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東京地裁へ出頭(下):ゴーン容疑者はやつれた印象も存在感は法廷でも健在 !
(news.livedoor.com:2019年1月8日16時00分より抜粋・転載)
(上)は、前回投稿済みです。以下はその続きです。
■「日産は大事な、象徴的な会社」
《日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)の勾留理由開示手続きで、ゴーン容疑者の意見陳述が東京地裁で続く》
《ゴーン容疑者は平成20年10月、日本円で受け取っていた日産の報酬をドルに換えるため「スワップ取引」と呼ばれる通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引を自身の資産管理会社と新生銀行との間で契約。
ところが、リーマン・ショックによる円高で評価損が急速に拡大し、銀行側から巨額の追加担保を求められたため、約18億5000万円の評価損を含んだ契約を日産に付け替えたとされる》
ゴーン容疑者:「約20年前、日産に入り、日本に赴任し、米ドルでの報酬を要望しましたが、できないと言われ、日本円で支払う契約を結ばされました。
私自身、米ドル建ての生活を基本としていました。子供は米国に住んでいます。レバノンと強い結びつきを持っています」
《このため、ドルでの収入を得たかったと説明したゴーン容疑者。傍聴席から口元はうかがえないが、はっきりとした声が法廷に響いている》
ゴーン容疑者:「私は日産に入って間もない2002(平成14)年以降、為替スワップ契約を結びました。その後、日産の株価は1400円になりました。
ところが08〜09年の金融危機で、株価は400円になり、その後250円にまで急落しました。株価はピーク時の80%下落し、ドルも下がりました。
これは誰も予想しなかったことです。銀行の仕組みは機能しなくなり、スワップ契約していた銀行は担保を差し入れるよう要求してきましたが、私は応えることができませんでした」
ゴーン容疑者:「私は2つの選択を迫られました。一つは日産を退職して、退職金を受領し、銀行に担保として差し入れることでした。
しかし、この重大な局面で退任することはできませんでした。船長が嵐で船から逃げ出すことはできないのです」
《ゴーン容疑者の声が一層、明瞭になる》
ゴーン容疑者:「もう一つは知人から日産に損失を負わせない限りで担保を要請することです。私は2番を選びました。この間、日産に一切、損害を与えていません」
《ゴーン容疑者の説明は、サウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏に移る。リーマン・ショックによる損失の拡大で銀行側から約10億円前後の追加担保を求められたゴーン容疑者の窮地を救ったのが、ジュファリ氏だった。
ジュファリ氏が約30億円を担保に外資系銀行から信用状を発行したため、ゴーン容疑者は追加担保を免れることができたとされる。
ゴーン容疑者には、そのジュファリ氏が経営する会社に平成21〜24年、日産子会社「中東日産」(アラブ首長国連邦)から計1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させた疑いが持たれている》
ゴーン容疑者:「次にハリド氏についてです。長年、日産の支援者であり、パートナーです。ハリド氏の会社は資金調達を支援してくれたし、地元の販売代理店の紛争のときにも支援してくれました。
実際、販売代理店を立ち直らせ、トヨタなどの強豪他社に勝てるようにしてくれました。日産に極めて重要な業務を推進してくれたので、関係部署の承認に基づき、対価を支払いました」
《販売店とのトラブル解決のほか、「ハイレベルな交渉」への協力などもハリド・ジュファリ氏の功績だったと説明。対価の正当性を強調する》
《ゴーン容疑者は続いて、金融商品取引法違反について言及する。ゴーン容疑者は、側近で前代表取締役のグレゴリー・ケリー被告(62)=金融商品取引法違反罪で起訴=と共謀し、平成22〜26年度のゴーン容疑者の報酬を約48億円過少に有価証券報告書に記載したとして、金商法違反容疑で昨年11月19日に逮捕された。
さらに27〜29年度分についても約42億円過少に記載したとして12月10日に同容疑で再逮捕された》
ゴーン容疑者:「CEO(最高経営責任者)の間、フォードやゼネラルモーターズなど4つの会社から招聘(しょうへい)を受けました。
好待遇の条件を申し出てくれましたが、日産を見放すわけにはいきませんでした。
日産は私にとって非常に大事な象徴的な会社だからです。会社は移りませんでしたが、私の市場価値、すなわち報酬に記録を付けることにしました。これは法的効力があるものではありませんでした」
《日産を「象徴的な会社」としたゴーン容疑者。堂々とした背中に傍聴席の視線が注がれている》
■「私は無実です」「不当に勾留されている」
《日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)は、東京地裁で行われた勾留理由開示の手続きで、用意した書面に時折目を落としながら、はっきりとした口調でゆっくりと自身の主張を続ける。
有価証券報告書への報酬過少記載の容疑についても言及。合理性を追求した経営手腕で知られたゴーン容疑者は、一種の思考テストを持ち出して論理的に主張を展開していった》
ゴーン容疑者:「地検による訴追は誤っている。私は開示されていない報酬を受け取ったことはない。(退任後に受け取る予定とされた報酬についても)法的な効力のある契約を締結したこともない。
退職後に受け取る報酬について、社外弁護士と相談し、承認されていると理解しており、金融商品取引法に違反する意図はありませんでした」
ゴーン容疑者「ここで、『死亡テスト』をしてみたいと思います。きょう、私が死亡したとして、私の相続人が日産に退職慰労金以外の支払いを求めることができるでしょうか。答えは明白に『いいえ』です」
《かけられている容疑についての主張を終えたゴーン容疑者。日産の再生に人生をかけ、経営のためにいかに尽くしてきたかを蕩々(とうとう)と語る》
ゴーン容疑者:「私は人生の20年間を日産の経営とアライアンス構築にささげてきた。昼夜を問わず、地上、機上でも、世界中で働く日産の従業員と肩を並べて価値を作ってきた。日産は1999(平成11)年に2兆円の負債を抱えていたが、2006(同18)年には1・8兆円の現預金を持つようになった。
1999年に250万台だった販売台数は、2016年には580万台にもなり、利益を上げた。人気車種だった『フェアレディZ』『GT−R』を復活させ、中国やロシア、ブラジル、インドにも進出した。『リーフ』で電気自動車にも参入した」
ゴーン容疑者:「三菱自動車をアライアンスに招き入れた。このアライアンスは世界一の自動車企業として年間1千万台を生産している。
国内、国外で無数の雇用を創出し、日産を日本経済の主軸にすることができた。これらは日産従業員のチームによって成し遂げられてきた。日産の成果は家族の次に私の人生の喜びです」
《最後は裁判官に語りかけるように自身の無実を訴えた》
ゴーン容疑者:「私にかけられている容疑について、私は無実です。私は常に誠実に行動してきました。
数十年のキャリアで、不法行為による追及を受けたことはありません。裁判長、根拠もなく嫌疑をかけられ、不当に勾留されています。以上」
《主張を語り終えたゴーン容疑者。鋭い視線を裁判官に向けたまま、続いて始まった弁護人の意見陳述に耳を傾けた》
■「検察官、裁判官は3者合意を看過」弁護人の元特捜部長
《私的な投資の損失を日産に付け替えたなどとされる特別背任容疑で再逮捕された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)。
8日に東京地裁で行われた勾留理由開示手続きで自ら意見陳述に立ち、「容疑はいわれのないもの」「不当に勾留されている」と潔白を訴えた。続いて、ゴーン容疑者の弁護人が、無罪主張の詳細について法廷で説明する》
《今回、弁護人が勾留理由を説明するよう地裁に求めたゴーン容疑者の再逮捕容疑は2つある。
(1)平成20年10月に、自身の資産管理会社と新生銀行との間で契約した通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引で生じた約18億5000万円の評価損を日産に付け替えた
(2)契約を戻す際、信用保証に協力したサウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏の会社に21〜24年、日産子会社から計1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させた−とする内容だ》
《多田裕一裁判官から意見陳述を促された元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士(63)は、(1)について「嫌疑なし」、(2)についても「勾留するに足る嫌疑があるとは到底思えない」と主張した。
別の弁護人は、ゴーン容疑者が新生銀行と契約更改をした際、資産管理会社、日産、新生銀行との間で「日産に損失を与えない」との合意があった、と述べた》
弁護人:「差損金の支払いにあたっては、資産管理会社が日産に支払い、日産が新生銀行に支払う、というものでした。
(逮捕容疑には)『評価損約18億5000万円を含むスワップ契約上の損失を負担すべき義務を負わせた』とありますが、検察官はこの3者合意を看過し、裁判官もこの点を看過して逮捕状、勾留状を発付したものと思われます」
《法廷では、記者が数分置きに出入りしており、弁護人の前に座ったゴーン容疑者が、時折、傍聴席に目を向ける》
《2008(平成20)年のリーマン・ショックで、損失が拡大。ゴーン容疑者は、新生銀行から巨額の追加担保を求められたという》
弁護人:「時間的余裕がない中、新生銀行から被疑者に『日産の資産を追加担保にできないか』との話がありました。
この提案に合わせ、新生銀行から、日産に金銭的負担をさせないことについて、日産の取締役会の承認を得るよう求められました」
《弁護人はこうした行為が「特別背任にあたるはずもない」と指摘し、新生銀行側からも懸念は示されなかった、と話した。ゴーン容疑者は、取締役会の決議を経た上で、スワップ契約を更改したという》
弁護人:「2009(平成21)年1月には、差損金が資産管理会社から日産へ支払われ、さらに日産から新生銀行に支払われました。3者合意は一応、履行されていたのです」
《多田裁判官が「では、ここで一旦」と言葉をはさむと、女性通訳がこれまでの弁護人の説明を英語で読み上げる。ゴーン容疑者は通訳に目を向けた後、前に向き直った》
■弁護人「検察官はジュファリ氏の取り調べを行っていない」
《東京地裁で行われた日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)の勾留理由開示手続き。意見陳述が終わると、弁護人が無罪主張の詳細を説明し、女性通訳が丁寧に英語に翻訳していった》
弁護人「被疑者は、検察官から評価損を隠蔽(いんぺい)したかったのではないかと言われ続け、まるで一方的に不当かのように追及されています」
《弁護人は強い口調で東京地検特捜部の捜査を批判した。ゴーン容疑者は平成20年10月、資産管理会社と新生銀行(東京)との間で契約した通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引で生じた約18億5000万円の評価損を日産に付け替えた疑いが持たれている。
当時、リーマン・ショックの影響で急激な円高により多額の評価損が生じたため、新生銀行から巨額の追加担保を求められたゴーン容疑者は同月末に付け替えを実行したというものだが、弁護人は反論する》
弁護人:「損失負担する義務を日産に負わせた事実はない。また故意もないことは明白だ」
《傍聴席の後ろに掲げられている時計の針は間もなく正午を指そうとしていた。陳述の弁護人が交代する前、多田裕一裁判官は少し早めに陳述書を読み上げるよう促した。通訳を介すため、予定より時間が押していたのだろう》
弁護人:「検察官は(サウジアラビアの実業家のハリド)ジュファリ氏の取り調べを行っておらず、供述を得ていない」
《銀行側から約10億円前後の追加担保を求められたゴーン容疑者の窮地を救ったのがジュファリ氏。ジュファリ氏が約30億円を担保に外資系銀行から信用状を発行したため、ゴーン容疑者は追加担保を免れることができたとされるが、弁護人は、特捜部がジュファリ氏の聴取を行っていないと明かしたのだ。
その上で、弁護人らがジュファリ氏から聞き取った言葉を日本語に訳したうえで陳述した》
弁護人「(私は)聴取を受けておらず、最近になって(特捜部から)質問書が送られてきたところである。自分や自分が関わっているようなことは報道などから知っているが、自分や自分の会社の名誉を毀損(きそん)するものがある…」
《ゴーン容疑者は21〜24年、ジュファリ氏が経営する会社に、日産子会社「中東日産」(アラブ首長国連邦)から計1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させた疑いが持たれている》
《「投資に関する王族へのロビー活動や現地有力販売店とのトラブル解決などへの報酬だった」。これが約16億円についてのゴーン容疑者の主張だ。
弁護人がジュファリ氏から聞き取った内容もこの主張に近い。特捜部は、トラブルの記録が日産本社に残っておらず、信用保証で協力を得る前はジュファリ氏側に多額の現金を支出した実績がないとして、信用保証への謝礼や損失の穴埋めに充てられたとみている》
弁護人:「(特捜部は)信用の謝礼として振り込ませたと考えているようだが、全くの事実誤認である」
《ゴーン容疑者は左手をほおにあて、じっと目を閉じて聞き入る。検察官が腕時計に目をやった。法廷の時計はすでに正午をまわっている。弁護人は少し早口で陳述を進め、最後にこう締めくくった》
弁護人:「勾留するに足る嫌疑がないことは明白である。逃亡の恐れはない。証拠隠滅の恐れもない」
《公判の様子を速報するため傍聴していた記者が入れ代わり立ち代わり席を立つ。女性通訳が陳述のすべてを英語に訳し終えると、一瞬の静寂が法廷を覆った》
裁判官:「これで勾留理由開示を終わります。傍聴人の方は退廷願います」
《ゴーン容疑者が傍聴席を見回した。その視線の先に、フランスとレバノンの駐日大使の姿があった》
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