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軽減税率に関する奇妙な風説を流布
している主体は、増税を追求の財務省だ !
消費税率を5%に戻すことを検討すべきで、財源として検討するべきは、
大企業に対する課税強化、所得税の累進強化、総合課税化だ !
生活必需品の税率ゼロを検討するべきだ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2016/01/08より抜粋・転載)
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1)日本株価が急落している背景に三つの事情がある !
2)第一は、中国株価調整であり、第二の要因は、
地政学リスクの高まりだ !
3)産軍複合体は、中東におけるシーア派勢力とスンニ派
勢力との緊張関係の強まりを誘導しているとの見方もある !
4)北朝鮮の核実験を実施は、北朝鮮と米国産軍複合体の
何らかの関係が存在するとの指摘もある !
5)第三の要因は、安倍政権が、緊縮財政の傾向を強めている事だ !
6)自民党・自公政権下、徹底的な庶民いじめ、
資本家=金持ち優遇の政策が強行されてきた !
以上は前回投稿済みです。以下はその続きです。
7)「超緊縮」、「中低所得者直撃」の財政
逆噴射が、日本経済を一気に悪化させている !
「超緊縮」、「中低所得者直撃」の財政逆噴射が、日本経済の先行き見通しを一気に悪化させている。
安倍政権の超緊縮財政政策スタンスが、日本株価が下落している第三の要因なのである。
消費税収は17兆円から21兆円強へと拡大する。
その際に、食料品の税率を8%に据え置くことが提案されており、増税規模は4兆円から3兆円に圧縮されるのだという。この件に関して、奇妙な風説が流布されている。
一つは、「軽減税率を採用する財源がない」という話。
もう一つは、「軽減税率は金持ち優遇である」という話だ。
8)奇妙な風説を流布している主体は、
飽くなき増税を追求している、財務省だ !
軽減税率を導入すると、増税の規模が4兆円から3兆円になるときに、この話のどこに、1兆円の財源不足という話が出てくるのか。
軽減税率を導入したとしても、3兆円という巨大な増税が実施されるのであり、財源は3兆円も膨らむのだ。
4兆円の増税を3兆円の増税にするから、1兆円の財源不足だという話は、あまりにもおかしすぎる。
子どもがお年玉を10万円もらう予定を立てているときに、お年玉が8万円しか入らなったから、親に差額の2万円を要求するような話なのだ。
また、軽減税率をめぐる「金持ち優遇」の話もおかしすぎる。
高所得者は、低所得者に比べて消費金額が大きい。
したがって、軽減税率による消費税額の減少は、低所得者よりも多くなる。
しかし、所得に対する消費の比率が、高所得者と低所得者では、平均すると
異なるのだ。
9)財務省は飽くなき増税を追求し、軽減税率を嫌っている !
低所得者は、所得の大半を消費に回さざるを得ない。その際、食料品の比重が大きくなる。
その食料品の税額が軽減されると、所得全体に対する軽減税率による税額減少分の比率は、高額所得者の税額減少分の比率よりは、高くなるのである。
税軽減の金額の多寡ではなく、税軽減の所得に対する比率が重要なのだ。
いずれの風説も、流布している主体は、財務省である。
財務省は飽くなき増税を追求し、軽減税率を嫌っている。
10)本来は、所得の少ない階層への大規模な所得保障政策が必要だ !
軽減税率は税制を複雑にして、新たな利権の温床になるから、筋の悪い施策であり、本来は、所得の少ない階層への大規模な所得保障政策が必要なのだ。
しかし、財務省は大規模な所得保障を実現する考えを持たない。
そうであるなら、生活必需品は非課税にする程度の施策が必要なのである。
それよりも何よりも、本来は、消費税増税を中止し、消費税率を5%に戻すことを検討するべきだ。
11)消費税率を5%に戻すことを検討すべきで、
財源として検討するべきは、大企業に対する
課税強化、所得税の累進強化、総合課税化だ !
その際、財源として検討するべきは、大企業に対する課税強化、所得税の累進強化、総合課税化である。
「金持ち優遇」を批判するなら、消費税減税、所得税・法人税増税こそ検討するのが筋道である。
税制の全体で、激しい「金持ち優遇」を実行しながら、消費税の軽減税率の話の時だけ、理屈としても筋が通らない説明で「金持ち優遇」を唱えることは、笑止千万と言うほかない。
このような奇妙な風説が流布されることについて、メディアがまともな批判を加えないところに、現代日本の言論空間の劣化が如実に表れている。
(参考資料)
消費税の逆進性を緩和なら、生活必需品の税率ゼロを検討するべきだ !
(植草一秀の『知られざる真実』」:2015/12/12より抜粋・転載)
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1)あるべき税制を考えるなら、過去25年の
日本の税収構造の悪い変化の改革を優先すべきだ !
軽減税率の報道が大々的に展開されているが、こんなことで主権者は問題の本質を見誤ってはならない。
あるべき税制を考えるなら、過去25年の日本の税収構造の変化を踏まえることが、まず優先されるべきだ。
いま論議されていることは、現在の8%の消費税率を2017年4月に10%に引き上げる際に、一部品目に限って、税率を8%に据え置くことである。
2)逆進性を緩和なら、生活必需品の非課税・税率ゼロを検討するべきだ !
消費税の逆進性を緩和するなどの言葉が使われるが、問題の本質からはまったくずれた論議である。
逆進性を緩和する、消費税の問題点を是正する、ということであるなら、生活必需品の非課税
・税率ゼロを検討するべきだろう。
8%に据え置くか、10%に引き上げるか、などという話は、枝葉末節の論議だ。
それすら認めようとしない財務省の姿勢は言語道断を言わざるを得ない。
もともと、消費税を5%以上に引き上げる際に、消費税を引き上げる前に、官僚利権を断ち切る
という話があった。その話について、何も進展がないのである。
3)財務省は、官僚の天下り利権の縮小について、具体的な提案を示すべきだ !
財務省は消費税増税について提案するなら、その前に、財務省の天下り利権の縮小について、具体的な提案を示すべきである。
財務省の天下り利権の氷山の一角である、一部機関への天下りを根絶すること。
最低限でも、これを実行する必要がある。
氷山の一角の一部機関への天下りとは、日本銀行、日本取引所日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本たばこ、日本郵政、横浜銀行、西日本シティ銀行、への天下りを、まずは全面廃止するべきだ。
4)官僚が、「我が身を切る改革」をやって
から、国民に消費税増税の負担を求めるべきだ !
「我が身を切る改革」をやってから、消費税増税の負担を求める、というのが、最低限の条件である
だろう。
この点に頬かむりをして、消費税大増税を規定路線であるかのように振る舞う財務省の基本姿勢を、主権者国民が糾弾する必要がある。
25年前の税収構造はこのようなものだった。
所得税 27兆円(91年度)、法人税 19兆円(89年度)
消費税 3兆円(89年度)だった。
これが2015年度は、所得税 16兆円、法人税 11兆円、消費税 17兆円
になっている。
5)消費税導入後、富裕者の負担を徹底的に軽くして、中低所得者
の負担を際限なく重くしている !
富裕者の負担を徹底的に軽くして、中低所得者の負担を際限なく重くしているのである。
そこで出てくる論議が軽減税率だが、所得の少ない人々の生活を真剣に考えるなら、生活必需品非課税の検討以外にあり得ない。
メディアが、「10%を8%にするなどという些末な論議をするのではなく、生活必需品は無税、非課税にすることなどを検討するべきだ」との報道を大々的に展開するのなら分かる。
6)NHK等は、些末な論議を報道し、生活必需品は無税、非課税にすること
などを検討するべきだ」との報道をしない !
それを、「軽減税率の適用範囲を生鮮食料品にするか、加工食品や外食にまで広げるの
かについて、自民党と公明党の合意がなかなか成立しない」などという、些末な論議を延々と繰り広げている。
そもそも、いま論じるべきテーマは、2017年4月の消費税10%の中止もしくは延期である。
法人税が減税に次ぐ減税、消費税が増税に次ぐ増税、ということを、主権者は絶対に容認できないはずだからだ。
消費税の問題は、5%を8%にしたことの是非から始める必要がある。
7)公約違反の野田政権は、シロアリを退治
しないで、消費税増税を決定した !
2012年8月に野田佳彦政権が消費税率を5%から8%、そして、10%に引き上げる法律を強行制定した。
しかし、この政権誕生の根拠になる2009年8月総選挙で野田佳彦氏は、「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」ことを明言したのだ。
主権者は、シロアリを退治しないで消費税を上げないことを確約した民主党に政権を委ねる決定を示した。
8)公約違反の野田政権・消費税増税決定は、
主権者国民の同意を得ていないものだ !
したがって、2012年8月の消費税増税決定は、主権者国民の同意を得ていないものであり、主権者国民の意思に反するものであった。
したがって、2012年12月の総選挙で、この点が最重要争点に掲げられなければならなかったが、メディアはこの問題をまったく取り上げなかった。
安倍自民党が勝利した最大の理由は、野田民主党が主権者から全面的に否定されたことにある。
その否定された最大の要因は、公約違反の消費税増税を強行決定したことである。
―以下省略します―
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