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死者数で、東アジアでワースト2の最大の理由は、
安倍内閣のコロナ対策が大幅に遅れた事だ !
安倍内閣のコロナ対策の深層・真相は ?
(植草一秀の『知られざる真実』」:2020/05/28より抜粋・転載)
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1)緊急事態宣言が、全国で解除されて、
コロナ問題が解消したとの考えは錯覚だ !
緊急事態宣言が、全国で解除されて、コロナ問題が解消したとの錯覚が生まれているが、それは、事実誤認である。
市民は感染拡大を抑止するために、強度の行動抑制を実行した。
ゴールデンウィークの期間に人出が、各地で激減したのは、このためである。
2)抑制した行動を復元すれば、感染が再拡大する可能性がある !
その結果として新規感染者数が減少したが、抑制した行動を復元すれば、新型コロナウイルスの感染が再拡大する可能性は存在する。極端な行動抑制を採ったために新規感染者数が減少したが、行動を復元すれば人と人との接触が拡大して感染が再拡大する可能性は残されている。
5月の連休が明けて、会社への勤務が復活した。その後、5月14日、21日、25日と、三段階の緊急事態宣言解除が行われ、行動抑制が緩和され始めている。
3)緊急事態宣言解除され、行動抑制が緩和
された影響が、感染者増加になる可能性がある !
その影響が表れるのは、これからである。
すでに新規感染者数の微増が観察され始めている。
緊急事態宣言を全国すべての都道府県で解除したことが誤ったメッセージを発する効果を発揮した可能性が懸念される。欧米に比べて日本の人口当たり死者数は少ないが、日本のコロナ対策が優れていたということではない。
4)東アジアの死者数を見ると、
日本はフィリピンに次ぐワースト2である !
欧米に比べて人口当たり死者数が少ないのは、東アジア各国に共通する現象で、東アジア各国の人口当たり死者数を見ると、日本はフィリピンに次ぐワースト2の実績を示している。
東アジアでの人口当たり死者数が少ないことには何らかの原因が存在する。
まさにまだ明確化されていないファクターXが存在すると考えられる。
5)死者数で、東アジアでワースト2の最大
の理由は、安倍内閣のコロナ対策が大幅に遅れた事だ !
日本の人口当たり死者数は、東アジアでワースト2の実績を示してしまっているが、最大の理由は安倍内閣のコロナへの取り組みが大幅に遅れたことである。
日本でコロナ感染者が確認されたのは、1月16日である。
1月末には、中国・武漢での感染拡大が、非常事態の様相を示していた。
そのさなかの1月24日、安倍首相は、在中国日本大使館公式HPに、「安倍晋三内閣総理大臣春節(旧正月)祝辞」を公表した。
6)安倍首相は、感染拡大の中国国民に対して、日本への訪問を推進した !
安倍首相は、新型コロナウイルスの感染拡大の中国国民に対して、「春節に際して、そしてまた、オリンピック・パラリンピック等の機会を通じて、更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしています」と記述し、動画でも配信した。
2月3日にダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に帰港した。
船内から感染者が出たことが確認され、安倍内閣は、2度目の検疫を実施したが、乗員・乗客3711名の10分の1にも満たない273名にしか、検査を実施せず、全員を船内に監禁した。
7)PCR検査を拡大せず、ダイヤモンド
・プリンセス号を、「洋上培養皿」にした !
その結果、安倍内閣は、ダイヤモンド・プリンセス号を、「洋上培養皿」にしてしまった。
安倍内閣のPCR検査妨害はこのときに顕在化して現在まで続いている。
感染抑止の基本は「検査と隔離」だが、その出発点になる検査を妨害する行動が現在まで維持されている。東アジアのファクターXによって、欧米と比較すれば死者数を抑制できているが、安倍内閣の対応が正しかったというわけではない。
―この続きは次回投稿しますー
(参考資料)
○5月2日の世界各国のPCR検査の人数とは ?
(www.covid19-yamanaka.com)
◆千人あたりの検査の人数
アイスランド:147.59、イタリア:34.88、ノルウエイ:31.84、スペイン:28.9、アメリカ:20.59、
韓国:12.31、フランス:11.1台湾:2.69、日本:1.45(アイスランドの約1%の
検査数)、インド:0.76、インドネシア:0.3
○日本の新型ウイルス検査、少なさに疑問の声 !
(www.bbc.com:2020年4月30日)
日本はなぜロックダウンをしないのか? 世界中の友人から何度、そう聞かれたことだろう。ヨーロッパやアメリカの現状を考えれば不思議ではない。ただおそらく、問いの立て方が間違っている。台湾、香港、韓国、中国本土の大部分も、これまで一度も全面的なロックダウンを実施していない。
日本で起きていることを理解したがっている人にとってより不可解なのは、なぜ新型コロナウイルスの感染症COVID-19の検査がこれほど少ないのかだ。
ドイツや韓国と比べたとき、日本の検査件数は0を1つ付け忘れているようにみえる。
日本の感染流行の中心地、人口約930万人の東京をみてみよう。2月以降、COVID-19の検査を受けた人は1万981人しかいない。うち4000人強が陽性だった。
この結果は、検査人数の少なさと、陽性の割合の高さの両方において際立っている。
ここからわかるのは、日本ではすでに病状が明らかな人だけを検査していることだ。実際、医師向けのガイドラインは、患者が肺炎にかかっている場合だけ検査を勧めるべきだとしている。
そのため、検査を受けたいと思っている人の中に、かなり異常な経験をする人が出ている。
ジョーデイン・ヘイリーさんは、日本で翻訳家として働くアメリカ人だ。彼女はスカイプを通した取材で、日本語が達者ではない友人が検査を受けようとして、何が起きたかを語った。
日本は検査対象を広げるべきだと指摘する人もいる(都内の病院、4月17日撮影)
彼女の友人に発熱とせきがみられたのは4月10日のことだった。ガイドラインに従い、4日間様子をみた。
「そのころには彼女は呼吸がしにくくなり、酸素欠乏で目まいもしていました」とジョーデインさんは話す。「COVIDホットラインに電話しました。支援を拒まれました。友人が病気なら彼女自身が救急車を呼ぶべきだと言われました」。
翌日(4月15日)、友人はクリニックを見つけ、肺のレントゲン撮影をしてもらった。医師は、おそらくCOVID-19にかかっているだろうが、入院するほど悪くはないと言った。そして、自宅に帰って自主隔離するよう伝えた。
翌16日深夜、友人からジョーデインさんに電話があった。友人は苦しんでいた。
「背後で救急隊員の声が聞こえました。彼女は激しくせき込んで息を切らし、何を言っているかわからないほどでした。受け入れてくれる病院が見つかるまで、2時間かかりました。その間、彼女の呼吸はどんどん苦しくなっていきました」
病院に着くと改めて肺のレントゲン撮影を受け、自宅近くの保健所に連絡してPCR検査を受けるよう言われた。しかし医師は紹介状を書こうとしなかった。友人はタクシーで自宅に戻された。
「彼女は病院で、タクシーに乗ったら窓を開けなさい、よくなるでしょうと言われたんです」と、ジョーデインさんはあきれた表情で言う。
4月17日になり、ジョーデインさんは近所の保健所に電話した。2 時間にわたって電話はたらい回しされた。その後、いくつもの質問に答えた。そうしてやっと、友人の予約が取れた。ただ警告を受けた。
「友人は必ず通用口から入るように」。ジョーデインさんは告げられた。「彼女はどこで検査を受けるか、絶対に誰にも言ってはならない。混乱を招きますから」
◆感染者公式発表の人数の20~50倍
=28 万~70 万人になるかもしれない !
いったい何人くらい? 彼もはっきりはわからない。ただ、慶応大学の結果から、公式発表の人数の20~50倍になるかもしれないと、渋谷教授はみている。つまり、日本で28万~70万人が感染している可能性があることになる。
検査が増えなければ、実情はわからない。しかし事例証拠からは、感染は報告されているよりずっと広がっているとの見方に真実味があることがわかる。
比較的少ない死者の中には、有名コメディアンの志村けんさんや俳優の岡江久美子さんが含まれている。注目を集めた感染者としては、相撲の力士7人やテレビ司会者、元プロ野球選手2人、有名映画脚本家などがいる。
「現在東京で新たに感染が確認されている人の70~80%は、既知のクラスター(小集団)にいた人ではありません」と、日本医師会会長の横倉義武医師は言う。「もっと速やかにPCR検査を実施し、もっと素早く結果を出す必要があります」。
公式発表によれば、東京の新たな感染者はここ1週間、減少傾向にある。いいニュース? いや、必ずしもそうではない。
「人数は本当に減っていると信じたい」と横倉医師は話す。「しかし、それを判断するには検査の数が不十分です」。
このことは、日本が緊急事態宣言を解除できるかに直接影響を及ぼす。宣言は現時点で5月6日に終了の予定だ。
「現段階で緊急事態宣言は解除できません」と横倉医師は言う。「解除には、新たな感染者の安定的な減少と、実効再生産数が1を大きく下回ることが必要です」。
相撲は無観客で開催されている(大阪で、3月8日撮影)
日本では今週、ゴールデンウィークが始まった。沖縄県の玉城デニー知事によると、連休中の沖縄への航空便を予約した人は6万人に上るという。
玉城知事は予約者に、来ないでほしいと訴えている。
「残念ですが沖縄は緊急事態宣言の体制です」と、彼はソーシャルメディアに書き込んだ。「どうか今の沖縄への旅はキャンセルしてください」。
来週は気温が上がり、晴れると予想されている。人々は海や山に向かい、必然的に自覚なしに新型ウイルスを連れて行く人が一定数、現れるだろう。
渋谷教授は、日本は現在の戦略を放棄し、検査を増やすことが必要不可欠だと話す。
「検査をもっと広げないと、この世界的流行を終わらせるのはかなり難しくなります」
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