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軽視と過剰反応が適正でないのが、新型コロナウイルスの感染だ !
欧米とアジアの新型コロナウイルスの相違とは ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2020/09/12より抜粋・転載)
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1)〜12 )は前2 回投稿済みです。以下はその続きです。
13 )安倍内閣は、東京五輪延期が正式に
決定されるまで、コロナ対応を脇に置いていた !
安倍内閣は、3月24日に東京五輪延期が正式に決定されるまで、コロナ対応を脇に置いて、五輪を優先していた。
安倍内閣がコロナ非常事態宣言を発出したのは、4月7日であった。
コロナ対応が丸2ヵ月遅れたと言える。
第2類相当の指定とゆるすぎたコロナ対応が完全に矛盾している。
時間経過とともにコロナの実態が把握されてきた。
14 )東アジアでは、陽性判定の人の多くが、無症状である !
東アジアでのコロナ被害は、軽微である。陽性判定の人の多くが、無症状である。
無症状の陽性判定者の全員に対して入院等の措置を講じ、すべての濃厚接触者の追跡を行うことが義務付けられて、医療崩壊の懸念が高まった。
安倍内閣による第2類相当の指定が時期尚早であったし、実態が明らかになるなかで、その見直しも大幅に遅れたと言える。
しかし、欧米でのコロナ被害は甚大である。
15 )東アジアのコロナ被害が、急激に拡大する懸念はある !
東アジアのコロナ被害が、急激に拡大する懸念がないとは言えない。
また、晩秋から来春にかけて本格的な感染第2波が襲来することも否定し切れない。
未知の部分が多いというのが偽らざる現状なのである。
したがって、「コロナはただの風邪」と断じることもできないのだが、現状においては、少なくとも東アジアでは、コロナ被害が軽微であることも事実である。
16 )コロナ被害が軽微な現実に適応した、柔軟な対応を取るべきだ !
これらの現実に適応した、柔軟な対応を取ることが必要である。
2020年の冬は、インフルエンザの流行が抑止された。
その背景に、人々の行動変化が存在する可能性が高い。
マスクの着用、手洗いの励行、飛沫を浴びることの回避などが徹底された。
この意味で、マスク着用の有用性を全否定することも適正ではない。
しかしながら、一方で、コロナ被害が軽微であるのに、過剰なコロナ警戒を維持し続けることも、適正ではない。
17 )適正なバランスを確保する事が、何よりも大切だ !
適正なバランスを確保する事が、何よりも大切である。
シンガポールの公表数値ではコロナ致死率は0.05%だが、日本のコロナ致死率は公表数値で1.92%だ。
致死率2%は決して無視できるほど低い数値ではない。
日本の致死率が高く測定されているのは、日本政府がPCR検査を抑制して、感染者数が大幅に過少計上になっているからだ。
18 )日本の感染者数は、公表数値よりもはるかに多いはずだ !
日本の感染者数は、公表数値よりもはるかに多いはずなのである。
検査抑制で感染の実態を掴むことができてこなかったことが、コロナ対応をちぐはぐにしてしまった一因でもある。
本題に戻るが、コロナ対応でのトラブルを回避するためには、ルールの明確化が必要だ。
基本的人権は尊重されなければならないが、日本国憲法が定める基本的人権への留保条件は
「公共の福祉に反しない限り」(13条)である。
これは他者の基本的人権尊重との調整の必要性を念頭に置くもの。
公共交通機関などの狭い空間のなかでは、他者の基本的人権への配慮が必要になる。
ルールの設定においては、この点への配慮が必要になる。
(参考資料)
欧米とアジアの新型コロナウイルスの相違とは ?
○疑問残るコロナ対策:アジアが、 なぜ死者数が少ないのか ?
(www.koureisha-jutaku.com:2020年6月3日)
浅川澄一氏【連載第119回】:
新型コロナウイルスの対応策では感染者数の動向が最も注目され、その推移に一喜一憂している。だが、検査の仕組みや検査数は国や地域でバラバラだ。実態把握には死者数が妥当だろう。
イタリアと英国の死者は3万人を超え、フランスとスペインも3万人に迫る(5月26日現在、以下同様)。一方で、東アジア諸国では、インドネシアで1000人を超えたが、日本とフィリピンは800人台。
中国に近い台湾と香港は7人と4人、ベトナムは0人だ。人口差を考慮し、人口100万人にあたりを算出しても、両地域で約100倍もの開きがある。この事実を直視したい。
5月14日に尾身茂新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会委員長が「日本の死者数はなぜ少ないのか」という記者の質問に答えた。
安倍総理が39県での緊急事態宣言の解除を表明した会見の場である。総理の傍らで尾身氏は「理由は3つ」として、第1に日本の確かな医療制度が重症者を救い、第2に初期のクラスターつぶしが有効で、第3として国民の健康意識が高いこと、を上げた。
この答えでいいのだろうか。日本だけ死者が少ないのではない。
◆欧州諸国と東アジアの新型コロナウイルスの相違 !
国ごとに違う施策がそれぞれ奏功したのだろうか。では、欧州諸国の対策が東アジアと比べ何十倍もおろそかだったのか。そんなことはない。導き出される答えは限られる。欧米を席巻しているウイルスとアジアを襲ったウイルスは、種類が異なるとしか説明できないはずだ。
◆欧米のコロナは「強毒性」、アジアのコロナは「弱毒性」 !
NHKは4月2日の「おはよう日本」で、欧米のL型(強毒性)とアジアのS型(弱毒性)と紹介した。「3月初めに発表した中国の研究チームによるもので、世界各地の100あまりのウイルスの遺伝子配列を調べた結果」という。S型が変異してL型を生んだ。
学術誌「bioRxiv」の論考も、中国型と欧州型を峻別。変異で生じたより「凶暴」なウイルスが欧米を襲ったのではという。日本感染症研究所は4月27日に、この説に近い見解をホームページで発表した。「終息した第一波ウイルスは中国からで、次いで欧米発の第二波が広がった」と説明し、5月4日に緊急事態宣言の1ヵ月延長を発表した安倍首相もこの説明を引用した。
◆新型コロナウイルスの種類 !
A型、B型、C型の3種やG型とK型とする研究者たちもいる。
「変異で17種類に広がった」という論文も出ている。つまり、異なるウイルスの強弱の差が死者数となっていると解釈すれば合点がいく。
「原因」が異なるのに、欧州と同じような対策でいいのだろうか。
現実は、ウイルス論を吹き飛ばす恐怖感を国民に与え、「営業自粛」に一斉に従わせてしまった。大きな要因は「健康な人が突然亡くなった」とする志村けんさんの報道である。
だが、「かなり喫煙と飲酒をしていたので、その影響があったことは否定できないかもしれない」という事務所関係者の言葉を朝日新聞だけは報じていた。
4年前に肺病の手術をしており、実は基礎疾患のある70歳の高齢者だった。ウイルス死者のうち8割は70歳以上と厚労省は発表している。
日本は高齢化率が世界一なので、リスクは高いが、ここで介護保険制度の貢献が見逃せない。特養や老健、有料老人ホームなどの施設で200万人以上がきちんと「隔離」されている。施設死が半数近い欧州とは違う結果を招いた。
交通事故による死者は昨年3215人いたが「車に乗るな」という議論はない。肺炎の死者は同9万人もいた。リスクや自然の摂理を「受容」「許容」しながら私たちの日常生活は成り立っている。日常生活を壊す「自粛」が選ばれるべき政策だったのだろうか。
※浅川 澄一 氏:ジャーナリスト 元日本経済新聞編集委員:
1971年、慶応義塾大学経済学部卒業後に、日本経済新聞社に入社。流通企業、サービス産業、ファッションビジネスなどを担当。1987年11月に「日経トレンディ」を創刊、初代編集長。1998年から編集委員。主な著書に「あなたが始めるケア付き住宅―新制度を活用したニュー介護ビジネス」
(雲母書房)、「これこそ欲しい介護サービス」(日本経済新聞社)などがある。
○新型コロナウイルス、L 型とS 型の違い !
中国、種類によって感染力に差 !
(www.fukuishimbun.co.jp:2020年3月10日)
中国の研究者チームは3月4日までに、新型コロナウイルスは二つの型に分類でき、感染力に差があることが分かったと中国の英字科学誌「国家科学評論」に発表した。中国メディアが伝えた。
◆L型の方が、感染力が強い !
ウイルスのサンプル103例の遺伝子配列を調べ、うち101例を「L亜型」か「S亜型」に分類した。約70%がL型。L型の方が感染力が強いとみられ、湖北省武漢で爆発的流行が起きた時期に多く確認され、1月初旬以降は減少した。
S型はコウモリから検出された、コロナウイルスに遺伝子的に近く、古い型とみられる。一つの型にだけ感染する症例が大半だったが、武漢への旅行歴のある米国の患者1人は、両方の型に感染した可能性があった。
一方、北京の病院は4日、新型肺炎と脳炎を併発した患者を1人確認したと明らかにした。脳脊髄液から新型ウイルスを検出した。ウイルスが中枢神経に及ぶ危険性に注意するべきだとしている。
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