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菅義偉首相はマキャベリ好み ! 「奸佞首相」の下心を見極めねば !
菅義偉首相の深層・真相は ?
(www.nikkan-gendai.com:2020 年9月20日 15時0分)
【特別寄稿】浜矩子(はまのりこ、1952年8月3日生まれ。68歳。)(同志社大学教授):
☆菅政権「100%やる」断言 携帯料金引き下げへ“強権恫喝”
菅義偉(すが・よしひで)新政権が,発足しました。「アホノミクス」から「スカノミクス」への継承ですので、まともな経済政策からますます遠ざかっていくことになりそうです。これまで同様、“下心政治”の手段として経済運営が利用されるのでしょう。スカノミクスの背後でどんな下心がうごめくことになるのか。それを見極めていかなければなりません。
でも「スカ」は「アホ」よりシタタカそう。彼には「奸佞(かんねい)」という言葉が最もふさわしい。奸佞首相は僕ちゃん首相より手ごわいかもしれません。
アホノミクス、キラキラネーム付きの施策を派手派手しく乱発することで得点を稼ごうとしましたが、秋田の農家出身を売りにする「奸佞首相」のスカノミクスは、パフォーマンス型ではなく、地道さを強調するトーンでいくことになりそうです。
国民にそう簡単には下心を探りださせないよう、権謀術数とさまざまな計略を繰り出してきそうです。
野望がどの辺にあるのか。菅氏の危うさと不気味さは、さしあたりまだそこがよく見えないことです。安倍氏は「戦後レジームからの脱却」を前面に打ち出していた。すなわち、21世紀版の「大日本帝国」づくりを目指していることが目に見えていた。そこには、狂信的なイメージがあった。それだけ分かりやすかったわけです。
■奸佞首相の目的意識がどこにあるか ?
※奸佞(かんねい):悪い。心が正しくなくへつらう。
一方、菅氏はマキャベリ(中世イタリアの政治思想家)が好きだという。マキャベリズムといえば、「権謀術数」の代名詞のイメージ。マキャベリアンといえば、策略家の定冠詞のようになっています。「目的のためなら手段を選ばない」という考え方の生みの親だと目されている。
これは必ずしも正確ではないようですし、彼が全面的な悪の権化だったわけではないようですが、それにしても、奸佞首相がマキャベリ大好き男だというのはイメージピッタリ過ぎですね。問題は、奸佞首相の目的意識がどこにあるかです。それをこれから探り出さなければいけません。
その点では「継承」とはいえ、肌合いは違ってくる。悪しき理念がありすぎるのも恐ろしいけれど、理念なく権力掌握に走るのも、その危険度合いは勝るとも劣らずです。
気になるのは、秋田出身だから「地方や地域のことが分かっている」というスタンスを押し出していることです。「地方創生」の色合いをどう変えていくのか。安倍氏はどうしてもお坊ちゃんイメージや上から目線の雰囲気が出ていましたが、菅氏は「地域おじさん」みたいな感じで、安倍氏には出せなかった庶民派カラーを出してくるんじゃないか。アホノミクスを継承しながらも、ローカルで地道な雰囲気を醸し出し、国民受けを狙っていくのではないか。そこが気になります。
スカノミクスには冷酷なものも伴いそうです。菅政権の下では「ゾンビ企業」の淘汰が進められそうです。会社も労働者も「ゾンビ」のレッテルが貼られないように戦々恐々としなければならない。
とにかく、嫌われることを恐れないのがマキャベリズムです。チームアホノミクスの大将は結構弱虫でしたが、スカノミクス親父はマキャベリ仕込み。私も攻撃の的を失った「アホロス」に陥っている場合じゃありません。アホでもスカでもないまっとうな経済運営が到来する日まで、一段とギアを上げて奮闘していく。その決意を新たにした次第です。
(浜矩子/同志社大学教授)
(参考資料)
○菅義偉政権誕生:好意と批判が入り混じる各国メディアの報道
(www.nippon.com:2020.09.17)
菅義偉政権の誕生を受け、各国のメディアはさまざまな報道をしている。好意的な受け止めがある一方で、辛辣(しんらつ)な論評もみられる。世界の目に新首相・菅義偉はどう映り、どう紹介されているのか、報道をまとめてみた。
甘党のたたき上げ
多くのメディアが着目しているのが出自。「日本の政治リーダーとしては珍しく二世議員ではなく、派閥に所属していない」(ストレーツ・タイムズ=シンガポール)、「素朴な農家の息子が日本の政権を支配へ」(レバノン24)、「慎ましい家庭の出身で、自らの将来を創りあげた」(ミレニオ=メキシコ)、「目立たたないが、たたき上げの経歴に誇りを持つ」(リベラシオン=フランス)と報じた。
素顔については、一斉に「甘いもの好き」(聯合報=台湾)、「パンケーキやそばが好物」(ルモンド=フランス)、「酒を飲まない甘党の地味な政治家」(リベラシオン=フランス)、「オーストラリア発祥のスイーツのファン」(ABCオーストラリア)、「毎日、朝と夜に100回腹筋をして、(パンケーキの)カロリーを消費しているらしい」(ガーディアン=英国)と紹介。一方で、「謎の多い人物」(ニューヨークタイムズ=米国)との見方もあった。
◆記者会見に対する厳しい批判
厳しい指摘が目立つのが、自民党総裁に選出された過程だ。「派閥に属さず、通常ならば選択されない妥協の産物」(エルパイス=スペイン)であり、「党内外から不透明で非民主的との批判がある」(ラナシオン=アルゼンチン)。中には、ベラルーシの大統領選を引き合いにして「法の下の民主主義を裏切ったのも同然」(スペクテーター=英国)と、斬って捨てる論評もあった。
政治家としては、市議会議員と官房長官時代の報道が多い。「横浜市議選では、靴6足を履きつぶして3万軒を歩き回った」(ウォール・ストリート・ジャーナル=米国)、「影の横浜市長と呼ばれていた」(アルカバス=クウェート)と、タフさと仕事師ぶりを強調した。
一方、官房長官としては、記者会見に関して冷ややかな記述が多い。「安倍政権のスキャンダルを巧みに処理した」(ルモンド)はましな方で、「毎日2回、無味乾燥な記者会見をしていた」(NEWS.BG=ブルガリア)、「この8年間、いつも気難しく不機嫌でユーモアのかけらもなかった」(タイムズ=英国)と手厳しい。
一方、記者会見に絞った記事ではないが、二世議員でないことを理由に「安倍晋三氏より根気強く仕事をするだろうし、安倍氏に欠けていた有権者とのコミュニケーションもとれるだろう」(FR24ニュース=フランス)との識者コメントを掲載したメディアもあった。
◆外交経験の浅さを指摘
政策面では、「安倍政権の内政外交政策は安定的に継続していく見込み」(観察者網=中国)、「安倍氏の政策を引き継ぐだろう」(BBC=英国)などと、大きな変化を予想する見方は少ないようだ。
政治思想については、「ハト派からは程遠いが、安倍氏の歴史修正主義には心を動かさず、同氏に靖国参拝を自制するよう進言した」(ルモンド)との報道が目に付いた。
ほぼすべてのメディアが指摘するのが外交経験の浅さ。「外遊が少なくコミュニケーションが得意でない」(リベラシオン)、「外交経験が欠けている」(レバノン24)、「(安倍外交が失敗だったと断じた上で)継承者の菅も外交が得意でない」(観察網)と報じた。
ロシアとの関係では、研究者の談話を引用する形で「菅首相の就任は、ロシアと日本の関係が後退に向かう小さな一歩」(ノヴォスチ通信=ロシア)と形容した。
逆に鈴木宗男参院議員のコメントを引いて「モスクワと東京の関係は、新しい日本の首相の下でさらに前進していく」(連邦通信社=ロシア)という正反対の論評も取り上げられた。
組閣を受けて、安倍前首相の弟、岸信夫衆院議員が防衛大臣に就任した(中央通信社=台湾)ことも報じられた。このほか、「SNS上ではすでに『スガやめろ』のハッシュタグがトレンド入りした」(ルモンド)との報道があった。
○菅義偉氏、弱点は論戦力… 財政、外交苦手意識か?
自民総裁選討論会
(www.nishinippon.co.jp:2020/9/13 6:00)
◆「石破氏と全く同じ」質問に色気ばみ
安定感が売りの「ポスト安倍」最右翼が弱点をのぞかせた。自民党総裁選の3候補が登壇した12日の日本記者クラブ討論会で、選挙戦で優位に立つ菅義偉官房長官は金融財政や外交安全保障の論戦で受け身に回り、苦手意識を印象付けた。森友、加計(かけ)学園問題や「桜を見る会」疑惑の真相究明にも消極的で、安倍政権の「負の遺産」にどう向き合うかも伝わってこない。
「誤解があってはまずいので説明させていただきたい」。菅氏は慌てたように左手を挙げ、発言を求めた。消費税増税に関して問われた時のことだ。
菅氏は10日のテレビ番組で将来の税率引き上げの必要性に言及。翌日の官房長官記者会見で修正したものの、株価や為替市場に影響しかねない不用意な発言だった。この日は「この間は将来(の増税)まで否定すべきじゃないと思った」。10年間は増税しない立場を強調し、珍しく大きな身ぶりで釈明した。
官房長官や総務相を歴任した菅氏は省庁を動かして政策を実現する「内政型」。災害対応、ふるさと納税、携帯電話の料金引き下げといった手腕は評価されるが、金融政策や外交分野は縁が薄い。
「苦手意識」は如実に現れた。アベノミクスの金融緩和を「見直すか」との質問に対し、最初に答えた石破茂元幹事長が「急には変えない」「金融政策は社会をどう変えるかの手段だ」などと持論を展開すると、次の菅氏は「全く同じです」の一言だけ。あまりの「安全運転」に会場から失笑が漏れた。
外交に関する質疑では、「苦手」との見方に反論するように「日米電話首脳会談は確か37回あったが、1回を除いて全て同席している」「重要な政策決定は全て絡んでいる」と自らアピール。質問者が「同席することと交渉は違う」と口を挟むと「何もやっていないということか」と気色ばんだ。
森友問題の文書改ざんでは「財務省は調査し、検察も捜査し、結果は出ている」と再調査を否定。質問者が「財務省の調査は身内の調査だ」と食い下がったが「今申し上げた通り」などとかわし続けた。新型コロナウイルス特措法改正の必要性について見解を示さず、石破氏から「答えてほしかった」と言われる場面もあった。
石破氏と岸田文雄政調会長はそれぞれ「カラー」を出そうと持論を展開したが、劣勢の要因を問われると消沈。岸田氏は自ら発信力不足に触れ「立場を超えて発言することをためらっていた」と釈明し、石破氏は国会議員の支持が広がらない理由を「食事や語らう機会が少なかった」と反省を口にした。 (東京支社取材班)
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