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菅内閣の6人の学術会議任命拒否は、令和のレッド・パージだ !
任命拒否された、教授達の見解・詳報は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2020/11/04より抜粋・転載)
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1)〜13 )は前2 回投稿済みです。以下はその続きです。
14 )安倍内閣は、抵抗することもなく、日米FTAの協議に応じた !
これらの協議に際して、日米FTAを締結することはないとしてきたが、米国が日米FTA交渉を日本に要求すると、安倍内閣は、抵抗することもなく、その協議に応じた。
そして、その第一弾として日米貿易協定を締結、発効させてしまった。
米国は日米FTA交渉の第一弾として貿易交渉を位置付け、今後は貿易以外の日本の各種制度、規制を改変させる第二段階の交渉を進展させる構えを示している。
15 )安倍内閣の対応は、米国への隷従である !
この間の安倍内閣の対応は、ただ一つであった。米国への隷従である。
安倍首相はトランプ大統領と親密であることをアピールしたが、トランプ大統領が安倍首相を高く評価したのは、安倍首相が米国の要求に絶対服従の姿勢を示したからに過ぎない。
国民の利益を犠牲にして米国の要求を丸呑みするなら、米国大統領の覚えはめでたくなるだろうが、犠牲を強いられる国民はたまったものでない。
米国大統領選があり、トランプ氏が続投するなら安倍内閣を継承する菅内閣はトランプ大統領に絶対服従の姿勢を示すだろう。菅義偉氏は、昨年5月に訪米している。
16 )菅官房長官は、昨年5月に訪米で、米国
への絶対服従の宣誓を示してきたであろう !
菅内閣誕生に向けて、米国において絶対服従の宣誓を示してきたと推察される。
選挙でトランプ氏が敗れ、バイデン氏が新大統領に就任するなら、菅義偉氏はバイデン新大統領に絶対服従を誓うことになる。
日本国民の利益を守る、日本の国益を守る、独立自尊の外交は存在しない。
この現状から脱しない限り、日本は、永遠に真の独立国になることができない。敗戦後の日本において、当初日本改革の主導権を握ったのは、GHQ内のGS=民生局だった。
17 )米国の民生局が主導して、日本の戦後民主化が実現した !
この米国の民生局が主導して、日本の戦後民主化が実現した。
その集大成であり、最大の遺産=レガシーになったのが、日本国憲法だった。
日本学術会議はこの戦後民主化の流れの下で誕生したもの。
しかし、1947年に米国の外交基本路線が転換した。
ソ連封じ込めが、米国外交政策の基本に置かれることになった。
これに連動して、米国は、対日占領政策の基本路線を転換した。
18 )米国の対日占領政策は、民主化から、非民主化に転換した !
1947年後、米国の対日占領政策は、民主化から、非民主化に転換した。
米国の対日占領政策の基本は、「反共化」に転換した。
連動して民主主義路線を主張する重要人物が排除された。
これがレッド・パージ(共産主義の思想・運動・政党に関係している者を公職や企業から追放すること。)である。
19 )1947 年以降、日本政治は、反共の対米隷属政治に再編された !
1947年以降、米国によって、日本政治は、反共の対米隷属政治に再編された。
その延長線上に現在の菅内閣が位置している。
この菅内閣による日本学術会議任命拒否事案で露見したのは、「第二のレッド・パージ」である。
対米隷属と非民主化・反共化の強権政治は軌を一にするもの。
米国大統領選の結果がどうなろうとも、日本は現在の対米隷属路線から脱却する必要がある。
(参考資料)
○学術会議:任命拒否の6人が初めて共に訴えた菅首相への「胸の内」
(mainichi.jp:毎日新聞:2020年10月24日 14時51分)
菅義偉首相が任命しなかった日本学術会議の会員候補6人のうち4人が23日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見し、「明らかな違法行為で、菅首相は任命義務を果たすべきだ」などと抗議するとともに、学問の自由や学術会議の独立性を脅かすことにつながると訴えた。参加しなかった2人も首相を批判するメッセージを寄せた。
◆高山教授:「首相には会員を自分で選ぶ権限はない
任命拒否は明らかな違法行為」
高山佳奈子・京都大大学院法学研究科教授(日本学術会議会員) 日本の戦前の憲法は学問の自由を保障していなかった。研究者の戦争動員という歴史への反省から戦後の日本国憲法は新たに学問の自由を規定した。これに基づいて、日本のナショナルアカデミーとして学術会議が設立された。
学術会議法の3条は学術会議が独立して職務を行う、7条1項は210人の会員によって組織されることを定めている。続く7条2項は首相が会員を任命するとしているが、17条を見ると、候補者を推薦するのは学術会議にあって会員を選考する権限は学術会議が持つとされている。
さらに、26条では会員に不適当な行為があっても学術会議が求めない限り、退職させられないことになっている。首相には会員を自分で選ぶ権限はないので、今回日本のトップレベルの研究者6人の任命を拒否しているのは明らかな違法行為だ。すでに研究者の団体である学会が480を超える反対声明を出していることを報告する。
◆小沢教授:「任命拒否は学術会議の目的と職務を大きく妨げる」
小沢氏 戦前の憲法には学問の自由の規定はなく教授や人事などについてだけ一定の自治が慣行として認められていた。
しかし軍国主義下の動きのなかで慣行上認められてきた大学の自治も滝川事件などで掘り崩され、治安維持法事件や天皇機関説事件などの事件が相次いだ。その中で科学も政治に従属して、戦争遂行に動員され、日本は太平洋戦争に突入し、敗戦に向かうこととなった。
こうした戦前の苦い教訓を踏まえ、戦後制定された日本国憲法は、思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由に加えて、23条で学問の自由はこれを保障すると定め、明治憲法になかった学問の自由を明確に保障することになった。
日本学術会議は学問の自由の保障を受けて、我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学会と提携して学術の進歩に寄与することを使命として設立したのです。
日本学術会議は会員や連携会員が学術研究の成果を持ち寄って、政治権力に左右されない独立な活動によって、政府と社会に対して、学術に基礎づけられた政策提言を行うことをその職務としている。任命拒否はこうした学術会議の目的と職務を大きく妨げるものとして、一日も早く撤回されなければならない。
◆岡田教授:「任命拒否は違憲・違法。速やかに解消すべきだ」
岡田氏 私の専門分野の行政法学から今回の任命拒否問題をみると、以下の3点で違憲・違法と言わざるをえない。第一に、今回の任命拒否は学術会議の独立性を否定するものだという点。学術に対して政治権力が距離を保つことを、学術会議の組織的な独立性、そして学術会議法は定めている。
会員の適否を政治権力が決められるということとなれば、学術会議の独立性は破壊されてしまう。このような破壊行為は日本における学問の自由の制度的枠組みを破壊することになるから、憲法23条違反。
第二に、学術会議法7条と17条に違反している。政府はこれまで、任命拒否は行うことはできないという見解を国会で繰り返してきた。しかし今回突然、菅首相らは憲法15条1項があるから、自分たちは任命拒否もできると説明し始めた。
しかし、国民が学術会議法を通じて会員の選定罷免権を委ねているのは学術会議という組織体であって首相ではない。
第三に今回の任命拒否は手続き上も違法だ。首相は今回の任命決定において、学術会議から提出された名簿を見ていないと明言した。そうしますと、今回の任命拒否は学術会議からの推薦リストに基づかない判断だったということになる。
学術会議法7条2項の規定に明らかに違反する行為。現状は会員の任命を99人に定めるという首相の職務懈怠(かいたい)によって以上のような違憲・違法の状態にある。菅首相は推薦に基づく6人の任命義務を履行し、この違憲・違法状態を速やかに解消しなければならない。
◆松宮教授:「菅首相はヒトラーのような独裁者になろうとしているのか」
○安倍政権で成立の秘密保護法や安保法 !
任命拒否された学者6人が問題点指摘
<日本学術会議問題>
(www.tokyo-np.co.jp:2020年10月4日 05時55分)
日本学術会議の新会員への任命を政府に拒否された6人の学者が問題点を指摘していた、特定秘密保護法や安全保障関連法などは、安倍政権が2013〜17年、有識者らの根強い反対論を押し切る形で成立させたものだ。国民の権利を侵害したり、憲法違反に当たるとの懸念はぬぐえないままだ。
(上野実輝彦)
秘密保護法は、米国と共有する軍事機密の漏えい防止を目的に策定。行政機関の長が「安全保障に著しく支障を与える恐れがある」と判断した情報を「特定秘密」に指定し、漏らした公務員らは最高で懲役10年の処罰を受ける。
◆秘密保護法は「民主主義の基盤を危うくしかねい」
宇野・東大教授: だが、特定秘密の基準は曖昧で、政府が対象を広げることが可能。捜査当局が漏えいをそそのかしたと認めた記者や市民は処罰対象となるが「そそのかし」の基準も不明確で、取材活動の萎縮や「知る権利」の制限につながりかねない。東大の宇野重規教授(政治思想史)は13年12月、他の有識者とともに記者会見し「政治、民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と訴えた。
安倍政権はその後、憲法9条の解釈を変更し、歴代の政府が禁じてきた集団的自衛権の行使を容認。米国との防衛協力指針(ガイドライン)の再改定で、自衛隊の行動範囲を全世界に広げた。これを法律上でも可能にしたのが安保法だ。
◆安保法は「憲法上、多くの問題をはらむ」
小沢・慈恵医大教授: 東京慈恵会医科大の小沢隆一教授(憲法学)は15年7月、法案を審議する衆院特別委員会の中央公聴会で、歯止めのない集団的自衛権行使や米軍の武力行使との一体化につながり得るとして「憲法上、多くの問題点をはらむ」と訴えた。法案廃止を求める憲法研究者の署名集めも行った。
「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法は、テロからの国民保護を名目に、犯罪を計画段階で処罰できるようにした。運用によっては、政府に批判的な団体への圧力になる懸念がある。
◆「共謀罪」法は「戦後最悪の治安立法」
松宮・立命館大教授: 17年6月の参院法務委員会に参考人として出席した立命館大大学院の松宮孝明教授(刑事法)は「市民の内心が捜査と処罰の対象となり、自由と安全が危機にさらされる」と述べ、「共謀罪」法を「戦後最悪の治安立法」と批判した。
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