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(回答先: 通貨の拠り所(再確認) 投稿者 健奘 日時 2010 年 10 月 23 日 11:32:31)
信用通貨には2つの源流があります。一つは中国の皇帝などが権力で通貨を作り、権力で流通させたもの、もう一つはユダヤ人の両替商が金貨や金塊に代えて金の“預り証”を発行し、金貨の代替物として流通させたことに始まります。この時姑息なユダヤ人は、一斉に「預かった金を返せ」と言われないので、実際に預かっている何倍もの“預り証”を発行して儲けることを考えました。
「預かった金を返せ」との要求に対して用意しておくのが“準備金”、少数の両替商に対して取り付け騒動が起きるような場合の備えて両替商同士が協力して要求に応じるシステムも整備されました。現在では両替商は“銀行”、預かり証は“紙幣”と呼ばれています。ニクソンショックで金兌換が停止されるまでのドルはこのシステムそのものでした。だから米国の中央銀行もどきは、“米国中央銀行”や“連邦中央銀行”ではなく“連邦準備制度理事会”なのです。
預かった金の何倍もに創造した“預り証”または“紙幣”はどうやって流通させるのでしょうか。決してヘリコプターでばら撒くわけではなりません。利子を取って貸し付けるのです。貸付にあたっては担保をとったり保証人を立てさせたりして貸付の保全を図ります。人肉1ポンドを担保にしたベニスの商人に原型を見ることができます。
借りた金は返さなければならないをいう負い目がありますから、借用証を通して支配関係が出来上がります。法律による支配は違反者に対して投獄で強制しますが、貨幣による支配は、借りた人の名誉、保証人、担保などで維持します。逮捕や投獄など国家暴力による力より弱いように見えて実は強力で、普通はベニスの商人のように命を担保には出来ませんが、借金苦とか生命保険による借金の解決を求めての自殺が後を絶ちません。また、意図的に借金返済を踏み倒すとか経済的な支配関係に挑む者には法律による投獄などの強制が待っています。
通貨は貸付に裏付けられて、つまり借りた人が必ず返済するという誓約に対して発行されますから、金等との兌換が保証されていなくても価値は存在します。このように金など有価物との兌換とは切り離されて発行される、世界中のほとんど全ての通貨は“信用通貨”と呼ばれています。
ところで通貨はどこで発行するのでしょうか。ユダヤの両替商が活躍した当時、両替商の互助組織として中央銀行みたいなものは出来上がりましたが、“預り証”の発行者は個々の両替商でした。日本円の発行者はほとんどの人は日本銀行だと思っていますが実は多くの通貨は普通の銀行が作り出しています。確かに日本銀行券という紙幣は日本銀行が発行しますが、通貨には現金通貨の他に“預金通貨”が有ります。銀行にある普通預金と現金と区別しなければならない状況は暴力団や政治家の裏金などを除いて一般にはありません。預金通貨は銀行が銀行のコンピュータの口座に数値を書き込むことによって作り出されます。銀行は預金者から日銀券を預かって、それを他の人にまた貸ししているだけではありません。銀行が貸し出しする時、現金で渡すことは稀で、ほとんど銀行の当座預金や普通預金に振り込みます。現金で渡した場合でも特殊な場合を除いて、政治家の裏金でもない限り現金を会社や自宅の金庫に仕舞っておくことは無く、何処かの銀行に戻ってきて、その銀行では貸し出しに回せます。ということで現金預金をするとその何倍もの預金通貨が“創造”されることになります。これを“信用の創造”といいます。通貨の総量はマネーサプライとかマネーストックと呼ばれ、現金、預金、譲渡性預金、定期預金などの合計を意味します。どこまでを含めるかによってM1とかM2、M3などと区別されます。
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