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立憲に代わる中核野党再建必須
国会が完全に存在感を失うなかで政局は7月10日の参議院議員通常選挙に向かう。
この選挙で岸田自民が勝利を収めれば2025年7月まで国政選挙のない選挙空白期に移行する。
岸田文雄氏の自民党総裁任期は2024年9月まで。
岸田長期政権の可能性が高まる。
衆議院では選挙区割りが6月25日までに勧告されることになるのか。
10増10減が現実化すれば山口県や和歌山県の議員定数がそれぞれ1削減されることになる。
安倍晋三氏が選挙地盤を失うことも考えられる。
岸田文雄氏は4つの幸運に恵まれている。
第一は前任者の悪さ。
安倍・菅首相の後継首相になれば、それだけで強いフォローの風を受ける。
傲岸不遜の両首相への悪印象が鮮明で、他者の話に真摯に耳を傾けるだけで好感度が急上昇する。第二はコロナの収束方向。
オミクロン株は感染力が上昇したが毒性を低下させた。
政府のコロナ無策はまったく変化していないが、コロナそのものが弱体化したため、何もしなくてもコロナが原因で支持率が急落することがない。
ワクチン狂騒曲が吹き荒れてきたが、3回目接種を終えた国民は55%水準で頭打ちの状況だ。
巨大な在庫処分が実行されることになるが、政府は廃棄処分に関する事実を隠蔽する方針を示している。
いずれワクチン薬害問題が拡大するだろうが、そこに至るまでには長い時間を要する。
第三はウクライナ戦乱の発生。
岸田内閣は米国の命令に服従しているだけだが、メディアがロシア=悪、ウクライナ=善の図式報道しか展開しないから、この図式に乗って言動を示すだけで一定支持を確保できる。
ウクライナ戦乱発生でコロナに対する国民の関心が急低下したことも幸いした。
第四は野党の凋落。
立憲民主党が支持を一気に失い、これと交差するかたちで維新が浮上している。
維新も問題だらけの政党だが、維新の浮上は自民にとって大歓迎。
旧民主片割れの国民民主が連立政権への参加を求めて自民党にすり寄っている。
維新は自民以上に右寄りで国民、維新を合わせれば公明抜きの衆参3分の2議席確保も現実味を帯びる。野党共闘破壊の主力部隊は連合。
連合画策の裏にCIAの影がちらつく。
岸田文雄氏は長期政権確保の秘訣をしっかりと体得している。
米国に隷従することこそ政権長期化の最大の秘訣であることを認識している。
米国の植民地日本の提督として、地位をまっとうする基本は宗主国への忠誠。
絶対服従だ。
岸田氏は対米隷属を基本に我が身の安泰を図る構え。
問題は、これでいいのかということ。
敗戦から77年の年月が経過する。
明治政府樹立から第二次大戦での敗戦までが77年。
第二次大戦での敗戦から本年8月までが77年だ。
この77年間、日本は米国の植民地であり続けた。
この植民地日本を今後も継続するのかどうか。
日本は重大な分岐点に立たされている。
事態を打開するには健全な中核野党が必要だが、この役割を担うはずの立憲民主党が自壊した。
立憲民主党自体が、米国にひれ伏すことなしに存続が困難であると判断してしまったことが大きい。
枝野幸男氏は対米隷属の方向にかじを切り、立憲民主党を没落させた。
この政党に終止符を打つのが泉健太氏の役回りになるのだろう。
新たな中核野党を誕生させなければならない。
最右翼の存在がれいわ新選組。
参院選で橋頭保を築くことができるか。ここが最大の焦点になる。
5月29日には新潟県知事選が投開票日を迎える。
最大の争点は原発再稼働。
新潟県には東京電力柏崎刈羽原発が存在する。
8基の原子炉を持つ巨大原発である。
新潟県知事選に立候補したのは、いずれも無所属の、
再選を目指す現職・花角英世氏(64)と、
脱原発団体会長の新人・片桐奈保美氏(72)の2名。
自民党と国民民主党のほか、公明党の県組織が花角氏を支持。
共産、社民、れいわが片桐氏を推薦。
立憲民主党は自主投票とした。理由は単純明快。
連合新潟が花角氏の推薦を決定したからだ。
(植草一秀氏:2022年5月20日)
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