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安倍政権と癒着する、黒川検事総長の阻止なくして、民主政治と言えない !
安倍政治・黒川検事長の深層・真相は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2020/05/19より抜粋・転載)
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1)〜12 )は前2 回投稿済みです。以下はその続きです。
13 )小沢一郎議員の強制起訴は、
小沢一郎内閣誕生を阻止するためであった !
小沢一郎内閣誕生を阻止するために、用いられたのが、小沢一郎議員の強制起訴だった。
黒川氏は、2010年8月から2010年10月の2ヵ月間を除いた、すべての期間を、法務省中枢で勤務した。
小沢議員を刑事被告人に仕立て上げて、自民党への大政奉還を援護射撃したのが、黒川氏であると評価することができる。
14 )黒川氏は、文字通り、安倍内閣の守護神として、行動した !
第2次安倍内閣発足後は、黒川氏は、文字通り、安倍内閣の守護神として、行動したと見られる。
安倍内閣閣僚の重大犯罪はことごとく無罪放免とされた。
これらの重大犯罪が適正に検挙されていれば、安倍内閣ははるか昔に消滅していたはずだ。
これが、安倍内閣が黒川弘務検事総長実現に執着する主因であると考えられる。
検察庁法改正の今国会での成立が見送られても、黒川氏が検事総長に引き上げられるなら、安倍内閣が失うものは皆無に近いと言ってよい。
15 )黒川氏の違法勤務延長を、 事後的に合法化する事に狙いがあった !
安倍内閣によって、検察庁法改定案が強行されようとしたのは、黒川氏の違法勤務延長を事後的に合法化する事に狙いがあったと見られる。
しかし、法改定に対する世論の反発が極めて強くなり、次期衆院選への悪影響も警戒されることから、法改定強行だけは先送りされた。
しかし、黒川検事総長を実現できるなら、安倍内閣として失うものは、極めて微少であり、むしろ「恰好のガス抜き効果」だけがもたらされることになる。
法案審議先送り喝采は、敵=安倍内閣の術数に嵌まることを意味する。
16 )40 年にわたり定着してきた法解釈を、安倍内閣で変更すべきでない !
40年にわたり定着してきた法解釈を、一内閣の独断で変更することが許されるべきでない。
まさに「朕は国家である」、「法が終わるところ、暴政が始まる」ということになる。
本年1月の安倍内閣による黒川氏の勤務延長閣議決定は違法行為である。
違法に勤務延長された黒川氏の検事総長就任を容認するべきでない。
黒川氏を直ちに退官させ、別の者を次期検事総長に就任させるべきだ。
黒川氏が退官しない場合には、現在の稲田伸夫検事総長は8月8日まで検事総長の職位にとどまるべきだ。8月8日になれば黒川氏は退官しなければならなくなる。
17 )大問題は、黒川弘務氏と 安倍内閣の直接的な癒着関係である !
「内閣や法相が必要と判断した場合、検察幹部の定年を最長で、3年延長できる特例規定」を検察庁法改正案から除去することは、無論必要なことだが、次期国会での法案修正論議以前に、目の前の最重要問題への対応が急務だ。
問題の第一の本質は、黒川弘務氏と安倍内閣の直接的な癒着関係にある。
法改定先送りよりも、黒川検事総長阻止により高い重大性があることを、認識しなければ、一連の騒動は実体的成果をもたらさない。
(参考資料)
検察の反乱が官邸に潰された !
安倍内閣が“官邸の番犬”黒川弘務・高検検事長
を違法に定年延長、検事総長に就任させIR 捜査潰し
(news.biglobe.ne.jp:2020年2月3日)
安倍政権がこの2月に退官が予定されていた検察ナンバー2の黒川弘務・東京高検検事長の定年を半年間、延長することを閣議決定した。検事長の定年延長はこれまで前例がない。夏に交代が予定されている検事総長に黒川氏を就任させるため、官邸が検察人事に無理やり介入したのだ。
これはどう見ても、官邸によるIR汚職捜査ツブシだろう。黒川検事長といえば “安倍政権の番犬”としてつとに有名な法務官僚。菅官房長官ときわめて近く、小渕優子経産相(当時)の公職選挙法違反疑惑で秘書のみが在宅起訴で終わったのも、贈賄側の実名証言まであった甘利明経済再生相(当時)の口利きワイロ事件で、甘利本人はおろか秘書すらも立件されなかったのも、すべて、黒川氏が捜査現場に圧力をかけ、潰した結果だといわれてきた。
しかし、本サイトが1カ月前、秋元司衆院議員逮捕の動きをスクープした記事でも指摘したように(https://lite-ra.com/2019/12/post-5158.html)、黒川検事長の扱いをめぐっては、この間、黒川氏を総長にしたい官邸と、黒川追い落としを図る検察の間で激しい暗闘が繰り広げられていた。そして、東京地検特捜部がIR汚職で秋元議員を逮捕できたのも、この暗闘が関係していた。
話を少し前に戻そう。法務省事務次官→東京高検検事長と、検事総長コースを歩んできたようにみえる黒川氏だが、実は法務・検察内部では同じ35期の林眞琴氏(現・名古屋高検検事長)が検事総長最有力とされており、2016年の人事では、林氏が法務省事務次官に昇格する予定だった。ところが、当時の法務省が官邸に人事案を提出したところ、官邸が当時、法務省官房長だった黒川氏を事務次官に据えるよう求めてきたのだという。
「これは、黒川氏がその直前に、官房長として小渕恵子や甘利明の事件を潰したことへの論功行賞人事といわれました。特に甘利明の事件では露骨でしたからね。東京地検特捜部が政界捜査に着手するときは、その前に、本省(法務省)の官房長に捜査の詳細をあげて根回しをするんですが、地検が甘利の事件でUR(都市再生機構)の職員の立件を決めて、黒川氏にお伺いをたてたところ、『権限に基づく影響力の行使がない』という理屈で突っ返されてしまった。
それで、現場は、『あっせん収賄罪』に切り替えて捜査しようとしたんですが、これについても黒川氏は『あっせん利得法違反で告発されているんだから、勝手に容疑を変えるのは恣意的と映る』などと拒否した。特捜部の現場では『黒川にやられた』というのが合言葉になっていたほどです。
そして、不起訴が決まった2カ月後に、官邸の意向で、強引に黒川氏の次官昇格が決まったというわけです。一説には黒川氏と親しい菅官房長官が直接乗り出したともいわれています」(全国紙司法担当記者)
法務省はその際、しぶしぶ黒川氏の次官昇格を認めたものの、当時の朝日新聞などの報道によると、その際、官邸との間で「黒川次官の任期は1年で、必ず林氏に交代させる」との「約束」ができたとされる。
ところが、政権の番犬として、黒川氏を中央に置いておきたい官邸はこの約束を反故。その後も黒川氏を法務省事務次官に居座らせ続け、検事総長コースである東京高検検事長に昇格させた。そして、林氏は逆に2018年の人事で、名古屋高検検事長に飛ばされた。
●特捜部がIR 汚職で秋元逮捕に踏み切れた
背景に法務・検察が進めていた“黒川切り”
だが、ここにきて、法務・検察内部ではその黒川氏を切り、今回の検事総長人事で林氏を戻して総長に昇格させる計画が進んでいたのだという。
「黒川氏については、そのあまりに露骨な官邸との癒着に、内部、とくに検察の捜査畑出身者の間で相当な不満が高まっていた。一方、林氏はもともと法務省の本流でありながら、政界と距離を置いているため、法務官僚だけでなく捜査畑の検事からも支持されていた。
そこで、法務・検察が一体となって、黒川氏の検事総長就任を阻止し、林氏をラインに戻して総長に据えようとする動きが本格化したんだ。具体的には、現検事総長の稲田伸夫氏が今年2月以降も総長職にとどまり、夏に総長を交代するというもの。
黒川氏と林氏は入省が同期でだが、黒川氏が1学年上の2月生まれで、林氏は7月生まれ。検察は総長だけが定年65歳で、他の役職は63歳のため、検事総長が2月以降も総長職にとどまれば、黒川氏は総長人事の前に定年を迎えることになる。ようするに、法務・検察は官邸に圧力をかけられないよう、黒川を先に退官させてしまうことを狙ったわけだ」
(検察関係者)
これに対して、官邸は自分たちの意のままに動き、政界捜査をつぶしてくれる黒川氏をどうしても総長に据えようと動き、検事総長交代時期を早めるよう圧力をかけていたという。だが、年末に稲田総長の2月以降の続投が決定。黒川退官、林検事総長誕生は確定的といわれていた。
そして、この流れの中で出てきたのが、東京地検特捜部によるIR汚職捜査の着手、秋元議員逮捕だった。「中央政界の疑獄捜査じたいがタブーになってしまった」とまでいわれていた近年の検察にあって、今回、特捜部が現役の与党議員を収賄で逮捕した背景にも、この“黒川退官の決定”が大きく関係していた。
今回のIR汚職捜査を主導しているのはもちろん、特捜部長の森本宏氏。森本氏は『政界の不正を摘発するのが特捜部の使命』と公言する最近ではいないタイプの特捜部長で、かなり前からIR汚職に狙いを定め、内偵を進めていた。ところが、その森本氏は、昨年、地方の地検検事正に異動されそうになっていたのだという。
「これに対して、森本部長自ら『やり残したことがある』として上司に続投を申し入れたらしい。黒川氏の権力が盤石なら絶対に認められない話ですが、その頃には検察内部で黒川氏を2月退官させるという噂が広まり、発言力が低下。それで、森本氏の特捜部長続投が決まり、IR汚職に踏み込むことができた」(前出・全国紙司法担当記者)
しかも、秋元逮捕以降も特捜部は「秋元は突破口にすぎない」と姿勢で捜査を続行しており、このまま黒川氏が2月に退官すれば、特捜部の捜査は政権中枢にまで伸びるのではないか、という見方まで流れていた。
「特捜部の検事たちは口を揃えて『秋元はただの突破口』と言っていましたからね。IR利権の中心は菅義偉官房長官と二階俊博自民党幹事長、本人まではいかなくても、その周辺にはいくだろうと思われていた。
また、『桜を見る会』にからんでジャパンライフを再捜査するという動きもありました。黒川氏の影響力定価で、一時は官邸vs特捜部のガチンコ対決状態になっていたんです」(前出・全国紙司法担当記者)
●“官邸の番犬”黒川弘務の定年延長は
IR 捜査潰し、しかも検察庁法違反だ !
ところが、こうした検察の動きに対して、官邸は今回、冒頭で紹介したように、黒川氏の「定年延長」というウルトラCを打ち出して対抗してきたのだ。これで、黒川氏が今年夏の人事で、検事総長に就任するのはもちろん、IR汚職捜査などの動きが一気に鈍るのは確実だろう。
「実際、黒川氏の定年延長が判明した途端、検察内部では一斉に、『秋元逮捕だけでIR汚職捜査もおしまい』という声があがっています。ジャパンライフ再捜査も難しくなるでしょう」(前出・全国紙司法担当記者)
こうした流れを見れば、今回の人事介入が“官邸の番犬”である黒川氏を論功行賞として検察トップに据えるというだけでなく、その復権によってIR汚職捜査を止めるという目的があったことは明らかだろう。そう、これはどう考えても、安倍官邸による検察への捜査圧力だったのである。
しかも、官邸はそのために、違法行為まで働いた可能性がある。前述したように、検事長の定年延長は前例がないのだが、それもそのはず。今回、安倍政権は国家公務員法の規定にもとづき、黒川氏の定年延長を決めたとしているが、元東京地検特捜部検事の郷原信郎氏によれば、検事長の63歳定年は「検察庁法」で決められていることであり、例外は認められていない。
したがって、検察庁法違反の疑いがあるという。まさに、独裁国家並みの人事介入だが、しかし、マスコミはこの人事について、ごく一部のメディア以外、ほとんど取り上げていない。韓国のチョグク前法相の捜査への圧力や韓国の検察人事の問題にはあれだけ大騒ぎしたテレビも、安倍政権のこんな重大な検察への圧力、人事支配にはダンマリを決め込んでいるのだ。
メディアがこんな調子では、日本が本物の独裁国家になる日もそう遠くはないだろう。
(田部祥太)
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