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(回答先: 消費税率アップができないなら「インフレ税」を“活用”しよう デフレで私たちは損している? 得している? 投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 07 日 00:16:23)
書かれていることは、理論的には正しい。メディアのインフレ叩きへの懸念もあるだろう。インフレ税の導入というのも、一つの選択肢として大いにありうる。ただ、問題をインフレという「結果」の問題に集中してはならない。個人よりも企業を保護したほうが良いと臭わせたり、「貯蓄を食いつぶせる」から幸せだと書いたりするのは論外である。もう、そういう時代もおわりに近づいている。
問題は収入より支出の方が(キャッシュフローがどうのこうのというつもりはないが。)多いということ、それが本質だ。国も。企業も。個人も。その原因は何かというと、支出が増えているというよりも、収入が減っているというところにある。特に、企業と個人についてはそうである。
では、なぜ収入が減っているのか。厳密にいうと、収入そのものが減っているのでは無い。収入を横取りされている。
たとえば、製造業でいえば、スマイルカーブ現象というのがある。部品メーカーと、アセンブリメーカー(部品を組み立てて製品にするメーカー)と販売会社では、販売会社が一番利益をとりやすく、アセンブリメーカーが一番利益を取りにくい。詳細はスマイルカーブ現象で調べてちょうだい。日本は一時期、基盤技術に強くて、世界に電子「部品」を売って儲けていた。ところが、今ではそういう製造業は廃れて、アセンブリメーカーが殆どである。そして、製品を叩き卸して売り飛ばす家電量販店が以前よりも権力を握っている。なぜか、という点については調べて頂戴。で、家電量販店の従業員が儲けているのかというと、そうではない。家電量販店はヘルパーを雇って、社員を削りまくっている。さらにその社員も低賃金で働いている。では、だれが儲けているのか?
たとえば、医療で言えば、患者は保険の自己負担額が増えたり、医療報酬額が増えたり薬代が上がったりで苦しい状態だ。じゃぁ、医者が儲けているのかと言えば違う。医者も最近は儲からなくって、バタバタ潰れている。詳細は調べて頂戴。薬局も、儲けているかと蓋を開けてみるとそうでもない。じゃぁ、だれが儲けているのか、というと、まぁ、製薬会社である。でも製薬会社の末端にいる人をみると、人並で、それほど儲けているという様子はない。では、だれが儲けているのか?
農業や漁業に目を留めると、価格の高騰で、消費者は困っている。で、販売店で利益があるのかと思ったら、そうでもないようで、販売店は利益の取りにくい生鮮食品をバシバシ縮小している。じゃぁ、生産者が儲けているのかといえば、そうでもない。ご存知の通り、安すぎて燃料の費用がでないとか、そういう状態。だれが儲けているのか?
日本の銀行、阿修羅では攻撃の対象として持て囃されているが、実際は全く成功していない。どこも破綻の危機。生命保険、わしの死亡保障よりも生命保険の保険の方がいるんじゃないかという経営状況。では、だれが儲けているのか?
政府。経済活性化のために使う筈の費用が、一部にプールされるばかりで、経済効果がない。そして、税金だけは増えている。公務員も昔ほど優遇されているわけではない。では、だれが(以下略)
......とあげればキリがない。ここまで挙げてこなかった部分に関しても、なぜそんなに儲かっていないのか不思議に思える部分がある。結局、だれが儲けているのか?
具体的にだれかというのは別にどうでもいい。ぶっちゃければ、あらゆる産業分野がこれだから、いろんなところで、極小数の人だけが儲けているのだ。問題は、この一部の人「だけ」が儲けているというところにある。いろんな産業分野で、利益が流れて一部に吸い取られる仕組みができてしまっている。そして念のため書いておくが、阿修羅的に言えば、その利益の流れる先が外資系のことが多いから腹が立つということになる。だが、ハッキリいえば、問題はそこではない。(もちろん、日本がデフレ傾向だから、彼等の利益は盤石なものとなっている。だから、デフレはいかんよ、という結論は当然ありうる。)問題は、この横取りというのが横行しすぎていて、働けども働けども利益がとれない。だから経済が全体が疲弊してしまうというところにある。
格差が広がると不景気になるのである。
それは、金が凝集して、自由に動けなくなる状態だからである。
そして、こうなった理由はなにかというと、格差を容認する税制はもちろん、インフレが進むことを前提とした経済成長施策(簡単にいえばバラマキ)であり、横取りしようというガメツイやつらの声に従ってしまうヘタレであり、それに立ち向かうのではなく金をやり繰りして何とかしようと考える情けなさであり、そういうことを容認してしまう民衆の無知なのである。
経済学の論理は大切だということは認めるが、ポイントを間違えてはいけない。
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