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「菅義偉首相」の正体とは ?
菅政治への識者の見解・詳報は ?
(www.nikkan-gendai.com:2021/06/14 13:38)
作家・鈴木涼美氏:支持率急落に悩む菅内閣。9日に行われた党首討論でも菅首相は五輪の感染対策を聞かれると、一通りの「安心安全」策を繰り返すばかりである。
なぜか高校生の頃に見たという、東洋の魔女らの思い出を語り始めた。こんなふうに話が脱線してしまうのはおじさんのひとつの特徴である。
リモートワークで部下との接触機会が減った上司は、余計に気を付けたいが、菅首相はなぜ信頼されないのか、多くの国民の嘆きと怒りの“その正体”について、元日経新聞記者の鈴木涼美氏が興味深い見方をする。
◇ ◇ ◇
多くの国民がこの国のトップに抱く不信感の正体は何か。作家の鈴木さんは「菅さんサイドが打ち出した『叩き上げの苦労人』というキャラクターに難がある」と指摘する。
鈴木さんは、新著「ニッポンのおじさん」(KADOKAWA)で、“令和おじさん”としてなかなか親しまれてはいない菅首相について、「苦労してきたから庶民や弱者の気持ちが分かりそう、という時の〈そう〉こそがミソ」とつづっている。
■叩き上げキャラこそがクセモノ
「秋田の裕福なイチゴ農家のお坊ちゃんだったとされる菅さんですが、確かに2世や財閥の出身なら当たり前のように持つ地盤はなく、とりわけ自民党内では苦労した部類に入るのでしょう。
ですが、苦労した人が必ずしも、他の人の痛みを少なくしようと考える聖人になるとは限りません。
むしろ叩き上げや成り上がり系の人の方が、自分が逆境で苦労して勝ち残ってきたプライドがあるぶん、往々にしてもともと富んでいた人以上に冷徹で、過度に実力主義に走る傾向が見られるのも事実。まして政治家の座まで上り詰めて権力や財力を手にすると、それに執着し、ときに躊躇なく他人を見捨てて保身に転じたりします」
安倍首相の「女房役」としてうまく立ち回り、派閥に属さずとも二階幹事長の後ろ盾もあって第99代内閣総理大臣の座を射止めた。
とはいえ、地味といえば地味。そこで秘書たちが必死になって若者やメディア受けしそうなボスのアピールポイントを探した末に、出てきた奇策というのが「パンケーキ好き」(?)。
すでにブームを多少過ぎたアイテムとのコラボはニュース性にも意外性にも欠けた。いずれにせよ無理やり仕立て上げた甘党キャラは、「叩き上げの苦労人」同様に空回りすることとなる。
■ペッパー君より語彙力の乏しい菅義偉首相 !
下手っぴトークは他人の心はどーでもいい表れ
その一方で「話し下手、説得力ゼロ」のレッテルは猛スピードで伝播した。何かと言えば、「安心安全」を繰り返すばかり。AIロボのペッパー君の方が語彙力豊富だ。
「菅さんは良くも悪くもポピュリスト的な振る舞いが嫌いなのでしょう。悪く言えば大衆の心をつかむことの重要性を感じていないからこそのトーク不足。オバマさんのようなスピーチを目指して練習しましょうと促されたとしても、プライドが許さず、自分のパフォーマンスを上げようともしない。
劇場型ポピュリストの小池百合子さんのような〈謝っていると見せかけて他人を攻撃する〉ような物言いは問題があるとしても、菅さんがおそらくそうであるような、旧来型日本男児の“男は黙ってサッポロビール”的な美学を持つ人たちにとっては、表の仕事よりも裏の根回しが何よりも大事です。
■自民党議員:スピーチ能力は、低い !
国会答弁はあくまで形式的なもので、見えないところで握っておけば万事うまくいくのだから、大衆に理解してもらう必要性もないんだよ――と本気で思っていても何ら不思議ではない。
菅さんはその点、一切ブレがないんですよね(苦笑い)。もっとも政治家が口だけ達者であることにはもちろん、私も賛同しません。
菅さんに限らず、日本の政治家のスピーチ能力は世界では類を見ないほど低い。
■独裁者を生み出す可能性もある !
ただ、それも良し悪しで、生活者としての目線や自分の実体験を踏まえたうえで、政策や理念をリンクさせながら国民の心に訴えかけるようなトークは非常に大事なことですが、スピーチ力で聴衆を引きつける力ばかりに注力すると、ヒトラーみたいな独裁者を生み出す可能性もあるわけです」
リオ五輪閉会式 東京五輪を紹介するセレモニーでマリオ役を務めた安倍晋三首相(当時)/(C)
■良くも悪くも昭和のおじさん
そんな政治スタイルに加え、散歩でもスーツ姿という容姿ひっくるめて「菅さんの昭和感はハンパない」と話す鈴木さん。それは一概に悪いことではないという。「モリカケ・桜」の疑惑を抱えながらも支持率が落ちなかった前政権が社会に落としていった不安を、「昭和おじさん」は解消する力があるかもしれないとみている。
「疑惑のロイヤルストレートフラッシュみたいな人が総裁を務める自民党に支持が集まっていたこと自体が異常であって、手放しの支持でした。SNSでは〈#安倍ちゃん可愛い〉といったハッシュタグもつけられましたが、かわいいとは基本、無害なもの、力のないものを形容する言葉である。
裏を返せば、無力でバカ。〈#安倍ちゃん可愛い〉という言葉に同情や哀れみが隠されていたのであれば、ウイットに富んでいるとは思うのですが、安倍さんはある意味、無害で無力な『かわいい』という評価を受け入れ、むしろ積極的に武器にして『無害そう』な雰囲気を身にまとい、実際に彼の思想に賛同する過激な右翼論者ではない“ゆるふわ”なところにも支持層を広げました。
■菅さんには、かわいさが感じられない !
ただし、トランプが敗北して以降は、日本でも右傾化していた若者たちが分裂し、ごりごりの陰謀論に突き進む人と、さすがにそうではないよなと読み取りはじめる人が出てきたように感じます。
安倍さんと菅さんは明らかに異なるタイプ。菅さんにはかわいさが感じられない分、ゆるふわなまま暴徒化していく大衆のムードが少し冷静に戻るとすれば、誰かにこびるような柔軟さとは無縁な、頑固で昭和的な古くささも悪くはない。
ここでは『かわいい』になりきれない菅さんのプライドがいいように作用しているように思います。
私はやっぱり、若者ににじり寄ってくるおじさんや、それを無批判に支持してしまう若者たちには気持ちが悪いと思ってしまうんです。菅さんが分かりやすい悪人なのか、単に小物だったのかの判断はまだしかねますが、安倍さんやその支持者に比べると菅さんに感じる気持ち悪さは少ないですね」
マリオのコスプレもノリノリで時代にこびる男と、何を考えているのかハッキリしない不気味な男。どちらのタイプも上司にしてしまうと難儀ではあるが、少なくともミエミエで迎合してくる悪人より、うさんくささではマシということか。一方、不気味をミステリアスだと拡大解釈すれば、女がもう一度会ってもいいかと思うのは「男は黙って……」の昭和的な頑固さを持つ後者のほうかもしれない。
(取材・文=小川泰加/日刊ゲンダイ)
※鈴木涼美(すずき・すずみ) 1983年生まれ、東京都出身、38歳。慶応義塾大学在学中にキャバクラのホステス、AVデビュー。東京大学大学院修士課程修了後、日本経済新聞社に5年半勤務し文筆家に。
(参考資料)
○菅首相の悲劇、見渡せば茶坊主と無能な側近ばかり !
「実務型」菅首相はなぜこうも指導力を発揮できないのか ?
(jbpress.ismedia.jp:2020/12/12 )
(舛添 要一:国際政治学者)
12月10日の新型コロナウイルス感染者は東京都で602人、全国で2972人と、いずれも過去最多を記録した。旭川市では医療崩壊状況になり、自衛隊の看護官が派遣された。
専門家たちが「勝負の3週間」と警告してから2週間が経過するが、感染が収束する兆しは見えていない。
それに加えて、西日本では鳥インフルエンザが蔓延し、大量の鶏を殺処分する羽目になっている。渡り鳥のシーズンで、これからも被害が拡大する危険性がある。自衛隊は、災害派遣という形で、新型コロナウイルス対策のみならず、鳥インフル処理にも駆り出されている。
何もかも、自衛隊頼みというのでは、政府の無能さが批判される。
◆養鶏業者からの資金提供、「桜を見る会」前夜祭費用の記載漏れ
しかも、養鶏業絡みで、鶏卵業界大手「アキタフーズ」との間で、政治スキャンダルが浮上してきている。河井克行・案里議員の公職選挙法違反事件の捜査の過程で、吉川貴盛元農相に業者から現金500万円が渡っていたことが明らかになったのである。さらに、西川公也元農相も数百万円を受け取っていたとされ、西川は、内閣官房参与を8日付けで辞任している。業者のクルーザーで接待も受けていたという。
両者とも、安倍内閣の農林水産大臣であり、吉川議員は総裁選に菅義偉官房長官を擁立した中心人物、また西川前議員は安倍内閣に引き続いて菅内閣でも参与を務めていた。それだけに、菅首相に対する打撃は大きい。
しかも、他にも農林関係の複数の議員に金銭が渡っていると言われており、今後の検察の捜査が進めば、菅政権にとっては逆風となる。
そもそも、自民党岸田派の現職の溝手顕正議員がいながら、参議院選挙で広島選挙区に河井案里を立てたのは、安倍晋三嫌いの溝手を落とすための官邸の意向であり、溝手に対する安倍官邸の意趣返しと言ってもよい。もちろん官房長官として菅も関与している。皮肉なことに、河井→吉川→西川→と、菅首相にとっては負の連鎖が続いているのである。
○コロナ問題:菅首相、答えに窮し助け舟求める !
「今が大事な時期」を繰り返す !
(news.yahoo.co.jp.:2021年5/14(金) 21:21)
◆菅首相:尾身議長に、何度も助け舟を求めた !
共同通信:「今がコロナ感染を食い止める大事な時期」。14日、首相官邸であった菅義偉首相の記者会見。これまで同様、緊急事態宣言の意義を繰り返し訴えた。
当初の方針を転換して、対象地域を拡大した理由など、答えに窮する場面では、政府の基本的対処方針分科会の尾身茂議長に、何度も助け舟を求めた。
◆五輪開催「自殺行為」と楽天社長政府の対応について「10点満点で2点」
「大阪では、新規感染者が減少している」と宣言の効果を強調した菅首相である。
7月に迫る東京五輪が、「国民の皆さんに勇気と希望を与える」と述べ「安心、安全な大会は、実現可能」と訴えた。ただ、具体的な感染対策を問われて、返答に詰まることも。
尾身会長からは、「医療への負荷を評価するのは開催者の責任だ」と注文を付けられた。
○コロナ問題:声なき声を捕捉せよ ! コロナと連動する、菅内閣支持率 !
(mainichi.jp:2021/1/19)
◆頼みの40代以下も支持離れ
菅内閣の支持率は新型コロナウイルスの感染状況と連動する傾向が鮮明になった。政府が11都府県に緊急事態宣言を発令した後の1月16日、社会調査研究センターと毎日新聞が実施した全国世論調査の内閣支持率は33%。安倍晋三前首相が退任を表明する前の34%(昨年8月22日)以来の水準に落ち込み、不支持率は57%に跳ね上がった。
菅内閣最初の支持率が64%を記録したのは組閣翌日の9月17日。その後、11月7日の調査では57%とまだ6割近くを保っていたが、12月12日の調査で40%に急落した。不支持率は9月27%→11月36%→12月49%と増加。―以下省略―
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