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(回答先: 米国の食糧支配、穀物メジャーについて、千葉・SE(彼らが価格やら天候やら伝染病やらを操作している気がします) 投稿者 小沢内閣待望論 日時 2011 年 1 月 18 日 20:09:15)
2011/01/12無関税は極めて危険である
左の表は今月FAOから出された、この25年間の穀物取引価格の推移である。多少の変動はあるが、着実に上昇している。とりわけこの5年間の高騰が著しいことが解る。表は、大豆とトウモロコシと小麦をの価格変動である。突出しているのは2008年の夏の価格である。(クリックすると大きくなる)
25年前なら、1ドル130円ほどであったであろうか。30%以上も価格が上昇しても、日本の円高はこれを補っていたのである。穀物価格の上昇に日本全体が無関心であったのは、ある意味当然かもしれない。国民も政府も、日本の農業生産に危機感などなく、無関心、無策であったと言える。海外から買えばいいのだという考え方である。
この5年間の高騰には投機の対象になったこともあるが、何といっても人口が増えたことである。25年間で10億人増えている。この5年間では、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの後進国の人口増加に加えて、経済成長も著しいことが大きく関与している。
巨大な人口を抱える新興国の食生活が変わったことも大きい。人は裕福になると動物蛋白の質を変えてくる。昆虫や魚から鳥へ豚へそして牛肉へと階段を昇るのを、プロテインラダーと呼んでいる。鳥豚牛肉は、先進国では人と競合する穀物を大量に食べる生産するシステムに変換するようになる。
こうした要因に、昨日述べたように異常気象が拍車をかけているのである。昨年は、ロシアとオーストラリアの小麦、ブラジルのサトウキビといった具合である。彼らの商品は輸出産品である。我慢すればいいだけの経済的な問題である。食糧として依存し輸入する側は、深刻な食糧不足に陥る危険をはらんでいる。
こうした穀物価格の上昇は、お金のない途上国に打撃が多い。ものがなくなるだけではなく、高くなるからである。こうして、世界の11億人が飢餓状態になり、11億人が肥満に喘ぐことになるのである。ちょっと良質のお米なら輸出できるなどと言うような、短期的な極めて小さな話ではなく、食料全体が必ず不足状態になることを念頭にした対策こそ求められる。
債務赤字に陥っている日本が、いつまでも海外から食糧を買える補償はなにもない。こうした大きなグローバルな動きに逆らうような、無関税のTPP参入は極めて危険な判断であると言える。
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