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【映画】強欲は善だ、ゴードン・ゲッコーの逆襲−「ウォール街」続編
http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/155.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 5 月 19 日 00:17:25: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: ギリシャ支援効果なし混乱したマーケットは、もう落ち着いたようにも見える。 投稿者 gikou89 日時 2010 年 5 月 19 日 00:15:58)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=acF4baSv1qrk

 5月17日(ブルームバーグ):8年間の刑務所暮らしに別れを告げるべく、ゴードン・ゲッコーは入所時に保管された私物を受け取っている。

  「シルクのハンカチ1枚、ネクタイ1本、ゴールドの紙幣挟み1、紙幣なし」と看守が確認するのをゲッコーは見守る。看守は最後に、「携帯電話が1台」と前世紀の遺物である巨大な携帯電話を机に置く。

  オリバー・ストーン監督の1987年のヒット作「ウォール街」が、スクリーンに戻ってきた。続編の「ウォール・ストリート:マネー・ネバー・スリープス(仮訳:ウォール街:マネーは眠らない)」では、前作に続きマイケル・ダグラスが主役のゲッコーを演じる。しかし今度のゲッコーには、エスコート嬢を乗せたプライベートジェット機も派手なリムジンも高額美術品もない。ただ1つ残った資産、あり余る金融知識を使ってゲッコーは「イズ・グリード・グッド?(強欲は善か)」を出版する。

  ストーン監督がカンヌ映画祭のプレミアで語ったように、ゲッコーは1990年代以降の金融界を牛耳った本物の強欲な人々に比べれば小物に見える。同監督は続編制作に乗り気でなかったが、2008年のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たんと公的資金による金融業界救済をきっかけにゲッコーを生き返らせることを決めたという。

  21世紀の目で見ると、前作の「ウォール街」は古めかしい。「クール」に見えていた肩パッドの入った服装や、ボリューム感のある髪型、タルタルステーキなどに当時の色が顕著だ。それでも、主要登場人物3人には引き付けられる。ゲッコーと上昇志向の強い部下のバド・フォックス(チャーリー・シーン)、ブルーカラーのバドの父親(マーティン・シーン)の3人だ。バドはゲッコーと父親の間で揺れる。2人はバッドの両極端の価値観、つまり極度の貪欲と高い理念を象徴しているからだ。

         マイケル・ダグラス健在

  続編の「マネー・ネバー・スリープス」には前作のような強烈なドラマがない。多くの新しいキャストが加わっているが、前作から残っているマイケル・ダグラスのゲッコーだけが輝いている。一貫した演技は再度のアカデミー賞に値するだろう。

  新しい登場人物の中心はジェーク・ムーア(シャイア・ラブーフ)だ。父を酒に奪われ、ウォール街の大物である上司のルイス・ザベル(フランク・ランジェラ)を師と仰ぐ自己勘定トレーダーだ。

  ジェークは金を愛している。一方で、善をなしたいという気持ちも強い。2つを共存させるために、ジェークは資金を必要としている代替エネルギー会社のために投資家を見つけることにする。ボーナスに貪欲なウォール街の新人が、理想主義に基づいて投資アドバイスをするという矛盾した話だ。

  ジェークがゲッコーの娘、ウィニー(キャリー・マリガン)と付き合っていることから、ジェークとゲッコーの運命が交錯する。ウィニーは今も父を許していない。ゲッコーがテレビのトークショーで著書を売り込むのを見ているウィニーは、リモコンを画面に投げつける。

              敵役

  ジェークとゲッコーはウィニーへの愛情に加えて、米政界に顔の利く名門投資銀行、チャーチル・シュワルツのパートナー、ブレトン・ジェームズ(ジョシュ・ブローリン)への憎しみも共有している。

  ワインレッドのディナージャケットを着て葉巻をくゆらせるジェームズは、そのキャラクターから考えて偏執的に疑い深く敵に容赦がないはずだが、意外にも環境に優しいポートフォリオを追加するためにジェークを雇う。ジェークはジェームズの敵(ザベル)の下で働いていた上に、もう1人の敵(ゲッコー)の娘と交際しているというのに。

  アラン・ローブ共同脚本の新作では、金融物としての筋書きの真実味は高まっている。ジェークが勤務する2社のうち、たたき売られ政府に救済を拒まれる1社目はリーマンとベアー・スターンズの合体版のようだ。2社目はゴールドマン・サックス・グループを彷彿(ほうふつ)させる。

  ストーン監督は20年前の「ウォール街」で、ゲッコーという伝説を生み出した。ゲッコーは多くの憧れの的として崇拝されてきた。新作もサスペンスたっぷりだが、続編を作りたがらなかった同監督の感覚が正しかったようにも思われる。(ファラ・ネイエリ
 

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