時給しかもらえない労働者が激増しているのだ。非正規労働者の比率は、約4割(2100万人超)。

―以下省略します―


 

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