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検事長の定年延長:安倍首相、「法解釈を変更した結果」と答弁 !
国家公務員法と検察庁法
野党の見解・詳報は ?
(mainichi.jp:2020年2月13日 23時55分より抜粋・転載)
毎日新聞:
安倍晋三首相は、2月13日の衆院本会議で、黒川弘務・東京高検検事長の定年を、半年延長した閣議決定は、法解釈を変更した結果だと、答弁した。
国家公務員法の定年制は、検察官に適用されないとした、人事院の1981年の国会答弁に関し、安倍首相は、「当時、検察庁法に基づき除外されると理解していたと承知している」と認めつつ、「検察官も国家公務員で、今般、検察庁法に定められた特例以外には国家公務員法が適用される関係にあり、検察官の勤務(定年)延長に国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」と述べた。
検察庁法は、「検事総長は、年齢が65年、その他の検察官は、年齢が63年に達した時に、退官する」と定める。
黒川検事長は、誕生日前日の2月7日に退官する予定だったが、政府は、1月31日に、定年の半年延長を閣議決定した。
※補足説明:野党は、14日、「ご都合主義だ」と批判を強めた。
17日の衆院予算委員会集中審議で安倍首相を追究する方針だ。
識者は、「安倍政権は、政治的に高度に中立であるべきだという検察庁法の立法趣旨と理念を無視している」と批判した。
(参考資料)
○【衆院予算委】桜を見る会前夜祭、選択的夫婦別姓制度、東京高検検事長の
定年延長など黒岩、大河原、本多議員らが質問
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2020年2月4日より抜粋・転載)
政府は1月31日、2月7日定年退官する予定だった、東京高検検事長の黒川弘務氏について、半年後の8月7日まで勤務を延長することを閣議決定。これにより検察トップの検事総長に就く可能性が残ったことになると言われています。
国家公務員法では、職務の特殊性や特別の事情から、退職により公務に支障がある場合、1年未満なら引き続き勤務させることができると定めており、この規定を適用して、東京高検検事長の勤務を延長することにしたと説明していますが、検察庁法22条は、「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と定めていることから、野党は恣意的な人事だと批判しています。
本多議員は、黒川氏が報道等で「官邸の門番」「官邸の代理人」などと評価されていること、同氏が法務省の官房長、事務次官として法務行政の中枢にいたなかで、小渕元経済産業大臣の政治資金規制法違反問題で秘書2人の起訴のみで終わったことをはじめ、甘利元経済再生担当大臣のUR(都市再生機構)への口利き疑惑で、大臣室で50万円、事務所で50万円受け取った問題、下村元文科大臣が加計学園からパーティー費用として200万円を受け取ったことをめぐる政治資金収支報告書不記載容疑、森友学園問題で佐川宣寿元国税庁長官はじめ38人など、不起訴が相次いでいることを問題視。
今回異例の人事を強行したことの正当性をただしましたが、森法務大臣は同氏の評判については「承知していない」、検察の仕事については「大臣として評価は控える」と答弁を避けました。
本多議員は、国家公務員法の逐条解説書『逐条国家公務員法』によれば、東京高検検事長は勤務延長が認められる対象者に含まれず、今回の人事は違法だと指摘。世間が東京オリンピック・パラリンピックに沸く最中の8月、黒川氏が検事総長に就くことがくれぐれもないことを願うと求めました。
○【衆院予算委】「少なくとも異例ではないか」
大西議員が東京高検検事長の勤務延長を懸念
(www.dpfp.or.jp:国民民主党:2020年2月5日より抜粋・転載)
衆院予算委員会 が5日におこなった基本的質疑に大西健介議員が立った。東京高等検察庁検事長の勤務延長を閣議決定したことについて、検察庁法は検察官の勤務延長を想定していないのではないかと解釈を示し、「少なくとも異例のことだと認めるべきではないか」と安倍総理に迫った。
大西議員は、中国・武漢市からチャーター機により帰国した日本人を千葉県勝浦市のホテルが受け入れた件について質疑。勝浦市では「風評被害がすでに出ているので、補償を全力でお願いしたい」と要請した。
東京高等検察庁検事長の勤務延長を閣議決定したことについては、森法務大臣は、検察庁法には検察官の定年年齢だけを定めていて勤務延長に触れていないため、国家公務員法の解釈を適用すると答弁した。
それに対し、大西議員は、過去に検事長の勤務延長をおこなった例はないと森法務大臣から答弁を引き出したうえで、勤務延長は厳格な要件がある場合だけ認められ、要件に該当する場合でも「慎重かつ厳格に運用されなければいけない」という解釈を紹介。官邸側が特定の人物を登用するために都合の良い法律解釈をしていないか懸念を示し、検察人事が恣意的にならないように求めた。
○安倍内閣は、閣議決定で、検事長の定年延長 !
検察の独立脅かす介入やめよ !
(www.jcp.or.jp:共産党:2020年2月7日より抜粋・転載)
主張: 安倍晋三内閣が東京高検の黒川弘務検事長(62歳)の定年延長を法律の定めにも反して決定したことに批判が噴出しています。
政権との距離が近いとされる黒川氏を検察トップの検事総長に就任させるため、「禁じ手の人事」を強行したとみられているからです。かつてロッキード事件で田中角栄元首相を、巨額脱税事件で金丸信・元自民党副総裁を逮捕するなど、政界の汚職・腐敗にも切り込んできた検察の独立性を脅かす政治介入の疑いが濃厚です。
◆検察庁法に違反
検察庁法は、定年を検事総長は65歳、検事長を含む検察官は63歳と定めています(第22条)。黒川氏は今月8日で63歳になるため、退官するはずでした。ところが、安倍内閣は1月31日の閣議で、黒川氏の定年を半年間延長するという前代未聞の人事を決定しました。
現在、検事総長を務める稲田伸夫氏は、約2年の任期という慣例に従えば、今年8月で退官となります。黒川氏は半年間の定年延長により、次期検事総長になることが可能になりました。
森雅子法相は、黒川氏の定年延長について「重大かつ複雑、困難な事件の捜査、公判に対応するため」(今月3日の衆院予算委員会)であり、国家公務員法に基づく措置だとしています。
国家公務員法は、定年退職によって公務に著しい支障が生じるという十分な理由がある場合に限り、勤務の継続を認めています(第81条の3)。
しかし、森法相は「重大かつ複雑、困難な事件」の詳細は一切明らかにしようとしません。しかも、国家公務員法の定年に関する規定の適用は「法律に別段の定めのある場合を除き」(第81条の2)とされています。
検察官の場合、「別段の定め」とは検察庁法第22条です。国家公務員法の規定の対象外であることは明白です。
実際、森法相も検察官の定年延長はこれまで一度も例がなく、今回が初めてであることを認めています(同前)。「国家公務員法の規定を使うのは違法、脱法行為だ」と厳しい批判が上がっているのは当然です。
黒川氏は、安倍政権下で法務省の官房長や事務次官も務めてきました。国民の思想・良心の自由を侵害する「共謀罪」法の制定にも携わり、首相側近の菅義偉官房長官に近いと報じられています。
安倍政権の下で、この間、捜査対象になった閣僚らの疑惑が相次いでいます。
菅原一秀前経済産業相や河合克行前法相・案里参院議員夫妻の公職選挙法違反疑惑、元内閣府副大臣の秋元司衆院議員らによるカジノ汚職などです。
「桜を見る会」の疑惑では、背任容疑で首相自身に対する告発状が東京地検に提出されています。
政権中枢に捜査の手が伸びないように、今回の人事を行ったとすれば言語道断の極みです。
◆政治モラル崩壊
独立性・中立性の求められる組織での安倍政権による異例の人事には前例があります。2013年に「憲法の番人」とされる内閣法制局長官に、内部昇格の慣例を破り、集団的自衛権行使の容認派である外務省幹部を起用しました。
今回の黒川氏の人事は、安倍政権が進めてきた国政私物化を検察にも広げようとするものです。政治モラルの崩壊を象徴するものであり、国会での追及が必要です。
○検事長の定年延長問題 “安倍人事”のため「法の支配」を破壊
(www.jcp.or.jp:共産党:2020年2月15日より抜粋・転載)
安倍晋三首相は、検察庁法と国家公務員法の関係について政府解釈を変え、「検察官の勤務延長に、国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」としました。これまで認められなかった検事の定年延長を認めるための「解釈変更」です。「今般」と
明言しており、東京高検の黒川弘務検事長の定年延長の決定(1月31日)に際してのものです。
1981年の国家公務員法改正で公務員の定年制度(延長含む)が盛り込まれた際の政府解釈では「今回の定年制(延長を含む)は(検察官に)適用されないことになっている」とされていました。(同年4月28日、衆院内閣委員会)
12日の衆院予算委員会で人事院の松尾恵美子給与局長は、検事の定年延長は認められないとの解釈について、「現在まで特に議論はなかったので、(従来の)解釈を引きついできた」と述べました。
この答弁について「いつから変わったのか?今回の黒川氏の人事に関してか」との本紙の取材に人事院の担当者も「そうだ」と答えています。
まさに自分に近い人物への人事上の優遇を認めるために法解釈をねじ曲げ、「法の支配」が破壊されています。政治の私物化の根底に人事の私物化があることも改めて鮮明に浮かび上がります。
法律の文言の範囲内で法解釈の変更がありえないとは言えません。しかし、法律の条文と結びついて40年近くも法解釈が定着し、一定の法秩序を形成するに至った場合、法解釈の変更によって「秩序」を変えることは適当ではありません。
国会の法律改正によるべき問題です。また解釈変更を行うにしても、客観的な社会情勢の変化に伴う必要性があることは当然で、時の政権の恣意(しい)的な意向で法解釈を変更することなど許されません。
今回の解釈変更は、「解釈」の名による新たな立法であり、国会の立法権の侵害であるとともに国民主権を侵害するものです。
また、検察官に定年延長が認められなかったのは、検察官が犯罪の捜査や公判の維持など準司法作用を担当することから、人事に内閣が関与し政治的中立性を害することは妥当でないからです。その趣旨からも今回の法解釈の変更は、幾重にも「法の支配」を破壊する野蛮な行為です。
安倍政権は2014年7月の「閣議決定」で集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を強行しました。国会も国民の意思も無視し、一内閣の一存で憲法の内容を変更するという立憲主義破壊を強行した安倍政権は、底が抜けたように近代の政治原則を踏み外し続けています。「まともな政治」を取り戻すためのたたかいは正念場です。(中祖寅一)
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