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世界の「過剰貯蓄」が終わる日
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/345.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 12 月 10 日 04:15:17: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 「通貨デリバティブ倒産」前年比2.8倍に 投稿者 gikou89 日時 2010 年 12 月 10 日 04:14:00)

http://jp.wsj.com/US/Economy/node_157985

1990年代終盤は異常だったといわれる。資金が新興国市場に流入し、唐突に引き揚げられた。この混乱は当時、大規模な危機であるかのようにみられた。

 2000年代も異常だったといわれている。まず、ハイテクバブルが弾けた。その後、90年代終盤の悪夢から覚めやらない新興国政府が大量のドル資金を貯めこんだ。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長はこれを「世界的な過剰貯蓄」と呼んだ。

 先進国における金融緩和と近視眼的な規制により、この大量の資金は米国など主要国に流れ込み、借り入れの嵐と住宅バブルを発生させた。


最近の数年間も異常だったといわれる。クレジットの伸びと住宅価格の上昇に特徴付けられた100年に1度のバブルが弾けたのだ。政府が救済に乗り出し、中央銀行が短期金利を非常に低い水準へと押し下げた。投資家は安全な米財務省証券を競って購入し、米国の債務が高水準であるにもかかわらず、長期金利は低い水準を維持した、現在はFRBが金利の上昇を抑制している。

 さて、次は何か。米経済が回復したら(いつか、確実にそうなる)何が起きるだろう。一つの可能性はこうだ。世界的な過剰貯蓄の状態が一転し、安価な資本が大量に得られる時代に終わりが告げられる。

 コンサルタント会社マッキンゼーのシンクタンク部門、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートは、目先の数年間は新興国、特に中国とインドによる投資が急増すると予想する。それと同時に、新興国の貯蓄が減少し始めるという。

 マッキンゼーは「安価な資本との決別」と題したリポートで、企業や銀行、消費者、投資家、政府はすべて「資本調達コストがより高く、資本が今よりも少なくなる世界、そして世界の貯蓄と投資の半分以上が新興国市場で発生する状態に、われわれは慣れる必要がある」との見方を示した。

 世界経済全体において、貯蓄を超える投資は不可能だ。昔の農家は収穫したトウモロコシを、家族の食料および売却(消費)用と、来年の作付け(投資)のための保存(貯蓄)用に分けたものだ。同様のことが、世界経済にも当てはまる。歴史をさかのぼれば、過去25年間の貯蓄の増加分の大半は中国、およびより貧しい国で発生し、米国などの先進国に流入した。

 倹約的な中国の労働者や農家の預金を、銀行は政府に貸し付けた。政府はこの預金を米財務省や、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に貸し付け、これらの機関はこの預金を米国での安価な住宅ローンのファイナンスに利用した。その後、金融市場がクラッシュし、オバマ大統領が大規模な景気刺激策を採用した。08年の世界の貯蓄の4ドルのうち1ドルは中国の政府、企業、家計の貯蓄だった。

 マッキンゼーは、こうした動きすべてが今後数年間のうちに衰退する運命にあるとし、中国とインドが投資ペースを引き上げることをその理由として説明した。

 マッキンゼーはリポートで「中国は地下鉄や高速鉄道の路線、幹線道路を170大都市で建設することを計画している」としている―― 170大都市だ! 中国が都市部の人口増に対応するためには、ニューヨーク市と同等の住宅・商業スペースを2年ごとに建設する必要がある。インドの場合は毎年、シカゴと同等の住宅・商業スペースが必要になる。

 HSBCのエコノミスト、フレデリック・ニューマン氏(香港在勤)は、アジアでは多くの工場の稼働率が上限に近いことで、企業の設備投資が急増する可能性がある、と予想する。世界経済成長の予想コンセンサスに基づき、マッキンゼーは世界の総生産に占める投資の割合は2010年代終盤までに25%に達する可能性がある、と予想した。これほど高い水準は、1970年代初頭以来だ。金融危機の前は22%超だった。

 ただし、中国の歴史と5カ年計画から判断する限り、同国(とりわけ消費者)の貯蓄は少なくなる可能性がある。また、依然として倹約モードの日本人の貯蓄も減少する公算が大きい。増加する退職者が預金を取り崩すためだ。もっとも、人口が減少するなか、国内に目ぼしい投資案件がない日本は、他国への貯蓄の移転を継続するだろう。

 それでは、貯蓄はどこから来るのだろう。すべてがうまくいけば、その大半は米国から来ることになる。苦難の過去数年間を経て、米国人は貯蓄を増やす可能性が高い。連邦政府は、ヘルスケアと年金への支出を増やすものの、財政赤字を削減するだろう(造語が好きなエコノミストらはこれを「ディスセービング」と呼んでいる)。マッキンゼーによると、米英の家計が今日の状態を維持するなら、世界の貯蓄は1%ポイント増加し、中国の貯蓄減少を補う可能性がある。

 ただし、補えるのは、ほんの一部に過ぎない。世界の過剰貯蓄は、容易に貯蓄不足に変わる可能性がある。これはすなわち、金利の大幅上昇を意味する。

 マッキンゼーによると、もしインフレ調整済みの長期金利が過去40年間の平均に戻るのであれば、1.5%ポイントの大幅な上昇となる。10年国債利回りは現在、3%前後だ。また、新興国によるインフラなどへの投資のペースが、米国やその他の先進国による貯蓄増額のペースよりも速ければ、金利は一層上昇する可能性がある。これは世界経済の成長にとって、望ましくないブレーキとなり得る。

 

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コメント
 
01. 2010年12月10日 12:26:03: cqRnZH2CUM
>米経済が回復したら(いつか、確実にそうなる)何が起きるだろう。一つの可能性はこうだ。世界的な過剰貯蓄の状態が一転し、安価な資本が大量に得られる時代に終わりが告げられる。

先進国の物価が5倍程度になるインフレが生じれば、世界のGDP比金融資産が1/10になり、今の過剰貯蓄時代が完全に終わるだろうが
そのためには新興国の総GDPが今の5倍程度には成長しないといけないから、年10%台の経済成長でも10年くらいはかかるか
そして年10%台のインフレが毎年先進国を襲うくらいなら良いが、
良くあるパターンとして、ある年に急に10倍だと、世界は戦争になるだろうな


02. 健奘 2010年12月13日 09:02:55: xbDm84QDmOFmc : rYd4I1Qido

> 世界経済全体において、貯蓄を超える投資は不可能だ。昔の農家は収穫したトウ> モロコシを、家族の食料および売却(消費)用と、来年の作付け(投資)のため> の保存(貯蓄)用に分けたものだ。同様のことが、世界経済にも当てはまる。

上記は、片面において成り立ちます。もう片面を説明していません。投資には、2つの拠り所があります。すでにある蓄積と、将来リターンで、上記は、すでにある蓄積を語っています。

マイクロに見ると、将来リターンの確率が高いときは、レバレッジをかけることもあるように、過去の蓄積を上回る投資を許します。マイクロを総和すると、投資額は結果的に、蓄積額(貯蓄額)をはるかに超えることが起きます。

実際、1990年には、世界の金融資産は、世界のGDPの1倍ほどでした。2007年には、金融資産は、GDPの3.5倍になります。

さらに注意が必要です。すでにある蓄積は、昔はトウモロコシの蓄積分で説明できたのですが、今は、トウモロコシを生産できる現在の畑になっていることです。すでに構築した生産と流通システムにあることです。



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