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現在の米景気低迷、特徴は大幅な賃金低下 Re: バーナンキ米FRB議長、景気見通し引き上げ-財政赤字に警告
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/613.html
投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 12 日 20:54:41: 1W1IXELjjF6i2
 

(回答先: バーナンキ米FRB議長、景気見通し引き上げ-財政赤字に警告 投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 12 日 20:43:38)

先進国の不況のパターンはどこも似ている。国内需要の激減、かって競争力のあった輸出産業の生産性の低下、労働供給過剰などで、相対的に高い賃金はどんどん下がっていく
それがさらに内需を引き下げ、積極財政や減税で、GDP比財政赤字を増大させていく

http://jp.wsj.com/US/Economy/node_168989
2011年 1月 11日 19:53 JST 
 カリフォルニア在住のマリア・グレッグさんは自動車工場で働いていたが、昨年、5カ月の失業期間を経て新たな仕事を見つけた――給料は20%近く減った。

 マサチューセッツのケビン・クロナンさんは、2009年初めに年棒15万ドル(約1240万円)のファンドマネジャーの職を失い、今は時給8ドル85セントでスターバックスでカプチーノを作っている。


Darren Hauck for The Wall Street Journal
デイル・サボさん
 ウィスコンシンのデイル・サボさんは修士号を2つ持ち、生産現場の管理者を務めていたが03年に失職、同じような職を何年も探した。彼は今、学校の用務員だ。

 それでも彼らは恵まれている。米国の失業者は1450万人に上り、うち640万人が半年以上失業状態にあるのだ。

 しかし、彼らの「財産」の減少は、労働市場の長期低迷の結果とも言うべきある特徴を示している。エコノミストが「粘着質」と呼ぶように、従来は、失業が高水準にあっても賃金の低下は極めて緩慢だった。しかし今回は、大量の労働者の賃金が、世界大恐慌以降の景気後退にはほとんどみられないほど大幅に、しかも急速に低下している。

 大恐慌以来の景気後退で、同様の大幅な賃金低下がみられた唯一のケースは1981−82年の景気後退だった。しかし、直近の景気後退はすでにこれを上回る内容だ。失業率は20カ月連続で9%台が続き、1980年代初めより長期化している。そして、2011年も大半はこの水準が続く可能性が高く、賃下げ圧力が働く。

 レイオフされた労働者が新たな職を得るのは多くの場合、賃下げを受け入れた場合か、自分の能力を大幅に下回ることの多いパートタイムの仕事に甘んじた場合だ。

 労働省によると、3年以上続けた仕事を失い、2010年初めまでにフルタイムの職を得た人の半分以上が、賃下げを経験している。新たな賃金が以前より20%以上減った労働者は36%に達した。

 直近の景気低迷は厳しく、多くの失業者は再就職の際に賃下げを受け入れると思われ、賃金水準が景気後退前の水準に戻るとしても相当な年数がかかる可能性が高い、とコロンビア大学のエコノミスト、ティル・フォン・ウェヒター氏は指摘する。ウェヒター氏は「景気後退が深刻になればなるほど、次の仕事の賃金は低くなり、仕事の質も低くなる」と述べた。

 個々の労働者にとっては苦難の時代ではあるものの、一方で、賃金の低下は米産業・企業全体の競争力を高め、雇用主により多くの雇用を可能にする。長期的には米国をより繁栄に導くかもしれない。

 約300人の従業員を抱えるサウス・シーズ・アイランド・リゾート(フロリダ州、キャプティバ)は、今回の景気低迷で人員を削減したが、今、人員増強に動いている。

 「今、まさに買い手市場だ」とマネジング・ディレクター、リック・ヘイデューク氏は語る。ヘイデューク氏によると、同社は、従来よりも低い給与で熟練労働者を集めている。

 同社は今年、売上高が増加し、人員を若干増やすにもかかわらず、人件費を横ばいに抑えられる見込みだ。

 全般的に、米国の賃金は上昇を続けるが、ゆっくりとしたペースだ。労働省の総合労働コスト指数によると、昨年9月までの民間労働者の賃金・給与(インフレ調整前)は前年同期比1.5%の上昇だった。同指数は、同じ職種の賃金を比較しているが、職種を変えた労働者の賃金は反映されていない。同時期の消費者物価は1.1%上昇した。

 冒頭に登場したグレッグさん(45)は、厳しい時に備えるチャンスは少なくともあったと語る。カリフォルニア州フリーモントにあるゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタの合弁会社「NUMMI」が昨年4月に閉鎖されるまで20年間、彼女は同工場に勤務した。工場側は閉鎖の7カ月前から労働者に通告していた。グレッグさんは「事前に準備をし、生活費の節約に努めていた」と語る。

 グレッグさんは、夢だったアイスクリーム店のような起業を考えた。また、大学に戻って準学士号からさらに上の学位を取得することも検討した。しかし、技術者として工場から得ていた週1200ドルの賃金が450ドルの失業手当に減ると、大学に進学したばかりの娘を扶養しなければならない彼女にそんな夢を描く余裕はなくなった。

 グレッグさんは最近、設立間もないエネルギー技術関連企業に入社した。時給は28ドルで、以前の水準を6ドル下回るものの、彼女はこの職に飛びついた。彼女は、旅行や外食、買い物を節約しているが、賃金の減少分をどうやって補っていけばよいのか途方に暮れている。

 コロンビア大学のエコノミスト、ウェヒター氏は、1981−82年の景気後退で突然の大量レイオフの対象となった労働者の給与を追跡するため、30年分の社会保障データを調べ上げた。レイオフされた労働者の給与は、レイオフされなかった似たような労働者の給与を平均で30%下回っていた。15−20年後も、彼らの給与は低いままだ――レイオフ組の給与は、非レイオフ組の給与を20%下回っていた。

 ウェヒター氏と同僚の研究者は、労働者のスキルが10年か20年、不況を脱した時点で同等の賃金水準に回復できないような古いものにとどまったため、このような収入の損失を招いたと考えている。彼らは、より高収入が望める新たなスキルを習得せず、低い賃金の仕事に就き、そこで職探しをやめてしまうことが多い。

 ウィスコンシンの用務員、サボさん(53)はキャリアを変えた。MBA(経営学修士号)と組織コミュニケーションの修士号を持つ彼は、ミルウォーキーを本拠とするエンジン・メーカー、ブリッグス・アンド・ストラットンに26年近く務め、研修担当責任者を任されるまでになったが、2003年の一連のレイオフで失業に追い込まれた。

 サボさんはエクセルのスプレッドシートに求職活動の経過を記録している。2004年初めまでに彼が応募した件数は750件。1年後に応募件数は1000件を超えた。それ以降、オフィスの立地や肩書にあまりこだわらず、さらに千通もの履歴書を送ったとサボさんは話す。

 2005年末に退職金も底をついた頃、サボさんは時給9ドルでウォーワトサ学校区の用務員として採用され、今では夕刻に学校の建物を一人で巡回する夜勤をしている。前職では2000年時点で残業代を含め6万3000ドルほどの収入があったが、新しい収入は年3万4000ドルだ。

 サボさんはメーカーの研修担当に戻りたいと願っており、今も履歴書を送り続けている。

 失業の結果、低い賃金の仕事に就いた親を持つ子どもは、子ども自身も低賃金に悩む可能性が高い、との調査結果もある。これは2008年の調査で、1978年から1999年にかけて、父子家庭6万世帯の賃金をエコノミストのグループが追跡したもの。1982年の景気後退で大規模レイオフに遭遇した父親を持つ子どもは、レイオフに遭わなかった父親を持つ子どもよりも収入が9%低かった。

 こういった影響は、低所得層の子どもにより顕著に表れる。「所得分布の最下層で失業した場合、その収入減により、家庭の存続にかかわるような損失を伴うことが十分に予想される」と研究員のひとり、カリフォルニア大学のマリアンヌ・ペイジ氏は指摘する。

 バージニア・メイさん(63)は、ATMとセキュリティ・システムのメーカーに営業担当として7年間勤務していたが、08年初めに800人の同僚とともに失業した時、時給は30ドルでボーナスももらっていたと話す。彼女は昨年、時給25ドルで国勢調査局のアルバイトを7カ月やったが、同程度の賃金が支払われる求人を見つけるのは困難だった。

 メイさんはロサンゼルス地域で失業中のプロフェッショナルのための団体を運営している。「メンバー全員にまず言うことは、『最初のオファーを受け入れるな。常に交渉せよ』です。労働市場があまりに厳しいので、そんな勇気はないという人もいる」とメイさんは言う。

 メイさんは、何とか暮らしていくために9万ドルの年金勘定の半分を売却、パートタイムの求人や時給20ドル以下の仕事も検討し始めていた。しかし、彼女は乗り越えた。クリスマスの数日後、失業手当も終わりかけた時、メイさんはカリフォルニアで秘書として就職した。彼女の賃金は、「予想を超え、2年前の稼ぎを若干上回る」という。

 マサチューセッツのスターバックスのバリスタ、クロナンさん(40)のように、できる仕事は何でもやる、という人もいる。クロナンさんはボストンの資産運用会社に務め、10万ドルの給与プラス年5万ドルのボーナスが何年も続いていたが、09年1月に失業した。彼は、MBAの有資格者が年間4万ドルと初任給レベルの給与で妥協するなか、成人向けの教育コースに申し込み、この景気低迷が過ぎるのを待とうとした。

 しかし、1年7カ月の退職手当期間が終わると、彼は医療保険が必要になり、経験分野のみに志望先を絞ることはできないと考えた。8月、彼は失業以来、毎日通っていた地元のスターバックス――キャリアを生かせる仕事が見つかれば、辞めるつもりではいるが――に職を見つけた。

 彼の時給は今、8ドル85セントで、週約38時間働いている。

 クロナンさんは、金融の仕事(彼の分野は為替)に勢いが戻ってきたらどの程度稼げるだろうかと思案しながら、求職活動を続けている。

 「7万5000ドルのオファーがあれば、今の稼ぎを大幅に上回る」とクロナンさん。「現実的なアプローチさ。バックミラーを見ながら生きてはいけない」と彼は言う。

記者: Sudeep Reddy  

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