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安倍政治への小沢一郎議員の見解・詳報は ?
小沢一郎議員:「安倍首相の権力私物化に協力した官僚が、みんな出世する !」
「桜を見る会」疑惑の深層・真相は ?
(webronza.asahi.com:2020年2月24日より抜粋・転載)
(34)小沢一郎が安倍政治を語る・上
佐藤章・ジャーナリスト、慶應義塾大学非常勤講師、五月書房新社編集委員会委員長
2020年02月24日
伊藤詩織|内閣人事局|小沢一郎|桜を見る会|河井案里
司法試験を目指してきた大学院生が27歳で政界に入り、以後、自民党内では政権の中枢でこの国の政治のあり方を目撃し続け、政権党から外に飛び出してからは二度の政権交代を成し遂げて政治改革にエネルギーを注ぎ込んできた。
その小沢一郎の来歴と回想を記してきた『小沢一郎戦記』はいよいよ現時点にさしかかった。
現時点の日本政治は「安倍一強」とも言われるが、全有権者に占める自民党の得票割合は昨年夏の参院選を見ても2割を切っている。
投票率が半分の50%にも満たない低い水準であることも大きい原因だ。大半の国民が日本政治の現状に諦め切った感覚を持っていることがよくわかる。
これを逆に言えば、日本政治に希望が持てる全国的な候補者、政党が現れれば状況が一変し、安倍政治は吹っ飛んでしまうことをも意味している。その意味では、「安倍一強」という言い方は必ずしも正しい言い方ではない。
◆安倍政治への見解 !
現時点のこの政治状況について、小沢一郎(おざわ・いちろう、1942年〈昭和17年〉5月24日 生まれ、77歳。慶応大学経済学部卒業。)はどう考えているのか。
一見すると「安倍一強」だが、その政治の果実は非常に乏しく、「政治の私物化」に必要な権力を維持するために公文書を改竄、廃棄し、疑問だらけのその場しのぎの答弁を延々と続けている。
こんな安倍政治に対する小沢の批判は遠慮のないものだった。
歴史的使命感と深い洞察、持続する情熱で日本政治を揺り動かしてきた「職業政治家」(マックス・ヴェーバー)の小沢にとってみれば、「私物化」だけを頭に置く安倍政治は到底我慢のならないものだろう。
「彼の体質といったものが、こういう私物化、腐敗を生んでいると思います。何をやっても悪いと思ってない感じですね」
安倍政治の評価を聞いた質問に対して、ため息交じりに最初に出てきたこの言葉に、小沢の考え、感情が集約されているだろう。
直近の政治状況についてインタビューした小沢一郎の言葉を3回に渡って報告する。
◆河井案里事件で自民党内にも 不協和音が出てきた !
拡大参院選広島選挙区に立候補した自民党の河井案里氏(左)と街頭演説する安倍晋三首相=2019年7月14日、広島市
――まず真っ先におうかがいしたいのは安倍政権への評価です。「桜を見る会」の問題や河井案里参院議員への1億5000万円提供など政治の私物化が大きい問題になっています。森友や加計問題もやはり政治の私物化の問題でした。こういう安倍首相の政治のあり方について、率直にどうご覧になっていますか。
小沢: どうしようもないくらいです。権力が長く続くと腐敗するということがあるけれども、安倍さんの場合は長いだけじゃない。彼の体質といったものが、こういう私物化、腐敗を生んでいると思います。何をやっても悪いと思ってない感じです。
――そういう感じですね。
小沢: そこが問題なんです。ああ、悪いことをやってしまった、という態度が見えればまだ論評のしようがあるけども、悪いと思わない、平気で嘘をつく。
そして権力をまったく私物化している、おもちゃのようにしているから、もうどうしようもない政権です。いまだかつて日本の憲政史上こんな政権はなかったんじゃないですか。
――具体的に言うと、河井案里さんへの1億5000万円供与の問題では、安倍首相に対して批判的だった広島の溝手顕正参院議員を落とすために、同じ自民党の河井さんに通常の10倍もの資金を注ぎ込んだと言われています。
これに対しては、安倍側近と言われる下村博文衆院議員や、あるいは中谷元衆院議員まで「尋常の額ではない」と言っていますね。同じ自民党内でこういう不公正なことをやる自民党総裁というのは、かつていなかったのではないですか。
小沢: いないですね。実際には選挙を金で動かすのは幹事長なんです。ぼくも、自民党時代に二度三度と全国レベルの選挙を担当したけれども、ぼくは各候補者にも各派閥にも公平に資金を配りました。
だから、とにかく安倍さんの体質だと思う。「あいつは憎らしい、許せない」となって、こっちに金を出そうとなったんですね。
ちょっと自民党内でも、この安倍さんのメチャクチャなやり方には批判が出始めたと思います。不協和音が自民党内でも出てきていると思う。そんな感じがする。
◆桜を見る会:「安倍首相には 最低限の良識や常識が全然ない」
――それから、昨年から非常に問題になっている「桜を見る会」の私物化の問題ですね。招待客の中には、山口県の安倍首相の選挙区有権者が850人いるということがわかっています。
それから、それを含む最低でも5〜6000人いるとされる安倍事務所推薦の招待客。この人たちは、会招待の対象である功労者、功績者ではありません。
これは明らかに税金を使った公職選挙法違反、買収、供応にあたるのではないでしょうか。そしてまた、税金の目的外使用ということで財政法違反でもありますね。
小沢: 当然そうでしょう。これは告発されていますね。
――はい。背任で告発されていますね。
小沢: 要は、検察が動かなければ仕方ないんです。
韓国の検察は大統領と対決してまでやっているのに、日本の検察、警察は官邸の顔色をうかがっているんだからしょうがない。
国としての日本は、その意味ではものすごい後進国だと思います。後進国で全体主義社会みたいなものです。
ちょっとひどすぎる。今までの歴代総理もいろいろとありましたが、それぞれに最低限の良識や常識を持っていました。しかし、安倍さんにはそういうものが全然ない。
――そういうことですね。ひどい警察、検察の話で言えば、小沢さんがまさに体験された陸山会事件というデタラメ捜査の案件がありましたが、最近の典型的な事例では、伊藤詩織さんのケースが指摘されます。
◆警察の「ブラックボックス」
ジャーナリストの伊藤詩織氏がTBS元ワシントン支局長の山口敬之氏に乱暴されたとして告訴した事件は、告訴状を受けた高輪警察署が逮捕状を取るまで捜査しながら逮捕直前でストップがかかった経緯を含めて、社会に衝撃を与えた。
事件の経緯を生々しく描いた伊藤氏の著書『ブラックボックス』(文藝春秋)によれば、山口氏から乱暴されたのは2015年4月3日深夜。酒に強い伊藤氏は、山口氏と飲食中に初めて気を失い、意識を取り戻した時は山口氏のホテルの部屋で乱暴されていた。伊藤氏は乱暴目的で気を失わせる「デートレイプドラッグ」の使用を疑っている。
伊藤氏は高輪署に告訴したが、警察の捜査を指揮する検察は当初から消極的だった。それでも一線捜査員が積極的に捜査し逮捕状を取った。山口氏が米国から一時帰国する2015年6月8日に成田空港で逮捕する予定になっていたが、その直前に警視庁の中村格刑事部長(当時)がストップをかけた。
週刊新潮の取材にその事実を認めた中村氏は刑事部長の直前まで菅義偉内閣官房長官の秘書官を務めており、山口氏自身は安倍首相に関する著作を幻冬舎から2冊出していた。
結局、山口氏は書類送検されたが、東京地検は不起訴処分とし、検察審査会は不起訴相当の議決を出した。
しかし、一方で伊藤氏は山口氏に対して1100万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こし、山口氏も「社会的信用を奪われた」などとして、慰謝料1億3000万円を求めて反訴した。東京地裁は判決で、山口氏の性暴力を認定して伊藤氏の訴えを認め、山口氏の請求を棄却した。
安倍首相に近く、安倍氏の関連本を2冊著している著者が、菅官房長官の元秘書官に逮捕直前に救われるという構図が一般の憤激を呼び起こし、健全な社会常識に与えた傷口は今も疼き続けている。
――山口敬之氏から乱暴されたということで被害に遭った伊藤さんが自ら名前と顔を出して告発しました。
それだけでも衝撃的なことだったのですが、現場警察は準強姦罪で逮捕状を取ったのに、逮捕直前になって当時の中村格警視庁刑事部長がストップをかけるという前代未聞のことまで起こりました。この中村刑事部長は直前まで菅官房長官の秘書官で、さらに山口氏は安倍首相を褒めあげる本2冊を書いた著者だったのですね。
こういう事態は、全警察への国民の信頼を大きく揺るがしたと思います。―以下省略―
(参考資料)
○「桜を見る会」疑惑とは ?
(www.tokyo-np.co.jp:2020年1月21日 20時45分より抜粋・転載)
国土交通省は、1月21日、首相主催の「桜を見る会」を巡る、野党追及本部会合で、内閣府に提出した推薦者名簿の2010〜2015年度分について、公文書管理法で義務付けられた、「行政文書ファイル管理簿」に記載していなかったと明らかにした。
「各界功績者(総理大臣等)」として、招待された人数が、2017年の7595人から2018年は、約2千人多い、9494人に急増したことが、内閣府の提出資料で、判明した。
◆国交省の推薦者名簿:保存期間を、10 年 !
名簿管理を巡っては、2011年〜2017年度分の招待者名簿を管理簿に記載していなかったとして、内閣府の歴代人事課長5人が厳重注意処分となったばかりである。
野党は、他の省庁にも、不記載が広がっている可能性があるとみて、全省庁に調査を要求した。
国交省の推薦者名簿は、保存期間を、10年としているため、文書自体は残っているという。
◆国会議員の支持者達、約9 千人招待 !
菅官房長官はこれまで、2019年に招待した約1万5千人の推薦枠について、聞き取り調査により安倍首相は約千人、副総理や官房長官ら約千人、公明党や元国会議員関係者ら約千人、自民党は約6千人(合計は約9千人)だったと説明した。(共同)
○「名簿はありますよ」「桜を見る会」疑惑を
追及する田村智子議員が断言する理由は ?
(dot.asahi.com:2019.12.9 17:00より抜粋・転載)
AERA ・野村昌二:
「桜を見る会」の問題で、安倍首相を追及する急先鋒に立つ共産党の田村智子参議院議員(54)。11月8日の参院予算委員会で質問し、議論の火ぶたを切った。田村氏自身、「ここまで大きな問題になるとは想定外」と語るが、原動力になったのは政権への怒りだという。
「元々は、予算を無視するやり方が、怒りの出発点なんです。同じ内閣府の予算で、性暴力被害の相談を一元的に受け付ける『ワンストップ支援センター』の運営費が、2018年度は予算不足という理由で計8千万円削減されました。なのに、桜を見る会だけは総理の行事だからと、来年度予算は約5729万円と今年度予算約1767万円の3倍。納得できないですよね」
国民の不信感を一気に高めたのが、野党からの資料請求があった1時間後に、内閣府が出席者の名簿を廃棄したことだ。名簿は、本当に「もうない」のか。
「ありますよ。各省庁の推薦者名簿が保存されているのに、内閣官房の『総理・長官等の推薦者』『与党による推薦者』の名簿だけが廃棄されたというんですが、例えば元国会議員は毎年ではなく年をずらして招待しており、その管理のためにも名簿は必要です。
破棄したのが事実なら、安倍政権のもとで、内閣府と内閣官房は、公文書のまともな取り扱いさえできない行政府になり果てた、ということになります。やましいところがないなら、総理の責任で電子データを復元させ、全ての名簿を明らかにすべきです」
11月25日の参院行政監視委員会では、高齢者相手のマルチ商法で、行政指導を受けた「ジャパンライフ」の元会長に招待状が送られていたことも指摘した。焦点となったのが、受付票に記されていた「60」という番号。総理の推薦枠である可能性が高いことがわかったのだ。
「『60』の意味に気づいた時は鳥肌が立ちました。―以下省略―
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