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(回答先: 日本の「家計貯蓄率」は世界最低水準 「貯蓄」が映し出す日本経済の不安 投稿者 gikou89 日時 2010 年 7 月 20 日 00:54:15)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0719&f=business_0719_009.shtml
7月15日、第2四半期の実質GDP成長率が発表された。結果は10.3%。第1四半期の11.9%と比べれば、1.6ポイントも低い。先週に入りマスコミが報じた事前予想のコンセンサスは10.5%。それと比べても0.2ポイントほど低くかった。これで2009年第1四半期を底に、第2四半期から続いた経済の回復は、4期でピークアウトすることになった。
6月の月次経済統計についても一通り説明しておこう。
工業生産は13.7%増。5月と比べ2.8ポイントも低下した。しかし、トレンドをみる限り、足元で急激に鈍化している訳ではない。1、2月をピークに増加率は既に鈍化傾向にある。
1〜6月の都市部固定資産投資は25.5%増。1〜5月の累計と比べ0.4ポイント低下した。こちらのピークは2009年5月。一旦伸び率が鈍化した後再び盛り返し、9月には2つ目のピークを形成しているが、それ以降増加率は鈍化を続けている。水準が高いので目立たなかっただけで、設備投資の増加率は昨年早々にピークアウトしている。
小売売上高は18.3%増。5月と比べ0.4ポイント低下した。しかし、こちらは、6月こそ増加率はやや低下したが、トレンドで見る限り、依然として上昇を維持している。
貿易収支は先週のコラムで示した通り。200億ドルと前月よりも5億ドルほど増えている。対前年比では151.9%増と大幅増。輸出は過去最大額を記録、ただし、伸び率は43.9%増で、5月よりも4.6ポイント低下した。一方輸入は34.1%増。5月よりも14.2ポイント低下した。
消費者物価指数は2.9%上昇。5月と比べ0.2ポイント低下した。政府の管理目標は3%であり、それを下回っている。工業製品出荷価格指数は6.4%上昇。5月と比べ0.7ポイント低下した。原材料、燃料などの価格上昇率が鈍化している。コストプッシュ型のインフレはピークアウトした可能性がある。
M2は18.5%増。5月と比べ2.5ポイント低下した。今年の管理目標は17%増前後。6月の増加率は目標値に大きく近づいた。
人民元新規貸出増加額は6034億元。5月と比べ360億元減少した。一般に四半期末月は、銀行員の人事評価上の理由から激しい貸出競争が行われ、大幅増となりやすい。その6月の増加率が前月よりも鈍化したということは、政府のコントロールがよく効いている一つの証拠である。
ただし、上半期全体の人民元新規貸出増加額は4兆6176億元に達しており、政府の今年の目標である7兆5000億元に対して、すでに61.6%に達している。政府の目標内に収めるためには月平均4800億元程度に抑えなければならない。今後新規貸出額は更に絞り込まれる可能性がある。
今回の景気循環を大まかに説明すれば、金融危機への対応として、4兆元の内需拡大策を筆頭に、超金融緩和政策、産業政策、補助金による消費活性化策など、なりふり構わぬ政府主導の政策によって、経済は2009年第1四半期を底に大きく回復した。しかし、公共投資の波及効果は限られる。素材産業を中心とした強気の生産も長くは続かない。
消費は確かに堅調であるが、経済に占めるウェイトは49.1%(2008年)にしか過ぎず、経済全体を引っ張るには力不足。
超金融緩和政策の結果、2009年1月から7月にかけて株価は急騰、その後政府は急遽、過剰流動性の吸収に着手、株価上昇は抑えられたが、投機資金は不動産に回り、価格急騰を引き起こした。こちらは過剰流動性吸収を続けるとともに、銀行に対して不動産向け融資を絞り込むような直接的な行政指導などを駆使、5月以降、不動産価格上昇は落ち着きを取り戻している。
こうした思わぬ景気対策の副作用によって、政府は部分的に引き締め政策を行わざるを得ない状況となっており、不動産投資を中心に、設備投資が抑えられつつある。外需についてはここ数カ月、回復基調が続いているが、アメリカから厳しい人民元切り上げ圧力がかかっており、輸出主導で経済を成長させることは困難である。
公共投資に続く民間投資が出てこなければ、経済回復はおぼつかない。中国経済は大きな曲がり角に差し掛かっている。
地域開発は即効性があって規模も大きな政策である。しかし、不動産開発がどうしても絡んでくるため、中央も安易に拡大させることはできない。
一方、消費拡大策は構造改革を進める上で非常に重要な政策であるが、即効性に欠ける。人件費だけ増やそうとしても、企業業績が良くなければ、難しい。労働分配率を引き上げるような政策は企業の活力を弱めてしまう。時間をかけて行うべき政策である。
経済成長率の鈍化を受けて、株式市場は再び政策催促相場となりそうだ。不動産価格抑制策、貸出抑制政策はいつまで続くのか。大きな需要が見込めそうな政策は出てくるのか……。超大型IPOとなった農業銀行であるが、7月15日に上場したばかりである。もし株価が公募価格を割り込んで、下落傾向を強めるようであれば、銀行セクターは総崩れとなる。マーケット全体にも大きなダメージを与えるであろう。
7月に入り、せっかくリバウンドした上海総合指数であるが、政府が経済や株式市場に対してポジティブな態度を示さない限り、底割れの危険性がある。今後の株式市場は政府次第である。(執筆者:田代尚機 TS・チャイナ・リサーチ(株)代表取締役 編集担当:水野陽子)
レッド・センセーション on サーチナ 第106回−田代尚機
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