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株式日記と経済展望
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アブダビの受注では、「原子炉をつくったことがないのにどうするんだ?」
と聞かれた韓国が、「隣に日本があります」と言って東芝に発注しました。
2010年8月9日 月曜日
◆元サムスン電子常務・吉川良三氏「サムスン電子の躍進に学ぶ、グローバル市場を見据えたものづくり」 8月4日 日経BP
http://www.globis.jp/1393-1
(要点のみ)
ひとつ目は、新興国の、いわゆる社会インフラを攻めていこうということ。新興国市場におけるテレビや白物家電といった分野では韓国に勝てないし、いずれ韓国も中国に負けるかも知れないという状況にある。それなら新興国ではまだ未整備な点の多い鉄道、ガス、水道、発電といった社会インフラに力を入れていこうということです。日本は社会インフラの整備に関して高い技術を持っていながら、これまではグローバリゼーションのなかでうまくアピールできていなかった。たとえば昨年12月にUAEのアブダビで原子力発電所建設の受注があったことはご存知ですか? 日本勢は圧倒的な技術力で受注できると信じていたのですが、あとから入ってきた韓国に持っていかれてしまった。経産省にはこれがショックでした。「どうしてだ」と。皆さんおわかりですか? 韓国は原子炉なんてつくったこともないんですよ? 使ってはいます。フランス製を15基。でも日本では、東芝、日立などがきちんと自分で原子炉をつくっている。それでも負けたんです。何故かということですよね。これは後でお話ししますが、日本は技術立国として「技術技術」と言っていますが、技術が競争優位になっていないという大きな証拠なんです。日本人は世界に誇る技術をたくさん持っていると思っていますよね。それ自体は正しい。しかし技術が競争優位に繋がっていないし、利益にも繋がっていないんです。
もう「特許だ特許だ」と言っている時代ではないんです。新しいものを出したら公開して、仲間を増やしていくことが重要なんです。政府があれこれ騒いで争わなくとも、仲間を増やすことで皆が日本のつくった規格を守ってくれればデファクトスタンダードになっていきます。たとえば来年から地デジになりますよね。地デジにも規格がありますから、日本の総務省がグローバル化を目指して頑張っていた。ヨーロッパやアジアは相手にしてくれなかったのですが、南米はほとんど取ったんです。8カ国すべて、日本の規格で地デジを放送することになりました。しかしそんなことをやっているうち、規格はとったけれども地デジが映るテレビはぜんぶサムスンに取られてしまった。サムスンとLGはずっと見ていたんですよ。そして日本の地デジが南米を制覇しそうだとみた瞬間、一気呵成に生産していったんです。だから南米ではサムスンやLGのテレビが標準になる。日本が後から行っても、もう勝てないということで、また実をとられてしまった。総務省、NHK、パナソニック、シャープ、東芝、NEC…、彼らが連合になっていけばすべて取れていたんですよ。それを勝手ばらばらにやって国も知らんと言っているわけですから韓国に負ける。これがグローバリゼーションの大きな流れのひとつなんです。
原子力という話が出ましたので、ここで、冒頭でも触れたアブダビの一件についてお話ししましょう。アブダビでの受注は原子炉の技術勝負になったわけではないんです。石油はいずれに枯渇しますから、UAEとしては、今エネルギーを原子力発電に替えたかった。だから原子炉をつくる技術ではなく、稼働率が問題になっていたんです。韓国はフランス製の原子炉を15基保有していますが、その稼働率は90%。日本は55基保有していますが、稼働率は60%未満なんです。なぜかと言うと日本人のトラウマですね。長崎と広島。“原子”とつくと背筋が寒くなってしまう。ちょっとでもトラブルがあったら「反対!」となってしまうんです。そもそも原子爆弾と原子力発電はまったく原理が違うのに、です。日本では二次冷却水を貯蔵するタンクに少しヒビが入って水漏れすると、それだけで大騒ぎになって2〜3年止まってしまいます。でも韓国は水漏れしたってへっちゃらですよ。止めるわけがない。原子炉が爆発したら別ですが(会場笑)。世界中で300〜400基の原子炉があるにも関わらず、過去に爆発で人が死んだ例は2件しかありません。アメリカのスリーマイル島と旧ソ連のチェルノブイリだけ。もの凄く安全なんですよ。だからアブダビの受注では、「原子炉をつくったことがないのにどうするんだ?」と聞かれた韓国が、「隣に日本があります」と言ったら、「おおそうか。日本の技術は大したものだから、じゃあ発注しよう」ということになった。実際、韓国勢は帰国したらすぐ東芝に発注しました。要は運用技術がなかったんです。日本に頼んでも、何か起きたらすぐ止められると思ってしまう。それでは彼らも困ります。これは技術が競争優位になっていないという証拠なんですね。技術を競争優位に変えるためにはシステムとして戦わないといけません。韓国は韓国電力一社が前に出てきて戦いましたが、日本は、北海道電力、東京電力、関西電力…、7社がばらばらに動いていた。それをひとつにして売っていかないとだめだということです。
吉川:意思決定については、恐らく皆さんも「財閥で会長だからもの凄いトップダウンなんじゃないか」と思っておられるのではないでしょうか。でも実はそうでもないんです。まず、サムスンは地域専門家制度をはじめたときに5つの本社を置くという方針を立てました。韓国だけではだめだから、アジア本社、ヨーロッパ本社、北米本社、日本本社をつくり、それぞれの本社に決定権を持たせたんです。また、私は日本の三現主義と異なる“新三現主義”と言っていますが、サムスンでは「現地・現材・現人」が基本です。現地では製造だけではなくR&Dも行い、現地で材料を調達し、現地の人々を雇用する。すると、たとえばインドでは冷蔵庫に鍵が欲しいということになるのですが、そのスペックはインド人が考えていくようになるんです。そんな風にして、すぐに製品へフィードバックする仕組みをつくっていたのですね。それからEVについてですが、サムスンは会長がエンジン車で悔しい思いをした瞬間から、実は電気自動車に入り込んでいます。もうエンジンはいいと。実際にはCT&Tというベンチャーを使って電気自動車やっています。現在、EVでトップは中国のDYDですね。それから韓国のCT&T、シリコンバレーのベンチャー企業テスラと続き、日本は4番手です。下手をすると日本のEVは負ける可能性があるかも知れません。もう考え方がまったく違いますから。日本人はリチウム電池を研究して300キロ走らせようとしますが、これは東京と熱海を往復できるという基準なんです。でも、このあいだ日産副社長の山下光彦さんに聞いたのですが、DYDはすでに302キロ走るEVをつくっているというんですよ。で、「ウソだろ!」と思って行ってみたら3トンぐらいの自動車で、そのうちの2トンが電池だった(笑)。ただ、日本ならそれは自動車じゃないと言いますが、実際に乗ったら熱海に行って帰ってくることができてしまう。だから売れるんですよ。そのようにして、彼らはまず売って、その後から少しずつ小さくしていくという発想なんです。でも日本は小さくなるまで出さない。何かこう…、消費者の望んでいる目的を見失っていますよね。「電池を小さくして、できるだけ走行距離を伸ばし、さらに値段が安くなるまで待とう」なんて言っているあいだに市場を奪われてしまう。たしかにリチウム電池は日本の技術が最高ですし、EVでは特に重要なパワー半導体分野を日本が圧倒的に押さえていますから、強みは大いにあります。しかし企業単体でやっているとこれまでと同じように持ってかれてしまう。やはり今日お話ししたように、国家プロジェクトとしてやっていく姿勢が大事だと個人的には思いますね。
吉川:アキレス腱はいっぱいありますよ。ひとつは要素技術にあまりお金をつぎ込まないこと。今、サムスンが勝っているのは金と度胸でやっているものばかりでしょ? でもこれは負けることもあって、現に液晶テレビはほぼ撤退に追い込まれています。現場のほうでサムスンは4位か5位ですよね。サンドイッチ現象が起こっていますから。だから現在は中国で売れている電子デバイスや装置に方向転換をしているんです。積層コンデンサもばんばんやるし、半導体製造装置もやるし、フォトレジストにも手を出す。たしかにこの方向転換は脅威ではありますが、こういった分野だけはかなりの基礎技術が必要です。日本は基礎技術や要素技術が強いのだから、やはりその点を意識して“持っていかれないように”すること。日本はガードが甘い。人ごと持って行かれますよね。だから先日、御社の専務にもお話ししておきましたよ。「ガードが甘いから堅くしろ」って(笑)。
(私のコメント)
グローバル化の良い面を生かしているのが韓国メーカーであり、日本の技術者を厚遇で引き抜いている。日本の家電メーカーは経営難で多くに技術者を冷遇していますが韓国メーカーが引き抜いてサムスンなどには数百人の日本人技術者が働いている。ならば日本企業ごと買収してしまえということに将来なるかもしれない。
日本で開発されたものが、すぐに韓国や中国で作られるのも日本人技術者の引き抜きがあるからであり、特許でガードしようが管理を厳重にしても引き抜きでみんな機密が漏れてしまう。韓国企業が得意とする分野が日本とダブルのはその為であり、韓国企業は日本企業の影のようなものだ。しかしやがて影がより大きくなればサムスンがソニーを買収する事もありうる。
現在のアメリカは日本企業を目の仇にしており、トヨタを始めとして集団訴訟などで吊るし上げにあっている。それを回避する為に韓国や中国が影になって製品を作らせてアメリカに輸出しているという日本の戦略でもあるのだろう。アメリカにしても韓国や中国を叩くわけには行かないからだ。つまり韓国や中国は日本の影であり別働隊のようなものだ。
日本の技術が韓国や中国に流れるのは技術者の人的引き抜きがある限り防ぐ事ができない。日本で再就職しても300万か400万にしかならなくても韓国や中国でなら500万から700万円で引き抜かれれば防ぎようが無い。トータルで見れば日本の部品が韓国や中国に輸出されて日本の利益になる。
地政学的に見れば、日本、韓国、中国、台湾と一つの文化圏を形成しているのであり、アメリカは日中の結びつきが大きくなるのを恐れている。目に見えないところで日中の人的交流が進んでおり、ヨーロッパのEUのような共同体が出来ていくのではないだろうか? 戦前においては朝鮮半島や台湾は日本の領土であり中国の東北部も日本の一部のようなものだった。
だからアメリカは日本が強大化しないように分断化しましたが、極東アジア一帯が世界の中心になる事も考えられる。そうなる事を恐れてアメリカは日中の分断工作をしているのであり、中国や韓国の反日運動の背後にはアメリカの国務省がある。日本の民主党政権が出来てアジアよりの外交政策を打ち出したことでアメリカはG2戦略を棄てて中国との対決姿勢に転じてきた。その狙いは日中の分断だ。
日本の戦略としては、中国全土が民主化されることは無理だろう。しかし上海や大連や香港などは民主化して独立する事が可能だ。いずれも日本が一時的に支配した地域であり、中国がいくつかに分裂して極東の共同体として形成される事があるかもしれない。その障害となるのが在日米軍の存在であり、その為に日本は孤立化させられている。
◆わが国が80年代に“世界の工場”として君臨していた当時、韓国企業にあまりにも気前よく技術やノウハウを教示し過ぎたことを指している。 3月16日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/5d1bc10c0e3d5fd91cf03da293173e98
(本日の私のコメント)
今年上半期(1〜6月)の国際収支が前年同期比47・3%増の8兆5262億円の黒字となったニュースがありましたが、アジア向けなどの輸出が拡大した為だ。90年代まではアメリカが第一の輸出市場でしたが00年代半ばには中国向けの輸出入額がアメリカを上回るようになりました。アジアが豊かになれば日本の利益でもある事は明らかだ。
元サムスン電子の吉川氏の話によれば、サムスンはいち早くグローバル化戦略をとって5つの本社体制で「現地現在材現人」の地域化を進めて現地に合う商品作りで成功している。それに対して日本のメーカーは日本の本社が決めないと何も進まない仕組みであり、トヨタにしてもアメリカでの欠陥車があってもいちいち本社に報告して決める仕組みだった。
それくらいサムスンは輸出市場開拓に全力で向かっているのですが、日本企業は円高や貿易黒字などで慢心してしまって、いつの間にかサムスンに日本企業が束になっても勝てないほどに成っている。家電製品ばかりでなく原子力発電所もアブダビで韓国企業が受注に成功するなど世界を驚かせている。
しかし内容を良く見て見れば韓国は原子炉を作ってはいないし東芝に主要部は発注しなければならない。フランスのアレバに持っていかれるかより良いだろう。サムスンや現代などは基礎的な研究は日本に頼っている訳であり、中国などもパクリ商品で海外進出している。日本が経常黒字なのも韓国や中国企業に負けていると言うよりも、裏では着実に稼いでいる。
何事もひとり勝ちなのは良くないことであり利益を独占すれば周囲からの反発を招いて繁栄は長続きしない。デジタル技術にしても南米を中心に日本の方式が取り入れられていますが、技術を積極的に公開して世界標準を取りに行く為には韓国や中国などの協力が必要だ。日本メーカーは特許を取って囲い込んでしまってはガラパゴス化してしまいますが、世界標準を取れば利益は世界的なスケールで得ることが出来るようになる。
武田信玄の名言には「いくさというものは、六、七分の勝利で十分である。八分の勝利は危うし。九分、十分の勝利は、味方の大負けの下作りなり。」と言う言葉がありますが、80年代の日本はひとり勝ちして世界からジャパンバッシングを受ける事になった。だから日本の技術をアジアにおすそ分けをして地域全体で経済発展すれば叩かれずにすむ事になる。
韓国の企業の積極的な世界展開も摩擦を防ぐ為であり、サムスンやLGはもはや韓国企業とは言えないのであり、企業が栄えても国民はその恩恵が得られないのは日本と似ている。EV用の電池にしてもLGはアメリカに工場を作りましたが、日本は国内で技術開発を優先している。これなども世界標準の問題などがあり、日本だけの技術独占は日本たたきの元になる。
ある程度の技術公開はして世界標準が取れれば中核になる技術で大きな利益が得られる。原子力発電所の技術も同じであり中核の技術はアメリカや日本が持っている。武田信玄のような戦国の覇者となるためには勝ちすぎることは驕りを生んで恨みをかう事になる。日本の技術が人を通じて韓国や中国に漏れるのは防ぎようがない事ですが、世界標準化のためと割り切ることも大切だ。
造船技術も韓国や中国にお株を奪われましたが、大型船舶用のジーゼルエンジンは日本とヨーロッパの三つのメーカーしか作ってはいない。韓国で作っているジーゼルエンジンはライセンス生産なのだ。EV車やハイブリットカーの技術も公開してパソコンのウィンドウズのように世界標準化すれば中核技術で利益を独占できる。
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- Re:阿修羅板も落ちぶれたもんだねぇ。こんな幼稚園レベルの作文の間違いにすら気づけないなんてw 夏水仙 2010/8/11 18:49:29
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