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「報道特集〜政治とネットの蜜月検証」を見て思ったこと 〜 ネットメディアの登場によって可視化されたのは既存メディアの惨状
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投稿者 pochi 日時 2011 年 1 月 20 日 13:19:24: gS5.4Dk4S0rxA
 



誰も通らない裏道
2011/01/19

「報道特集〜政治とネットの蜜月検証」を見て思ったこと 〜 ネットメディアの登場によって可視化されたのは既存メディアの惨状である


1月15日、TBSの報道特集で、「政治とネットの蜜月検証 」という特集があった。
私は放送中にtwitterのタイムラインでそのことを知ったので、番組自体は途中からしか見ることができなかったが、一方で同番組でインタビューを受けた岩上安身が、TBSの取材時の模様をUSTREAMで生中継しており、そのアーカイブをネット上で全編、見ることができた。その映像がこちら↓。



報道特集を見ていた人のtweetのまとめはこちら↓。

・TBS報道特集「政治とネットの蜜月検証」金平茂紀 x 岩上他済

この番組はタイトルこそ「政治とネットの蜜月検証」だが、その裏にあるのは、最近、ネットメディアに出演することが多い小沢一郎に対する既存メディアの意趣返しであろう(菅直人も現役首相として初めてネットの番組であるビデオニュース・ドットコムに出演したが、これは小沢への対抗意識という側面が強いと思われる)。
したがって、番組が主張するところは、「このところ政治家がネットメディアに積極的に出演している」→「しかしネットのいわゆるダダ漏れというのは、つまるところ政治家が自分の言いたいことを述べたてる場でしかない」→「しかし、それでは権力に対するチェック機能が働かないのではないか(それをするのがジャーナリズムの使命である、既存メディアにはその機能がある)」→「取材プロセスの可視化とか、報道の可視化とか、つまりエディトリアルをすること自体がよくないというのはいかがなものか?」といったところで、最後にこの番組のキャスターである日下部なる人物は「編集されることと恣意的にねじ曲げるのは別なのに、編集されるのを理由にして既存メディアを拒否するのは政治家としてあまりにもひ弱ではないか?」と締めくくった。これは明らかに小沢一郎を意識しての発言である。
ま、この日下部のコメントは論外だが、もう一人のキャスターで、この特集で岩上にインタビューをした金平茂紀は、今のマスメディアの中ではまともな部類に入るのだろう。ただし、それでもやはりその発言には相当、違和感があったことも事実である。そこで以下に金平の発言を引用して、私の感想を書いてみる。

金平発言 その(1)
******
既存メディアの一部の人たち、あるいは一部ではないか、もう少し多いですね、、、は既存メディアvs.インターネットを基盤にする新興メディアみたいな枠組みでモノを考える人がいるというのは、僕ははっきり言って古すぎるし、それ以上に自分たちの可能性をダメにしていっているというふうに個人的には考えているんですよ。
ただね、マスメディアに対する政治家が抱く不信ということに関して言えば、ダダ漏れですべてありのまま、初めから終わりまで全部垂れ流しにするのが真実を伝えことになるのかどうなのかということで言えば、マスメディア、あるいはジャーナリズムの機能として、その中の何が重要で、何がニュース性があるかということについての一定の価値判断が働く局面というのがありますですよね。活字で言えばもちろん字数の問題がありますし、テレビで言えば時間数の問題、枠というものがありますね。エディトリアルというのはものすごく大事で、つまりエディトリアルの質を競うというところが実はジャーナリズムのクオリティを高いもの、低いものっていうようなことで競うという伝統というのは、まあこれは長い歴史があるジャーナリズムの中での伝統的な考え方ですよね。
******

金平発言 その(2)
******
「私が申し上げたのは、政治家というのはある種の権力を持っているからというのがあってですね、1対1の市井の市民と、私たちが対等に向き合って真剣勝負をやるというようなこととは違う局面があって、権力を持っている人たちは自分たちにとって都合のいいものを一方的に流すということになると、それはチェックができないというかね。僕は古い考え方を言っているですよ、非常に伝統的なね、メディアが果たすべき機能として、力のあるものに対してチェックをする。それともう一つはアジェンダセッティングという、私たちが考えるべきものはどういう問題なんだろうかということを提示するというようなね。で、それは質問の切り口とか、そういう攻め口で、そういうものが自然に浮かび上がってくるということが、もちろんあるでしょう。それも大きな意味でいうとエディトリアルですよね。で、エディトリアルが僕らのある種の生命線みたいなところがあってですね、それを「いやそうじゃないんだ」と、私たちは生のものを全部差し出すことによって、見ている人にそれをいちいち全部判断してもらえばいいと、それはなぜならば見ている人たちにエディトリアルの権利があるからだというね、そういう考え方はもちろんあるでしょう。それを僕は否定するつもりはないんですが、僕の立場は、なぜこういうことをお聞きするかというと、問題意識が同じで今の既存のメディアというものが、そういう機能というかね、そういうものを恐ろしく失っていると思うから、危機感を抱いているんですよ。で、そこのところは同じだと思うんですよ、で、その次の段階が恐らく真逆だと思うんですよね。」
******


最初に結論を言ってしまえば、ここで金平が言うところの「エディトリアル」の質の低さが、近年のネットメディアの台頭によって可視化されてしまったところに、今日のメディア不信の原点がある。
ちなみに私が言うネットメディアというのは、ネットを基盤にしてフリーで活動しているジャーナリストのみならず、その他、一般の多くのブログをも含むのだか、もちろん星の数ほどもあるブログの質が玉石混交であることは間違いない。しかし、その中から玉を探し出すことが容易であることが、ソーシャルメディアの最大の特徴なのである。
私の場合で言えば、「これは信頼できる」と思ったブログを読んだり(現状、政治系のブログでRSSリーダーに登録されているのは200弱だが、もちろん見出ししか読まないもの、じっくり読むものなどの区別がある)、twitterのTLを見ることで、日々のニュースに対する考え方をまとめていく。そうやってソーシャルフィルターにかけられた情報は、少なくとも私自身にとっては、マスメディアが上から目線で提供する「アジェンダセッティング」とは比較にならないほど有益である。
もちろん、自分好みのブログを読んだりtwitterのTLを作れば、情報の見方が偏るという意見もあるだろうが、幸いなことに現状では、まさにマスメディアの論調が私の見方とは対極にあるので、それにも合わせて目を通すことが、ネットから得る情報の検証になっている。

それにしても、、、

「ダダ漏れは権力者の都合のいいものを一方的に流す」という発言は、ネットジャーナリストに失礼な言い方である。つまり、ここで金平が言っているのは、「自分たちはプロのジャーナリストだが、ネットのジャーナリストなんて所詮、素人で御用聞きでしかないだろ」ということだ。
しかしながら、実際に少しずつではあるがオープン化された記者会見の中継をネットで見ると、圧倒的にくだらない質問をしているのは、その自称「プロのジャーナリスト」の連中である。
しかも、それがメディアに露出する時にはさらに「編集」されているからたまったものではない。
(記者会見の完全版と編集版、いわゆるビフォー・アフターについては、当ブログ、本年最初のエントリーで紹介した動画を参照してください)

ただし、繰り返しになるが、そのマスメディアの劣化が可視化されたからこそ、ネットでの言論が勃興したとも言える。
そして、現在、ネットの一部には小沢待望論がある。もちろん、これがこの国の世論だというつもりは毛頭ない。数から言えばきわめて少数派ではある。しかし「マスメディアが言っていることはおかしいんじゃないか?」と気づき始めた人が増えていることもまた事実だろう。

今、マスメディアの経営が加速度的に苦しさを増しているのは、広告収入が激減しているからである。これまで、寡占化された市場の中で暴利とも言える広告収入を得てきた各社は、ネットが参入したことによって競争を余儀なくされ、結果、マスメディアの広告市場は調整局面に入った。
それと同じことが、実はメディアの本業においても起きているのだと私は思う。
これまで、「ジャーナリズム」という“商売”を独占し、あらゆる既得権益という脂肪を身につけた既存メディアは、結果、徹底的に劣化した。ところが、ネットメディア、ネットジャーナリズムが参入してきたことで、彼らと競争しなければならなくなった。
もちろん、メディアは本来、そんな競争はご免である。だから、記者クラブの殻に閉じこもり、必死になってネットを基盤とするフリーランスを排除しようとする。だが、いくら排除しようとしても、もはやそれはできない。なぜなら、情報を受け取る側、つまりお客がネットの方へシフトし始めたからだ。
そして、そのトレンドをいち早く察知した政治家がネットを重視し始めたとしても、それは当然の成り行きと言うべきだろう。

私も既存メディアの中で広告営業をしてきたが、告白すると、ネットが台頭してきた当初は、それを苦々しく思っていた一人だ。何しろ商慣習がまったく違う。それは、既得権益側から見ると、業界秩序を乱す存在にしか見えなかった。しかし、客はどんどん自分たちから離れてネットの方へ行く。
当初は、「まあクライアントも一度は新しいことを試してみたいんだろうけど、そのうちまた戻って来るだろう」とわれわれも、あるいは広告代理店も思っていたのだが、もとよりそれは根拠のない希望的観測でしかなく、実際、少なからぬ客は戻って来なかった。あるいは、戻ってきたとしても、これまでとはまったく異なる要求をしてくるようになった。
そうして気がつくと、これまで営々と築いてきたビジネスモデル、少し前までは漠然とではあるが、これからもずっと続いていくだろうと信じて疑わなかったビジネスモデルが脆くも崩れ去っていたのだった。
今、ジャーナリズムにも、その波が押し寄せている。だが、ことの重大性に気づいているジャーナリストは、残念ながらほとんど見当たらない。


http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2011/01/115-ccf4.html
 

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コメント
 
01. 2011年1月20日 20:55:51: cljcsjP9B2
まともな国民は、すでに、お前達「ジャーナリズムのチェック機能」など、信じていないのだよ。

チェックは、国民自身がするのだよ。

いったい、何様のつもりなのかね、大マスゴミと言うやつ等は。

そもそもお前等は、ジャーナリストじゃ無いだろう。


02. 2011年1月21日 07:25:50: YnIVqi6406
モハヤ イトテキニ グシャノラクエン ヲ ツクロウトシテイル トシカオモエナイ。ヒト トシテ キホンテキナ ユルギノナイ キョユウデキル カチカン ヲ ツクリアゲル ソノ アトオシヲスルヤクメコソ メディア ノ セキムダトオモイマス。 ヘンコウホウドウ ト イワレテイルノハ ヤハリ ドウシテモ ニオウ ノデス イマノ アリカタ ヲ ハンセイシ キリカエテ イタダキタイ。 サモナクバ スイタイスルコトハ ジメイノリ ダト カンガエマス。

03. 2011年1月21日 13:09:20: f9Pixgcxpc
大メディアのジャーナリストたる者は、小沢氏の「政治と金」の本質を論じていただきたい。アドバルーンたる「政治と金」は見飽きたし聞き飽きた、その向こうにある本質的な問題を探り当てるのがジャーナリストの使命でなかろうか。

04. 2011年1月21日 18:20:40: EJKxpWErSM
そういや、10年前にできたばっかりの朝日新聞社系の広告会社の社長が「新聞がインターネットに抜かれる?そんな馬鹿なことあるわけないじゃないですかw」と笑ってたが、馬鹿やね。

05. 2011年1月21日 21:31:03: EJniQ3GxYY
「自分たちはプロのジャーナリストだが、ネットのジャーナリストなんて所詮、素人で御用聞きでしかないだろ」と言っているマスコミ記者は、政府から金を貰ったり、接待されたりした時点でジャーナリストではありませんよ。
元々、日本のマスコミには、ジャーナリストを名のれる人なんかいませんから。


06. 人種国籍問わず 2011年1月21日 21:49:32: AyuYJKqVWeFio : EMykogzDXo
既存メディアの方へ

・お前らの見解など求めていない。
・あるがままつまり事実を報道せよ。よけいなコメントは要らない。
・前後をカットして発言や映像を歪め、勝手に編集するな。
・捏造に関係した記者、取材者は退任せよ。

記者クラブ談合がなければ何も出来ない集団が何をえらそうな議論をしている。お前らのこの上ない醜悪さとさもしさはバレバレだが。何か言いたいことはあるかね。加工されない”場”での公開討論ならいつでも応じてやるよ。


07. 2011年1月21日 23:55:41: EJKxpWErSM
というか、19時のニュースも23時のニュースもせいぜい最初の10分くらい適当
に政経を扱って、後はスポーツや天気とかどうでもいいことばかり垂れ流してるわけでしょ。縁故だろうがジャニーズの若造をキャスターに起用して偉そうなことをコメントさせるとか、視聴者をなめきってるとしか思えん。20分もネットでニュースサイト読めば、その何十倍という国内外の情報が手に入るわけだから、もう馬鹿と低脳しかニュース番組なんて観ないよ。

08. 日高見連邦共和国 2011年1月23日 00:21:57: ZtjAE5Qu8buIw : GpIUsAuiLs
人種国籍問わず 様

激しく全身で同意!

あんた、イカシテルぜい!!


09. ドラえもんジジイ 2011年1月23日 17:56:35: JxD1kffx2Xug2 : q45t3OBERo
初めて投稿します!S22生まれの親父です。

最近TVは殆ど見ません!ネットは1日約3時間。

世の中を正しく見る事が出来る様になりました。 新聞は東京新聞系列の中日新聞です。自民党の会員を辞めたのは、小泉総理の時にやめましたが

今の菅に頭に血が上ります!!!!!
死ね菅!!!!!!
終わり!


10. 2011年1月24日 10:37:36: IoN0NCNRLo
去年11月末、ちばてつやさんたちが出席した、東京都青少年健全育成条例の改正への反対声明を出した会見は記憶に新しいと思いますが、
その時の、読売新聞の女記者の質問が余りにもお粗末過ぎましたね。

・「一般の書棚で女性が強姦されている商品が売られている」
→元からそういう描写のある本は18禁であり、棚も18禁エリアに区分けしてありますが何か?
・「出版業界の自主規制が不十分だ」
→数冊を除いて既にゾーニング済ですが?
・「不健全図書に指定されても区分陳列をするだけで、表現規制ではない」
→不健全指定されると流通が止まる、商品は発表されなければ意味を成さず、其の機会を奪うのは十分に表現の自由を侵害する。

といった感じで、老害都知事の宣伝マンの如しです。
実際コンビニや本屋を見れば、一目瞭然なんだがなー
流石はミスリード・印象操作が日常茶飯事なマスコミの一角ではありますね。
そして、この条例の孕む問題点をどのマスコミも報じていません。
まー、都道府県レベルでもマスコミは自民・公明の権力とべったりなんだなーというのが良く分かります。


11. 2011年1月26日 11:51:10: yeNiDBjnwQ
TBSは以前はいい番組も制作していたが、最近は朝ズバはじめ低俗偏向報道
の雨あられ。
楽天に買収させられてた方が良かった?

12. 2011年1月26日 13:15:10: BDDFeQHT6I
生の情報(一次情報)が一方で開示され各メディアはその一次情報をいかに編集・解説して正確な情報整理と有益な情報提供が出来るかを競い合うのが理想的なジャーナリズムの有り方では無いだろうか。
一次情報が無ければ編集・解説された情報が公正な情報か偏向された情報か判断出来ない、ジャーナリストにも思想や主義主張、利害関係や圧力や経済的リスクがあるのは当然であるからその報道が必ず公正な立場では有り得ないのは当然だろう。
見る方がそれを確認する方法が提供されないのは不条理と言えるだろう。

13. 2011年1月26日 18:26:49: FHVyh15Kso
金平氏の問題意識は間違っていない。
筑紫哲也氏の「ネットは便所の落書き」と言った言葉を、
本当に「額面通り」受け取ったネット住民が、筑紫氏に文句を言っていて驚いたけど。
それと一緒で、不毛な金平批判はすべきではない。

安倍元総理が「ちゃんねる桜」のような所で、いいたい事を言ったり、
西部邁が自分の番組で稲田朋美に好き勝手にしゃべらせるのも、
金平氏に言わせれば、「ダダ漏れ」だろう。

TV局は本来、視聴者からその「判断を」委任された形で、信頼関係が成り立っていたもので、
伝える側(TV側)が、一定の知識、倫理観、社会常識を下に訓練されたプロ、という前提条件があった。(職業倫理と言ってもいいと思う)
ところが、権力側からは官房機密費、自身は報道の芸能ショー化によって、職業倫理は崩壊し、視聴者との信頼関係が破綻したのが、現状だろう。

ネットの場合はまだ「良くも悪くも」個人の主張が全面に出る事で、視聴者はその個人の主張から、的確な否か判断できる。
TVの場合、そこが違う。
金平氏の主張の半分以上はTV局側の主張(方針)とは相反するものだろう。
TV局が視聴者への「ガス抜き」で金平氏を使うのか、金平氏が従来のTV局を食い破って変革させるのか、どちらなのだろうか。


14. 2011年1月26日 20:27:47: e99R85uTlM
岩上安身さんの言葉、「編集権は受け取る側にあるのだ」。
事実を示し、受け取る側が判断を下す。解釈を押し付けられるのはごめんだ。
ただ、できるだけ客観的に要約して、賛否両論を示して受け手側に判断材料を示すといった姿勢があれば、編集は有効であると思う。

15. 2011年1月26日 20:32:34: WYt1tQHCkM
メディアはプレーヤになってはいけない。
メディアがどう受け止めるかなんて知りたくない。受け手がどう感じるかが重要なのだ。
有害なフィルターは除去して欲しい。

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