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コロナ感染拡大だけでなく、GoTo 政策には、致命的欠陥がある !
安倍内閣のコロナ対策の深層・真相は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2020/07/15より抜粋・転載)
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1)〜5)は前回投稿済みです。以下はその続きです。
6)小池都知事は、6月2日に「東京
アラート」を宣言して、警戒を呼びかけた !
小池都知事は、安倍内閣が緊急事態宣言を解除した直後の6月2日に、「東京アラート」を宣言して警戒を呼びかけた。
しかし、6月11日には、「東京アラート(警報・警戒)」を制度ごと廃棄してしまった。
さらに、6月19日には、営業自粛要請を全面的に解除した。
7月5日に実施された、都知事選に向けて、営業自粛要請の継続が、自分の得票を減らす要因になると判断したことが、この行動の背景であった、と見られる。
7)小池都知事は、都知事選が終わると、再び警戒を呼びかけてきた !
小池都知事は、都知事選が終わると、再び警戒を呼びかける姿勢を前面に押し出している。
東京都の感染者数は急増しており、客観的に見れば強い警戒感を持たなければならない状況だ。
本日、7月15日、東京都は現在の感染状況を、4段階のなかでもっとも深刻な「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。同時に、小池都知事は都民、事業者に対して、「感染拡大警報を発すべき状況」として警戒を呼び掛けた。
8)安倍内閣は、7月22日からGoToキャンペーンの実施をした !
ところが、安倍内閣は、7月22日から「GoToキャンペーン」(観光地全体の消費を促進する対策)の実施に踏み切る。
明日、7月16日の分科会で、検討するとしているが、7月22日からのキャンペーン始動の、予定を変えないとの姿勢を示している。
Gotoキャンペーンは、人の移動を促進する措置である。Gotoキャンペーンによって、当然のことながら、首都圏から各地への人の移動が、強く促される。
9)Gotoキャンペーンは、コロナの感染拡大を推進する施策である !
新型コロナウイルスの感染拡大を推進する施策である。まさに狂気の政権である。
安倍内閣はGoToキャンペーンで1.7兆円もの国費をばらまく。
これこそ、利権政治の象徴だ。
コロナウイルス感染症の感染拡大を封殺しなければならない局面で、政府が人の移動を全面的に後押しする施策を行うことが言語道断の誤りであることは幼稚園生でも分かる。
10 )安倍内閣は、感染拡大促進に転じたと評価できる !
7月12日付記事にも記述したが、安倍内閣の実態は、感染拡大促進に転じたと評価できる。
感染拡大促進に転じたのであるなら、そのことを明言するべきである。
感染拡大を推進するためにGoToキャンペーンを強行するというなら、論理的には筋が通る。
安倍内閣が感染拡大推進を目指しているなら、はっきりそのことを国民に明示するべきなのだ。
冷房と暖房を同時に入れるとか、下剤と便秘薬を併用するなどと、批判を受けているが、感染抑止を掲げながら、「GoToキャンペーン」を強行するというのは。説明として成り立たない。
11 )安倍内閣のGoToキャンペーンは、最悪の施策である !
この問題を脇に置いても、GoToキャンペーンは、最悪の施策である。
最大の問題は、財政資金の配分に著しい不公正が生じることである。
キャンペーンの恩恵を受ける者が著しく偏る。
その偏り方が適正な方向に生じるなら問題は軽減される。
ところが、GoToキャンペーンの場合、偏り方が問題をさらにいびつにする方向に偏る。
12 )旅館業には、このGoToキャンペーン
が、「濡れ手に粟」の利益を得る事になる !
集客力の高い旅館業にとって、このGoToキャンペーンは、「濡れ手に粟」の利益を得る装置になる。
開店休業状態にあった旅館のなかに、すでに7月、8月と一気に満室になっている、事業者も現れている。年末まで週末の予約がほぼ埋まった事業者もある。
一気に発生した、売上見通しの3割から5割が、財政資金である。
一つの事業者に、財政資金が、数千万円から数億円投下されるケースも、発生し得る。
コロナ禍で、売上が激減した事業者が、無数に存在する。
―この続きは次回投稿しますー
(参考資料)
○日本の新型ウイルス検査、少なさに疑問の声 !
(www.bbc.com:2020 年4月30日)
日本はなぜロックダウンをしないのか? 世界中の友人から何度、そう聞かれたことだろう。ヨーロッパやアメリカの現状を考えれば不思議ではない。ただおそらく、問いの立て方が間違っている。台湾、香港、韓国、中国本土の大部分も、これまで一度も全面的なロックダウンを実施していない。
日本で起きていることを理解したがっている人にとってより不可解なのは、なぜ新型コロナウイルスの感染症COVID-19の検査がこれほど少ないのかだ。
ドイツや韓国と比べたとき、日本の検査件数は0を1つ付け忘れているようにみえる。
日本の感染流行の中心地、人口約930万人の東京をみてみよう。2月以降、COVID-19の検査を受けた人は1万981人しかいない。うち4000人強が陽性だった。
この結果は、検査人数の少なさと、陽性の割合の高さの両方において際立っている。
ここからわかるのは、日本ではすでに病状が明らかな人だけを検査していることだ。実際、医師向けのガイドラインは、患者が肺炎にかかっている場合だけ検査を勧めるべきだとしている。
そのため、検査を受けたいと思っている人の中に、かなり異常な経験をする人が出ている。
ジョーデイン・ヘイリーさんは、日本で翻訳家として働くアメリカ人だ。彼女はスカイプを通した取材で、日本語が達者ではない友人が検査を受けようとして、何が起きたかを語った。
日本は検査対象を広げるべきだと指摘する人もいる(都内の病院、4月17日撮影)
彼女の友人に発熱とせきがみられたのは4月10日のことだった。ガイドラインに従い、4日間様子をみた。
「そのころには彼女は呼吸がしにくくなり、酸素欠乏で目まいもしていました」とジョーデインさんは話す。「COVIDホットラインに電話しました。支援を拒まれました。友人が病気なら彼女自身が救急車を呼ぶべきだと言われました」。
翌日(4月15日)、友人はクリニックを見つけ、肺のレントゲン撮影をしてもらった。医師は、おそらくCOVID-19にかかっているだろうが、入院するほど悪くはないと言った。そして、自宅に帰って自主隔離するよう伝えた。
翌16日深夜、友人からジョーデインさんに電話があった。友人は苦しんでいた。
「背後で救急隊員の声が聞こえました。彼女は激しくせき込んで息を切らし、何を言っているかわからないほどでした。受け入れてくれる病院が見つかるまで、2時間かかりました。その間、彼女の呼吸はどんどん苦しくなっていきました」
病院に着くと改めて肺のレントゲン撮影を受け、自宅近くの保健所に連絡してPCR検査を受けるよう言われた。しかし医師は紹介状を書こうとしなかった。友人はタクシーで自宅に戻された。
「彼女は病院で、タクシーに乗ったら窓を開けなさい、よくなるでしょうと言われたんです」と、ジョーデインさんはあきれた表情で言う。
4月17日になり、ジョーデインさんは近所の保健所に電話した。2時間にわたって電話はたらい回しされた。その後、いくつもの質問に答えた。そうしてやっと、友人の予約が取れた。ただ警告を受けた。
「友人は必ず通用口から入るように」。ジョーデインさんは告げられた。「彼女はどこで検査を受けるか、絶対に誰にも言ってはならない。混乱を招きますから」
命が脅かされていると考える人が不安を覚える以外に、それがどんな影響を及ぼすというのか? 日本のCOVID-19の死者はいまだ非常に少なく、400人に満たないのだ。
ソーシャルメディアで私はよく、こう言われる。「日本は本当に支援が必要な人を識別していて、医療も一流だ、だから死者がこんなに少ない」。
英キングス・コレッジ・ロンドンの渋谷健司教授によれば、これは間違いではない。
「医師の観点からはうなずけます」と彼は言う。「軽症は気にせず、重大な症状がみられるケースに集中して命を救う。検査は症状がみられる人に重点を置く」。
しかし公衆衛生の観点からは、検査を拡大しない日本の姿勢は極めて危険だと、渋谷教授は言う。
◆日本:感染者公式発表の人数の20 〜50 倍
=28 万 〜70 万人になるかもしれない !
いったい何人くらい? 彼もはっきりはわからない。ただ、慶応大学の結果から、公式発表の人数の20〜50倍になるかもしれないと、渋谷教授はみている。つまり、日本で28万〜70万人が感染している可能性があることになる。
検査が増えなければ、実情はわからない。しかし事例証拠からは、感染は報告されているよりずっと広がっているとの見方に真実味があることがわかる。
比較的少ない死者の中には、有名コメディアンの志村けんさんや俳優の岡江久美子さんが含まれている。注目を集めた感染者としては、相撲の力士7人やテレビ司会者、元プロ野球選手2人、有名映画脚本家などがいる。
「現在東京で新たに感染が確認されている人の70〜80%は、既知のクラスター(小集団)にいた人ではありません」と、日本医師会会長の横倉義武医師は言う。「もっと速やかにPCR検査を実施し、もっと素早く結果を出す必要があります」。
公式発表によれば、東京の新たな感染者はここ1週間、減少傾向にある。いいニュース? いや、必ずしもそうではない。
「人数は本当に減っていると信じたい」と横倉医師は話す。「しかし、それを判断するには検査の数が不十分です」。
このことは、日本が緊急事態宣言を解除できるかに直接影響を及ぼす。宣言は現時点で5月6日に終了の予定だ。
「現段階で緊急事態宣言は解除できません」と横倉医師は言う。「解除には、新たな感染者の安定的な減少と、実効再生産数が1を大きく下回ることが必要です」。
相撲は無観客で開催されている(大阪で、3月8日撮影)
日本では今週、ゴールデンウィークが始まった。沖縄県の玉城デニー知事によると、連休中の沖縄への航空便を予約した人は6万人に上るという。
玉城知事は予約者に、来ないでほしいと訴えている。
「残念ですが沖縄は緊急事態宣言の体制です」と、彼はソーシャルメディアに書き込んだ。「どうか今の沖縄への旅はキャンセルしてください」。
来週は気温が上がり、晴れると予想されている。人々は海や山に向かい、必然的に自覚なしに新型ウイルスを連れて行く人が一定数、現れるだろう。
渋谷教授は、日本は現在の戦略を放棄し、検査を増やすことが必要不可欠だと話す。
「検査をもっと広げないと、この世界的流行を終わらせるのはかなり難しくなります」
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