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東京五輪を中止の決断が、「挑戦する政府」のあるべき行動だ !
東京五輪開催への識者の見解・詳報は ?
植草一秀氏ブログ「知られざる真実」
(第2901号:2021年7月26日)
1)〜4)は前回投稿済みです。以下はその続きです。
5)小林賢太郎氏も解任は不可避である !
小山田氏にしろ、小林賢太郎氏にしろ、解任は不可避である。
「おもてなし」とアピールしてきたが、その真意は、「裏ばかり」ということである。
そもそも五輪招致が、不正な賄賂によって、獲得したものだから、表に見せらない「裏ばかり」は想像に難くない。
メンバーの名前を、表に出すだけで、すべてが崩壊する。
菅義偉首相が、「やめることは一番簡単なこと、楽なことだ。挑戦するのが、政府の役割だ」
と語ったと報じられている。
6)菅首相の東京五輪開催の発言は、不可思議な発言だ !
菅首相の東京五輪開催の発言は、不可思議な発言である。
菅首相は、4月23日の会見で、「東京五輪の開催はIOCが権限をもっています」
「IOCは開催することを決定しています」と繰り返し述べた。
「IOCに権限があるから、日本政府が中止にはできない」と、言っていたのではないか。
菅首相の認知能力に、重大な問題があると推察される。
7)東京五輪を中止の決断が、「挑戦する政府」のあるべき行動だ !
「挑戦するのが政府の役割」なら、権限をもつIOCと交渉し、国民の命と健康を守るために、東京五輪を中止を決断させることが「挑戦する政府」のあるべき行動である。
いずれにせよ、23日開会式の演出なしを、早期に確定すべきである。
東京オリパラの招致委員会、および東京都が提出した、東京五輪立候補ファイルにこう記された。
「この時期の天候は、晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリート が最高の状態でパフォーマンスを、発揮できる理想的な気候である」
8)全国各地で、連日猛暑と高い湿度が報告されている !
全国各地で、連日猛暑日が報告されている。かつ湿度が極めて高い。
この条件下で、「最高の状態で、パフォーマンスを発揮できる」アスリート(スポーツや、他の身体運動に習熟している人である)は、皆無に近い。
さらに、日本には、台風が襲来する。
台風6号が、沖縄付近に停滞している。
非常に強い勢力に発達して、大きな被害をもたらすことが懸念される。それだけではない。
台風8号、9号、10号が、本土に接近する恐れがある。
東京五輪を、台風が、直撃する可能性すら存在する。
9)8万人規模の選手・関係者・メディアが、海外から日本に入国する !
8万人規模の選手、関係者、メディアが海外から日本に入国する。
その検疫体制が、ザル対応(欠点・欠陥が多い)である。
かつ、入国した者に対する、検査体制もザル対応である。
立憲民主党が明らかにしたが、五輪組織委は、外部には公表しない「内部マニュアル」を保持していた。
外部に出してはいけない、部外秘の「内部マニュアル」である。
―この続きは次回投稿しますー
(参考資料)
○《仏国・メディア痛烈批判》「日本人の気持ちを想像すべき」各国が東京
オリンピック開催に反対する本当の理由 !
(news.yahoo.co.jp:2021/7/3 )
2021年6月17日、菅義偉首相は東京オリンピック・パラリンピックの開催を公式に表明した。しかしウガンダの代表団から新型コロナウイルスの陽性者が出たこともあり、大会開催によって爆発的にウイルスが感染拡大するのではないかと不安視する声もある。6月18日には、尾身会長ら日本の感染症の専門家が「無観客での開催が望ましい」と提言してもいる。
“開催宣言”の直前、同月13日にはイギリスで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、菅首相は「全首脳から大変力強い支持をいただいた。改めて主催国の総理大臣として心強く思う」などと記者団に語っている。各国からの支持を追い風にして、開催を断行する形となったわけだ。
しかし、果たして各国の一般市民もオリンピック開催を支持しているのだろうか。アメリカのメディア「The Washington Post」が、IOCのバッハ会長を「ぼったくり男爵」と呼び話題を呼んだことは記憶に新しいが、各国の“本音”はどこにあるにのだろうか。今回はヨーロッパ諸国のメディアが報じた記事を中心に探ってみた。
◆英メディア:「開催は本当に正当化されるか ?」と問う、
たとえば、イギリスのメディア「The Guardian」は、4月12日に公開された社説で、東京オリンピックを中止することによるアスリートと経済への影響の甚大さに理解を示した一方、《(人々の)生命を危機に晒す今大会の開催は本当に正当化されるかを日本政府とI O Cは問わねばならない》と批判を展開している。
《オリンピック開催まで100日を切る中、大会を「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として実現する」という(菅首相の)約束は、楽観的どころかまったく間違っているようにも見える》
《オリンピック大会直前に、施設の建設が間に合わない、チケットの売れ行きが不調であるなどの問題が発生するのはお決まりだが、感染症が蔓延する中で開催を予定している今回の大会はレベルが違う》
《大会を開催するのであれば、感染拡大を食い止めるためのルールを確実に施行する必要がある》
◆英メディア:「日本政府は日本人の声に耳を傾けない」
同紙は5月24日に「オリンピック開催の中止を求めている数多くの日本人の声に、日本政府は耳を傾けないだろう」と題したオピニオン記事も掲載した。
《他のG7諸国に比べると日本の新型コロナウイルス感染状況は悲惨ではない》にも関わらず、《日本国民がこの「成果」を政治家の手腕の結果と結びつけていない》と指摘した。
その原因として、日本政府の国民に対する不透明なコミュニケーションと、大きな危機に直面した時に責任を負う気概があるリーダーの不在を挙げている。
そしてこの2つの問題点が、オリパラ開催を強行しようとする政府と、感染拡大を懸念する日本国民の溝を生んでいると分析しているのだ。
◆ドイツ語圏への声明:「日本に来ないでください」
ドイツの大衆メディア「Frankfurter Rundschau」は4月19日、日本国内で開催に反対する人々がいると紹介。4月2日に社会哲学者の三島憲一氏や政治学者の三浦まり氏などの日本の知識人20名が、ドイツ語圏の人々に対し、関係する各メディアに「日本に来ないでください」という声明を送付したことを取り上げている。
この声明には《スポーツで実績を積んできた国の1つが東京オリンピックへの参加を辞退すれば、各国に連鎖反応を引き起こすことができ、結果的に今回のオリンピックは中止せざるを得なくなるだろう》と記載されているという。
日本国外に大会へのボイコットを呼びかけることでオリンピックの開催を中止させようとする動きは、IOCや日本政府にとってはプレッシャーになるのではないかと分析されてもいた。
◆スペインメディア:「中止は絶対にない」と断言 !
一方で、スペインのメディア「El Mundo」は、4月14日の記事で、《オリンピックが中止されることは絶対にないだろう》と断言。その理由については《聖火リレーは既に始まり、大会期間中に使用される建物は建設済みだ。東京オリンピックの210億ユーロ分の予算は既に確定され、テレビ局やスポンサーはすでにキャンペーンを開始している》からだと述べている。
しかしながら、こんな予測も付け加えている。
《大会が中止になるのは、日本政府が感染症の新たな「波」に直面してパニックを起こした場合のみだろう》
また、G7諸国と比較すると日本の新型コロナウイルス感染状況は酷くないものの、ワクチン接種速度が非常に遅い日本の現状を踏まえ、東京オリンピックの開催能力を疑問視したものもある。
◆「ワクチン普及に大きな遅れを取った理由」とは ?
フランスのメディア「Le Figaro」は、世界第3位の経済大国であるにも関わらず、日本が他のG7およびOECD諸国と比較してワクチン普及に大きな遅れを取った理由を《(日本国内で根強い)ワクチンへの疑念や(承認に至るまでの)官僚的なシステムが絡んでいる》のではないかという専門家の声を紹介している。
このようにヨーロッパメディアには、オリパラ開催に否定的な内容が多かった。しかしあくまでもワクチン接種が進まない日本の現状や、「オリンピックを断行しようとする日本政府やIOC」と「それに反対する日本国民や公衆衛生の専門家」の“バトル”を客観的に報じるところで留まっていた。
しかしいよいよオリパラ開催が迫ってきた6月23日、大会開催に強烈な“否”を突き付ける記事が報じられた。
◆「オリンピックは道徳的なスキャンダル」と痛烈批判 !
報じたのはフランスのメディア「Libération」。《私たちの声明は、IOCの暴走を止めることを目的としている》と、痛烈な批判を展開しているのだ。
一部を要約して、本記事をご紹介する。
〈《手遅れになる前に、この大会の中止を求めている東京や日本の人々の声に耳を傾けなければならない。日本国民の6割から8割が大会の開催に反対し、大会の安全確保のために動員される医療関係者からも反対の声が上がっている。東京オリンピックは、日本の医療システムを弱体化させることになるからだ。
IOCは、恥ずかしげもなく、若くて健康的な世界中のオリンピック選手への優先的なワクチン接種を検討している。これは日本やフランスをはじめとした、大会参加国の道徳的なスキャンダルなのではないのだろうか。強い者を守ること、そして一般人の観客をスタジアムに入れることなく、広告収入を守るためにテレビ放映を行うことがオリンピック精神なのだろうか。公衆衛生や人命の価値は、コカ・コーラ社の広告の価値よりも低いのだろうか。東京オリンピックは、オリンピック精神とオリンピックの構造の「真実」を明らかにした。
東京大会の開催中止を求め、専門家やスポーツ選手らが世界各地で声を上げ始めている。80%の日本人が反対しても大会が中止にならないのであれば、世界中の連帯が必要だ。特に、フランスは次の夏季オリンピックの開催国として重要な役割を担っている。パリ大会が感染症の中で開催されたとしたら? 感染症が蔓延する中でオリンピックを迎える日本人の気持ちを想像すべきなのではないのだろうか。私たちは、IOCにオリンピックの開催に関して自由な権限を与えることを拒否する。
惨事を避けるためにも、世界的な感染症の流行の中で予定される東京オリンピック開催を再考すべきだろう》〉
未決定事項が多い今大会に対する世界中のメディアの目は厳しい。2021年7月、コロナ禍のなかでの東京オリンピック・パラリンピック開催は、どのような結末を迎えるのだろうか。
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