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バーナンキのQE2が当初の目的である金利低下を果たせないことに多くの批判が集まっている。
QE後の金利上昇は、FXの世界では昔から知られている経験則だが
その原因が投機要因なのか、国債償還リスクによるものなのかは明確ではない。
バーナンキが、それを知らなかったとも思えないので、確信犯なのかもしれないが
そうだとしたら、益々、その意図が不明となる。
彼の論理に従えば、さらなるサプライズ緩和の連続になる可能性もあり、その時は、本当に、世界の商品バブルが爆発し、途上国から治安崩壊の連鎖が発生する可能性は高い。
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2010年12月15日 12:49 pm JST
タグ: コラム, 金融市場, 金融政策, FOMC, FRB, QE, バーナンキ, 量的緩和
ロイターコラムニスト 田巻 一彦
*投稿における見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。
14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米長期金利の上昇をけん制する文言が声明文に盛り込まれることはなかった。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、市場へのメッセージを発信することで長期金利の低下を促す対応をする可能性があるが、それでも米長期金利の上昇が継続するようなら、来年の早い段階で米国債買い入れ増などの対応を検討すると予想する。しかし、マーケットが買い入れ増に対して長期金利上昇という反応を示す可能性も残されている。もし、そうなればバーナンキ議長が主導してきた量的緩和第2弾(QE2)は有効な対応策を見い出せないまま、重大な岐路に直面することになる。米長期金利の上昇につれ、1.3%台が視野に入ってきた日本の長期金利動向を予想する上でも、バーナンキ議長の今後の対応は一段と注目されることになるだろう。
<FOMC声明文で長期金利上昇けん制せず>
FOMC声明文では「景気回復が継続していることを示している」とし、前回の「生産および雇用の回復ペースは依然として遅いことを示している」から景気判断を強めた。しかし、6000億ドルの国債買い入れ額は維持され、買い入れペースや全体的な規模は必要に応じて調整するとの表現も変更されなかった。14日の米債市場では、景気判断が強まったものの緩和方法に変更がなかったことで、将来のインフレ懸念が強まったとの見方が出たという。その一方で最近の米長期金利の上昇をけん制する何らかのメッセージが声明文に入ると期待していた向きの失望感も広がり、米長期金利は3.47%に上昇にして取引を終え、15日の東京市場の取引時間帯に7カ月ぶりとなる3.5%台に一時上昇した。
米長期金利の上昇要因を整理すれば、年末商戦の好調さに示される足元での米景気の堅調さと巨額の米国債買い入れによるインフレ懸念、さらにブッシュ減税の継続でにわかに台頭してきた財政赤字への懸念の3点が挙げられるだろう。さらに米長期金利上昇に対するバーナンキ議長のけん制を期待していた向きが、失望して米国債を売った分も加わっただろう。上記の要因が短期的に弱まる気配がないなか、米長期金利はさらに上昇する可能性が高い。ある市場関係者によると、米金利の3カ月物と10年債のイールドスプレッドは過去に最大で390bpまで拡大している。その最大値まで拡大したとすると、米長期金利は3.9%まで上がる可能性があるという。
<バーナンキ議長は長期金利上昇を容認しない>
そこまでの一本調子の米長期金利上昇をバーナンキ議長が容認するだろうか。長期金利を低下させ、その経路で景気拡大を図るというQE2の本来の目的について、バーナンキ議長やFRB高官が講演やその他の手段を使って市場に説明するだろうと私は予想する。長期金利の上昇は、住宅ローン金利の上昇を伴って住宅ローン債務者の財務状況を悪化させる。家計のストック調整はより長期化する方向に動き、債務者の財務状況悪化は銀行の不良債権増加につながり、よくなる兆しを見せ始めている実体経済に冷水を浴びせるだろう。こうした事態を回避するためにマーケットへの情報発信を増やすとともに、長期金利上昇が続くようなら、これを抑え込むために国債買い入れ増や買い入れを止めたモーゲージ担保証券(MBS)などの買い入れ再開などの検討を開始するとみている。
この予測には反論もあるだろう。中国などの新興国だけでなく、米国内からも共和党がQE2の政策方針に反対の意向を明確にし、さらにFRB内部に将来のインフレリスクとの関連でバーナンキ議長の方針に反対のメンバーがいる。2011年にはFOMCの投票権を持つメンバーの中に反対票を投じる可能性の高い地区連銀議長が加わる。したがって今の状況では、現在の政策を維持するのが精いっぱいではないかとの意見もあるかもしれない。しかし、どこかの国の政治家のように、反対があればたじろいで決断を先送りすることはないと私はみる。失業率が9%台で高止まりし、物価上昇率が低下する基調を維持するなら、何らかの新たな対応を模索すると思う。
<劇薬・米国債買い入れ増でさらに金利上昇するリスク>
ここで問題なのが、米国債買い入れを増やす決断をした場合に、米長期金利の上昇テンポを加速させないかという点だ。金利が上がりやすい市場心理に傾かないよう、FRBは事前のマーケットとの対話に力を注ぐだろうが、その努力が無に帰すリスクは残る。米国債買い入れ増によって米長期金利の上昇基調がより鮮明になった場合にバーナンキ議長が切るカードが残されているのかどうか。QE2路線の根本的な見直しを迫られる可能性もあると考える。その意味で、これから展開されるとみられるFRBによる「市場との対話」セッションは、その成否が米市場だけでなく、世界全体の市場動向を左右することになりそうだ。
円債市場にとって、米長期金利の動向が最も重要な要素に踊り出てきた。このまま米長期金利が上昇を継続した場合、1.3%目前まで上がってきた日本の長期金利はさらに上がることになるだろう。15日発表された12月日銀短観では、大企業製造業の業況判断DIが7期ぶりに悪化し、先行きの3月予測はマイナスに落ち込んだが、こうした実体経済面での調整色があっても、短期的に長期金利を押し下げる力は弱そうだ。直近の円債価格下落で、国内銀行勢などの市場心理が悪化し、国債買いの主体がパワーダウンしていることも大きく影響している。米債市場との連動性が高まるなら、FRBの動向に注目せざるを得ない。バーナンキ議長はじめFRB高官の発言を日銀総裁やその他の幹部発言並みにフォローする東京市場の参加者が、急速に増えることになると予想する。
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3件のコメント
2010年12月16日
11:29 am JST
現時点の米国債の長期金利の上昇は、市場に資金需要が出始めたことによるものと考えます。また、日本の金利上昇は、彼らのリスク許容度が高まり、日本を投資先の一つとして一時的に方向を変えたからです。バーナンキ氏がこのままQE2を続行することは疑いの余地がありません。
今、共和党との妥協の産物の減税法案が成立しようとしていますから、市場はQE2+減税=6,000+8,600億ドルを考えてきた訳です。従って、バーナンキ氏が現段階で一層の金融緩和策を唱えるということはないでしょう。
今後、米国政府は中期債か長期債の発行増を行うでしょうから、FRBはこれを吸収していく必要があります。これを市場は想定し出したのでしょう。でも、バーナンキ氏はQE2の初期の目的は貫くと思います。
さて、日本の金利上昇ですが、いい金利上昇でしょうか?それとも悪い金利上昇でしようか?私達にとってはこれこそ大事なことだと思います。もしや、来年度予算関連法案が通らないなどということになってしまったら?!?!?・・・。
- 投稿者 静香に 語る
2010年12月15日
9:31 pm JST
債券安・金利上昇は、昨今の景気回復や株高が背景にあると観るべきであり、「市場からの警告」という見方は、ちょっと飛躍していると考える。三ヶ月か半年も経てば、今の金利上昇を冷静に分析できるようになるだろう。
こういう議論になると、ハイパーインフレという言葉を使いたがる人が必ずいる。そういう人々がどういう論理を展開するのか見物だ。
- 投稿者 Le Roi
2010年12月15日
4:48 pm JST
振返れば米国債の金利が下がりだしたのはドバイショックが引き金であったようです。ギリシャ問題は国債買いを加速させましたが、アイルランド問題は反転、逆風をもたらし始めたようです。QE2による国債買い取りの影響も相まっているのでしょうか。
考えてみれば当然のことで、6000億ドルの国債買いとりはドルを刷ってばら撒いているのと同じことですからね。ゼロ金利と「この金」は企業の投資をどれだけサポートしているのやら、そうではなくて、銀行をサポートするもののような気がします。もしそうなら、何ゆえにそれほど銀行をサポートする必要があるのか、隠された何かがあるのでしょうか。
日本の失敗と同じ轍は踏まないという大義名分のようですが。
ドバイショック以前のFRBは国債金利(当時は3.5%程度でしたでしょうか)の抑制に非常に神経を使っていました。大きな入札がある度に、前週あたりから、恣意的と思われる情報操作?による統計数値の提示をし、毎回、保守化を促し、入札を凌いできた印象を私はもっています。
しかし、これからはマイナスの指数が提示されても保守的なマネーでさえ、国債買いには動かなくなるのではないでしょうか。
ようやく国債の危険性が認識され始めたようです。ポルトガル、スペインの問題が現実化すると、ますます、米国債の金利は上がるのではないでしょうか。
日本国債の金利が米国債のそれに連動し始めてどのくらいになるでしょうか、それが気がかりです。かつては、異次元の国債のように単独で安い金利を維持してき得たのですが。先物市場の攻撃が怖いですね。
来年は国債の激動の年になるのではないでしょうか。
来年は
- 投稿者 山のアナちゃん
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