★阿修羅♪ > 経世済民70 > 386.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
なぜ内部留保が増えたのか? 明快な理由 2つの金融危機とわが国の企業破綻
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/386.html
投稿者 tea 日時 2010 年 12 月 15 日 21:32:21: 1W1IXELjjF6i2
 

BOJによると2007以降の経済危機では、大企業の赤字倒産は少なく、メインバンクの財務などバブル崩壊後の貸し渋り倒産とも様相を異にしており、キャッシュフローの枯渇が倒産の主因であった。
そのことが多くの企業の内部留保積み増しへの大きな動機づけとなっており、実際に、内部留保を厚くした企業の倒産は、ほとんどなかった。

これは日本が人口オーナスの時代であり、かつデフレ不況状況であることと強く関係している。
そして、現在、国内で企業の積極的な借入と設備投資を期待しても難しいということも理解できる。


XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX 引用 XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

2010年12月
福田慎一*
粕谷宗久**
赤司健太郎***

 本稿の目的は、2007年夏以降の世界的金融危機の下で発生したわが国の上場企業における倒産要因を、1990年代末の日本の金融危機における要因と比較しながら検討することである。財務データや取引先銀行情報を用いて各上場企業の倒産確率をロジット・モデルから推計した場合、2つの金融危機下での企業倒産に影響を与える要因は大きく異なっていた。まず、日本の金融危機下で倒産確率に対して有意な影響を及ぼしていたメインバンクの健全性や特別損失・特別利益といった財務変数は、世界的金融危機の下では有意な影響が観察されなかった。また、通常期には倒産確率を予測する上で非常に有効な営業利益は、世界的金融危機下では有意ではなくなった。

その一方、平常時には有意でない内部留保が倒産確率を減少させる上で有意であった。以上の結果は、世界同時不況下での日本経済では、「貸し渋り」のような金融機関側の要因による倒産は顕在化しなかっただけでなく、利益率など企業パフォーマンスを表わす代表的な財務指標の情報価値が大幅に低下したことを示唆するものである。実際、2007年夏以降の企業倒産では、不動産業を中心に直前の決算で黒字であった企業が少なからず倒産した一方、製造業を中心に直前の決算で大幅な赤字を記録した企業の多くが倒産に至らなかったという2つの点でパラドキシカルな特徴が観察された。ただ、パラドキシカルな利益率の影響は、不動産業など特定の産業の特定期の特殊事情もあり、その原因を単純に金融危機に帰着できるかはより慎重な解釈が必要である。

本稿の作成にあたっては、随清遠氏をはじめとする2010年日本金融学会秋季大会参加者の方々および日本銀行調査統計局のスタッフの方々から有益なサジェスチョンをいただいた。なお、本稿で述べられた意見、見解は、筆者個人のものであり、日本銀行あるいは調査統計局のものではない。

* 東京大学大学院経済学研究科(E-mail: sfukuda@e.u-tokyo.ac.jp)
** 日本銀行調査統計局(E-mail: munehisa.kasuya@boj.or.jp)
*** 統計数理研究所  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2010年12月16日 16:21:11: CexlTZFZjA
この不況は、市場に金が大量に出回るまで終わらない気がする!
銀行の貸し渋りは常軌を逸している、BIS規制の強化も有るらしいが、市場への流出が絞られている最中、貸金業法は年収の3割という上限設定で絞られ、分割払いの信販会社は、割賦販売法等の規制強化で絞られ、町金融は後出しじゃんけんの過払い金返還と貸出金利の縮小等で絞られ、60歳以上の年金需給者はローンが組めない等で絞られている。どこからどこまでも、消費が促進される様な要素がない。
日本は生活砂漠になりつつある。
日銀が50兆円位印刷して市場にばら撒くか、小沢一郎氏が提唱する「自立と共生」
の国にし、不要な行政機関の一掃により国家の健全化を図る以外にない。
国民や中小零細企業への規制を大胆に撤廃する事は、予算の支出無しで不用予算が温泉の様に湧き出してくる!!

02. 2010年12月16日 19:32:48: jjlZblMAzE
金融緩和とはどういうことだろうか。

10年前、今の倍近く収入があっても国民生活金融公庫の教育ローンが
借りられたのに、今は収入が落ちているのに(もう50万円収入が少なければ
借りれるそうだ)借りれないってどういうことだろうか
政策決定を担ってきたじいさんやおじさんの考えることはわからん。
これまで政治をしてきた人は能力の限界だとはおもわないのだろうか
よくもぬけぬけと政治家や役人を続けられるものだ。
毎日政治のおろかさを感じない日はない。

教育ローンは、ほんの氷山の一角に過ぎない。


03. 2010年12月16日 22:13:29: uKFoqoJusE
日本は人件費が安いからですよ、
「輸出額=輸入額」が適正人件費と言って良いはず、
輸出超過国は競争力に比して人件費が安く、輸入超過国は逆に人件費が高すぎですね。

日本は輸出超過大国、結果として対外純資産残高世界ダントツの266兆円、これがほぼ内部留保ですね、これが人件費として社会に還元していたら景気が良かったはず。
なのに法人税を下げて企業支援するとは馬鹿げていますよ、菅直人は企業論理に騙された
そもそもマスコミもエコノミストもスポンサーを大切にしますからね、困ったものだ



04. 2010年12月17日 01:37:39: CRer5rROIE
>>01
オメエ、小沢信者か?

亡国をたくらむヤカラは、常に日銀札の大量印刷を主張するw


05. 2010年12月17日 15:47:00: MSc52GFGko
企業も個人も考えることは同じ現金が一番、腐らないし、じゃまにならないし、安
心でしょう。だいたい経済って株式のチャートとか昔あったことを勉強して学者さ
んになられた人の言うようになるのでしょうか?。

06. 2010年12月18日 21:24:42: cqRnZH2CUM
似たような分析が最近は多いな


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層
【第4回】 2010年12月15日 
熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ証券グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長/チーフストラテジスト],森田京平 [バークレイズ・キャピタル証券 ディレクター/チーフエコノミスト] 
バランスシートの謎! 膨らんだ企業の自己資本は株式投資に回っていた――熊野英生・第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 
10年間で自己資本比率は37.2%に上昇負債圧縮が進み、総資産が膨らんだ
 欧米経済は、リーマンショック後、バブル崩壊によってバランスシート調整圧力に苦しんでいる。2000年代初頭から、低金利をテコに負債を増やし、バランスシートを膨らませた“つけ”が、信用収縮(デレバレッジ)として表われているのだ。
 翻って、負債圧縮が続いている状況は、日本経済も同じである。しかし、日本企業の場合、レバレッジを高めすぎた反動として、負債圧縮が行われている訳ではない。もはや90年代バブルの清算はほぼ終わっている。
 日本企業全体の自己資本比率を見ると、過去10年で25.6%から37.2%へと飛躍的に増強された(図表1)。日本の信用収縮は、不健全さの調 整というよりも、企業がひたすら自己資本を増強し続けている行動の裏返しとして進んでいる印象がある。特に、2003年以降は、フローの企業収益を自己資 本の上積みに振り向けて、必要以上に自己資本比率を高めるような行動に見える(図表2)。

 問題は、自己資本の増強がバランスシートのもう片側(資産サイド)で何に使われたかである。もしも、活発に設備投資を行なって、収益性の高い実物資産を積み増すことに集中しているのならば、それなりに合理的な選択だと言える。
次のページ>>企業の長期株式投資は、株式の持合い強化か、子会社の増強か
しかし驚くのは、企業のバランスシートの内訳を見て、有形固定資産が増えておらず、専ら長期の株式投資(固定資産)が増えていることである(図表 3)。2000年以降では、総資産残高の増加分とほぼ同額の長期株式投資が増加している。なぜ、企業は収益性の高い実物資産投資を手控えて、株式投資の方 を優先しているのであろうか。

企業の長期株式投資は、株式持ち合いの強化か、それともグローバル化のための子会社増強か
 ひとつの仮説は、2005〜2008年頃にかけて買収防衛策を講じることがさかんに論じられ、企業経営者が企業間で持ち合いを再開したというもの である。ただ、そうした活動は、資本効率を高めるような営みではなく、経営保身を動機とするような経済活動として後ろ向きに捉えられる。
「日本企業が非合理な活動に熱心になっている間に、国際競争に出遅れてしまった!」などというストーリーは、何でも自虐的に解釈する人の感情には フィットするかもしれない。しかし筆者には、企業経営者が経済合理性に反する行動を継続的に採り続けたということに、納得がいかない部分がある。
 株式持ち合いを示している東京証券取引所の「株式分布状況調査」の時系列データを使って、日本株の持ち合い強化がこの時期に行なわれたかどうかを 確認してみた。現データを日本株の時価で調整してみると、確かに2005年、2006年には事業法人の株式投資が増える場面はあったかもしれない。しか し、企業が長期株式投資を増やした2007年以降の動きは、持ち合い強化ではないと考えられる。
 それを説明するもうひとつの仮説は、企業が海外子会社などに対して出資・増資を行ない、海外事業を優先的に増強したという見方である。財務省「国 際収支統計」を使って調べると、2006〜2008年度にかけて直接投資(株式投資)は大きく増えている(図表4)。海外株式投資の増加は、現地の資本ス トックの増強に使われたと考えられる。
 日本企業(資本金10億円以上)のうち、株式投資を増やしていた業種は、この時期、増加分の半分を製造業が占めていて、自動車を筆頭に化学、食品 が増えていた。非製造業でも、情報通信、商社(卸売)の株式投資が特に増えていた。こうした動きは、日本企業のグローバル化の流れと対応する。
国内投資抑制は、海外投資優先の裏返しか?空洞化問題は静かに着実に進んでいる
 日本企業が、国内事業のポートフォリオを拡張することなく、海外事業拡大を優先しているのならば、自己資本増強と共にバランスシートで膨らんだ投 資内容が、海外株式投資に集中していったというストーリーには合点がいく。企業経営者の合理的な選択によって、より収益性の高い使途にキャッシュフローが 再分配されていることになる。
 ただし、この現象の経済的含意は、非常に厳しい内容を示している。企業は、日本経済の期待成長率を高く評価してはおらず、わざわざ国内で資金調達 を増やして設備投資をすることは有利ではないと判断していることになる。同じ資本を投下するのならば、資産収益率がより高い投資先を選択するということに なる。
 おそらくこうした感覚は、足もとで起こっている国内投資抑制にも通じるものだ。エコノミストは、機械受注などマクロ統計を見ながら、設備投資が増 えたような評価をしているが、企業や金融機関の現場からは設備投資の手応えが感じられないという声の方が多数派である。リーマンショック後に手控えされた 設備投資は、少しずつ動き出しているにしても、まだレベル感としては低いものに留まっている。
 企業からは、国内需要の回復について、リーマンショックの後の「戻り方が著しく鈍い」という評価をよく耳にする。別の表現を使えば、先行きの需要動向について、「今までよりも一段と不透明感が深まった」と表現する人も数多くいる。
 これらは、いわば事業に関する中長期の期待収益率が下方屈折して、収益確保に自信が持てなくなっている企業経営者の感覚を表しているのだろう。
次のページ>>。ヨデフレ」を理由に事業拡大に躊躇するのは、よく考えれば意味不明
 だから、海外設備投資が優先されて、国内設備投資は絞り込まれる。一見、関連が見えにくい新卒採用の抑制についても、国内事業の期待収益率が下方屈折したことと深い関係があるのではないか。
 企業内の正社員の人口構成は、団塊世代がほとんど姿を消して、現在は人件費負担が前よりも軽くなっている。単に人件費負担の重さを理由に、次の新卒採用が過去最悪を更新しそうだと理由付けるのはおかしいと感じられる。
 むしろ、企業が長期的投資の対象として考える新卒採用のニーズ自体が、期待収益率=予想成長率の下方屈折によって低下したことにあるのではないか。
 一般的に、「デフレだから事業拡大に躊躇する」などという説明が加えられるが、注意深く考えると「デフレだから……」という解説は意味不明である。この枕詞には、発言者の弱気心理が単に表われているだけだ。
 実は、デフレという言葉には、そこに人々が日本経済の中長期的な衰退を直感している心理が仮託されている。「デフレは人口減少が原因」という説明 が多くの人を納得させるのは、避けられそうにない衰退のシナリオを引き合いに出して、共感力を強めたい発言者の暗黙の意図が隠されている。
 誤解のないように述べておくと、筆者は、こうした日本の産業空洞化が運命論だと説いている訳ではない。弱気の心理がかなり強力なトレンドをつくっ ていて、投資抑制・採用抑制・貸出抑制の結果を引き起こしているので、そのカウンターパワーを政策的につくるとすれば、それは相応に強力なものでなくては ならない。
 たとえば、政府の国内投資促進プログラムを考えてみよう。具体的な処方箋として、法人税率を5%引き下げて、日本がTPPに参加して関税率を時間をかけて撤廃したとしよう。
 これだけで、日本経済が人口減少などの趨勢によって衰退へと向かっているトレンドを変えられるのか。無論、それらが必要だとしても、それだけやれば十分という訳ではない。
 日本の成長戦略は、かなり大胆なことをしなければ、企業の資本が海外に流出していくトレンドを修正できはしない。何ごともそうであるが、極めて厳しい現状認識から始めなくては、逆風を跳ね返せない。
質問1 あなたの会社の事業戦略は弱気? それとも強気?
描画中...50.9%
弱気
26%
どちらとも言えない
23.1%
強気

次のページ>>国内投資抑制は、海外投資優先の裏返し? 静かに進む空洞化問題


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 重複コメントは全部削除と投稿禁止設定  ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民70掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民70掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧