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熊本地裁の判決:ハンセン病隔離政策、家族も被害と初認定 !国に賠償命じる判決、
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/12267.html
投稿者 青木吉太郎 日時 2019 年 6 月 30 日 21:35:03: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 


 熊本地裁の判決:ハンセン病隔離政策、家族も被害と初認定 !

     国に賠償命じる判決、 患者家族の心情 !

     ハンセン病の深層・真相は ?


(www.asahi.com:2019年6月28日14時17分より抜粋・転載)

朝日新聞デジタル:田中久稔・池上桃子:

 ハンセン病患者に対する国の誤った隔離政策で差別を受け、家族の離散などを強いられたとして、元患者の家族561人が国に損害賠償と謝罪を求めた集団訴訟で、熊本地裁(遠藤浩太郎裁判長=佐藤道恵裁判長代読)は28日、国の責任を認め、総額3億7675万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

◆ハンセン病の隔離政策  「背景に国家主義」坂口・元厚労相

 元患者家族の被害に対して国の賠償を命じた司法判断は初めて。判決は国に、原告のうち541人分について33万〜143万円の支払いを命じ、2002年以降に被害が明らかになった20人分は請求を棄却した。原告団は判決後、控訴の断念を国に求める声明を発表。原告以外の元患者家族も含めた補償に向けた協議を求める方針も明らかにした。

 国のハンセン病政策をめぐっては、遅くとも1960年以降は治療法の確立などで隔離の必要がなくなったとして、元患者への賠償を命じる判決が01年に熊本地裁で確定。全国の元患者らに補償がなされたが、家族の被害は顧みられないままだった。北海道から沖縄までの元患者の子やきょうだいらが2016年、1人当たり550万円の賠償を求めて提訴していた。

 判決は、家族が訴えた被害は国の隔離政策が生じさせた人権侵害と認め、「大多数の国民らによる偏見・差別を受ける社会構造をつくり、差別被害を発生させ、家族関係の形成を阻害した」「以前から因習などによる差別はあったが、隔離政策により偏見・差別が維持、強化された」と指摘。実際に差別体験があったと認められない原告も、結婚や就職などで差別されることへの恐怖や心理的負担があり、共通の被害を受けたとした。

 厚生労働相(厚生相)には、遅くとも、1960年の時点で隔離政策を止め、家族への偏見・差別を取り除く義務があり、1996年のらい予防法廃止以降は、長年の被害放置を受けて差別除去への強い義務があったとして、2001年までの対応を違法と断じた。

 2001年判決にはなかった、法務相と文部科学相(文部相)の過失も認定。予防法廃止以降、家庭や職場での人権啓発活動や、学校教育を進める義務があったが、怠ったとした。また、国会議員の責任について、1996年まで予防法の隔離規定を廃止しなかった不作為を違法とした。(田中久稔)

○ハンセン病元患者家族の被害認定 !

  「おやじ、すまなかった」実名公表の赤塚さん

(www.tokyo-np.co.jp:2019年6月29日より抜粋・転載)

東京新聞・朝刊:

 肉親との絆を断ち切られ、冷たい偏見の目にさらされ続けた苦しみに、司法が光を当てた。ハンセン病元患者の家族への差別を認め、救済につながる道を示した二十八日の熊本地裁判決。元患者を隔離する政策を違憲と断じた判決から十八年余りを経て、同じ裁判所で再び歓喜の声が上がった。首都圏の元患者や支援者も判決を喜びつつ、今も続く差別や偏見への苦しみを語った。

 勝訴の瞬間、嫌悪し遠ざけてきた父親の顔が、脳裏に浮かんだ。ハンセン病患者だった父の無念が身に染みて分かったのは、亡くなった後。「おやじ、すまなかった」。鹿児島県・奄美大島に暮らす原告副団長の赤塚興一さん(81)は、贖罪(しょくざい)の思いを胸に、実名を公表して裁判を闘った。

 小学生の時、父が国立療養所の奄美和光園に入所した。赤塚さんは周りから「こじき」と呼ばれ、友人の親には理由もなく顔を殴りつけられた。「おやじのせいでこんな目に」。父への忌避感が心に刻み込まれた。故郷から逃げるように上京し、町工場で働いた。「元気にやっているか」。気遣う父の手紙に、一度も返事を書いていない。地元に戻り名瀬市(現在の奄美市)で市議になってからも、父の病は伏せた。

 忘れられないのは、赤塚さんの家に遊びに来て、幼い孫を抱く父のうれしそうな姿だ。子どもにうつるのでは、早く帰ってほしい−。そんな思いが口をついた。「おまえがそんなことを言うなら首を切って死ぬ」。血走った父の目。差別の痛みを知りながら、

いつしか父を差別していた。後悔は消えない。父は一九九〇年に亡くなった。

 二〇〇一年、国の責任を認めて元患者への賠償を命じた熊本地裁判決により、父が受けた被害と無念の深さを思い知ったという。「もう、隠したくない」。偏見におびえ、父の存在を隠し続けた人生と決別し、実名を明かして集団提訴に加わった。

 患者の処遇が誤りだったことが公然の事実となった今でも、差別は「霧のように残っている」と感じる。「いつまで家族は、びくびくしなければいけないんですか」。昨年十二月、最終弁論で訴えた。思いは裁判官らに届いたのだろう。それでも心は晴れない。二十八日、家族を救済に導く判決が出て支援者から祝福されても、力なく笑って応えるのが精いっぱいだった。

(参考資料)

ハンセン病とは ?

(www.niid.go.jp:2016年4月7日 より抜粋・転載)

 ハンセン病は皮膚と末梢神経を主な病変とする抗酸菌感染症 で、現在は途上国を中心に患者がいるものの、日本では毎年数名の新規患者の発生で、過去の病気になってきている。しかし、感染症法の前文には「我が国にお いては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓とし て今後に生かすことが必要である。」と記載されている。

 ハンセン病は社会との関係を抜きにしてはこの疾患の本質を理解することはできない。

 なお、従来本疾患は「らい」、「癩」などと呼称されてきたが、これらの呼称は、現在は偏見・差別を助長するものとして使用せず、「ハンセン病」が正式病名である。

◆疫学

らい予防法の廃止(1996年)に伴い届け出制度はなくなったが、ハンセン病研究センターなどが新規患者の調査を行っている。

日本の新規患者は毎年、日本人は数名、在日外国人は約4名である。日本人では沖縄県出身者が半数を占めているものの、新規患者の減少が著しく、かつ高齢化している(表)。一方、在日外国人患者についてはブラジルなどの患者の多い国からの出身者が目立つ。

 なお、日本は衛生環境や栄養、経済などの向上により、日本国内で新たに感染・発病する心配はない。一方、世界では年間約22万人の新規患者がいる。インド、ブラジル、インドネシア、ナイジェリア、エチオピアなどに多くの患者がいる。

◆ハンセン病の病原体

ハンセン病の原因であるらい菌(Mycobacterium leprae)は結核菌と同様に抗酸菌の仲間で、1873年(明治6年)にノルウェーの医師ハンセンによって発見された(図1)。らい菌は31℃前後が増殖の至適温度のため皮膚を好んで侵す。また末梢神経(シュワン細胞)に親和性があり、主に表在の末梢神経に障害を起こす。しかし、心臓や肺、肝臓などの内臓が侵されることは極めて稀であり、ハンセン病が原因で死に至ることはほとんどない。

 らい菌のゲノムサイズは、3.3Mbである。蛋白質をコードする遺伝子は1,604である一方、1,116の偽遺伝子が存在し、このことが、らい菌が、試験管内において培養不能であることの原因ではないかと推測されている。

 菌に毒力はなく、発病に繋がる感染源は、菌を多くもっている未治療患者からのヒト対ヒトの飛沫感染といわれている。感染成立に重要なのは乳幼児期で、そ の時期の濃厚で頻回な感染を受けた者以外ではほとんど発病につながらない。感染から発病までには、その人の免疫能、栄養状態、衛生状態、経済状態、菌量、 環境要因など種々の要因が関与するため、長期間(数年〜数10年)を要し、万一感染しても、発病せずに一生を終えることがほとんどであり、遺伝病ではない。

◆臨床症状

痒みや痛みなどの自覚症状のない治りにくい皮疹で、白斑、紅斑、環状紅斑(図2)、結節など多彩である。皮疹にほぼ一致して知覚の鈍麻や麻痺を認める。これは末梢神経がらい菌によって障害されたためである。さらに、毛根や汗腺も障害されて、脱毛や発汗低下も起こる。

 ハンセン病は他の疾患と異なり、らい菌に対する宿主(ヒト)の反応によって多様な病変(皮疹、神経症状など)を示す。多様性はハンセン病の大きな特徴で、その両極では、全く異なる疾患と見紛う程である。

 体内のらい菌の数、皮疹の数や性状、神経障害の程度(知覚障害、神経肥厚、運動麻痺など)、病理組織所見などからハンセン病は4つの病型に分類される。この分類は基本的には患者のらい菌特異的な免疫応答の幅である。

すなわち、発症初期のI群、その後らい菌に対し免疫能が高いTT型、全く反応しないLL 型、それらの中間のB群(BT型、BB型、BL型)に分類される(Ridley-Jopling分類)。またTT型、I群、BT型の一部は検査でらい菌を 検出しにくいので少菌型(paucibacillary:PB)、LL型、BL型、BB型、一部のBT型は検査でらい菌を検出できるので多菌型 (multibacillary:MB)とも分類される(WHO分類)。このPBとMBの分類は治療法の選択にも使用される。

 治療中、あるいは治療前後、らい菌の菌体成分に対する免疫反応が生じ、急速な末梢神経の障害(疼痛、運動障害など)や皮疹の再燃、新生、発熱等が起こる ことがある(らい反応)。らい反応の症状で初診することもある。らい反応では重い神経症状をおこし、後遺症を残すことがあるので早期の対処が必要である。

 日本では知覚症状を伴う皮疹、神経障害(知覚、運動、肥厚)、らい菌(スメア検査、PCR検査、病理組織検査)、病理組織の4項目を総合して診断する。

◆病原診断

1) らい菌検出の検査:らい菌は現在まで培養に成功していないため、皮膚スメア検査と、病理組織検査、PCR検査の3つの検査で検出に努める。可能ならば3検査を全て行う。

2) 知覚検査:触覚、痛覚、温冷覚を検査する。閉眼させ、正常部と比較させる。さらに皮疹のない部分も検査する必要がある。神経内科では神経伝導速度の検査も行う。

3) 他の神経学的検査:神経の肥厚(大耳介神経、尺骨神経、橈骨神経、総腓骨神経等)、運動障害(手足の屈曲、物を掴む・挟む運動など)、などを検査する。

4) 病理組織検査:皮疹部の皮膚、肥厚した神経などをメス等で採取する。通常のHE染色の他、抗酸菌染色(らい菌を観察)、S100染色(神経を観察)などを行う。

5) 血清抗PGL-I抗体検査:抗PGL-I抗体は感染指標の補助的検査として用いられる。

◆治療

 治療の基本は、不可逆的な後遺症となる神経症状(神経炎、らい反応、後遺症などでおこる)を起こさず、らい菌を生体から排除することである。

 治療は世界保健機関(WHO)の推奨する複数の抗菌薬[リファンピシン(RFP)、サルファ剤(DDS)、クロファジミン(CLF)]をPBでは半年、MBでは数年間内服する(多剤併用療法, MDT)(図3)ことで治癒する。

 ハンセン病による神経炎の治療は抗菌薬療法を継続しながら、炎症を抑制するために、ステロイド内服薬を適宜投与する。さらに日常生活での患者教育も重要 である。特に、温痛覚麻痺のある部位に対する外傷や火傷の予防とこれらの傷害の早期発見に努める。手足の隅々まで外傷がないかどうかを、毎日点検する習慣 をつける指導を行う。

(国立感染症研究所ハンセン病研究センター 石井則久)

 

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