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東電の旧経営陣3人に無罪判決への識者・野党の見解・詳報は ?
○東電旧経営陣への無罪判決重大事故の責任不問にできぬ !
(www.jcp.or.jp:共産党:2019年9月21日より抜粋・転載)
主張: 2011年3月11日の東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人にたいし、東京地裁は無罪の判決を言い渡しました。避難中に人命が失われ、いまも4万人以上が故郷に帰れず、収束も見えない未曽有の被害をもたらした事故の刑事責任が不問にされたことに、「不当判決」との批判が上がっています。
公判では、事故を防ぐ機会があったにもかかわらず、手だてをとらなかった東電経営トップの姿が改めて浮き彫りになりました。この判決をもって東電は責任を免れることはできません。
◆国民の思いと隔たり
裁判の最大の争点は、福島第1原発の敷地を超える大津波の襲来が予見できたかどうかでした。
国の地震本部は02年、福島県沖などでマグニチュード8クラスの津波地震が30年以内に20%程度の確率で発生すると予測する「長期評価」を公表しました。
東電の依頼を受けた子会社は08年3月、「長期評価」を取り入れて、第1原発に「最大15・7メートル」の津波が到達すると算出しています。敷地の高さ10メートルを大きく超す津波の襲来を示すこの試算について、経営陣3人は08年6月から09年春にかけて担当の社員から報告を受けていたことが、公判などで示されました。
ところが判決は「大津波は予見できなかった」としました。長期評価については「客観的に信頼性、具体性があったと認めるには合理的な疑いが残る」などと否定しました。旧経営陣の主張を全面的に追認したものです。
原発被害者らが各地で提起した民事訴訟では、東電に賠償を認めた判決が相次ぎ、2017年の前橋地裁判決では、東電が巨大津波の高さを試算していたことを根拠に「東電は08年には実際に津波を予測していた」とのべるなど、予見可能性を認定しています。
民事と刑事の裁判の違いはあるとはいえ、今回の判決は国民の思いとあまりにかけ離れたものといわざるをえません。
また判決は、津波という自然現象は正確な予知や予測に限界があるなどとのべ、「(津波の)あらゆる可能性を考慮して必要な措置を講じることが義務づけられるとすれば」「運転はおよそ不可能」になるが、それは困難だと断定しました。
原発停止は「ライフライン」にかかわるなどという理由を持ち出して、経営優先の東電の姿勢を容認した判決は、国民の常識に反するものです。
「絶対的安全性の確保までを前提とはしていなかった」と結論づけて経営陣を免罪したことは、事故がもたらした甚大な被害を直視したものではありません。
◆再稼働は許されない
この裁判は、検察が旧経営陣を不起訴にしたことに対し、市民らでつくる検察審査会が2度にわたり「起訴すべき」と議決し、強制起訴によって始まったものです。公判の中では、東電のずさんで無責任な対応が次々と明らかになりました。
このような東電の体質はあらたまっていません。東電が柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた動きを加速させていることは重大です。再稼働は断念し、被害者への賠償と、事故の収束と廃炉に真剣に取り組むべきです。
○東電旧経営陣に無罪判決 !
歴史に汚点を残す 福島原発告訴団が批判 !
(www.jcp.or.jp:共産党:2019年9月20日より抜粋・転載)
東京電力福島第1原発事故をめぐり業務上過失致死傷罪で強制起訴された元会長の勝俣恒久(79)、いずれも元副社長の武黒一郎(73)、武藤栄(69)の3人を「無罪」とした東京地裁判決について、検察官役の指定弁護士は19日、判決後に記者会見を開き、石田省三郎弁護士は「国の原子力行政を忖度(そんたく)した判決だ」と批判しました。控訴するかどうかは判決文を精査して決めると言います。
石田氏は、原発の規制のあり方について地裁判決が「絶対的安全性の確保までを前提としていなかった」などとしている点を疑問視。原発は事故が起きたら取り返しのつかない事態になります。原発について高度な安全性を求められる電力会社の最高経営陣を免罪したことで、「そういうことをやっていればいいのか、と感じた」と述べました。
福島原発告訴団の会見も行われ、武藤類子団長は「残念の一言」と述べ、「裁判所は間違った判断をしています。福島の被害者に真摯(しんし)に向き合ったのか」と批判しました。 海渡雄一弁護士は「歴史に汚点を残す、取り消されるべき判決。この事件をこのまま終わらせるわけにはいかない」と述べました。
○山本太郎 代表談話:「東電原発事故
経営陣刑事裁判の判決について」
(reiwa-shinsengumi.com:2019年9月20日より抜粋・転載)
れいわ新選組・代表・山本太郎:
○昨日午後、東京地裁において、2011年3月11日に発生した東電原発事故について、東京電力旧経営陣の刑事責任を問う、強制起訴裁判の判決が出ました。結果は、勝俣元会長を始めとする被告3名全員が無罪という極めて不当な判決と考えます。
これまで、すでに全国各地で、東電に対して原発事故の避難者によって民事訴訟が約30件提起され、すでに12件の一審判決が出ている中で、いずれも東電に対しては賠償を認める判決が出ていることを考えれば、ありえない判決といえます。
○今回の裁判の争点になったのは、東電が大地震による巨大津波が引き起こす原発事故を予測し得たかでした。審理の中では、指定弁護士(検察官)から、2002年の巨大地震の長期評価や、08年の東電による巨大地震時に福島第一で15.7メートルの津波が想定されるという試算の存在が指摘されました。
そのような予測や試算があった以上、公共インフラである発電所を運営する電力会社の経営陣は、当然、最悪の事故被害を予測し、対策を講じておくべきでした。
08年当時の内部資料では、東電の子会社の「東電設計」が具体的にCG(コンピュータグラフィックス)にまでする形で、その津波による建屋の水没がシミュレーションされて、「津波対策は不可避」と指摘されていたことも明らかになっています。
これらの事実を考えれば、当然、経営陣の責任は重大だったという結論以外ありえないはずです。報道によると、判決では「津波が来る可能性を指摘する意見があることは認識していて、予測できる可能性がまったくなかったとは言いがたい」とする一方で、「原発の運転を停止する義務を課すほど巨大な津波が来ると予測できる可能性があったとは認められない」としているそうです。
しかし、認識していたのならば、最悪の事態を想定した投資または運転の停止を指示することこそが危機管理であり、それを行わないのは、「業務上の過失」ではないのでしょうか。
○今回、承服しかねる判決となりましたが、
・区域外避難者も含めた、事故により生活が一変した人々への補償・賠償。
・甲状腺がんをはじめとする疾病への支援。
・長期のがん検診を含む無料の健康診断の広域化。など問題は山積みです。
廃炉作業、トリチウム以外の核種も依然含まれている汚染処理水の問題など、果たすべき安全対策を怠り、過酷事故を引き起こした事業者である東電と、国の果たすべき責任が軽減されるものではなく、未来永劫その責任を果たす努力を尽くすのが当然と考えます。
◯巨大地震大国である日本では、今後、南海トラフ地震などの巨大地震が、いずれ必ず起きる、と言われています。その際、原発が稼働していた場合、原発は安全を保てるのか? 稼働していなかったとしても、電源喪失した場合、安全を保てるのか?
それら答え合わせは大地震の後になります。
つまり、その大バクチに負けた際の費用負担は皆さんの税金からです。東電原発事故で明らかになったように、事故が起これば、国土を半永久的に汚染し、そこに住んでいた人々の生業は奪われ、補償賠償は早期に打ち切り、被害者は泣き寝入り、誰も責任など取らず逃げ切り。
これらは、すでに現実が証明しています。
すべては既得権者への忖度のために、ひとたび過酷事故が起こっても、無責任極まりない振る舞いがまかり通る原子力。
これらを打破していかなくては、この国に生きる人々の生命財産など守ることはできません。
◯2018年3月に、私が共同代表をつとめていた自由党を含む当時の野党4党は「原発ゼロ基本法案」を共同提出し、基本理念として、すべての原子力発電所を速やかに停止、廃止することを提案。この法案は与党の抵抗によって審議されないままです。
◯地震大国日本ではふさわしくない原発からは撤退していくとともに、国が積極的投資を行い、日本の廃炉技術を世界最先端に育て上げ、世界に「原発ゼロ」を輸出できる国造り(「廃炉ニューディール」)を推進していくべきです。
再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大していくとともに、現時点では主力に天然ガス火力を活用していくのが「れいわ新選組」が提唱する、日本のエネルギー戦略です。
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